採用コストを削減したい!見直しの手順と5つの方法【専門家監修】
優秀な人材の確保は、企業が成長・拡大していくために欠かせません。
しかしながら労働力不足による売り手市場が続き、採用活動は長期化。採用にかかるコストは膨らむ一方です。
採用コストを抑えつつ、優秀な人材を獲得したい!
これが採用担当者の望みでしょう。
そこで今回は、採用活動の見直しによるコスト削減方法を解説します。
その中で、求人広告媒体と人材紹介会社の特徴、リファラル採用や採用代行サービスなどの採用手法も紹介していきます。
ポイントをおさえて採用手法を改善し、採用コストの削減につなげましょう!
監修者:曽和利光(そわ としみつ) 人事コンサルタント、株式会社 人材研究所 代表取締役社長 |
採用コストとは
採用コストとは、「採用活動全体」を通して発生する費用のことです。
求人広告費や採用担当者の人件費など、採用の計画段階から、求職者の選考、入社に至るまでにかかる費用の合計を言います。
企業によって採用人数や求人層はさまざまなので、「採用コストの削減」を考えるうえでは「採用者一人あたりにかかった採用コスト(採用単価)」を指標として使います。
【採用単価の算出式】
採用単価=採用コストの総額 ÷ 採用人数
また、採用コスト削減のポイントを考えやすくするために、採用コストを「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分けて考えます。そのため、採用コストは以下の計算式で考えます。
【採用コストの算出式】
採用コスト=外部コスト+内部コスト
では、外部コストと内部コストに関して、詳しく見ていきましょう。
外部コストの例
採用にかかる「外部コスト」とは、自社以外の外部に支払う経費のことです。
【外部コストの例】
- 求人広告費
- 会社案内やリーフレット、Webサイトの制作費
- 人材紹介会社への手数料
- 採用代行費
- 会社説明会やセミナーの会場費
- 内定者の研修費
- 採用管理システム(ATS)費用 など
外部コストは項目ごとの金額が大きいため、ここを見直すことで大きなコスト削減につながります。
内部コストの例
採用にかかる「内部コスト」とは、社内で必要となる経費のことです。
【内部コストの例】
- 人事採用に関わった社内の担当者の人件費
- 面接時の交通費や宿泊費
- 採用イベントなどへの交通費や宿泊費
- 内定者の引越費
- リファラル採用(知人紹介)のインセンティブ
- 内定者懇親会や親睦会といった交際費 など
内部コストの大部分は「人件費」で、外部コストよりも金額は小さい傾向にあります。
人件費を正確に把握するためには、担当者に採用活動の工数を報告してもらい、時給換算で算出する必要があります。
採用コストの平均相場
調査によると、2021年卒の新卒採用の総額平均は約270万(上場企業:約542万円/非上場企業:約245万円)、一人あたりの採用単価は約29万(上場企業:約36万円/非上場企業:約28万円)。上場企業か非上場企業かで大きな差があることがわかります。
なお、採用市場は景気によって労働者の需給バランスが変わるため、その年によって採用コストは変動します。
また、新卒/中途/アルバイト・パート、職種や業界によっても違いがあるので、自社の業界の相場を調べてみるとよいでしょう。
参考:HUMAN CAPITALサポネット「新卒採用の予算について」
採用コストを見直すステップ
採用コストを見直すためには、まずは全体の採用コストを把握すること、次に媒体ごとの採用単価を比較することが必要です。
各ステップの具体的な方法を見ていきましょう。
全体の採用コストを把握する
まずは、外部コスト/内部コストそれぞれかかった費用を算出し、全体の採用コストを把握しましょう。
以下のように、表にまとめると全体が把握しやすくなります。
媒体ごとの採用単価を比較する
次に、求人広告/人材紹介それぞれにかかった費用を算出し、媒体ごとの採用単価を比較しましょう。
募集職種ごとに使用した採用手法(媒体)、利用サービス、応募数や入社数、かけたコスト、一人あたりの採用単価を可視化します。
「採用単価」で比較し、費用対効果が低いと思われるものがあれば見直しが必要です。
ただし、単に媒体やサービスが良くなかったと判断するのではなく、媒体と採用ターゲットが合っていたかなども含めて精査することが重要です。
採用コストを削減する方法
採用コストの見直しができたら、次は、採用コストを削減する方法を検討しましょう。
ミスマッチの防止
アデコグループによる調査では、早期離職の原因として「自身の希望と業務内容のミスマッチ」が一位にあがっています。せっかくコストをかけて行った採用をムダにしないためにも、ミスマッチによる早期離職を防ぐことが大切です。
ミスマッチを減らすためには、以下のような対策が考えられます。
・面接では自社の魅力やメリットだけでなく課題やデメリットも伝える
・スキル/経験と報酬のバランスを検討する
・適性検査の実施/人材分析を行う
・現場社員との交流会を設ける
・入社後のフォローを充実させる
・当該ポジションの採用基準を明確化する(求める人物像の明確化)
・面接官の感覚ではなく、統一した採用基準に照らした面接を実施する
・面接官同士の評価の目線合わせを行う
・面接官のアセスメントスキルを強化する など
ターゲットの採用基準を明確化し、十分なアセスメントを行った上で、応募者としっかり意思疎通を図ることが、採用のミスマッチや早期離職の防止につながります。
参考:Adecco Group「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」
選考フローの見直し
人件費が多くを占める内部コスト削減の手段として、選考フローの見直しも効果的です。
選考フローにおいて最も時間がかかるのは面接です。
面接の回数や内容を見直して一度の面接内容を充実させたり、オンライン面接を活用したりすることでも面接の工数や費用を削減できます。
また、内定者フォローを充実させ、辞退者を減らすことも重要です。求めていた優秀な人材に内定を辞退されると、それまでにかかった採用コストが無駄になってしまいます。
内定者懇親会やSNSをはじめとしたコミュニティの場の提供など、入社まで内定者とのコミュニケーションを途切れさせないようにしましょう。
求人広告媒体・人材紹介会社の見直し
求人広告や人材紹介の媒体の見直しは、外部コストの削減につながります。
それぞれのサービスの特徴やターゲット層・登録者数などを理解したうえで、自社に合った媒体を選びましょう。
また、採用手法そのものを見直し、適切な手法を選択することも重要です。求人広告/人材紹介それぞれの特徴を理解して、自社に合った手法を模索しましょう。
リファラル採用の導入
近年注目されている「リファラル採用」を取り入れるのも有効です。
リファラル採用とは、社員や内定者の人脈を利用し、候補者となる人材を見つける採用手法のこと。外部サービスが介入しないため、費用が抑えられるうえに、採用プロセスの簡略化にもなります。
また、リファラル採用によって入社した社員は、紹介社員を通じて企業風土を理解した人材であることが多いため、ミスマッチが起こりにくく定着率が高いと言われています。
社員へのインセンティブなどを導入し、紹介が起こりやすい仕組みを作ることで、リファラル採用を上手く活用するとよいでしょう。
採用代行(RPO)サービスの導入
そもそも採用活動にかけられる人手が足りない、採用に注力するあまり自社のコア事業に集中できていないといった場合は、採用代行サービスを使うのも一つの手です。
特にノンコア業務に関しては、外注サービスを活用するほうがコストも抑えることができて効率的です。
採用関連業務において、求人広告の作成や日程調整などといったノンコア業務はたくさんあります。これらをアウトソースすることで、社員はより重要な選考や面接に注力でき、質の高い採用が可能になります。
社員にしかできない仕事は社員に、それ以外は外注を活用することで、より効率的な業務運用ができ、人件費の面でも大きなメリットが得られるでしょう。
採用代行(RPO)なら「HELP YOU」
採用関連業務は、求人広告の作成や日程調整など、さまざまなノンコア業務が大量に発生します。
そうしたノンコア業務に充てるリソースがなく、社員のコア業務を圧迫しているようであれば、アウトソーシングサービスの活用がおすすめです。
HELP YOUの特徴
HELP YOUは、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。
優秀なスタッフがクライアントをトータルサポートし、社員がコア業務に集中できる環境づくりを支援します。
【HELP YOUのプラン】
<チームプラン>
お客様の窓口となるディレクターが、業務の遂行に必要なスキルを持つアシスタントを集め、チーム制でサポートするプランです。
2.チーム制なので欠員があっても業務が滞る心配なし!長期的な依頼が可能
3.さまざまな業務の依頼でも窓口は一つで簡単!頼れる「専属ディレクター」
4.海外在住の日本人スタッフによる時差を活用した夜間帯業務も可能
【チームプランの主なサービス内容】
HELP YOUには、さまざまなスキルを持った優秀なメンバーが多数在籍しているため、幅広い業務の依頼が可能です。
■人事・採用業務:求人票の作成、書類審査管理、セミナー会場手配など
■総務業務:出張手配、スケジュール調整、名刺作成、データ整理など
■経理業務:入金管理、支払業務、請求書発行など
■営業サポート業務:会議資料作成、データ収集、KPI管理、経費申請など
■マーケティング業務:SNS投稿、メルマガ作成、アンケート集計など
■ECサイト業務:売上管理、商品管理、サイト管理、ニュースリリース作成など
※各サービスは、お客様のご要望によって組み合わせが可能です。
チームプランに加え、固定の専属アシスタントが業務を柔軟にサポートする「1名専属プラン」、RPAツールを用いて自動化が可能な定型業務をロボットがサポートする「ロボットプラン」など、お客様のニーズに合わせたプランをご提供しています。
「どんな業務をどこまで依頼できるか」「自社にはどのプランが適しているか」など、ご質問はメール・電話にて無料で承っております。ぜひお気軽にご相談ください!
HELP YOUの採用代行(RPO)事例
あるハウスメーカー様は、応募者との面談調整作業に多くの時間をとられる採用業務に悩んでおり、HELP YOUに業務を外注することにしました。
その結果、外注後のクライアントのタスクは業務依頼の指示と確認作業のみで、必要な工数はたったの15分。1時間15分もの工数を削減できたことになります。
ご担当者様からは、「調整作業に時間をとられることがなくなり、社内の情報も整理できた!」と、アウトソーシングの活用に満足いただいているコメントを頂きました。
採用コストのまとめ
採用コストは、見直すことで削減できます。
まずは、内部コスト/外部コストの項目を確認し、これまでの自社の採用方法とその効果を分析してみてください。
採用業務におけるムダの見直しができれば、コスト削減につながるうえに、効果的な手法の採用でより高い成果が期待できます。
ぜひこれを機に採用業務を見直し、自社に合った最適な採用体制を確立してください。
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