アウトソーシングと人材派遣の違いとは?メリットや使い分けのポイント

企業が成長する過程で、業務の効率化や専門性の確保、人手不足の解消など、さまざまな課題が出てきます。そのような課題を解決するために、自社以外の外部リソースへの業務委託を検討することもあるでしょう。

その際の選択肢として、主に「アウトソーシング」と「人材派遣」の2つが挙げられます。どちらも企業の課題を解決に導く選択肢ですが、それぞれには異なる特性があります。
そのため、アウトソーシングと人材派遣の違いを理解し、適切に活用することが業務委託を成功させるポイントとなります。

本記事では、アウトソーシングと人材派遣の違い、それぞれのメリット・デメリット、そして使い分けのポイントについて詳しく解説します。

この記事を通して、自社がどちらを委託先として選択すべきか、また、どのように活用できるかについての理解を深めることができます。
ビジネスの成長をサポートする一助としてお役立てください。

アウトソーシングとは

アウトソーシング 人材派遣1

アウトソーシングとは、Out(外部)とSourcing(資源化)を合わせた造語です。社外の資源や人材を労働サービスとして活用することを意味します。

国内のアウトソーシングサービスは、1990年頃から主にシステム開発などで使われるようになりました。その後、アウトソーシングの形は時代と共に変化し、サービスもさまざまに生まれています。

アウトソーシングの種類

アウトソーシングには主に4つの種類に分類され、それぞれ異なる目的と特性を持ちます。
ここでは、それぞれの概要やメリット、業務範囲について見ていきましょう。

それぞれの違いを理解して適切に活用することで、企業は自らの業務に集中し、業務効率化やコスト削減を図ることができます。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

BPOは、業務プロセスの企画・設計から実施まで、全てを一括して外部企業に委託するアウトソーシングの一種です。

例えば、「給与計算だけ」など業務の一部を委託することも可能ですが、BPOの主な特徴とメリットは「業務プロセス全体を一括して委託できる」ことにあります。

マネジメントから人材確保、業務遂行まで全てBPO業者が行うため、採用負担がない・コア業務に集中できる・業務の品質向上や効率化といった、さまざまなメリットが期待できます。

【業務範囲】

人事・総務・経理・情報システム、物流業務、製造業務など

 

ITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)

ITOは、IT関係や情報システム関連の業務を他の企業に委託することを指します。システム開発や保守、ネットワーク管理などを、専門スキルのあるITサービス企業に委託できます。

IT分野に精通した専門家を外部リソースとして活用することで、IT人材不足の解消が期待できます。

【業務範囲】

インフラ設計や構築、システム運用など、主に情報システム部門

 

KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)

KPOは、情報の収集・高度な分析・解析・加工を中心とした、マニュアル化できない非定型的な知的生産業務のアウトソーシングを指します。分析力・判断力・創造性を活かした情報提供が求められるサービス形態です。

市場データなどの客観的なデータに基づき、経営的・戦略的な目線で事業計画などを立てる際の効果的な手段として、海外を中心に有効活用されています。
外部の専門知識を活用することで、業務の品質向上や事業成長の加速が期待できます。

【業務範囲】

データ収集や加工・分析などが中心、都度判断が多くマニュアル化しにくい業務

 

オンラインアウトソーシング

オンラインアウトソーシングは、オンライン上で業務を外部委託する形態のアウトソーシングです。
経理、総務、人事・採用、営業サポートなどの事務から、SNS運用やWebデザイン、データ分析など、さまざまな業務をオンライン上で委託できます。

オンラインアウトソーシングにはBPO型のサービスも多く、BPOで挙げたメリットに加えて、以下のようなメリットもあります。

  • 地理的な制約を超えて最適な人材・スキルを活用できる
  • コストパフォーマンスが良い
  • 海外在住スタッフとの時差を利用した24時間体制の業務遂行が可能

オンラインアウトソーシングは、企業が自社の業務を効率的に、また高品質に遂行するための有効な手段となります。

【業務範囲】

バックオフィス系事務、マーケティング、クリエイティブ制作など

アウトソーシングと人材派遣の違い

アウトソーシング 人材派遣2
アウトソーシングと派遣にはどのような違いがあるのでしょうか?

アウトソーシングと人材派遣の大きな違いは契約形態です。アウトソーシングは業務委託契約、派遣は労働者派遣契約となります。

この他、「契約先」「指揮命令」「期間や期限」「対価の発生」「業務の制限」などにも違いがあります。アウトソーシングと人材派遣の違いを比較してみましょう。

項目 アウトソーシング 人材派遣
契約形態 業務委託契約 労働者派遣契約
契約先 アウトソーシング会社 人材派遣会社
労働者への指示と管理 アウトソーシング会社 派遣先企業
期間と期限 契約終了時まで 契約期限は3年。延長する場合は、直接雇用が努力義務
対価発生 成果物の納品、作業の遂行 派遣スタッフの労働(時給換算)
業務制限 制限なし 労働者派遣法により、港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関連業務などは不可

 

アウトソーシングと人材派遣の違い

契約形態・契約先

アウトソーシングの場合は、受託会社と業務委託契約を締結します。業務の管理や遂行は受託会社が行います。

人材派遣の場合は、人材派遣会社と労働者派遣契約を締結します。人材派遣会社が労働者を企業に派遣し、業務の管理や労働者の教育は派遣先となる企業が行います。

業務指示

アウトソーシングと人材派遣は、「誰が労働者に業務指示を出すか」という点にも違いがあります。

アウトソーシングでは、人材はアウトソーシング会社の管轄にあります。そのため、労働者への指揮命令はアウトソーシング会社が行います。つまり、企業担当者は、業務を実践する労働者ではなく、アウトソーシング会社に指示を出すことになります。

人材派遣では、派遣先企業の担当者が労働者に直接指示を出します。派遣労働者の教育や進捗管理なども同様です。

業務制限

医師や弁護士など国家資格が必要な業務の遂行はできませんが、それ以外の業務であればアウトソーシングの業務制限はありません。

一方、人材派遣には業務制限があります。労働者派遣法により、危険が伴うなどの理由で作業ができない業務が定められています。たとえば、建設業務や警備業務、医療関係業務などは人材を派遣することができません。

人材派遣できない業務

  1. 港湾運送業務
  2. 建設業務
  3. 警備業務
  4. 病院等における医療関係業務

参考:厚生労働省「労働者派遣事業ができない業務」

アウトソーシングのメリット・デメリット

アウトソーシング 人材派遣3

アウトソーシングと人材派遣の違いをより深く理解するために、それぞれのメリットとデメリットを確認しましょう。

まずは、アウトソーシングのメリットとデメリットから解説します。

メリット1.業務の品質や効率が向上する

アウトソーシングを活用することで、業務の品質や効率の向上などの業務改善が可能です。

アウトソーシングサービスの多くは、特定の専門分野について、さまざまな技術や知識、経験を持っています。アウトソーシング導入によってそのノウハウを活用することで、業務の処理速度や品質を向上できるでしょう。

また、アウトソーシング活用により、自社のリソースをコア業務に集中させることができるため、全体の業務効率や生産性の向上も期待できます。

メリット2.コストを削減できる

アウトソーシングでは、人材採用や育成は委託先企業が行います。そのため、企業は採用活動や人材育成にかかるコスト、労務管理などにかかる手間や負担を大幅に軽減できます。

また、人材派遣の場合はオフィススペースや備品などの準備があらかじめ必要ですが、アウトソーシングでは不要なため、その費用も削減できます。

メリット3.安定した稼働ができる

一般的に、アウトソーシングはチームで対応します。そのため、スタッフの突発的な休みや離職などによって業務が滞る心配がなく、安定的な稼働が望めます。

また、アウトソーシング導入により、業務フローやルールの策定、マニュアルの整備などを通して業務プロセスが整理・可視化されます。
これにより、業務が特定の個人に依存することなく、誰でも業務を遂行できるようになり、業務の属人化を防ぐこともできます。

デメリット1.社内にノウハウを蓄積するのが難しい

ここからはアウトソーシングのデメリットについて見ていきましょう。

アウトソーシングのデメリットとしては、自社にスキルやノウハウを蓄積しにくいという点があります。アウトソーシング会社が業務を請け負うため、自社の社員が依頼業務のスキルやノウハウを得る機会を失うからです。

いずれ内製化したいと考えている場合、アウトソーシング会社に業務マニュアルを作成してもらうことでノウハウを受け継ぐことができるでしょう。

デメリット2.情報漏えいのリスクがある

アウトソーシングを行うと、自社や業務に関連する情報を外部に共有することになるため、情報漏えいのリスクが増します。
特に、重要なビジネス情報や顧客データを委託先と共有する場合、その情報が適切に保護されているかどうかが重要な問題となります。

このリスクを軽減するために、委託先が適切なセキュリティ対策を講じていることを事前に確認することをおすすめします。

人材派遣のメリット・デメリット

アウトソーシング 人材派遣4

続いて、人材派遣のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット1.業務管理がしやすい

アウトソーシングとは違い、派遣は労働者に対し、企業が直接指示を出すことができるので、業務管理などがしやすいというメリットがあります。
コミュニケーションがとれる状態で対応してもらえるため、スケジュールや進捗状況などを瞬時に把握することが可能です。

メリット2.短期間での利用が可能

人材派遣では、期間限定で人材を確保することができるというメリットもあります。

たとえば、1つのプロジェクトが終了するまでの利用や、目標が達成されるまでといった利用の仕方も可能です。年に数回の繁忙期のみ利用するなど、必要な期間だけ人材を確保することができます。

デメリット1.人材に依存してしまう

ここからは人材派遣のデメリットについて見ていきましょう。

アウトソーシングであれば、多様なスタッフのスキルを活用できます。しかし、人材派遣の場合は、派遣されたスタッフが持っている特定のスキルや経験しか活用できません。

派遣された人材の能力が高ければ、業務の成果も高まる可能性があります。反対に、派遣された人材の能力が低かった場合、成果物の質や業務効率もそれに応じて低くなる可能性があります。

また、派遣された人材が退職などした場合、また新たな派遣スタッフを探して教育しなければなりません。そのたびに採用・教育の手間がかかる上、業務が停滞してしまう可能性もあります。

デメリット2.派遣期間に制限がある

人材派遣には契約期間に上限があります。企業へ派遣される期間が事前に決められている「有期雇用派遣」の場合、派遣期間の上限は3年です。
派遣の活用を3年以上望む場合は、直接雇用の努力義務が定められています。

参考:厚生労働省「労働者派遣法の改定について」

 

オンラインアウトソーシング徹底比較資料

アウトソーシングと人材派遣のどちらを選ぶべきか

アウトソーシング 人材派遣4

アウトソーシングと人材派遣のどちらを選ぶべきかは、「業務の性質」と「業務の期間」という2つの要素に基づいて決定するのがおすすめです。
自社にとってどちらの委託形態が適しているかを判断する材料としてご活用ください。

アウトソーシングに向いているケース

【業務の性質】

・イレギュラーが発生しにくい定型業務を依頼したい

・自社にない外部のスキルやノウハウを活用したい

【業務の期間】

・継続的な業務だが繁閑がある

 

ルーティンワークなどの「定型業務」は、プロセスが明確で、業務を実行するためのガイドラインを容易に作成できるため、アウトソーシングに適しています。
また、自社内での育成や人材獲得が難しい「スキルやノウハウを必要とする業務」は、すでにその知見を持っている専門家に業務を委託することで、そのノウハウを活用し、業務品質や効率を向上させることができます。

さらに、アウトソーシングは繁忙期と閑散期がある業務に対しても有効です。繁忙期は外部に業務を委託し、閑散期には内部リソースを活用することで、効率的な業務運営が可能となります。これにより、業務量の変動にも柔軟に対応できます。

人材派遣に向いているケース

【業務の性質】

・イレギュラーやルール変更が発生しやすい業務を依頼したい

【業務の期間】

・依頼したい期間が決まっている

 

人材派遣は、「イレギュラーが発生しやすい業務」や、「ルールが頻繁に変更される業務」に対して有効です。派遣社員は企業の指導・管理の下で働くため、業務の変更やイレギュラーにも迅速に対応できます。

また、派遣社員を必要な期間だけ雇用することでコスト効率を高められます。そのため、人材派遣は「一定期間の業務」に対しても有効です。
例えば、プロジェクトの期間が決まっている場合や、一時的な人手不足を補う場合などには、人材派遣の活用が向いています。

オンラインアウトソーシングの「HELP YOU」

業務の品質向上や効率化、コスト削減などが実現できる委託先をお探しであれば、「HELP YOU」がおすすめです。

HELP YOUの特徴

HELP YOU

HELP YOUは、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。
優秀なスタッフがクライアントをトータルサポートし、社員がコア業務に集中できる環境づくりを支援します。

【HELP YOUのプラン】
<チームプラン>
お客様の窓口となるディレクターが、業務の遂行に必要なスキルを持つアシスタントを集め、チーム制でサポートするプランです。

チームプラン4つの強み
1.厳しい採用プロセスをクリアした「優秀なアシスタント」
2.チーム制なので欠員があっても業務が滞る心配なし!長期的な依頼が可能
3.さまざまな業務の依頼でも窓口は一つで簡単!頼れる「専属ディレクター」
4.海外在住の日本人スタッフによる時差を活用した夜間帯業務も可能

【チームプランの主なサービス内容】
HELP YOUには、さまざまなスキルを持った優秀なメンバーが多数在籍しているため、幅広い業務の依頼が可能です。

■総務業務:出張手配、スケジュール調整、名刺作成、データ整理など
■経理業務:入金管理、支払業務、請求書発行など
■人事・採用業務:求人票の作成、書類審査管理、セミナー会場手配など
■営業サポート業務:会議資料作成、データ収集、KPI管理、経費申請など
■マーケティング業務:SNS投稿、メルマガ作成、アンケート集計など
■ECサイト業務:売上管理、商品管理、サイト管理、ニュースリリース作成など
※各サービスは、お客様のご要望によって組み合わせが可能です。

料金
月額:10万円~/実働時間:30時間~(税抜)

 

チームプランに加え、固定の専属アシスタントが業務を柔軟にサポートする「1名専属プラン」も提供しています。

「どんな業務をどこまで依頼できるか」「自社にはどのプランが適しているか」など、ご質問はメール・電話にて無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください!

HELP YOUのアウトソーシング導入事例

HELP YOUのアウトソーシング活用事例をご紹介します。

DCM株式会社は、全国にホームセンター675店舗以上を展開する、ホームセンター業界のリーディングカンパニーです。店舗売場のDX化を任されたご担当者様は、売場案内ツール制作を担当することになりました。

当初はその制作を内製化し、パート・契約社員・派遣社員に協力してもらおうと考えていました。しかし、その場合、作業説明や人材の管理監督、人事規程の確認・伝達など、特にノンコア業務の業務負荷が増加するという課題が浮上。
そこで、ノンコア業務を手放し、自分のリソースをコア業務に集中させるために、オンラインアウトソーシングの「HELP YOU」を導入しました。

HELP YOU導入により、ご担当者様をはじめとする従業員の方々はコア業務に集中することができました。自社で全てを行っていたとしたら1500時間ほどかかっていた作業を、工数を割くことなく進行。その結果、売場のDX化プロジェクトを成功に導くことができました。

これは、HELP YOUのアシスタントが業務を代行することで、従業員がコア業務に注力でき、業務効率化や品質向上を実現できた成功事例の一つと言えます。

▼詳細はこちら

店舗売場のDX化に着手。功績を評価され、社内で表彰!HELP YOUの活用でプロジェクトを成功へ

HELP YOUの口コミ・評判

実際にHELP YOUをご利用いただいた方からの声をご紹介します。

管大輔さんのHELP YOUに関するレビュー|ミナオシ

まとめ

アウトソーシング 人材派遣6

アウトソーシングと人材派遣は、どちらも人手不足や業務負担などの企業が抱える課題を解決する有効手段です。しかし、それぞれに異なる特性とメリットを持っているため、企業のニーズや目的に応じて適切に選択・活用することが求められます。

アウトソーシングは、業務の品質向上や効率化、コスト削減などを実現し、一方で人材派遣は、短期間の業務やイレギュラーが多い業務に対応する際に有効です。
ぜひ、本記事を参考に、自社にとって最適な選択を行い、業務の効率化と成長を実現してください。

▼関連記事

【2024年版】オンライン秘書とは!おすすめサービス比較12選

派遣社員のスキル不足!派遣交代要請の理由と代替方法

【2024年版】経理代行サービス比較!料金相場や選定ポイント<FP監修>

オンラインアウトソーシングはHELP YOU

700以上のクライアント様が導入


人手不足が深刻な状況で、業務を外注する企業が増えています。
特にオンライン上のアウトソーシングサービスは、下記の点で多くのお客様に選ばれています。

【HELP YOUが選ばれる理由】


1.厳しい採用プロセスをクリアした「優秀なアシスタント」が業務を担当
2.チーム制だから人材が退職して業務が滞るリスクなし!長期的な依頼が可能
3.専属ディレクターがつくため、様々な業務をまとめて依頼できる

日々の雑多な作業を外注し、重要な業務に集中して生産性を上げたい方は
ぜひこの機会にHELP YOUの導入をご検討ください。

お電話での無料相談はこちらをご利用ください。050-3187-5599(平日10~18時)