管理部門のアウトソーシングで会社は変わるのか?メリットデメリットと選定ポイント

業務の効率化、人件費のカットなどを目的として、多くの企業がいろいろな業務をアウトソーシングすることが多くなっています。
経産省の統計によると、何らかの業務をアウトソーシングをしている企業は全体の7割程度にまで上り、
その中で依頼業務は環境・セキュリティ関連、物流、IT関連などに集中しています。
しかし、実際に外注できる業務の幅はかなり広く、経理・総務・人事といった管理部門もアウトソーシングできるのです。
働き方改革を機に、業務効率化や残業削減など、動きも活発になっています。
この記事ではアウトソーシングをすることによって得られるメリットデメリット、実際に任せることのできる業務を
依頼先を選ぶ際の注意点と共にご紹介します。
管理部門の業務をアウトソーシングするとは
アウトソーシングできる業務というのは年々増えてきています。
管理部門もそのうちの1つで、企業の状況に合わせて業務の委託ができます。
定型業務を外注する
管理部門とは基本的に人事・総務・経理の三つの部門を指します。
この中には、経営に直接関わるとても大事な業務も入っていて、企業の中でも重要度の高い仕事がなされています。
そのため、アウトソーシングするためには、まず管理部門を「定型業務」と「決定業務」に分けることが求められます。
定型業務とは、いつも決まった仕事内容で、特に判断が求められるわけではないものです。
この定型業務は業務の流れのルールを作ることで、アウトソーシングが可能となります。
自社で行わなくてもいい業務となりますので、切り出することで効率化が図れます。
それぞれの部門でアウトソーシングができる
管理部門を構成する総務・人事・経理部門のどこでも、定型業務を抽出することによって、アウトソーシングが可能となります。
もちろん、部門全体を投げるのは難しいことですが、いくつかの業務を外注できますので、よりコア業務に集中できるようになります。
部門が身軽になり、社員はより責任のある決定・判断をする重要な仕事に専念できます。
また、プロの手による定型業務の遂行により、よりスピーディーかつ的確な仕事ができることになります。
アウトソーシングできる管理部門の業務内容
管理部門のほとんどの業務をアウトソーシングをすることができますので、自社のニーズに合ったものをピックアップして依頼するようにしましょう。
人事部門でアウトソーシングできるもの
人事部門では、採用決定などの判断を要する業務があります。
しかし、求人募集告知や会社説明会の準備と実施、応募書類の整理や応募者のリストアップ、内定者へのフォローなど、定型業務となる業務もあります。
こうした業務については、積極的に外注することができるでしょう。
総務部門でアウトソーシングできるもの
総務部門はかなり広い範囲にわたる業務を行っているため、アウトソーシングもしやすいでしょう。
たとえば、受付や社内備品の管理と発注、役員会や株主総会の準備、契約書類の管理、統計調査などの業務があります。
また、行政機関との連絡や手続きなども、決まった手順で行うだけですのでアウトソーシングしやすい業務となります。
経理部門でアウトソーシングできるもの
経理は管理部門の中でも、積極的にアウトソーシングが進んでいる分野でもあります。
給与計算や税務処理、帳簿入力・管理、福利厚生のうち会計業務が関わるものなどがあります。
これに加えて、債券管理や不動産管理、予算と実績の管理など、より専門的なものについても信頼できる業者を選定することによって外注できるでしょう。
管理部門業務をアウトソーシングするメリット
管理部門のアウトソーシングにはいくつものメリットがあり、企業全体の業務効率化につながるものとなります。
自社のとって大きなメリットは何かを考えて、導入を検討することができます。
より専門的な対応ができる
アウトソーシングを受注する会社は、その分野のプロを抱えていますし、実績も豊富です。
そのため、スキルの高い人材による業務遂行が可能となり、よりスピーディーで確実な仕事ができます。
税務や国際基準順守など、各種法令は早いテンポで法・ルール改正がなされていますので、それに素早く対応するためにも、プロ集団の力を借りるというのは重要なことです。
コア業務への集中
管理部門のアウトソーシングでは、すべての業務を外注するわけではなく、定型業務のみを委託することがほとんどです。
そのため、判断・決定を要する重要な業務に自社の社員が集中できるというメリットが生まれます。
より責任のある、企業の理念が反映されるべき部分に社員が集中できることで、会社全体の業務効率や質の改善を見込めるようになります。
コスト削減につながる
企業の支出において、人件費という固定費はかなりの部分を占めます。
給与だけでなく、福利厚生費などの継続的なコストがかかり続けます。しかも、簡単には削減できない部分なのです。
しかし、思い切ってアウトソーシングをすることで、人件費のカットができます。
さらに、業務の量に見合った、いわゆる従量課金システムによってコストを組むことができますので、予算が組みやすいというメリットもあります。
これによって生まれた経営資本の余裕は、より重要な分野に投資することができるようになります。
新事業の展開や設備投資など、企業活動を拡大するために有意義に使えるのです。
管理部門業務をアウトソーシングするデメリット
メリットがある一方で、管理部門のアウトソーシングにはデメリットもあります。
メリットと天秤にかけながら、外注をするかどうかを考えましょう。
企業情報の漏洩リスク
管理部門は企業活動の中でも中枢となりますので、業務を扱う上で非常に重要な情報に触れることがあります。
たとえば、経理部門であれば、予算の使い方、重点的に投資をしている事業などの情報があります。
これが分かれば企業が新たに開発しているサービスや商品が推測できてしまうこともあります。
外部に業務を委託することで、こうした大事な情報が漏洩してしまうリスクがあります。
もちろん、信頼できる会社に依頼し、守秘義務に関する契約を結ぶことでリスクを抑えることができます。
長期的に見てコスト高となることも
人件費を抑えられるというメリットがあるものの、多くの業務をアウトソーシングしていると、長期的に見てコスト高となることもあります。
アウトソーシングを始める際に、短期間での外注費と、自社で行った場合にかかる人件費の比較、そして長期間での比較をすることが大事です。
その上で、将来的に社員がスキルを磨いて業務を内製化するか、ずっとアウトソーシングを続けていくかを検討することが求められます。
マニュアル化の手間がかかる
一度アウトソーシングが始まってしまえばいいのですが、導入時にはある程度の手間がかかることがあります。
それは、どの業務をどのように行っていくかという、マニュアル化の作業があるからです。
それぞれの企業で、業務の内容も流れも異なりますので、要望に確実に応えられるようにするためには、はっきりとしたマニュアルを作る必要があります。
そのため、導入に至るまでにある程度の時間がかかることもあります。
管理部門業務のアウトソーシング先を選ぶポイント
管理部門業務のアウトソーシングを請負っている会社はいくつもありますが、重要な部署であるため、信頼できる質の高い仕事をしてくれるところを選びたいものです。
そのポイントをチェックしてみましょう。
対応能力の高い会社
企業のグローバル化が進んでいますので、人事、会計、税務、法務など、多くの業務に海外での活動が関係してきています。
外国語や現地の法令、習慣に対応できないと、業務が正確に遂行されないこともあります。
そのためにも、国際基準に対応できる会社を選ぶのは大事なことです。
国際基準というだけでなく、経理、人事、総務のすべての業務を一元受注できる会社であることもポイントです。
異なる業務を別々の会社に分散して依頼するよりも、まとめて同じ会社に依頼した方が効率的だからです。
豊富なノウハウを基にアドバイスをしてくれるか
単に与えられた業務を遂行するだけでなく、業務の効率化を図ったり、企業の経営そのものに利益となる分析、レポートをしてくれる会社を選びましょう。
管理部門アウトソーシングの高いノウハウを持っているところであれば、どうすればそれぞれの業務の効率を上げられるかをアドバイスしてくれます。
これは、特に将来的にアウトソーシングしている業務を内製化したいと思っているのであれば、ノウハウを学ぶ良い機会になります。
実績があり信頼できる
ビジネスの基本でもありますが、やはり信頼できる会社を選ぶというのは何にしても最も大事なことです。
特に管理部門の業務がいい加減になると、会社全体に悪影響を及ぼしますので、特にこの点を重視したいところです。
実績があり、多くの企業のリピートを得ているところというのは信頼度を見る1つの基準となります。
また、担当者が丁寧で、企業のニーズをよく組み取ってくれるというのもみたいところです。
おすすめの管理部門業務のアウトソーシング会社
こうした会社選びのポイントをチェックしながら、おすすめのアウトソーシング会社を比較してみましょう。
どれも実績が高く、質の高い業務をしてくれると評判のところばかりです。
HELP YOU
人事・経理・総務部門のすべての業務を引き受けられる対応能力を持っているのが、HELP YOUの強みです。
オンラインとオフラインの両方でのサポートを提供しているので、必要に応じて、柔軟な依頼ができるのが魅力です。
しかも、スタッフの採用率は1パーセントという、特に厳選されたアシスタントのみを抱えていて、プロの仕事を提供することができます。
継続利用率は97%に上っていて、実際に利用した企業からの満足度が高いのも特徴です。
専属担当窓口とのやり取りによって、スムーズに業務連絡ができるのもうれしいところです。
NOC
アシスタントだけでなく、管理職までまとめてチームとしてスタッフを送り込んでくれるのが特徴の会社です。
広い範囲の業務であっても、一元管理することができて、新しい部署を一気に立ち上げることができます。
数多くのアシスト実績を武器に、企業にコンサルティングを行うことができます。
より効率的な管理部門の業務の流れを作り上げることに貢献してくれるのが強みです。
会計工房
社会保険労務士や税理士を始めとする、専門的な有資格者を抱えているのが特徴です。
より専門性が高く、深く入り込んだアウトソーシングができます。
それぞれの企業の状況に応じた業務プロセスを企業と一緒になって再構築していき、実際の業務提供まで、ワンストップで遂行できるのが特徴となっています。
http://acfl.co.jp/service/manage.html
まとめ
人事・経理・総務からなる管理部門は、他の部門と比べてアウトソーシングがあまりなされていない部門です。
しかし、判断・決定が必要とされる業務と、マニュアル化できる定型業務に分けることで、アウトソーシングが可能となります。
アウトソーシングでは、定型業務となるもの依頼することができます。
たとえば、採用関連業務、給与計算を始めとする会計処理、庶務などの業務があります。
こうした定型業務の外注化により、社員はより責任が重く、経営に大きな影響を与える判断業務に集中できるというメリットが生まれます。
また、スキルと実務経験が豊富なプロの手にゆだねることで、より効率的でスピーディーな業務が期待できるというのも大きなメリットです。
管理部門は企業の中でも大事なところですので、信頼できる実績のある会社を選ぶことが大事です。
また、様々な異なる業務、海外案件も扱える対応能力が高いというのも会社を選ぶポイントとなります。
信頼でき長く付き合えるアウトソーシング会社を選んで、よりスムーズな企業活動が行えるようにしましょう。
管理部門のアウトソーシングは、非常に効果の高いものですので、真剣に検討する価値が十分にあります。