経理業務を効率化する4つの方法!成功ポイントと注意点を経理のプロが解説

経理業務を効率化するには、不要な作業を見直し、業務を可視化・標準化することが重要です。そのうえでツールやアウトソーシングを組み合わせて活用すると、効率化の効果を最大化できます。

経理業務を効率化する主な方法は、次の4つです。

  • 業務プロセスの見直し
  • 電子化(ペーパーレス化)
  • ツール・AIによる自動化
  • アウトソーシングの活用

本記事では、業務の可視化・棚卸しの具体的な進め方とあわせて、これら4つの方法をどのように組み合わせて効率化を実現するか詳しく解説します。

Table of Contents

経理業務の効率化が進まない理由

経理 業務効率化

経理業務の効率化が進まない主な原因として、「紙の業務」「手作業」「属人化」「人手不足」の4つが挙げられます。

多くの企業で共通しているのは、本来の目的や必要性が十分に見直されないまま、「長年やってきたから」という理由で従来の運用が慣例的に続いている点です。その結果、非効率な作業が残りやすく、改善が進みにくくなっています。

<経理業務でよくある4つの課題>

1.紙ベースの書類が多く、業務が非効率になっている
請求書や領収書を紙で受領・保管している場合、確認・転記・ファイリングなどの作業が発生します。作業時間が増えるだけでなく、入力ミスや手戻りの原因にもなります。

2.手作業の業務が多く、業務負担が大きい
仕訳入力やデータ転記などの定型作業を手作業で行っている企業は多く見られます。作業量が増えるほど人的ミスや処理の遅れが起こりやすくなります。

3.専門性が高く、業務が属人化しやすい
経理業務は専門知識が求められるため、特定の担当者に業務が集中しがちです。担当者が不在になると業務が滞り、改善や見直しも進みにくくなります。

4.慢性的な人手不足で改善に手が回らない
日常業務に追われる中で、効率化の検討や新しい取り組みに時間を割けない企業も少なくありません。その結果、非効率な運用が固定化する傾向があります。

経理業務を効率化する4つのメリット

経理 業務効率化

経理業務を効率化すると、業務負担の軽減だけでなく、業務品質の向上や属人化の解消など、組織運営にもよい影響があります。

主なメリットは、次の4つです。

  • 業務負担の削減
  • ミスの削減・正確性の向上
  • 業務の属人化解消・標準化
  • コスト最適化

業務負担の削減

経理業務を効率化すると、経理担当者の業務負担を大きく削減できます。結果、財務分析や予算管理といったコア業務に注力しやすくなります。

経理業務では、請求書発行や経費精算、仕訳入力などの細かな作業が毎月発生します。特に手作業によるデータ入力が多いほど、時間と手間がかかります。
人手不足の企業では担当者の負担が大きくなり、日々のルーチンワークに追われてしまうケースも少なくありません。

会計ソフトや経費精算システムなどのツールを導入して業務を効率化すれば、定型作業を削減できます。これにより、より付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。

ミスの削減・正確性の向上

業務効率化を進めることで、ヒューマンエラーを削減でき、業務の正確性が向上します。

経理業務では、多くの数字を扱うため、ヒューマンエラーが発生しやすくなります。特に、数値に関するミスは企業の信頼を損なうため、極力防ぐことが重要です。

業務効率化では、まず作業プロセスを見直します。そのうえでツールを導入して自動化すると、ミスの発生を抑えながら処理の精度を高められます。

例えば、会計ソフトを活用すれば、入力補助機能などにより手入力によるミスを防ぐことが可能です。また、クラウド型の経理ツールでは、銀行データ連携などによって入力作業そのものを減らせるほか、異常値や未処理データを通知する機能により、ミスの早期発見にもつながります。

業務の属人化解消・標準化

経理業務を効率化すると、属人化を解消し、作業を標準化できます。各業務のプロセスを見直して無駄を排除することで、作業手順が整理され、誰が担当しても同じ流れで業務を進められるようになります。

業務が標準化されると作業の質が安定し、担当者の変更時にも引継ぎがスムーズになります。また、業務の透明性が高まることで、経営者や管理者が状況を把握しやすくなり、より適切な意思決定にもつながるでしょう。

コスト最適化

無駄な作業を削減できる点も、経理業務効率化の大きなメリットです。残業の抑制や人件費の削減につながり、結果として、人件費や運用コストの最適化が実現します。

また、業務の標準化により作業がスムーズになり、ミスの修正にかかる時間やコストも削減可能です。

さらに、経理業務をデジタル化してペーパーレス化を進めることで、紙書類にかかるコストも削減できます。請求書や領収書などをデジタル管理すれば、印刷代や郵送代だけでなく、書類の保管スペースや管理コストの削減にもつながるでしょう。

経理業務の効率化は「業務の可視化・棚卸し」から着手する

経理 業務効率化

経理業務の効率化は、業務の可視化・棚卸しから着手するのが基本です。

業務を整理しないままツール導入を進めると、従来のやり方が混在し、かえって手間が増えるおそれがあります。まずは現状を正確に把握し、課題を明確にすることが、効率化の第一歩です。

業務の可視化・棚卸しでやること

業務の可視化・棚卸しでは、「現在、経理業務で何を行っているか」をすべて書き出して整理します。

具体的には、次のような項目で洗い出しましょう。

  • 業務内容(仕訳、請求書処理、経費精算、支払、決算対応など)
  • 発生頻度(毎日・毎月・年次など)
  • 担当者
  • 作業時間の目安
  • 紙かデータか

これらを整理することで、どの業務にどれだけの負荷がかかっているのかを可視化できます。

業務を書き出すことで、次のような課題が明確になります。

  • 手作業や転記が多い
  • 紙の受け渡しが発生している
  • 特定の担当者に依存している
  • 工数の割に付加価値が低い

これらは効率化の優先候補となります。感覚ではなく、業務量や作業内容をもとに整理することが、棚卸しのポイントです。

可視化・棚卸しで見落としがちなポイント

「可視化・棚卸し」は一見シンプルな作業です。しかし、実務では属人化や例外処理の多さから、単に書き出すだけでは全体像を把握できないケースも少なくありません。

業務の棚卸しでは、次のような理由で整理が進まないことがあります。

  • 担当者ごとに業務のやり方や認識が異なり、業務の粒度が揃わない
    (例:月次業務としてまとめて捉える人と、作業単位で捉える人が混在している)
  • 返金・相殺・個別請求などの例外処理が多く、標準フローが定義されていない
  • 申請遅れや証憑未提出など、経理だけでは解決できない課題が含まれている

可視化・棚卸しをスムーズに進めるには、次の点を意識することが重要です。

  • まずは現状のまま書き出し、その後に粒度を揃える
  • 「誰が・どのように処理しているのか」や、例外処理まで踏み込んで把握する
  • 他部署に依存している業務を明確にする

これらを押さえて整理することで、業務の実態を正確に把握できます。

棚卸しの結果が次の施策につながる

業務の可視化・棚卸しによって業務内容や負荷を把握すると、優先すべき改善の方向性が明確になります。「どの効率化施策を、どこから着手すべきか」を判断する起点となる重要なプロセスです。

単なる業務量の把握にとどまらず、意思決定につなげるための取り組みとして進めることが大切です。

具体的には、次のような施策の方向性が見えてきます。

  • 無駄や重複が多い業務 → 業務プロセスの見直し
  • 紙処理や書類管理が中心の業務 → 電子化(ペーパーレス化)
  • 定型作業が多く、ルール化しやすい業務 → ツール・AIによる自動化
  • 工数が大きい、または専門性が高い業務 → アウトソーシングの活用

棚卸しの結果をもとに施策を選択することで、自社の課題に合った効率化を無理なく進められます。

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経理業務を効率化する方法1. 業務プロセスの見直し

経理 業務効率化

業務プロセスを見直すことで無駄や重複を解消でき、電子化やツール導入、アウトソーシング活用といった施策の効果を高められます。経理業務効率化において、最優先で取り組むべきステップです。

まずは現状の業務フローを整理し、不要な工程を見直しましょう。

ECRSの原則で業務を見直す

ECRSの原則を基準に業務を見直すと、プロセスがスムーズに整理され、具体的な改善アクションにつなげやすくなります。

ECRSの原則は、以下の4つのステップで構成されます。

  • Eliminate(削除): 不必要な業務やプロセスを削除する
  • Combine(統合): 似たような業務を統合する
  • Rearrange(再配置): 業務の順序を最適化する
  • Simplify(単純化): 業務を単純化し、複雑さを減らす

この4つの視点で、棚卸しで洗い出した業務を見直しましょう。「そもそもやらなくてよい業務」「簡単にできる業務」が明確になります。

「見直すべき業務」の特徴

まず見直すべき業務は、「非効率のまま運用が続き、同じようなミスが繰り返されている業務」です。

特に次のような状態の場合、改善の余地が大きくなります。

業務の状態 問題点
二重入力・転記が発生している 請求書内容をExcelへ入力し、その後会計システムへ再入力している
担当者によって処理方法や結果が異なる 判断基準が明文化されておらず、属人的な対応になっている
差し戻しが頻発している 申請不備・証憑不足・認識のズレが常態化している
業務が特定の期日に集中している 前倒しできる工程が整理されておらず、月末・締日前後に負荷が偏る
毎月同じミスが繰り返されている チェックが個人の注意力に依存しており、仕組み化されていない
チェック工程が多層化していて責任の所在が曖昧 確認者が多いだけで、実質的な統制になっていない

 

これらの業務は、手順の標準化や役割整理によって改善効果が出やすく、ワークフロー見直しの優先対象となります。

ただし、すべてを一度に変えようせず、効果が出やすい業務から着手することがポイントです。

「やめてよい業務」の判断基準

やめてよい業務は、「法令対応の必要性」「業務の目的」「利用実態」「コスト対効果」の視点で判断します。

具体的には、次の観点で整理すると判断しやすくなります。

判断基準 取るべき対応
法令・税務・監査対応として本当に必要な業務か 必須でない場合は、簡素化や廃止を検討する
会社として「何を把握したいのか」という目的に合っているか 売上分析・コスト管理・資金把握など、重視する指標に直結しない業務は見直しを考える
作成した資料が実際に意思決定に使われているか 「作っているだけ」の資料は削減対象にする
作業にかかる工数・コストと得られる効果が見合っているか 工数・コストに対して効果が小さい場合は優先度を下げる
厳密な数値管理が必要なのか、基準管理で代替できるのか 詳細集計ではなく、一定の数値を超過した際のアラート管理に切り替える

 

実務では、従来のやり方を踏襲する中で、本来の目的やコストへの意識が薄れがちです。その結果、意思決定に使われていない資料や、費用対効果の低い作業が惰性的に続くケースもあります。

「目的・利用実態・コスト」の観点で業務を見直し、不要な業務を整理することで、業務全体がシンプルになり、効率化の土台が整います。

ワークフローを簡素化・標準化する

ワークフローの簡素化・標準化は、処理の停滞や差し戻しを減らし、業務スピードを高めるのに有効です。

特に経理業務では、承認や確認の工程が複雑化しやすく、これが非効率の原因となります。業務プロセスを見直す際は、「誰が・いつ・何を判断するか」を明確にすることが重要です。

具体的には、以下のような状態に陥っていないかを確認しましょう。

  • 承認者が多すぎる
  • 同じ内容を複数人で重複して確認している
  • イレギュラー対応が常態化している

これらを整理することで、処理スピードと判断の一貫性が高まります。標準化された業務フローにより、現場の運用もスムーズになるでしょう。

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書類フォーマットを統一する

書類フォーマットのばらつきは、確認や差し戻しの原因になります。業務プロセスを見直す際には、フォーマットの統一が不可欠です。統一することで入力ミスや確認工数を削減でき、業務全体の生産性向上につながります。

具体的には、次の観点でフォーマットを見直します。

  • 必須項目をあらかじめ定義する
  • 表記ルールや入力方法を統一する
  • 不要な記載項目を削減する

これらを意識して、請求書や経費申請書などの形式を統一することで、確認や入力の手間を削減できます。結果として、電子化や自動化の導入もしやすくなります。

データを分断せず「統合」する

データを統合することで、転記や突合といった二度手間を減らせるだけでなく、電子化や自動化も進めやすくなります。

業務プロセスの見直しでは、経理データを分散させないことが重要です。会計・請求書・経費データが別々に管理されていると、同じ情報を何度も入力・修正する非効率が生じ、ミスのリスクも高まります。

データを統合する際は、次の観点で整理しましょう。

  • どのデータを起点に業務を進めるか
  • どのシステムを「正」とするか
  • システム間で手動入力・二重管理が発生していないか

データの持ち方や流れを整理することで、以下のような効率化施策もスムーズに進められます。

  • 電子化(ペーパーレス化)
  • クラウド会計や経費精算による自動化
  • アウトソーシングとの連携

経理業務を効率化する方法2. 電子化(ペーパーレス化)

経理 業務効率化

電子化(ペーパーレス化)は、書類管理の手間やコストを削減すると同時に、データ活用や自動化を促進し、経理業務全体の効率化を加速できます。

紙前提の運用を見直し、データで完結する仕組みに移行することで、作業時間や管理コストの大幅な圧縮が可能です。電子化は単なるペーパーレス化にとどまらず、入力の自動化やシステム連携を実現する基盤となる取り組みです。

この基盤を整えることで、自動化や業務改善施策もスムーズに展開できます。

以下は、電子化すべき代表的な書類例です。

  • 受領請求書
  • 発行請求書
  • 領収書・レシート
  • 納品書・契約書(経理保管分)

経理書類を電子で受領・保管する仕組みを作る

経理書類を電子で受領・保管する仕組みを整えることで、紙の受け渡しや管理にかかる手間を削減でき、業務スピードを高められます。

具体的には、次のような流れで電子化を進めるとよいでしょう。

  • 請求書・領収書はPDFやデータで受領する
  • メールやクラウドサービス経由で集約する
  • 電子データを一元管理できる保管先を決める

受領から保管まで電子化することで、「確認」「回覧」「ファイリング」といった作業が不要になります。結果、作業負担の軽減と処理スピードの向上が同時に実現します。

紙書類のスキャン・データ化作業を標準化する

紙書類のスキャン・データ化を標準化することで、紙とデータが混在する状態を防ぎ、データ管理を前提とした効率的な業務フローへと移行できます。

現場では、取引先や運用の都合により、すべての書類を電子化するのが難しいケースも少なくありません。そのため、紙で受領した書類をどのようにデータ化し、管理するかルールを明確にしておく必要があります。

紙書類のデータ化を標準化するための運用ルールは、次の通りです。

  • 書類を受領したら必ずスキャンする
  • スキャン担当と実施タイミングを決める
  • ファイル名や保存場所のルールを統一する

運用のばらつきを防ぐためには、これらを個人任せにせず、社内ルールとして定めることが大切です。

経理業務を効率化する方法3. ツール・AIによる自動化

経理 業務効率化

ツールやAIによる自動化により、入力・転記・突合・確認といった定型作業を削減できます。特に、業務を標準化・電子化したうえで活用することで、経理業務の大幅な効率化が可能です。

経理業務の多くはルールに基づく繰り返し作業であり、自動化と相性の良い領域です。ただし、自動化の効果を最大化するには、事前に電子化や業務整理を行い、データ整備とプロセスの標準化を進めておく必要があります。

これらが不十分なまま導入すると、例外処理の対応や手修正が増え、かえって工数が膨らむおそれがあるため注意しましょう。自動化を進める際は、業務の性質に応じて「ツール・AIに任せる領域」と「人が担うべき領域」を切り分けることが重要です。

以下を目安に判断するとよいでしょう。

<ツール・AIに任せる領域>

  • ルールが明確で例外が少ない
  • 件数が多く、繰り返し発生する
  • 入力元がデータ(CSV・APIなど)で取り込みが可能

<人が担うべき領域>

  • 判断が必要(勘定科目・消費税・収益認識など)
  • 取引先や現場との調整が必要
  • イレギュラー対応が多い
  • 高額取引や重要指標に関わっており責任が重い

このように業務を適切に切り分けて自動化を進めることで、ツール導入の効果を引き出しやすくなります。

クラウドツールで業務を自動化する

クラウド会計や経費精算、請求書管理ツールなどを活用することで、手入力や転記作業を削減し、一連の経理業務をシステム上で完結できます。特に、入力・承認・仕訳連携はクラウド上で一元処理できるため、大幅な業務効率の向上が期待できます。

<クラウドツールで自動化しやすい業務例>

  • 銀行口座・クレジットカード明細、EC・請求書データの自動取込・自動仕訳
  • 入金消込の半自動化(ルール照合+例外のみ人が確認)
  • 経費申請・請求書のオンライン入力と証憑添付
  • 定型仕訳の自動登録・承認フローの可視化

ただし、運用ルールやマスタが未整備のまま導入すると、表記ゆれや承認フローの不統一により、自動仕訳や連携が正しく機能しません。その結果、手修正の工数が増えてしまいます。
そのため、導入前にマスタを整備し、運用ルールと承認フローを標準化しておくことが重要です。

RPA・AIでシステム間の定型作業を自動化する

RPAやAIを活用することで、システム間にまたがる定型作業を自動化し、手作業による負担やミスを大幅に削減できます。特に、決まった手順で繰り返される作業や、ファイル操作・複数ツール間の転記といった業務に有効です。

<RPA・AIで自動化しやすい業務例>

  • 複数システム間のデータ転記・突合
  • 定型レポートの作成・出力
  • 月次・年次のルーティン処理(締め前のデータ集計やアラート作成など)
  • 証憑の整理・リネーム・格納(複数フォルダ・システムをまたぐ場合)

自動化の対象は、「ルールが明確で繰り返し発生する業務」に絞ることで、効果が出やすくなります。また、属人化していた作業を標準化できるため、担当者不在時でも業務が滞りにくくなる点もメリットです。

一方で、手順や例外対応が整理されないまま導入すると、想定外のケースで処理が止まったり、手作業での修正が増えたりする可能性があります。事前にルールと例外対応を整理し、適用範囲を見極めることが重要です。

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経理業務を自動化する5つの方法!活用事例や成功のポイントも解説

経理業務を効率化する方法4. アウトソーシングの活用

経理 業務効率化

アウトソーシングを活用することで、業務の一部を外部に任せるだけでなく、経理業務の整理・標準化・効率化を同時に進められます。

アウトソーシングは、業務負荷が重く、ツール導入や電子化だけでは解消しきれない場合に効果的です。また、属人化を解消する手段としても有効です。特に、業務量の波が大きい企業や少人数体制の経理に特に適しています。

経理アウトソーシングに業務を外注する

経理アウトソーシングの最大の効果は、業務の偏りや属人化を防ぎながら、無理のない効率化と体制強化を同時に実現できる点にあります。

経理業務は「定型業務」と「判断・調整が必要な業務」が混在しており、すべてを社内で担うと特定の担当者に負荷が集中しがちです。外部リソースを活用することで、業務全体を俯瞰しながら適切に役割分担することが可能です。

<経理アウトソーシングに向いている業務>

  • ルールに沿った定型処理
  • (例:記帳代行・仕訳入力、経費精算の一次チェック、請求書発行、支払処理)

  • 件数が多く、繰り返し発生する作業
  • リマインドやファイリング、電子保存運用などの補助業務
  • 月次決算・年次決算の補助業務など、専門性はあるが頻度が高くない作業

<アウトソーシングに向かない業務>

  • 社内調整や例外判断が多い業務
  • 資金繰りや予実管理など、経営判断に近い業務
  • 最終承認など、権限・責任を社内に残すべき業務

効果が出やすい業務を見極めてアウトソーシングを活用することで、効率化とガバナンス強化の両立が可能になります。

経理アウトソーシングとツールを組み合わせる

経理アウトソーシングとクラウドツールを組み合わせることで、ツールの効率性と人の対応力を生かし、経理業務を最適化できます。

近年は、アウトソーシング先がクラウド会計や経費精算ツールを前提に業務を行うケースも増えています。人に任せつつ、業務の可視化・標準化も同時に進められる点が特徴です。

<ツール導入だけでは解決しにくい課題>

  • 証憑が揃わない・申請が遅い
  • マスタデータが未整備で自動化の前提となるルールが作れない
  • 業務範囲・担当・責任の所在が曖昧になっている
  • イレギュラー対応が多く、ツール導入後も手作業が残っている

こうした課題がある状態では、ツールの効果は限定的になりがちです。

<ツールとアウトソーシングを組み合わせるメリット>

  • 業務の進捗や処理状況をクラウド上で確認できる
  • データは自社に残り、ブラックボックス化を防げる
  • 将来的な内製化や体制変更にも柔軟に対応できる

「ツールかアウトソーシングか」と切り分けるのではなく、ツールを基盤に必要な部分だけ外部リソースを活用することで、現実的で持続可能な効率化を実現できます。

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・課題:ベテラン社員ひとりで経理業務を担当し、業務が属人化していた。退職にともない非効率を見直し、遅れがちだった月次処理を正常化する必要があった。
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■BEFORE:業務が分散・属人化しており、手作業が多く非効率な運用になっていた
・会計処理は手元のメモ・Excelを見ながら入力
・入出金は別々のExcelで管理され、一元化できていない
・証憑はメール・ダウンロード・郵送(紙)などに分散

■AFTER:データと業務を集約・連携することで、作業の標準化と業務効率の向上を実現
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経理業務の効率化を成功させるポイントと注意点

経理 業務効率化

経理業務の効率化は、やみくもに施策を導入するだけでは成果につながりません。業務の可視化を前提に、自社の課題に合った方法を選び、段階的に進めることが重要です。

ここからは、各施策を成功させるためのポイントと注意点を具体的に解説します。

業務プロセス見直しの成功ポイントと注意点

業務プロセスの見直しは、業務全体を俯瞰して非効率を可視化し、現場の実態を踏まえて進めることが重要です。

従来のやり方を踏襲するのではなく、課題が繰り返される要因まで掘り下げて整理しましょう。「削減すべき無駄」と「達成すべき目標」を明確にし、全体の合意形成を図りながら進めることがポイントです。

<成功のポイントと注意点>

■業務全体を俯瞰して整理する
・ポイント:従来のやり方にとらわれず、非効率なプロセスを見直す
・注意点:現場を巻き込まずトップダウンで設計すると、反発や負担増の原因になる

■ECRSの原則に沿って作業を分類・削減
・ポイント:「やらなくてよい」「簡単にできる」「統合できる」などの判断基準を明確化する
・注意点:例外やイレギュラーを考慮せず設計すると、手作業が残り、効率化が進まない

■現場と合意形成しながら進める
・ポイント:現場の意見を取り入れた設計により、運用を定着させる
・注意点:現場の意見を反映せずに進めると、実態に合わず形骸化につながる

■導入効果を測るKPIを設定する
・ポイント:「月次10営業日以内」「差し戻し率〇%以下」など具体的な数値を設け、改善効果や自動化ツールの評価に活用する
・注意点:KPI設定がないと、導入して終わりになるケースがある

 

電子化(ペーパーレス化)の成功ポイントと注意点

電子化(ペーパーレス化)を成功させるには、対象書類と運用ルールを明確にし、紙とデータの混在を最小限に抑えることが重要です。あわせて、電子帳簿保存法への対応を踏まえた設計が求められます。

電子化そのものが目的化してしまうケースもありますが、電子化はあくまで手段です。クラウド化や自動化など、その後の効率化施策につなげる前提で運用を設計することがポイントです。

<成功のポイントと注意点>

■電子化する範囲や対象書類を明確にする
・ポイント:後続業務の効率化を目的に、対象書類や電子化範囲を明確にする
・注意点:紙をなくすこと自体が目的になると、不要な書類まで電子化し、作業が増えるおそれがある

■運用ルール・保存方法を統一する
・ポイント:ファイル名・保存場所・担当者を決めることで、データ検索や管理が容易になる
・注意点:担当者の個人フォルダに格納されるなど保存場所が不明瞭だと、データが散逸して効率化が進まない

■電子化による混在を最小化する
・ポイント:紙とデータの混在を極力なくし、ツールも統一することで運用ルールを簡素化する
・注意点:ツールが分断されると運用が複雑化し、修正・連携の手間やミスが増え、かえって非効率になる

 

ツール・AI自動化の成功ポイントと注意点

ツール・AIによる自動化は、まず業務プロセスとデータを整理します。そのうえで、標準化とルール設計を行い、定型業務から段階的に導入することが重要です。
あわせて、例外処理や権限設計、ツール連携の前提を整え、現場へ共有しながら進めます。

業務を整理しないままツールだけを導入すると、例外対応や手修正が増え、かえって工数が膨らむ場合があります。その結果、運用が定着せず、旧来の運用に戻ってしまう場合もあるため注意が必要です。

<成功のポイントと注意点>

■段階的に自動化する
・ポイント:定型業務から優先的に自動化すると効果が出やすい
・注意点:標準化より先に自動化すると、ルールが曖昧になり正しく機能しない

■入力・データの標準化を先行する
・ポイント:摘要や取引先名、部門などを統一し、初期マスタを整備することで自動化がスムーズに進む
・注意点:入力品質やマスタ設定が不十分だと、修正が増え運用が不安定になる

■業務フロー・ルールを明確化する
・ポイント:自動化対象の要件を整理し、例外やイレギュラー処理も含めて設計する
・注意点:ルールや権限が曖昧だと手作業が残り、責任も不明確になり効率化が進まない

■現場の理解・定着を重視する
・ポイント:事前に業務フローやルールを共有し、納得感のある運用体制を構築する
・注意点:教育や定着が不十分だと、旧来のやり方や二重チェックなど非効率が残りやすい

■ツール連携・システム対応を事前に確認する
・ポイント:銀行明細やクレジットカード、他システムとの連携可否を確認し、自動化の前提を整える
・注意点:連携仕様を確認せずに導入すると、想定通りに処理できず運用が破綻するリスクがある

 

経理アウトソーシング活用の成功ポイントと注意点

経理アウトソーシングを成功させるには、業務範囲と責任の境界を明確にし、ルールやマスタを整備したうえで連携することが重要です。
あわせて、窓口の一本化やKPIによる進捗・品質の可視化を行うことで、認識のズレや作業の停滞を防げます。

一方で、業務範囲や判断基準が曖昧なまま進めると、都度確認や手戻りが増え、かえって非効率になるケースも少なくありません。特に、丸投げや社内ルール未整備の状態では、期待とのギャップが生じやすくなるので注意しましょう。

<成功のポイントと注意点>

■業務範囲と責任分界を明確にする
・ポイント:社内と外注先の担当範囲を明示し、どこから外部に任せるかを整理する
・注意点:社内ルールが未整備なまま丸投げすると、期待通りの効果が得にくくなる

■窓口を一本化して連携を効率化する
・ポイント:窓口を一本化し、コミュニケーションと進捗管理をシンプルにする
・注意点:窓口が分散すると連携に遅れが生じ、外注先の作業が停滞しやすくなる

■ルール・マスタ・締め日を整備しておく
・ポイント:帳簿ルールやマスタ、締め日を統一し、外注先がスムーズに作業できる環境を整える
・注意点:例外対応が多く判断が属人化していると、確認作業が増え、効率化の効果が得られにくい

■KPIで運用状況を可視化する
・ポイント:差し戻し率や締め日数などの指標を設定し、進捗と品質を定量的に把握することで、改善を継続的に回せる
・注意点:KPIが曖昧・未設定だと評価や改善ができず、「運用しているだけ」で終わってしまう

 

■ HELP YOU経理部からのワンポイントアドバイス
・アウトソーシングを成功させるには、「社内と外注先の役割の境界」と「進捗・成果の可視化」を明確にすることが重要です。
・委託前に業務を棚卸しし、判断基準や例外処理を整理しておくことで、アウトソーシングの効果を最大化できます。

 

経理の業務効率化に関するよくある質問(FAQ)

経理 業務効率化

経理の業務効率化を進める際には、「どこから着手すべきか」「ツール導入はどう進めればいいのか」など、さまざまな疑問が生じます。

ここでは、実務でよくある質問とその回答を整理し、効率化を進めるヒントとして紹介します。

Q. 経理業務の効率化はどこから始めるべき?

A. 経理業務の効率化は、業務の可視化・棚卸しから始めるのが基本です。

日次・月次・年次で発生する業務を洗い出し、それぞれにかかる時間や手間を整理することで、改善の優先順位が明確になります。

特に、以下のような負担が大きい業務から見直すと、電子化や自動化、アウトソーシングの効果が出やすくなります。

  • 手作業や転記が多い業務
  • ミスや差し戻しが発生しやすい業務
  • 属人化している業務

Q. 経理業務はどこまで自動化できる?

A. 経理業務は、クラウドサービスやRPAの活用により、記帳・仕訳・経費精算・振込処理・会計処理・請求書発行など、定型業務の多くを自動化できます。

一方で、財務戦略の立案や資金繰りの調整、税務申告、決算対応など、経営判断や専門的な調整が必要な業務は自動化には適していません。

そのため、業務の特性に応じて自動化の適用範囲を見極め、定型業務はシステムに任せ、人の判断が必要な業務にリソースを集中させることが重要です。

Q. 経理の自動化に役立つツール・AIにはどんなものがある?

A. 経理の自動化に役立つツール・AIには、クラウド会計ソフトや請求書管理ツール、経費精算システム、RPA、AIツールなどがあります。目的に応じて使い分けることが重要です。

自社の業務フローや課題に合わせて選定することで、効率化の効果を最大化できます。代表的なツールには、以下のようなものがあります。

ツールの種類 効率化の目的 代表的なツール
クラウド会計ソフト 仕訳やレポート作成の自動化 freee、マネーフォワード クラウド、弥生シリーズ
請求書管理ツール 請求書の発行・受領・管理の効率化 MakeLeaps、請求管理ロボ
経費精算システム 領収書のデータ化や承認フローの簡略化 楽楽精算、ジョブカン経費精算、マネーフォワード クラウド経費
RPAツール 繰り返しの手作業の自動化 UiPath、WinActor
AI経理ツール AIによる仕訳自動判定
請求書・領収書の自動読取
AI自動仕訳機能を有するクラウド会計ソフト:弥生会計、freee 会計
AI-OCR系:invox、Robota
AI経費精算系:バクラク経費精算、TOKIUM経費精算、Jugaad経費精算

 

Q. 自社でのツール導入が難しい場合はどうすればいい?

A. 自社でツール導入が難しい場合は、無理に対応せず、外部リソースを活用するのが有効です。

ツール選定や初期設定、運用ルールの整備には工数と専門知識が必要です。社内に余力がない状態で導入すると、かえって負担が増えることがあります。

経理アウトソーシングや業務代行を活用すれば、ノンコア業務を任せつつ、無理なく効率化を進められます。

HELP YOUでは、業務の棚卸しから支援します。「何から始めるべきか分からない」場合でも、スムーズに経理業務の効率化を進めることが可能です。

Q. 決算期にだけ事務量が増える会社に向いているアウトソーシングサービスは?

A. 決算期など特定の時期にだけ業務量が増える会社には、繁忙期のみスポットで依頼でき、業務量に応じて工数を調整できるアウトソーシングサービスが適しています。

常時フルタイムで外注する必要がない場合でも、必要な時期だけ業務を切り出せるサービスを選べば、無駄なコストを抑えつつ負担を軽減できます。特に、月ごとに依頼内容や工数を調整できる柔軟性が重要です。

HELP YOUでは、決算期のみのスポット対応や業務量に応じた契約調整が可能です。「普段は回るが繁忙期だけ人手が足りない」といった場合でも、効率的に対応できます。

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Q. 完全リモートで利用できる経理代行サービスは?

A. 完全リモートで利用する場合は、クラウド会計ソフトやオンラインツールを活用している経理代行サービスが適しています。

記帳や請求書処理、経費精算などもオンラインで対応できるため、場所に縛られずに業務を任せられるのが特徴です。近年は、多くの経理代行サービスがリモートに対応しています。

ただし、対応できる業務範囲や業務量の変動への柔軟性はサービスごとに異なるため、自社の運用に合うか確認が必要です。

HELP YOUでは、完全リモートでの経理業務支援に対応しており、クラウドツールを活用したスムーズな連携や、業務内容・ボリュームに応じた柔軟な対応が可能です。必要な業務だけを効率的に依頼したい企業に適しています。

経理の業務効率化のまとめ

経理 業務効率化

経理の業務効率化は、まず「業務の可視化・棚卸し」から始めましょう。次に、「プロセスの見直し」「電子化」「ツール・AI導入」「アウトソーシング活用」を組み合わせることで、効率化効果を最大化できます。

重要なのは、手段ありきで進めるのではなく、自社の課題を明確にし、現場の理解を得ながら着実に進めることです。

自社での対応が難しい場合は、アウトソーシングなどの外部リソースを効率化の一手段として活用することで、業務整理から運用までスムーズに進められます。
HELP YOUでは、こうした支援を一貫して提供しています。効率化が進まず、何から着手すべきかお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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