アウトソーシングのメリット・デメリットとは?外注に向いている業務も解説

「人手不足で業務が滞ってしまい、困っている」
「生産性を上げたいけれど、どうすれば効率よく目標を達成できるだろう」
そんな悩みを抱えている方はいませんか?
そうした課題を解決する一つの方法がアウトソーシングの活用です。
今回は、アウトソーシングの基礎情報から、利用するメリット・デメリット、委託する際の注意点について解説します。
この記事を読むと、アウトソーシングに向いている業務や導入するメリット・デメリットが分かるので、自社にとってアウトソーシングが適しているのかを知ることができます。
また、導入時の注意点や実際の導入事例も紹介するので、アウトソーシングの効果を最大化するヒントを得ることができます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
アウトソーシングとは
はじめに、「アウトソーシング」とは何か、派遣との違い、アウトソーシングに向いている業務について見ていきましょう。
アウトソーシングの意味
アウトソーシングとは、社内の事業や業務を外部の専門企業に委託することです。「外部委託」「外製化」「外注化」とも呼ばれ、1980年代後半から一般化してきました。
もともとは情報システムの構築・運用・保守などを外部の専門企業に任せることから始まりましたが、現在ではシステム関連にとどまらず、多くの事業分野がその対象となっています。
ビジネスにおけるアウトソーシング市場は拡大の一途をたどっています。
IT専門調査会社であるIDC Japan株式会社が2022年5月に発表した「国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場予測」によると、2021年のBPO市場は前年比5.1%増の8,856億円を記録。
2021~2026年の年間平均成長率は3.9%、2026年には市場規模1兆717億円に達すると予測されています。
市場規模が拡大しているということは、それだけニーズがあるということ。事業の規模を問わず、多くの企業がアウトソーシングを活用していることが分かります。
※BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング。アウトソーシングの中でも、一部の業務だけでなく、業務の企画・設計から実施までを一括して外部委託することが特徴。
アウトソーシングと派遣の違い
「自社の社員ではなく、外部の人材に業務を任せる」という観点から考えると、「派遣」も同じでは?と思うかもしれません。
アウトソーシングと派遣の大きな違いは、その雇用形態です。
アウトソーシングは、自社と外部委託企業との間に業務委託契約を締結します。
一方、派遣の場合は、自社と人材派遣会社との間に労働者派遣契約を結びます。
その他の違いをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
アウトソーシング | 派遣 | |
採用工数 | ○ 採用コストなし |
△ 派遣会社との打ち合わせ |
採用費用 | ○ 採用費用なし |
△ 採用費用なし 備品などの用意が必要 |
人件費の変動 | ○ 必要に応じて変動可能 |
× 変動不可 |
クオリティ担保 | ○ 即戦力の人材 人材の変更可能 |
△ 教育・研修が必要 人材の変更が面倒 |
スキルの幅 | ○ チームで対応 臨機応変に対応 |
× 1人分のスキル |
冗長性担保 | ○ チームで対応 |
× 離職のリスクあり |
導入スピード | ○ 3営業日など スピーディな導入が可能 |
× 1ヵ月程度の準備が必要 |
依頼したい業務が定型業務の場合は、委託企業に管理・運営を一任できるので、アウトソーシングがオススメです。
反対に、非定型業務は人材派遣の方が向いています。自社内で派遣スタッフに直接指示を出し、作業管理が可能だからです。
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アウトソーシングに向いている業務
アウトソーシングを活用できる事業は幅広く、システム関連、製造、研究・開発、物流、営業、人事・教育、経理、施設管理、福利・厚生など多くの分野が該当します。
業務として考えると、前述したように、アウトソーシングに向いているのは作業がルーティン化されていて、イレギュラー事案が発生しにくい定型業務です。
マニュアルが確立されているけれど、多くの人手や時間を割かなければならない業務や、規則的に発生する業務などが該当します。
定型業務の中でも、特にアウトソーシングに最適なのが「ノンコア業務」。
ノンコア業務とは、主業務をサポートする業務を指します。難易度が低く、高度な判断は不要ですが、多くのリソースが必要だったり、規則的かつ長期的に発生することが特徴です。
反対に、企業に直接的な利益を生む業務が「コア業務」です。
難易度が高く、専門的な判断が必要なため、いかにコア業務にリソースを割けるかが利益拡大に大きく影響します。
ノンコア業務は直接的には利益を生み出しませんが、業務を集約してシステム化するなど、やり方次第では業務効率化の効果が高いため、アウトソーシングに向いているのです。
コア業務/ノンコア業務の例
【人事・採用業務】 |
アウトソーシングのメリット
ノンコア業務を外部委託することで、業務の効率化が図れるアウトソーシング。
では、実際にアウトソーシングを導入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
人件費などをコスト削減できる
一つ目のメリットは、人件費などのコストを削減できることです。
人件費を固定費から変動費にできるのはもちろんのこと、業務効率化によってムダな作業も削減することができます。
自社の社員で業務を担当する場合、売上高にかかわらず人件費が発生します。この固定費が多いと、売上がよくないときに財政を圧迫し、赤字になるリスクを抱えます。
しかし、アウトソーシングを利用すると、人件費を外注費として変動費化することが可能です。
必要な業務量に対して、必要なときだけ依頼できるので、自社で社員を雇用するよりもコストを削減することができます。
また、アウトソーシングを導入する際は、自社の現状や業務フローを明確にし、課題を可視化するところから始まります。
外部の目や手が入ることによって、ムダな業務を削減するきっかけにもなるのです。
プロのスキルやノウハウを活用できる
二つ目のメリットは、プロのスキルやノウハウを活用できることです。
アウトソーシング企業は、その道の専門家。
専門的なノウハウやツール、最新の知識や情報を持っているので、自社で業務を行うよりも、業務のスピードや正確性が高まることが期待できます。
また、アウトソーシングのスタッフにも専門知識や経験を持つ人材がそろっています。
プロによって生み出された高品質な成果は顧客満足度を向上させ、利益拡大へとつながるでしょう。
属人化の防止につながる
属人化の防止につながることも、大きなメリットの一つです。
属人化とは、自社内で業務の進め方や内容が共有されていない状況のこと。特にスキルの必要な業務は、特定の人材しか対応できず、属人化しやすいのが問題です。
属人化した業務は、担当している社員にしか詳細が分かりません。
そのため、担当者が休んだり、退職したときに、業務が停滞したり、不正やミスの隠蔽などが発生するリスクをはらんでいます。
アウトソーシングを導入して外部企業に業務を委託すると、業務内容やフローが整理・可視化され、スキルが必要な業務も分散されるため、属人化を防ぐことができます。
アウトソーシングの活用は、健全な組織の保持にも一役買うでしょう。
コア業務に集中できる
四つ目のメリットは、コア業務に集中できることです。
ノンコア業務を外部委託することで、自社の社員の負担が減り、重要なコア業務により注力できるようになります。
企業が競争力を強化するためには、独自のノウハウやスキル、サービスの品質などを高め、コア・コンピタンス(他社に真似できない、企業の核となる能力)を持つことが重要です。
そのためには、自社の商材やサービスの開発・成長・戦略策定などにリソースを集中させ、コストを割く必要があります。
ノンコア業務のような煩雑な作業に忙殺されてしまうと、コア業務に手が回らず、自社の核となる能力を高めることができません。
アウトソーシングを活用すれば、人手や時間を付加価値の高いコア業務に集中させることが可能です。コア業務への集中と選択は、自社の競争力強化につながります。
このように、アウトソーシングのメリットは、単なる人手不足の解消やコスト削減にとどまりません。戦略的に活用することで、生産性の向上や顧客満足度の向上、売上アップにもつながるのです。
アウトソーシングのデメリット
戦略的な視点からもメリットの多いアウトソーシング。
次は、アウトソーシングを導入した場合のデメリットを見てみましょう。
社内にノウハウが残らない
一つ目のデメリットは、社内にノウハウが残らないことです。
アウトソーシングを利用すると、当然自社の社員はその業務に携わらないので、社内にノウハウを蓄積することはできません。
いずれ内製化を検討している場合はもちろん、何かトラブルが起こった際にも対応できるよう、外部委託している業務の内容を自社できちんと把握しておくことが重要です。
委託企業ともコミュニケーションを図り、業務の進捗やノウハウを共有しておきましょう。
情報漏洩のリスクがある
情報漏洩のリスクがあることも、アウトソーシングのデメリットとして挙げられます。
依頼する業務によっては、企業機密や個人情報、顧客情報を共有する場合もあるでしょう。
それに応じて、情報漏洩のリスクも高まります。
万が一、こうした情報が流出して顧客が損害を被った場合、自社の損害やイメージダウンは計り知れず、大きな責任が問われることになるでしょう。
アウトソーシングを導入する際は、その委託企業のセキュリティレベルをしっかり確認するようにしましょう。
個人情報の取り扱いに関して適切だと判断された企業に与えられる「Pマーク」や、実績の豊富さも一つの指標になります。
アウトソーシング導入時の注意点
アウトソーシングのメリット・デメリットを紹介しました。
それらを踏まえてアウトソーシング導入を検討する場合、次の2点に注意してください。アウトソーシングの効果を最大化するポイントになるはずです。
①アウトソースする業務範囲を明確にする ②まめにコミュニケーションを取る |
外部委託企業を選ぶ際にも役に立つので、ぜひ参考にしてください。
アウトソースする業務範囲を明確にする
一つ目の注意点は、アウトソースする業務範囲を明確にすることです。
とにかく何でも外部に委託するのではなく、コア業務/ノンコア業務の違いや、メリット・デメリットを踏まえたうえで、自社で対応する業務と外注する業務を判断することが重要です。
社内にノウハウを蓄積したい業務や、セキュリティレベルが高く社外に出せない業務は、自社で対応したほうがよいでしょう。
また、コア業務の中でも、細分化して単純作業に落とし込めるものはアウトソーシングを検討してもよいでしょう。
まずは自社の業務の現状とフローを棚卸しして、課題を見つけることが重要です。
まめにコミュニケーションを取る
外部委託企業とまめにコミュニケーションを取ることも、注意すべき大切なポイントです。
委託企業に全てを丸投げせず、業務の進行状況などの情報共有をこまめに行いましょう。
普段から委託企業との定例会を設けるなど、まめにコミュニケーションを取っておくことで、トラブルや災害などの緊急時もスムーズに対応できます。
また、業務内容や進捗状況を普段から共有していれば、業務のブラックボックス化を防ぐことも可能です。
アウトソーシングなら「HELP YOU」
「HELP YOU」では、さまざまな業種に対してアウトソーシングサービスを提供しています。
HELP YOUの特徴
株式会社ニットが運営するHELP YOUは、さまざまなスキルを持ったアシスタントがお客さまの業務をサポート・代行するオンラインアウトソーシングサービスです。
業務範囲は幅広く、経理や総務からマーケティング、海外進出サポートまで、専門知識と経験を持ったメンバーがそろっています。
対応業務範囲の中から、お客様の課題に合わせて請け負う業務をカスタマイズできるのも特徴です。
また、チーム体制で業務にあたるので、アシスタントの退職などで業務が滞る心配は無用。
採用や教育のコストもかかりません。
全てのサービスがオンラインで完結するため、所在地にかかわらずご利用いただけます。
■主な対応業務 ・総務:スケジュール調整、会議資料の作成、秘書業務 など ・経理:入金管理(見積書・請求書の作成、発行)、支払業務(注文書・発注書作成)など ・人事/採用:求人票の作成、合否判定連絡、社内研修の会場手配 など ・営業サポート:予実管理、提案書作成、データ収集、リサーチ など ・ECサイト:売上管理、商品管理、サイト管理、ランディングページ作成 など ・マーケティング:SNS投稿、プレスリリース/メールマガジンの作成/配信 など ■料金 |
HELP YOUの導入事例
HELP YOUのアウトソーシング導入事例を紹介します。
あるコールセンター運営企業様からは、明細書の作成をご依頼いただきました。
「作業を簡略化したい」という要望に応え、HELP YOUでは自動化ツールを使った明細書作成のフローを構築。これまで手作業で対応していた部分を自動化し、明細書を依頼日の翌日に納品できる体制を整えました。
その結果、お客様の作業はCSVデータの抽出と確認作業のみに簡略化。9時間もの工数を削減することができました。
■お客様のコメント
「月初に集中していた経理業務の負担が大幅に減り、残業時間も減りました!」
アウトソーシングのまとめ
アウトソーシングの基本情報と、利用するメリット・デメリット、外部委託する際の注意点を紹介しました。
アウトソーシングの導入には、人手不足の解消だけでなく、業務効率化やコア業務に集中できるといった効果があるため、企業が力を入れるべき事業を推進させる一手になります。
また、アウトソーシングならではの高いパフォーマンスは、自社の業務の品質を上げ、顧客からの信用獲得や市場関係者からの評価にもつながります。
アウトソーシングの活用は、自社の競争力を高めるための戦略的な手段といえるでしょう。
アウトソーシングを上手に利用して、効果を最大化し、自社の目標達成を目指していきましょう!
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オンラインアウトソーシングはHELP YOU
600以上のクライアント様が導入
人手不足が深刻な状況で、業務を外注する企業が増えています。
特にオンライン上のアウトソーシングサービスは、下記の点で多くのお客様に選ばれています。
【HELP YOUが選ばれる理由】
1.厳しい採用プロセスをクリアした「優秀なアシスタント」が業務を担当
2.チーム制だから人材が退職して業務が滞るリスクなし!長期的な依頼が可能
3.専属ディレクターがつくため、様々な業務をまとめて依頼できる
日々の雑多な作業を外注し、重要な業務に集中して生産性を上げたい方は
ぜひこの機会にHELP YOUの導入をご検討ください。
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