採用代行(RPO)の費用相場は?料金体系や業務範囲による違いも解説!<監修記事>
業界を問わず人手不足が叫ばれているいま、会社に新しい人材を迎える人材採用の重要性が日々増しています。
優秀な人材が欲しいと考える一方で、採用活動に十分なリソースを割ける企業は少ないでしょう。
効率的に採用業務をすすめるのに有効なのが「採用代行(RPO)」サービスの活用です。専門性の高い人材に採用業務全般を依頼することができるため、自社に最適な人材をスピーディーに確保することが可能になります。
とはいえ「導入するためのコストがどのくらいかかるかわからない」という方は多いのではないでしょうか?費用対効果が高ければ導入したい!という採用担当者もいることでしょう。
この記事では採用代行の費用相場や、採用代行サービスに委託できる業務内容、利用するうえでのメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
採用代行にかかる費用が把握でき、自社での導入可否や依頼する業者について検討しやすくなるでしょう。
採用代行とは
企業が社内で行っていた採用活動業務を外部の業者に委託するのが「採用代行」です。RPO(Recruitment Process Outsourcing)と呼ばれることもあります。
「採用代行サービス」では採用戦略の決定や応募者への対応など、採用に関する幅広い業務の一部、または全部を企業の代わりに行います。
採用代行の需要が高まっている要因の一つとして考えられるのは、採用活動が長期化していることです。
有効求人倍率は新型コロナウイルスの流行によりいったん落ち込んだものの、依然として売り手市場は続いています。複数の会社に同時並行で応募するのが普通になっていることもあり、せっかく内定を出しても入社につながらないケースは多いでしょう。長期にわたり採用活動をしなければならず、そのぶん採用担当者の負担が大きくなっているのが現実です。
また採用手法が複雑化しているのも、採用代行の需要の高まりに拍車をかけているといえるでしょう。
SNSを使った広報活動やオンライン説明会の実施など、求職者のニーズや時代に沿った採用活動をすると、手間や工数が増えます。必然的に採用担当者の業務量が膨大になり、リソース不足に陥る企業が出てきます。
採用代行に依頼できる業務
採用代行では幅広く業務を委託できます。場合によっては採用活動のほとんどを任せることも可能です。具体的にどのような業務が依頼できるのか見ていきましょう。
採用計画の策定
まずは採用計画の策定です。適切な採用計画なしでは採用活動の成功はあり得ません。
事務的な作業だけではなく、サービス業者が持つ専門的なノウハウを活かした採用計画立案の依頼も可能です。
採用ターゲットの明確化(人物要件定義)、採用戦術の立案、予算設定、KPI設定など、詳細なコンサルティングが可能です。自社の経営計画や希望条件などをサービス業者に明確に伝え、採用の具体的なKPIを設定することでより正確な計画が策定できるでしょう。
起業したばかりの企業や初めて新卒を採用する企業はムダな時間をかけなくて済むため重宝するでしょう。
募集
求人媒体や人材紹介会社の選定や発注、出稿などの管理も委託できます。代行サービスのノウハウや経験を活かすことで、母集団が大きく、より採用につながりやすい求人広告やエージェントを選べるでしょう。
また通常の採用活動においては、複数の求人媒体や担当者とやりとりするケースが多く、自社の採用担当者の負担が大きくなりがちです。
採用代行では、代行業者が募集に関する業務を一括して対応するため、依頼企業担当者の負担が減り効率化につながります。
応募の状況を見ながらDMやスカウトメールを送るなど、時間のかかる作業も柔軟に対応できるのも強みです。
就職・転職フェアに参加する場合によっては、採用担当者としてセミナー登壇や説明なども行います。
応募者対応
応募者から送られてくる選考書類の管理やスクリーニング、面接場所や面接日程の調整などをします。
採用活動は長期にわたって行われるうえ、新卒採用や事業拡大に伴い大量に募集をかけた場合には、細かい管理は採用担当者にとって負担となります。
あらかじめ対応フローを決めておけば、比較的能力を問わずに任せられる業務のため、代行を依頼する効果は高いでしょう。
面接・選考
自社に経験豊富な担当者が不在で面接のノウハウがない場合や、面接官の時間が取れない場合などは面接についても代行業者の利用が可能です。
人事経験者や人材紹介会社のキャリアカウンセラー経験者など、プロの面接官に選考を任せることが可能です。
ただし採用後のミスマッチを防ぐために、採用担当者と採用基準(合格基準)についてを事前に打ち合わせしておくことをおすすめします。Googleでも採用している「構造化面接」のように、あらかじめ質問内容や評価基準を決めておくことも有効です。
内定者フォロー
確実に入社まで導くために、内定後のフォローは重要です。
面接の合否連絡や、入社前研修、新卒内定者懇親会、社員交流会のセッティングなど、内定者とのコミュニケーションについての代行も依頼できます。
「HELP YOU」の採用代行サポート
HELP YOUは、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。採用業務をはじめ、総務・経理・営業サポートといったバックオフィス業務全般をサポートします。
特徴はチームで業務サポートをする点です。専属ディレクターが、厳しい採用プロセスをクリアした優秀な人材をチームとして束ね、業務の効率化を推進します。こうしてクライアントがコア業務に集中できる環境を実現しています。
採用活動に関わる業務については、求人サイトリサーチ、応募者リストの作成、応募者とのやり取り・スケジュール調整等のノンコア業務の依頼が可能です。
【HELP YOUの特徴】
- 厳しい採用プロセスをクリアした優秀なアシスタントが業務を担当
- チーム制のため人材が退職して業務が滞るリスクなし!長期的な依頼も可能
- 専属ディレクターがつくため、さまざまな業務をまとめて依頼できる
HELP YOUは800クライアント以上の導入実績があり、コスト削減やリソース不足の解消に貢献しています。
HELP YOUへの業務依頼例
HELP YOUでは以下で示すように、月間30時間分(月額10万円の場合)で多岐にわたる業務を依頼することが可能です。
時間が余った場合は、採用業務以外の業務を依頼することも可能です。
採用代行の費用相場
費用対効果をなるべく高めるためにも、実際に採用代行を依頼する場合の費用感について把握しておくことは重要です。料金体系や雇用形態、委託する業務範囲によって費用は異なります。
ここでは具体的な採用代行の費用相場についてご紹介します。なお実際の価格は採用人数やサービス業者によって異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
料金体系による違い
月額固定型
毎月支払う金額が固定されており、支払った利用料金の範囲内で依頼できる業務内容やボリュームが決められているタイプです。1〜12ヵ月までの間で期間を決めて契約します。
自社内で採用業務に関するノウハウが蓄積されていない場合は、月額固定で採用活動の一連のフローを任せることも可能です。
また基本的には追加料金が発生せず、かかる費用が明確なため、予算が限られている企業にも適しています。
月額固定型、採用代行の費用相場は、月額5〜100万円です。月額料金以外に、別途初期費用や求人広告掲載費用がかかるケースもあります。
なお、月額料金が安い場合であっても、採用目標を達成するのに時間がかかってしまえば、長期間利用することになりそのぶん費用が膨らみます。提供しているサービス内容にも必ず目を向けましょう。
※月額固定の場合も、必ずしも採用活動の一連のフローを任せるケースだけではないため、一部の採用業務を月額固定で代行する場合もある。
従量課金型
業務ごとにあらかじめ単価が決められており、代行を依頼した分だけ費用が発生する仕組みです。
必要な分だけ発注できるため、月ごとに業務量の変動が大きい場合や、採用工程の一部に時間がかかっている企業にはおすすめです。
従量課金型、採用代行の費用相場を業務内容ごとに一覧にしてみました。
説明会代行 | 2万円〜/回 ※回数ごとの従量制が多い |
面接日時設定 | 5万円〜/月 |
面接実施・評価シートの作成 | 1万円〜/回 |
応募者への合否連絡 | 2万円~/月 |
入社意思確認 | 2万円~/月 |
内定通知書の発送 | 2万円~/月 |
欠席者フォロー・別日程案内 | 2万円~/月 |
各種発着信対応 | 5万円~/月 |
応募者スクリーニング | 2,500円~ / 回 |
媒体掲載 | 15万円~/月 |
採用管理システム運用 | 10万円~/月 |
新卒・中途の媒体管理 | 5万円~70万円/月 |
DM・スカウト配信 | 1000円〜/回 ※回数/通数での従量課金が一般的 |
成果報酬型
採用の決定や面接実施のタイミングで料金が発生するタイプです。採用が決定するまでは費用が発生しませんが、他の方法と比べて割高になるケースもあります。
入社する人材の質にこだわりたい場合にはおすすめです。
成果報酬型、採用代行の費用相場は各社で大きく異なるため、問い合わせが必要です。ただし、以下のように設定されるのが一般的になっています。
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雇用形態による違い
新卒・中途採用
新卒採用する場合、採用代行の相場価格は5~70万円/月です。
また中途採用、採用代行の相場価格は10~70万円/月となっています。
パート・アルバイト採用
正社員以外を採用する場合にも採用代行サービスの利用は可能です。
採用代行の費用相場は1~30万円/月です。
業務範囲による違い
ノンコア業務のみのサポート
ノンコア業務とは応募者情報の入力や書類管理、面接や説明会の日程調整などの、合否や採用の効果に影響しづらい業務を指します。
相場価格は5~70万円/月です。
コア業務も含むサポート
採用計画の立案や面接の実施など、採用成果に直結するのがコア業務です。ノンコア業務だけではなくコア業務もまとめて依頼するぶん、価格は高くなります。
相場価格は15~100万円/月です。
採用代行のメリット
実際に採用代行を利用した場合のメリットについて見ていきましょう。
コスト削減につながる
一般的に、採用にあたっては求人広告費や説明会運営費なども含めて、新卒採用で1人あたり約50~100万円(※新卒理系院卒人材も含めると~100万程度が相場)、中途採用で約80~300万円前後の費用がかかるといわれています。
採用代行を利用すると毎月の利用料金はかかるものの以下の費用が削減できるため、結果として採用活動全体のコストを引き下げられるのがメリットです。
- 不要または求人効果が薄い広告媒体費用
- 人事担当者の採用費用
- 人事担当者への教育費用
- 人事担当者や面接官の人件費用
「採用のプロの視点」を取り入れることで、採用活動全体のフローを最適化しコストを削減することが可能です。
採用の成果が上がる
専門的なスキルをもつ担当者がアサインされることで、自社の求める人材像にマッチする応募者を選定することができます。
業務を代行する担当者は、求人媒体の管理や面接による応募者の見極めに長けているため、採用する人材の質も高まるでしょう。
採用代行業者からの改善提案を通じて、自社の採用担当者が成長できれば、採用の成果アップが一層期待できます。
コア業務に集中できる
採用代行は業務内容ごとに細かくアウトソーシングできるため、企業採用担当者の負担になっている工程を集中的に委託することが可能です。
特に応募者の管理や電話・メールによる連絡などの事務的な作業が多い「ノンコア業務」に割く時間は多くなりがちです。
ノンコア業務を採用代行サービスに依頼できれば、採用担当者は面接や内定者フォローなどのコア業務に注力できるため、内定辞退やミスマッチを防げるようになるでしょう。
採用代行のデメリット
採用代行を導入するデメリットはあるのでしょうか。順に説明していきます。
採用のノウハウが自社に溜まらない
採用代行に依頼した業務について、自社にノウハウがたまりにくいのがデメリットです。
予算の関係で採用代行の利用を中止した場合、今までどおりの採用成果を出せなくなるリスクがあります。
回避したい場合は、業務を丸投げするのではなく、採用戦略や業務の進捗などを定期的に共有する機会を設けることをおすすめします。
応募者との接点が減る
説明会や面接などのステップについても代行を依頼した場合、どうしても応募者との接点が減ってしまいます。
コミュニケーションの機会が減るため、応募者との信頼関係が構築しづらくなるのはデメリットです。
また業者の質が悪いと、入社後のミスマッチにつながる可能性もあります。
選考がある程度進んだ場合は、自社の採用担当者からも積極的にコミュニケーションを取るとよいでしょう。
採用代行を依頼する際のポイント
採用代行サービスを利用する際の注意点について説明します。
依頼範囲を明確にする
代行を依頼すべき業務の範囲は、自社内で明確にしておきましょう。
採用代行業者ごとに業務の得意不得意があるうえ、依頼費用も異なります。
自社に合わない業者を選んだ場合、「コストをかけた割にはほとんど採用成果が出なかった」といった結果になりかねません。
まめにコミュニケーションを取る
自社と代行業者の間で認識のズレが生じることがあります。
特にコア業務を一任している場合には、採用後にミスマッチが生じて早期離職につながるケースも考えられるでしょう。
採用代行業者に対しては自社の強みや求める人物像を丁寧に伝え、理解度を定期的に確認する機会を設けるのが重要です。
採用代行のまとめ
採用代行サービスの概要や費用相場についてご紹介しました。
採用代行にかかる費用は、業者ごとにかなり差があります。この記事で紹介した相場価格を参考に、自社で業務を完結させた場合と比べてどの程度メリットが出るのかを検討することが重要です。
また採用代行サービスは依頼できる業務の幅が広いため、うまく活用することで、採用の成果向上が期待できます。人件費や時間などのコスト削減にもつながります。
監修者:曽和利光(そわ としみつ) 人事コンサルタント、株式会社 人材研究所 代表取締役社長 |
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