大学事務はRPAで自動化!導入事例やメリット、注意点を解説

大学事務の現場では、人手不足と業務の煩雑さが深刻な課題となっています。学生情報の管理や証明書の発行など、日々の定型業務に多くの時間と労力が割かれ、職員の負担が増大しています。

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。これまで企業を中心に導入が進んできたRPAですが、大学事務の分野でもその有効性が認識され、導入する大学が増えています。

この記事では、RPAが大学事務にもたらすメリットや導入事例、導入時の注意点を解説します。RPAが活用できる具体的な業務を知り、導入イメージをつかむ参考にしてください。

RPAとは

rpa 大学 事務

RPAとは、ソフトウェアロボットを用いて、人がパソコン上で行う定型業務を自動化する技術です。キーボードやマウス操作を記録・再現し、業務の効率化を図ります。

RPAで自動化できる業務の代表例には、データ入力や書類作成などの単純作業が挙げられます。また、複数のシステムを連携させることで、より高度な業務プロセスの自動化も可能です。これにより、業務時間の短縮や人的ミスの削減だけでなく、データの収集・蓄積・分析が容易になります。

蓄積したデータを活用すれば、業務改善や意思決定の迅速化を促進し、さらには学生サービスの向上も期待できます。

さらに、RPAとAI(人工知能)やOCR(光学文字認識)などの技術を組み合わせることで、より高度な自動化を目指すことも可能です。

▼こちらの記事では、RPAとは何か、RPAでできることなど、基礎知識をわかりやすく解説しています。より詳しくRPAについて知りたい方は、ぜひご参考ください。

RPAとは│基礎知識を徹底解説!できることやメリットは?

大学がRPAを導入する必要性

rpa 大学 事務

近年、文部科学省が推進する大学DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを受け、オンライン授業の普及やデータ活用の推進など、大学全体のデジタル化が求められています。その中で、大学事務の効率化も早急に取り組むべき課題となっています。

RPAは、職員の負担となっている定型業務を自動化できるツールです。そのため、大学事務が直面する課題の解決策として、RPAが注目されています。

大学事務の課題

大学事務には、成績管理や履修登録、財務処理、証明書発行など、多岐にわたる業務があります。これらの業務の多くは手作業で行われており、職員の負担が大きいことが課題です。

広島大学高等教育研究開発センターが実施したアンケート調査によると、60%以上の大学職員が「業務量が多すぎる」と感じていることが明らかになりました。

特に手作業での業務は人的ミスが発生しやすく、確認作業の増加や業務の属人化といった課題も生じます。こうした課題は、業務効率の低下や職員のモチベーション低下を引き起こす可能性があるため、早急な対策が必要です。

RPA導入により手作業での業務を大幅に削減できるため、大学事務の負担軽減に有効な手段となります。

参考:広島大学 高等教育研究開発センター「大学の事務業務とその効率化の規定要因

RPAで自動化できる大学事務の業務例

RPAが自動化できる業務は、主に「手順が決まっている業務」や「ルールに従って処理できる業務」です。

大学事務においては、RPAで自動化できる業務の例として、以下が挙げられます。

  • データ入力・処理:学生情報や研究データの入力や更新作業
  • 書類作成・管理:請求書や証明書などの定型的な書類作成
  • 情報共有・連携:異なるシステム間のデータ連携や通知の自動化

これらの業務をRPAで自動化することで、職員の業務負担を軽減できます。さらに、RPAの導入は、大学におけるDX推進を加速させる要因にもなります。データ活用の基盤強化や、システム連携の促進にもつながるRPAは、DX推進の第一歩として導入しやすいツールです。

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大学事務でのRPA導入事例

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業務効率化やコスト削減を目指して、大学事務の現場でRPAを導入する事例が増えています。

ここでは、RPAを導入した大学の事例を紹介します。RPA導入前に直面していた課題やRPAを適用した業務、導入による効果などを見ていきましょう。

早稲田大学

早稲田大学では、新研究支援・財務システムの稼働に向けて生産性向上が急務となり、RPA導入を決定。主に以下の業務にRPAやAI OCRなどを活用し、それぞれに成果を上げました。

  • 支払請求伝票と振替伝票の入力作業:1件あたりの処理時間が8.4分から6分に短縮
  • 支払伝票作成時の勘定科目の類推:類推精度95.4%を達成
  • 雇用申請書のチェック:業務効率と正確性が向上

また、RPA導入によって経理処理・人事申請業務のDX推進にもつながりました。

参考:早稲田大学「早稲田大学におけるRPAを中心としたDXの取り組み状況

大阪大学

大阪大学では、PRA導入に向けて実証実験を行った結果、人事業務を中心にさまざまな業務の効率化が進みました。しかし、その中でRPAの普及方法や費用面などの課題が浮き彫りに。

そこで、各部局から有志を募ってプロジェクトチームを創設。プロジェクトメンバーの所属部署から普及を始めるなど、現場主導でRPA導入を進めていきました。また、RPAポータルサイトを開設するなど積極的にノウハウの共有も行い、学内でのRPA活用を着実に推進しています。

参考:大阪大学「大阪大学におけるDX推進について

三重大学

三重大学では、年間4万件におよぶ支払伝票処理の効率化が課題となっていました。特に、予算増加に伴う伝票作成の増加が職員の大きな負担となっており、RPAによる自動化に取り組みました。

その結果、2023年度には4万6千件以上の支払伝票作成を自動化し、年間2,300時間以上の業務時間を削減。削減された時間は教育・研究支援に充てられるようになりました。

RPAの導入は、三重大学の業務効率化と職員の負担軽減に大きく貢献しています。

参考:
三重大学「RPAを活用した新たな業務運営DX-三重大学モデル-
朝日新聞「研究費の伝票処理、ロボットにおまかせ! 大学職員が業務フロー構築 [三重県]

長崎大学

長崎大学でのRPA導入は、学生支援や研究支援など、大学本来の業務に注力するための人的リソース最適化を目的に行われました。

RPAを適用した業務には、留学生支援システム登録、科研費データ抽出、成績証明書の作成、奨学金休止チェックなどがあります。

RPAの導入により、長崎大学では業務効率化と人的資源の最適化を実現。令和元年度には、RPAプロジェクトチームが学長特別賞を受賞しています。

参考:長崎大学「長崎大学におけるRPAの導入経緯と具体事例

明治大学

明治大学では、職員の時間外労働削減が課題となっていました。

そこで、まずは謝金の支払い業務にRPAを適用。具体的には、各学部からのExcelデータを人事部で加工し、財務会計システムへ伝票起票する作業を自動化しています。

RPA導入後、以前は一日がかりで行っていた作業が、わずか45分で完了するようになりました。今後は自動化の範囲を拡大し、交通費精算業務の自動化にも取り組む予定です。

参考:学校事務RPAデータベース「【インタビュー】明治大学様 WinActor®実証実験事例紹介(実証実験は終了し、現在本稼働中)

琉球大学

琉球大学では、大学業務の高度化・複雑化に伴い、職員の業務量が著しく増大。単純作業に多くの時間を費やしている現状を改善し、企画立案などの高度な業務へシフトする必要性がありました。

そこで、まずは旧システムのメール自動転送ロボットを作成。その結果、約1,700時間もの業務時間の削減を達成しました。

その結果を受け、以下の業務でも自動化の実証実験を行っています。

  • 支払承認書の要件確認と印刷
  • 学生証の再発行と再発行回数データの更新
  • 採用申請書の内容を人事給与システムへ転記する作業

これらの業務にRPAを本格導入した場合、年間264時間もの業務を削減できる可能性があると予測されています。さらに、業務の標準化や正確性の向上、業務内容の高度化といった効果も見込まれています。

参考:琉球大学「琉球大学におけるRPA導入に向けた取組みについて詳細資料(PDF)

大学事務におけるRPA導入のメリット

rpa 大学 事務

RPA導入のメリットには、業務効率化や人的ミスの削減、データ活用促進などが挙げられます。大学事務においては、職員の負担軽減だけでなく、大学運営の質向上にも貢献します。

ここでは、大学事務の現場におけるRPA導入のメリットを詳しく解説します。

業務効率化

大学がRPAを導入する大きなメリットは、業務効率化です。RPAは、学生情報の入力や証明書発行などの定型業務を自動化し、大幅な時間短縮を実現します。

また、複数のシステムを連携させ、データ移行や処理を自動化することで手作業も削減可能です。さらに、24時間365日稼働できるRPAは、夜間に大量の情報処理を行うこともできます。

業務効率化によって工数や時間を削減できると、余裕が出たリソースを学生サービスの向上に活用できます。迅速な証明書発行や正確なデータ処理により、学生満足度が向上し、結果的に大学全体の評価向上にも寄与するでしょう。

人的ミスの防止

RPAは、データ入力や計算、分析などの定型業務をルールに沿って正確に実行し、人的ミスを大幅に削減します。

大学事務は、学生情報や成績データの管理など、正確性が求められる業務が多くあります。例えば、成績管理や給与計算などの業務でミスが発生すると、学生や教職員への影響が大きくなります。

RPAを導入することで、人的ミスを最小限に抑え、大学事務の品質と信頼性を向上させることができます。さらに、ミスの修正や確認に費やす時間や手間を削減できるため、より重要な業務にリソースを割くことが可能になります。

職員の負担軽減

大学がRPAを導入すると、職員の負担が大幅に軽減され、より高度な業務に集中できます。定型業務を自動化することで職員は単純作業から解放され、創造性や専門性を発揮しやすくなるでしょう。

例えば、学生からの問い合わせ対応やカリキュラムの調整、進路支援業務など、人間ならではの判断やコミュニケーションが求められる業務に時間を割けるようになります。

さらに、残業時間削減にもつながり、ワークライフバランスの向上も期待できます。結果的に、職員の満足度が向上し、離職率低下にもつながるでしょう。

コスト削減

コスト削減も、大学事務にRPAを導入するメリットの一つです。

定型業務の自動化により作業時間が短縮されると、時間外労働の抑制や人件費の削減が期待できます。例えば、データ入力や書類作成などの作業をRPAが代行すれば、その分の人件費や業務コストを削減可能です。

職員が定型業務から解放されることで、業務のスリム化や人的リソースの最適化にもつながります。

さらに、RPAの導入によりペーパーレスやオンライン化が進めば、印刷コストや書類の保管コストの削減も可能です。

大学がRPAを導入する際の注意点

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大学がRPAを導入する際には、業務効率化やコスト削減などのメリットを最大限に引き出すために、いくつかの注意点があります。

導入前にこれらのポイントを十分に理解し、適切な準備と計画を行うことが、RPA導入を成功させるカギとなります。

自動化すべき業務を見極める

RPA導入を成功させるコツは、自動化に適した業務を見極めることです。RPAは、「定型的で繰り返し行われる業務」や「ルールが明確な業務」、「ミスが発生しやすい業務」に適しています。例えば、データ入力や書類作成などがその典型です。

大学事務であれば、履修登録や学生情報の更新、証明書発行、出欠管理、成績管理などが自動化に適した業務の例です。これらの業務は、RPAによる自動化で大幅な効率化が期待できます。

一方で、人の判断が必要な業務や、例外処理が多い業務は自動化には不向きです。こうした業務にRPAを適用しようとすると、業務効率の低下やエラーを招く可能性があります。

小規模から導入を始める

RPAをスムーズに導入するためには、小規模な範囲から始めることが重要です。

まずは、一部業務から試験導入し、効果を確認します。工数や処理時間の削減など、効果を測定しやすい業務を選ぶのがおすすめです。その後、試験導入の結果を分析し、成功事例をもとに徐々に自動化範囲を拡大しましょう。

このように段階的に導入することで、リスクを抑えつつ、RPAの効果を最大限に引き出すことができます。

また、小規模導入のメリットとして、職員がRPAに慣れる時間を確保できる点も挙げられます。これにより、RPAへの理解が深まり、フィードバックや積極的な活用が促進されます。

既存システムとの連携を考慮する

RPA導入の効果を最大化するには、既存システムとの連携が不可欠です。大学には、履修管理や財務、学生情報管理など、さまざまなシステムが存在します。RPAとこれらのシステムを連携させることで、業務効率を大幅に向上させられます。

例えば、証明書発行申請から発行、通知までの一連のプロセスを自動化することで、処理速度の向上とともに、入力や送信作業における人的ミスを防げます。

RPAとシステムの連携を実現するために、各システムのAPIやデータ形式を確認し、連携可能なRPAツールを選定しましょう。

専門家のサポートを活用する

RPAの導入には専門知識が不可欠です。学内にRPA導入のノウハウを持つ人がいない場合は、外部の専門家のサポートを活用するのがおすすめです。

専門家は業務分析からツール選定、カスタマイズ、運用まで幅広く支援してくれます。特に大学事務では、複雑なシステム連携や高度なセキュリティ対策が求められます。導入後の運用やトラブルシューティングも重要なため、専門家のノウハウと経験に基づく長期的なサポートを受けることが得策です。

専門企業にサポートを依頼すれば、学内の負担を大幅に軽減しつつ、導入から運用までを効率的に進めることができます。

大学事務のRPA導入はHELP YOUにおまかせ

HELP YOU
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HELP YOUの特徴

HELP YOUは、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。

人手不足や業務効率化などの課題に対し、専門知識を持つスタッフがトータルサポート。社員がコア業務に集中できる環境づくりを支援します。

特徴 ・AIやRPAツールを用いた業務の自動化に対応
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RPA活用事例:データ自動転記・ダウンロード

HELP YOUでは、RPAを活用したデータ転記やダウンロードなどの自動化も可能です。

指定のツールやアプリのデータを抽出し、エクセルやスプレッドシートに転記、指定フォルダへの保存までの一連の作業を自動化します。

保存形式もPDFやTXT、ZIPなどさまざまな形式に対応しており、活用方法に合わせた自動化が可能です。

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大学事務のRPA導入まとめ

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大学事務へのRPA導入は、業務効率化や職員の負担軽減など多くのメリットをもたらします。しかし、導入には専門的な知識やノウハウが求められ、自力での導入や運用に不安を感じる方もいるかもしれません。

導入や運用に割けるリソースが少ない場合におすすめなのが、RPA導入のアウトソーシングです。HELP YOUでは、業務分析から適切なRPAツールの選定、運用まで一貫したサポートが可能です。

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