クラウド化とは?導入すべき理由やメリットをわかりやすく解説

近年、加速している企業システムのクラウド移行。クラウド環境の構築によって業務効率化が進み、生産性が向上するといわれています。
とはいえ、改めて「クラウド化とは何か?」と問われた場合、戸惑う方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、クラウド化すべきか悩んでいる方やクラウド化の基本を知りたい方に向けて、以下の内容を解説します。
- クラウド化とは何か
- クラウド化を導入すべき理由
- クラウド化のメリット、デメリット
- クラウドサービスの種類 など
今後社内のクラウド化を進めていくためにも、まずは概要をしっかりと理解し、導入の準備をしましょう。
クラウド化とは
クラウド化とは、自社内で設置・運用しているNASやサーバー、ソフトウェアなどを、外部業者のクラウド(インターネット上のデータ格納庫)に移行することです。
クラウドサービスには、利用者が限定される「プライベートクラウド」と、利用者が限定されない「パブリッククラウド」があります。
一方、自社でソフトウェア、ハードウェアを管理・運用する方法を「オンプレミス」といいます。クラウド化とオンプレミスには、ソフトウェア、ハードウェアを自社保有するかどうか以外に次の違いがあります。
クラウド化 | オンプレミス | |
費用 | 初期費用はほぼ必要ないが、月額費用が必要 | 自社で全てをそろえるため、初期費用が高い |
保守 | クラウドサービスの運営会社が行う | 自社対応 |
拡張性 | サービス内容を変更して拡張する | 自社で設備、機能を用意するため、費用が高くなる |
カスタマイズ性 | サービス内で可能 | 無制限 |
オンプレミスは自社で全てをそろえる必要があるため、どうしても初期費用がかさみます。クラウドサービスを利用する場合、初期費用は抑えることができますが、月額費用の支払いが必要です。
また、クラウドサービスはオンプレミスのようにカスタマイズ性の自由度は高くありません。とはいえ、保守管理をサービスに任せられる点、費用を抑えられる点は大きなメリットといえるでしょう。
クラウド化の現状
では現状、国内のクラウド化はどの程度進んでいるのでしょうか?確認していきましょう。
クラウドサービスの利用状況
下の図は、総務省が調査したクラウドサービスの利用状況の推移です。
令和元年、会社全体でクラウドサービスを利用している企業は36.0%でした。しかし、その2年後である令和3年にはその比率が42.6%と増加しています。
また、令和3年の「全社的に利用している」企業と「一部の事業所または部門で利用している」企業を合わせると、実に7割の企業がクラウドサービスを利用していることが分かります。
クラウドサービスを利用している業務
次に、クラウドサービスを利用している業務に注目してみましょう。以下の図は、クラウドサービスをどの業務に利用しているのかを調査した結果です。
令和3年のグラフを見ると、もっとも利用されている業務は「ファイル保管・データ共有」で60.9%。次に「電子メール」(52.5%)、「社内情報共有・ポータル」(51.9%)と続きます。
クラウドは場所を問わずに利用でき、かつ共有しやすい特徴から、上記業務でのクラウド導入が進んでいるようです。
クラウド化を導入すべき理由
前章では、多くの企業がクラウド化を行っていることが分かりました。この章ではクラウド化を導入すべき、3つの理由をご紹介します。
多様な働き方が可能に
まず、多様な働き方が可能になることです。クラウドサービスを利用すれば、インターネット経由で場所を選ばず、どこでもアクセスできるようになります。
営業担当なら、外出先から受発注の手続きや資料の送付などが行えます。日中は外回り、オフィスに戻ってから事務処理という働き方はクラウド環境下では必要ありません。
また、リモートワーク(在宅勤務)の実現も可能です。クラウド環境=働く場所を問わないことから、ワークスタイルの多様化、女性の社会参加や介護離職の防止といった柔軟な働き方が可能になるでしょう。
DX化への入り口
次の理由は、DX化への入り口に立てる点です。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、データ化した数値を解析・分析し、新規ビジネスを創出すること。DX化によって、企業の生産性や競争力が向上するといわれています。
労働力不足が叫ばれる昨今において、DXは早急に促進しなければならないものです。まずは、ペーパーレス化によって蓄積した膨大なデータをクラウドで管理すること。それが、DX化への第一歩となるでしょう。
災害時のバックアップが可能
災害時のバックアップが可能な点も、クラウド化すべき理由の一つです。万が一火災などが起こった場合、クラウド環境にデータを保管していればデータは保護されます。
さらに、クラウド環境では場所を問わずデータへのアクセスが可能です。よって、オフィスが使用できなくなったとしても、自宅やシェアオフィスなどから業務を復旧し、継続することもできます。
クラウド化のメリット5つ
クラウド化すべき理由を理解したうえでクラウド化導入のメリットを5つ、解説していきます。
業務効率化で生産性向上が期待できる
まず、クラウド化には業務効率を上げるというメリットがあります。
稟議書を例に挙げてみましょう。紙の稟議書を申請する場合、1枚の紙が決裁者の間を順に巡っていくことになります。この場合、決裁者の一人が不在だとその人がデスクに帰ってくるまで、稟議書は机のうえに置いたままになってしまいます。
しかし、稟議書をクラウド化した場合はどうでしょう。たとえ決裁者がオフィスにいなくても、外出先で内容の確認および承認が可能。紙の稟議書よりも承認がスピーディーです。
クラウド環境下ではデータの共有や管理、必要なデータの検索も素早く行えます。業務効率化が進み、生産性の向上も期待できるでしょう。
保守運用が不要
クラウド化した場合、保守運用の必要がなくなります。自社の代わりに、クラウドサービス会社が保守運用を行ってくれるからです。
よって、保守運用のために専門人材を確保したり、保守運用の代行を依頼したりする手間とコストを省けます。自社で労力をかけなくても安定的な運用ができ、可用性が高い状態が保てる点は大きなメリットです。
システムの拡張性が高い
クラウドには、システムの拡張性が高い(スケーラビリティが高い)という特徴もあります。拡張性を上げるために再構築や調整が必要なオンプレミスと異なり、クラウドは状況や環境に合わせて柔軟に拡張を行えます。
クラウドサービスはサブスクリプション契約が一般的なので、容量の拡張などは契約変更をするだけで済みます。よって、繁忙期のみ拡張するといった対応も可能です。
セキュリティリスクの回避
クラウドサービスには、セキュリティリスクを回避できるメリットもあります。昨今のクラウドサービスは強固なセキュリティや技術を使用しています。
例えばクラウドサービスの一つであるGoogle Workspaceは、データセンター施設において生体認証や侵入検出機能など最新技術を導入。コンテンツの暗号化やセキュリティの専門家による脆弱性の分析など、日々セキュリティ強化に努力しています。
つまり、クラウド化によって自社で管理した場合に起こり得る、データの消失や漏えいリスクを抑えることができるのです。
導入コスト・運用コストの削減
最後のメリットは導入コスト、運用コストの削減です。オンプレミスと異なり、クラウドサービスはファイルサーバーやネットワーク機器を用意する必要がありません。その分、物理的な初期コストをカットできます。
また前述したとおり、クラウド化すると管理やメンテナンス費用も自社で支払う必要がなくなります。自社の規模、データ量に合わせて費用を最適化できる分、無駄を省けるでしょう。
もちろん、クラウドサービスとの契約費用や月額費用は必要です。しかし、それを踏まえたとしてもオンプレミスと比べ、導入・運用コストを小額に抑えられる点は魅力です。
クラウド化サービスの種類
ここからはクラウドサービスの一つであるクラウドサーバーの種類、IaaS、SaaS、PaaSを紹介していきます。各サービスのメリット・デメリットも記載しているので参考にしてください。
IaaS|社内インフラのクラウド化
IaaSは「Infrastructure as a Service(サービスとしてのインフラ)」の略で、情報システムの稼働に必要な仮想サーバーをはじめとする、機材やファイアウォールなどの社内インフラをクラウド化するサービスのことです。
【メリット】
- SaaSやPaaSよりも自由度が高く、ハードウェアのスペックやOSの選定、リソースの拡張などを自由に行える
- ランニングコスト(ハードウェアを稼働させるための費用や保守費用)を削減できる
【デメリット】
- 自由度が高い分、導入後の構築や運用に手間がかかる
- 専門知識を持つ人材が必要
Google Compute Engine、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)など
SaaS|ソフトウェアのクラウド化
SaaSとは、「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」の略で、ソフトウェアをクラウド化するサービスのことです。
例えばメールやコミュニケーションツールなどをクラウド化する場合、自身のパソコンにはインストールせず、ネットワーク経由でアクセスできるWebメールを利用します。
【メリット】
- 自社でソフトウェアを開発する必要がなく、もっとも導入しやすい
- ランニングコストが安い
【デメリット】
- カスタマイズ性が低い
- SaaSのサービスに合わせた運用や業務形態にする必要がある
GmailやYahoo!メールなどのWebメールサービス、クラウド会計ソフト、Salesforceなど
PaaS|開発環境のクラウド化
PaaSとは、「Platform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム)」の略で、ハードウェアなどのプラットフォーム(開発環境)をクラウド化するサービスのことです。
ベンダーが用意したプラットフォームを使用し、ユーザーはその上でアプリケーションの開発や、独自のシステムの運用が可能です。
【メリット】
- システムやアプリケーションの開発にすぐ取り掛かれる
- プログラムスキルが高くなくても、開発ができる
【デメリット】
- IaaSやオンプレミスと比べるとカスタマイズ性は低い
Google Apps Engine、Microsoft Azureなど
どのクラウドサービスを導入するとよいのかは、クラウドサービスを使用する目的や範囲によって異なります。
導入の際は、自社システムの現状確認や各サービスの事前調査を入念に行いましょう。
クラウド化のデメリット
クラウド化にはもちろんデメリットも存在します。この章では2つのデメリットを見ていきます。
社内システムとの連携ができないことも
クラウド化サービスによっては、社内システムと連携できない場合があります。社内システムと互換性がないと、システムの変更や引継ぎに余計なコストがかかってしまいます。
- 自社システムと連携できる(互換性のある)サービスかどうか
- 連携できない場合は引継ぎをどう行うか
これらを事前に確認し、スムーズに導入できるようにしましょう。
人的リソース不足
また、人的リソース不足もクラウド化の課題の一つです。
いざクラウド化に踏み切ろうとしても、人的リソースが不足していては為す術がありません。特にIaaSのサービスを利用する場合は、専門的なITの知識やスキルを持った人材が必要です。
人的リソース不足はクラウド化に際してだけではなく、日々の業務にも支障をきたす企業にとって大きな課題といえるでしょう。
【対策】アウトソーシング活用でリソース不足を解消
- 人材の技術習得が追いつかない
- 専門知識をもった人員を確保できない
- クラウド化に伴うデータ移行や事務的作業にまで手が回らない
リソース不足がクラウドサーバー化に踏み切れない原因だという企業は、アウトソーシング活用でリソース不足を解消しましょう。
アウトソーシングでは、経理業務や人事採用業務、営業サポートにECサイトの管理などさまざまな業務を委託できます。そして、最近では事務やバックオフィスの領域を超えて、IT分野のサービスが充実してきていることをご存じでしょうか?
つまり、クラウド化の導入から運用サポートまで、アウトソーシングが可能になっているのです。
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まとめ
今回はクラウド化とは何か、導入すべき理由、メリット・デメリットやクラウドサービスの種類について解説しました。
クラウド移行は多様な働き方やDX化を進める第一歩です。また、クラウド化にはセキュリティリスクを回避でき、業務効率化で生産性向上につながるメリットもあります。
クラウド化に興味はあるものの、人的リソース・時間的リソースが不足している場合は、ぜひアウトソーシングを検討してみてください。
HELP YOUのサービスは対応業務範囲が幅広く、各分野の専門人材を揃えられる点が強みです。クラウド化の導入がスムーズに進むよう、柔軟にサポートいたします!
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