派遣と外注、使うならどっち!?今こそ知っておきたい違いと活用シーン

日本では人手不足が徐々に深刻化しつつあり、このような問題を助けてきたのが、派遣社員です。

1990年代初頭、バブル経済の崩壊によりパートや派遣社員が一気に増えました。今ではどの企業でも、派遣社員は珍しいものではなくなっていますね。

更に近年では、人手不足の他にも働き方の多様性という追い風を受けて外注という選択肢も増えてきました。

派遣と外注、よく似たイメージのふたつですが、一体何が違うのでしょうか。
実はこの違いが、社外の労働力を使う際、企業にとって大切なポイントになるのです。

これからは更に業務を自社だけで担うことが難しくなると言われています。

そんな時代ですから、派遣と外注について、企業側もしっかりと理解した上で使い分けていく必要性があります。

では今回は派遣と外注の違いについて、それぞれのメリット・デメリットも含めて基本から詳しく説明していきましょう。
 

派遣と外注の違い

まず、派遣と外注は一体どんなところが違うのでしょうか。

この2つは、社外の企業との契約により、業務を委託するという意味では同じですが、実はその契約も委託方法も全く異なるものになります。

最初に、基本的な違いを確認していきましょう。
 

業務プロセスの違い

派遣社員はほとんどの場合が企業へ常駐勤務し、正社員と同じ場所で勤務します。
そのため業務に関することは、企業側で直接指示や指導ができます。

外注は「この日までにこういったものが欲しい」という契約なので、進捗以外の業務プロセスや作業メンバーについては詳しく開示されません。

また、派遣は社内で業務にあたり、外注に関してはネットワークを介して社外での作業になりますので、持ち出しができるかどうか・随時作業確認や進捗管理を行いたいか等を選ぶポイントの1つに据えると良いでしょう。
 

費用について

派遣は、派遣されてきた社員の給与を企業が直接支払うことはありません。

派遣業者へ外注費として、ほとんどの場合は時給で支払います。

外注はどの部分を任せるかによって費用が大きく変わります。

支払うのは基本、契約した仕事に対する対価のみです。そこにかかる人件費や管理費などは必要ありません。

ただし、業務内容によっては追加費用が発生することもあります。

そのため、費用だけの面で見れば、外注のほうが予算が立てやすく、コストも抑えられることが多い傾向にあります。
 

労働者派遣法の有無

そして1番の大きな違いが、労働者派遣法でしょう。

派遣の場合は、派遣社員を受け入れる企業と派遣業者の間で「労働者派遣契約」を結び、派遣社員と企業の間で直接契約を交わすことはありません。

そのため、派遣社員の場合は労働者派遣法に基づいての勤務になりますが、中でも特に大きな特徴が「3年ルール」です。

同じ企業内で継続して勤務する場合は3年が限度となり、例外を除きそれ以上であれば企業の正社員雇用への切り替え対象となります。

ゆえに3年毎に、正社員として採用するか、それとも部署を変えての勤務にしたり契約を切ったりといった判断をしなければなりません。

外注に関しては、企業と外注業者の間で請負契約を交わしますので、当然労働者派遣法は適応されず、契約年数の制限などはありません。

業務内容・納期・金額など、外注業者と直接打ち合わせを行い、支払いもダイレクトで行います。

派遣会社を使う際には、常にこの「3年」というルールを念頭に置いておき、長期のプロジェクトの際などには気を付ける必要があります。

(参照:厚生労働省 労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成31年4月1日以降))
 

派遣のメリット

では具体的に、派遣と外注がそれぞれ会社に与えるメリット・デメリットについてピックアップしていきましょう。

まず派遣についてです。派遣会社との契約は、会社にとってどんな良い効果をもたらしてくれるのでしょうか。
 

常駐勤務であり、企業側に指揮権がある

派遣社員は雇用契約こそ派遣業者との間になりますが、勤務は社内に常駐となり、直接の指揮権も常駐先の企業側にあります。

そのため、複雑な業務内容でも、細かい指導や引き継ぎが直接できることが大きなメリットとなります。

また、常駐勤務のため、ミーティングや進捗管理が直接でき、業務の確認や擦り合わせが行いやすいです。
プロジェクトチームの一員とすることも可能で、正社員と全く同じように勤務している派遣社員も多く存在します。
 

コスト削減ができる

退職金や福利厚生費が不要なため、正社員雇用に比べて大きくコスト削減ができます。

時給制ですので、長期休暇の際には費用は発生せず、ボーナスも必要ありません。

また、時短や週5日以下での勤務や、短期契約も可能です。1つのプロジェクトだけの期間や、次の社員が入るまでのつなぎとしてといった利用方法もあります。

経費的な話になりますと、固定費ではなく変動費の扱いになるため、業績に合わせて人数を増減することにより、調節をすることが可能です。
 

即戦力になる

企業側で「こういった資格がある人物が欲しい」「経験者を探している」という希望を出すことができ、派遣会社の中でスキルや資格を確認の上で紹介されてくるので、求めている人材を即戦力として得ることができます。

また、派遣社員には同業種他社での経験者である人材が多いです。

そのため他の会社での経験やノウハウを豊富に持っている派遣社員であれば、スキルを有効に活かしてくれるでしょう。

更に適材適所で人を配置することができるため、業務のミスマッチも未然に防ぎやすくなります。
 

派遣のデメリット

派遣にはメリットが多いですが、当然デメリットも存在します。

会社にとってより良い選択をするためにも、メリット・デメリットのどちらもしっかりと把握しておく必要があります。
 

情報漏洩のリスク

社内に社外の人間が常駐して作業を行うため、情報漏洩のリスクが発生します。

特に商品開発をはじめとする機密性の高い業務内容の場合は、アクセスできる情報に制限をかけたり、コンプライアンス教育を徹底する必要があるでしょう。
 

どんな人材が来るかわからない

派遣社員は企業側との事前面接が禁止となっているため(実際には打ち合わせという名目で顔合わせをすることも多いのですが)、書類上でしか人柄を知ることができません。

いざ来てもらったら、スキルが足りなかった、指示が通らない、周りとトラブルを起こした、といった事例もあります。

そのため、派遣会社と企業との間で「〇ヶ月ごとに契約更新」と取り決めていることも多いです。
 

契約期間が限られている

先に述べましたように、派遣の場合は労働者派遣法を理解した上で、遵守することが前提となります。

3年ルールもそのひとつで、それを越える長期の契約はできません。

また、派遣社員は派遣会社との契約になるので、正社員と同じように扱ってはいけない部分もあります。

法律ですから、この辺をいい加減にしていると労働派遣法違反となりますので注意しましょう。
 

自社を支える戦力として育たない

派遣社員はあくまで派遣会社の所属になります。

そのため、どれだけ仕事ができても、どれだけスキルアップをして育っていっても、自社の資産にはなりません。

また、所属先が企業ではないため企業に対する愛社精神や帰属意識もなく、正社員と温度差があることもあります。
 

外注のメリット

今度は外注についてです。

派遣にはない外注だけのメリットも数多くあります。会社にとってマッチングする部分があるか、意識して見てみましょう。
 

大幅なコスト削減ができる

外注は業務に対する契約金のみで、人件費や福利厚生費、各種手当等が一切かかりません。

そのため正社員だけでなく、更には派遣社員と比べてみてもかなりのコスト削減ができます。

ただし、委託内容によっては逆に高くつくこともあるので、見積もりや金額の擦り合わせはしっかり行っておきましょう。
 

人手不足でも社員の負担を減らすことが可能

人手不足に陥っても、ノンコア業務を外注することで、社員の負担を大幅に軽減させることができます。

また、業務によっては丸ごと委託することも、一部分だけ外注することもでき、融通が利きやすいです。

会社の状況によって調節すると良いでしょう。
 

引き継ぎや指導が要らない

外注の場合は、業務を渡してしまえば、請負業者の管轄になります。

ですから毎月同様の業務が発生する場合、請負業者の人員が入れ替わっても、企業側で引き継ぎや指導をする必要がありません。

何もしなくても納期が守られ、一定のクオリティを保つことが可能です。
 

優秀な人材に業務を任せることができる

外注請負業者の作業メンバーはその多くが経験者か資格を持っている人材で、一定以上のスキルを所持しています。

それらの人材が業務にあたり、業者内でもしっかりチェックをされているため、安心して優秀な人材に業務を任せることができます。

また、業務とスキルのマッチングについても、企業側で考える必要がありません。
 

外注のデメリット

外注は手軽で利便性も高いですが、しかし外注ならではのデメリットもあります。

使い方によってはうまく回らないケースもありますので、必ずデメリットも理解した上で、外注に任せる部分を判断するようにしましょう。
 

情報漏洩のリスクが上がる

外部へ情報を持ち出して作業を行い、社外の人間が多く携わるため、派遣社員を入れるよりも情報漏洩のリスクは増大します。

信用問題に関わるので各社かなり注意をしていますが、ゼロではないことは意識しておく必要があります。

気になる場合は、企業側に情報管理についての対策を聞いたり、プライバシーポリシーやコンプライアンスについて確認したりすると良いでしょう。
 

社内に業務のノウハウが残らない

外部に業務を任せてしまうと、業務プロセスも企業側ではタッチしないため、社内にノウハウが残りません。

そのため、将来的にノウハウが消えて困る業務や、経験の蓄積が必要な業務については不向きです。

外注する業務と、社内で行うべき業務とをしっかりと区別しておきましょう。
 

再チェックや定期的な評価が必要

仕事を外注すると、外注企業でのチェックもありますが、あくまで外部での作業ですから自社でのチェックも必須です。

また、外注企業に対しても、定期的な評価と判断は必要です。

ミスが多い、金額に不満など何か問題があれば、交渉したり、業者を変えることも考慮に入れるべきでしょう。
 

派遣と外注の違い、適切な使い分け

今までのことを踏まえた上で、派遣と外注を適切に使い分けるには、いったいどのようにすれば良いでしょうか。

ひとつの方法についてお伝えしましょう。
 

業務全体のプロセスを見直し、ノンコア業務は外注へ

派遣と外注を上手く使いこなすためには、まず、自社の業務プロセス全体を見直し、コア業務とノンコア業務に分けてみましょう。

コア業務とノンコア業務を分けたなら、次にノンコア業務は基本的に外注に任せる方向で考えても良いでしょう。

なぜなら、ノンコア業務は毎月同様の固定作業である場合が多く、またそのほとんどが会社の利益に直結するものではないため、このような業務こそ外注に適しているからです。

派遣は労働力の提供を主とし、対して外注は業務の遂行を専門とします。

そのため外注企業にはそれぞれのプロフェッショナルが集っていて、膨大な量の仕事でも低コストで素早く安全に、最適な手段で一気に効率化してくれます。

このような理由から、持ち出しができるものであれば、まずは外注化を考えましょう。
 

直接指導や社内での作業が適している場合は派遣を

では派遣社員はどういったシーンで使うと良いでしょうか。

それは、直接指示ができるという利点を活かし、社内で行う業務で作業を見たほうが良い場合や、人手不足が発生した場合にサポート的に利用することをおすすめいたします。

また、働き方の融通が利きやすく、短期のプロジェクトであれば、経験を活かして戦力としてコアメンバーに加わってもらうといった例もあります。

どちらにしても、常駐であることから、社内での作業や直接の遣り取りが必要な場合は派遣がおすすめです。
 

まとめ

何となく似ているイメージがあった外注と派遣ですが、こうして比べてみると契約や法律も違っていて、全くの別物であることがご理解頂けたと思います。

冒頭でも述べたように、景気も決して良いとは言えない状況が長く続いている上に、これからはますます人手不足も加速していきます。

そんな時には、ぜひ派遣と外注を使い分けてうまく活用し、会社の助けとしてください。

ただし、コスト削減のために安易に何でも派遣や外注に任せてしまうのは良い方法ではありません。

様々な視点で検討し、長期的な展望を見据えつつ、要所要所で派遣と外注を使い分けていくことが大切なのです。

まずは、社内業務全体の見直しから始めてみてはいかがでしょう。

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