実は見落としがち? 業務改善におけるコスト削減とその具体例

昨今では「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりましたが、その実現に向けて「業務改善」に取り組む企業が増えてきています。
ここでいう「業務改善」とは簡潔に表現すると、業務に関わる人・物・コストを流れを見直し、変更することです。
また、業務改善の効果を判断する基準として、「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字を取ったQCDという考え方があるのをご存知でしょうか。


この3つの要素は相互に関連し合っています。
業務改善をするためには、この3要素が相反する状況でも、同時にコントロールしつつ、それぞれが良い状態になるようにする必要があるのです。
これまでのワークフローや仕事の仕方そのものを見直して効率が上がると、自然に働き方も変わってきます。
「働き方改革」の方がが前に出てしまっているように思われがちですが、実は「業務改善」こそが労働環境を大幅に見直す「働き方改革」を実現させる重要なポイントなのです。

今回は、なかでも重要な要素であるコスト削減を中心に、それにともなう業務効率化の事例をご紹介しながら、業務改善に向けた具体的なご説明していきます。

コスト削減とは

企業では必ずコスト(経費)が発生します。
また、コストとは「利益をあげるために必要な企業活動におけるすべての費用」です。
言い換えれば、人件費、家賃、光熱費などを使って事業を大きくしていくともいえます。

売上げを増やしてコストを削減するという取り組みは、どの企業でも行っていますが、経費をなくすことは不可能だとしても削減することはおおいにできます。

売上の予測は難しいですが、コストの把握は経費の管理を行ってさえいれば簡単ですので、そこから削減できる部分を探していけばよいのです。
「利益=売上-経費」
ですので、削減した経費がそのまま純利益となるため、コスト削減は企業の利益に直結するといえます。

コストの種類

コストには大きく分けて3種類に分けることができるといわれています。
削減できる部分がないかを見つけ出すためにも、改めて把握しておくとよいでしょう。

【オフィスコスト】
・家賃
・通信費
・コピー代
・事務用品費
・ビルメンテナンス費
・宅配・郵送代
・警備費
・OA機器代 など

【エネルギーコスト】
・電気代
・上下水道代
・都市・プロパンガス代 など

【オペレーションコスト】
・人件費
・物流費
・商品ロスの対策費(不良品、万引き、盗難)など

コスト削減と業務削減の違い

業務改善に向けたプロセスで「コスト(経費)削減」と「業務削減」が混同されてしまう場合があるため、その違いをご説明します。
コスト削減は前述のとおり、経営にかかる経費のみを対象とし、より家賃の安い物件を借りる、電話代やインターネット代を削減するためにより安い通信会社に切り替えるなど日常生活でも行えることです。

定額の基本料金やプランなど具体的な対策案がすでに商品化されるなどして明確であることが多いため、いざ実行するとなればそこまで難しいことではありません。
一方で業務改善は、金銭的なコストだけではなく、品質や人の動き、時間を含めた全体的案流れをスムーズにするために総合的な無駄をなくす取り組みです。

これまで2回に分けていたプロセスを1回で終わるようにまとめるなど、コスト削減よりも広い視野で行うことが大切になってきます。

コスト削減の進め方

コスト削減には現状の把握から具体的な実行対策まで、いくつかのプロセスがあります。
順番に洗い出していくことで、何が必要で何が不要かを確認していきます。

現状を把握する

今抱えている問題点について、何を解決しなければならないのかを明確にしましょう。
・問題になっているのは、何の業務のどの部分か
・その業務の一連の流れを整理し、どのような業務と関連性があるか
・その業務を行うにあたり、どのようなやりとりや情報共有が発生するか
はじめの部分で、業務改善とは「業務に関わる人・物・コストを流れを見直し、変更すること」と定義しました。

まさに業務の流れを見直して、問題点を解決するために軌道修正をする必要があるといってよいでしょう。
また、業務の流れを把握するには、一度フローチャートを作成してみることをおすすめします。

問題点を洗い出す

フローチャートを作成し現状を正確に把握できたら、改善のポイントである問題点を洗い出しましょう。
たとえば、
・社員個人によって抱えている仕事量に差がないか
・業務の流れにおいて不要な手順はないか
・社内で行っている業務の一部をアウトソース化して負担を軽減できないか
など、細かくてもより具体的に把握して洗い出すことが大切です。

無駄な業務をなくす

問題点を洗い出してみると、実は必要がなかったという業務が意外にあることに気づきます。
たとえば単純に昔からやっているという理由だけで、行っている業務はありませんか?
それは本当に社内で自分だけが行う必要な業務でしょうか?
会社全体で見たら、自分と同じ仕事を実は他の部署でも重複して行っていることがあります。
このような事態が起こるのは、社内でどのような業務を誰が行っているか知らないでいると、部分的に業務の無駄が発生してしまうというのが原因です。

それを防ぐためには、関連のある部署もしくは社内で情報を共有することにより解決できます。
問題点を発見したら本当に必要な業務がどうかを精査して、省けるのであればなくして効率化を図りましょう。

コスト削減の方法

コスト削減の方法には、運用改善、調達改善、設備改善の3つがあるとされています。
また、社内にある無駄なコストを探し出したら優先順位をつけ、高いものから削減していくことがポイントです。

運用改善

電気、水道使用使用料、コピー用紙など使用量の見直しです。
使用していな部屋の電気をこまめに消したりする日常的な節約から、資料はなるべく出力せずにデータで閲覧するもしくは完全にペーパーレス化するなど、より深い部分まで見極めていくことが大切になってきます。

調達改善

電気やインターネットプロバイダなど契約条件の見直しです。
電気の契約プランの見直しや、通信費を削減するために数社から見積もりを取って比較することで最適化を行います。

設備改善

コスト削減のために必要な設備を設置するという見直しです。
低いランニングコストに抑えるための機器や節約商材、省エネ機器などのことですが、初期投資費用がかかってくるので、回収期間も視野に入れる必要があります。

コスト削減のアイデア

前述のとおり、コストはゼロにはできなくても、削減することは可能です。
地道なコストを削減することにより、純利益が大幅に増える可能性もあります。
では具体的なアイデアとして、どのようなものがあるのでしょうか。

ペーパーレス化する

日常の業務で最も取り組みやすいのは、紙の無駄を省くことかもしれません。
紙ベースでの情報共有には下記のようなデメリットがあります。
・用紙そのものの紙代やインク代に加え、コピー作業などの人的コストがかかる
・資料を整理するためのファイルが必要
・資料を保管するスペースが必要
・必要な資料を探し、確認するのに時間がかかる
・社内での共有に時間がかかる
・間違えて紛失してしまう可能性がある
・破棄する場合に処分のためのコストがかかる
ひとつひとつはさほど大きな問題ではありませんが、積み重なると多大な金額になってしまう可能性も十分にあります。
そのようなコストを削減するために、ペーパーレス化する企業が増えてきています。

作業をIT化する

人が行う業務には必ず人件費がかかります。
人件費は会社において大きなコストのひとつです。
ひとつの業務を行うのに必要な人数が多いほど、人件費も増加しやすくなるでしょう。
そこで無駄な人件費を削減するために、業務のIT化を行う企業が少なくありません。

たとえば、請求書を作成し、印刷、捺印、社内チェック、郵送というこれまでの流れをすべてIT化するサービスの導入などが挙げられます。

アウトソース化する

採用活動や経理業務のは専門的な知識が必要であるうえ、時期的に業務量が急増し、本来のコア業務に集中できないというお悩みを抱えていませんか?

膨大な情報収集やリスト作成など、特別な知識が必要なくても時間がかかる事務作業についても同じことがいえるでしょう。
アウトソーシングは、自社で行う業務を外部の企業に委託し、代行してもらうことをいいます。
委託するための費用はかかりますが、必要な部分のみを抜粋して依頼することも可能です。

無駄な業務を省くのではなく、社内で行わなくてもよいとされることをアウトソース化し、コア業務に集中した結果、利益アップにつながれば人件費の削減と同様の効果をもたらします。

コスト削減につながる業務効率化の事例

コスト削減をするためには、業務を効率的に行う環境の整備が大切です。
全体的な業務改善を行うにあたり、他社が実際に行った成功事例を参考にすることも重要なポイントとなりますので、具体的な業務効率化の事例をご紹介します。

業務マニュアルを作成する

プロセスが複雑な業務については、マニュアルを作成することで確認作業や分担・引き継ぎにかかる時間を短縮することができます。
何かに迷って手が止まってしまった場合、どのような判断基準で誰に確認すればよいかなどを明確にしておけば、仕事が進まなくなるという事態を防ぐことが可能です。

また、たまにしか行わないような頻度の低い作業ほど、プロセスを忘れてしまいがちです。業務マニュアルがあれば、手順を確認するために同僚や上司に確認したり、資料を探すためにパソコン内をさまようこともなくなるでしょう。
ただし、社内の誰が見ても分かるようなマニュアルを作成しないと、作成自体が無駄な作業となってしまうので注意が必要です。

業務フローチャートを作成する

業務の流れをひとめで分かるようにフローチャートを作成しておくと、効率化には有効的です。
チームで仕事をしている場合、プロセスによって担当者が変わってくることがあるでしょう。

それぞれの担当者が何を行い、どういったプロセスを経て次へ進めていくのかを明確にしておくことで、「今どの段階で滞ってしまっているのか、どのようにすれば解決できるか」といった確認作業にかかる手間と時間が少なくなるのです。

担当者を見直す

同じ業務を行うにしても個人によって能力が違うため、適任な担当者であるかを見直します。
コスト削減のアイデアで述べた、一部の業務を専門企業にアウトソーシング化することも有効的な事例といえるでしょう。

個人レベルでは得意・不得意分野があるため、業務内容に応じた担当者変更やアウトソーシングをうまく活用した結果、業務効率化の近道になることもあります。

会議を見直す

会議の見直しは比較的簡単にできます。
昔からずっとやっていたからという理由で、続けている会議はありませんか?

そもそもその会議を行う必要があるのか、会議を行ったことによって何か得られた成果があるのかを洗い出してみると、実は行わくてもよかったと気づくこともあるかもしれません。

そこにかけていた時間を本来の業務に費やすことができれば、参加者全員が業務を効率化することができるようになります。

また、段取りが悪く時間だけがかかってしまうことも少なくありません。
議題の事前共有や資料の配布は、会議より前に行っておくことで当日の話の流れがよりスムーズになるでしょう。

まとめ

業務改善の内容からコスト削減の具体的な方法、事例をご紹介してきましたが、実現するにはさまざまなプロセスや日ごろの認識が必要です。
個人レベルで意識することから始まり、会社全体に浸透するには、積極的な提案や社内での定期的な周知が重要になってきます。
企業におけるコストは社内で発生するものですが、仮に日常生活で自分が何かを購入して支払う場合に置き換えると、コスト削減がいかに重要かお分かりになるでしょう。

まず、「業務改善とは何か」ということを理解し、問題点の発見ができれば、あとは具体的な実行に移すことで日常的な変化が起こり、理想的な業務改善につながるかもしれません。

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