業務改善の事例とアイデア!効率化を進めるステップを解説
「業務改善」は、事業規模にかかわらず、多くの企業が抱える課題です。
かねてより進められている働き方改革への取り組みや、コロナ禍でのテレワーク・リモートワークの導入、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を目指すツールの登場など、ビジネス事情は日々変化しています。
そうした状況の中でより生産性を上げるためには、業務の効率を上げることはもちろん、従業員が働きやすい環境を整えることも重要です。
しかし、
「業務改善に取り組みたいけれど、時間も人手も足りない」
「何から始めればいいのか、アイデアがほしい」
とお困りの経営者・担当者の方もいることでしょう。
今回は、業務改善を行うために知っておきたいポイントについて解説します。
この記事を読むと、業務改善に取り組むステップやアイデアを知ることができ、業務の効率化を進める具体的な手順を想定することができます。
また、業務改善を行った事例も紹介するので、自社が取り組むべき課題や必要な作業などを見極めるヒントになります。
ぜひ参考にしてみてください。
業務改善とは
業務改善とは、業務プロセスを見直し、効率化を図ることを指します。
はじめに、なぜ業務改善が必要なのか、そのメリットは何なのかを見ていきましょう。
業務改善が求められる背景
公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2021」によると、日本の時間当たり労働生産性は49.5ドル(5,086円)で、OECD加盟38カ国中23位。
OECD加盟国の中でも日本の労働生産性は低く、生産性の向上は喫緊の課題といえます。
日本では人口の減少が続いています。少子高齢化が進み労働人口が減少する中、多くの企業では慢性的な人材確保の困難に直面しているのが現状です。
そのため、業務改善による生産性や業務効率の向上が求められているのです。
後ほど説明しますが、業務改善にはさまざまな方法があります。
業務改善を行った結果、DXやテレワーク・リモートワーク、働き方改革の推進につながることが見込めます。
業務改善を行うメリット
業務改善を実現すると、日々の作業が効率よく進められるようになり、生産性がアップします。
ムダをカットすることで、時間的・金銭的なコストを削減。より注力したいコア業務にリソースをあてることができるようになります。
そうなれば、利益拡大や顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
また、業務を整理することで、特定の従業員だけが仕事の進め方や進捗を把握している“属人化”状態を防ぎ、業務品質の均一化が叶います。
誰もが仕事を担当しやすい状況は従業員に安心感を与え、個人のモチベーションアップや組織の活性化にも役立ちます。
効率的に業務を進めることができ、従業員が快適に仕事に取り組める。企業の成長のためにも、業務改善が必要なのです。
業務改善のステップ
次に、業務改善のステップを順を追って見てみましょう。
実際に業務改善を行う場合、「業務改善」そのものに取り掛かる前から準備が必要です。
現状を把握する
はじめに、現状を把握しましょう。
今まで疑問を持たずに取り組んでいた業務でも、見直してみるとムダが潜んでいる可能性もあります。
それぞれの業務について、担当部署・担当者、作業にかかる工数、発生頻度などを整理します。
その業務に必要なスキルもまとめておくと便利です。
業務の棚卸しを行うことで、時間がかかりすぎている部分や人手が足りない部分など、現状を可視化することができます。
課題を洗い出す
次に、課題の洗い出しを行います。
作業時間がかかってしまう原因や、ミスが頻発している理由について分析しましょう。
例えば、同じような作業が重複して発生している場合。「手順・担当者が明確になっていない」「チェック体制が機能していない」などの原因が考えられます。
担当者以外が内容を把握しておらず仕事が属人的になっていたり、使用ツールのマニュアルが分かりにくい、などもよくある課題です。
業務における問題点をまとめてみましょう。
目的や目標を明確にする
改善すべき業務が決まったら、あらためて業務改善の目的や目標を明確にしましょう。
目指すべき姿を社内や部署内で共有することが重要です。
「工数をこれくらい削減する」「コストをこれくらいカットする」など、具体的な数値に落とし込めると分かりやすいですね。
目的・目標を共有すると同時に、いつまでにどのような作業を行うのか、実施のスケジュールや段取りを考えておくことも大切です。
施策を実施する
さあ、実際に業務改善の施策に取り組みましょう!
計画通りに進めるのは難しいですが、定期的に社内・部署内で進捗や問題点などを共有することが重要です。
具体的な改善策のアイデアや事例は後ほど紹介します。
効果検証を行う
業務改善の施策を実施した後は、効果検証を行いましょう。
計画通りに進められたか?何が課題だったか?
どの施策に効果があったか?想定していたスキルで事足りたか?
引き続き施策を行う場合は、どのように進めていくべきか?
もしくは、新たな方法を考える必要があるか?
行った改善策について、あらゆる角度からチェックしてみてください。
PDCAサイクルを回しながら改善策に取り組むことで、さらなる業務効率化を進めていくことができます。
業務改善のアイデア6選
業務改善の進め方について解説しました。
では、実際にどのような方法で業務改善に取り組めばよいのでしょうか?
先にも述べたように、施策の精度を高めるためには、業務改善の目的・目標を定めたうえで実施することが重要です。
組織の目的・目標に沿った、実施部署にフィットした方法を選択するようにしましょう。
ここでは、業務改善に役立つアイデアを6つ紹介します。
廃止・簡略化
一つ目のアイデアは、廃止・簡略化です。
ムダな作業や形骸化している業務を簡略化、場合によっては廃止しましょう。
例えば、会議の頻度や参加人数を減らす、作成資料を厳選する。また、業務工程のフローチャートを作成したり、個々のスケジュールを可視化することでムダを見つけやすくなり、廃止・簡略化の手助けにもなります。
ムダな作業をそぎ落とすことは、時間短縮だけでなく、業務の標準化にもつながります。
「この資料は本当に必要なのか」「この作業はどのようなアウトプットにつながるのか」と、常に業務の本質を考えることがポイントです。
集約化
二つ目のアイデアは、集約化。
部署ごと、拠点ごとにバラバラに行っている作業で、まとめられそうなものがあれば、人数や回数などを集約しましょう。
集約化を実現するためには、日々の情報共有が必要不可欠です。
業務の内容や進捗、課題などを共有し、可視化しておきましょう。
作業のムダを省き、迅速で適切な判断を可能にするだけでなく、社内の知識や経験の集約化にもつながります。
標準化・均一化
三つ目のアイデアは、標準化・均一化です。
担当者や担当部署によって業務のやり方や形式が異なっている場合は、それらを統一しましょう。そうすることで、業務の属人化を防ぎ、品質を均一にすることができます。
標準化・均一化には、マニュアル整備がおすすめです。誰が読んでも理解しやすい文面や図表を用いて作成しましょう。
また、作業工程を記したフローチャートや、これまでのビジネス情報を蓄積したデータベースも併せて活用してみてください。
トラブルが発生したときの対応や、お客様への対応なども統一することが可能です。
標準化・均一化は、成果物のクオリティを均一にし、顧客満足度を向上するだけでなく、自動化や外注化の際にも重要です。
「自社の仕事の進め方」をまとめておけば、システムを活用したり、アウトソーシングを利用するときでも、スムーズに導入することができますよ。
電子化・オンライン化
電子化・オンライン化も、効果的な業務改善のアイデアです。
アナログ作業をデジタル化することで、効率や利便性が格段に向上します。
例えば、書類やハンコを電子化し、ペーパーレスにすれば、オフィス以外での業務が可能になります。
データをクラウド化すれば、営業担当者が取引先でさまざまな資料を臨機応変に紹介できます。
また、オンライン会議やWeb面接などのツールを活用することで、企業は優秀な人材を拠点に縛られずに集めることができ、従業員は場所や時間に縛られない働き方を選ぶことができます。
電子化・オンライン化は、テレワーク・リモートワークやDX化を推進し、企業の成長にも貢献するのです。
出典:「情報通信白書令和2年版」(総務省)より作成
総務省「情報通信白書令和2年版」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は約6割。
「非常に効果があった」「ある程度効果があった」と回答した企業の割合は8割以上にも上り、多くの企業がクラウドサービスの効果を実感しているようです。
自動化
自動化も、業務効率を向上させる有益なアイデアです。
手動で行っている作業を、ツールなどを活用して自動化し、時間短縮、作業効率アップを実現します。
例えば、マクロを利用してExcelやWord、メールを処理すれば、ボタン一つで作業が完結し、業務効率は大幅にアップします。
また、RPAやチャットボットの導入も一つの手です。
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人間が対応してきた作業を人間に代わって行い、自動化するツールのこと。
特に単純業務や繰り返し行う業務は自動化しやすく、複数のシステムを使うルーティン作業などにRPAを導入すると大きな効果を発揮します。
チャットボットは人工知能を活用した自動会話プログラムのこと。ユーザーのコメントに対して、チャットボットが自動で返答することが可能です。Webサイトのヘルプデスクやお問い合わせに利用することができます。
自動化は作業効率の向上だけでなく、担当者が変わったときでも引き継ぎしやすい、というメリットもあります。
業務を止めることなく、効率的に遂行できるので、ルーティンワークにこそ適しているといえます。
外注化
最後に紹介するアイデアは、外注化です。
定型業務をアウトソースすることで、コア業務に注力できる環境をつくることができます。
企業のリソースが限られている以上、全ての業務を自社で完結させることが難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、外注化も検討してみてください。
人手不足に悩むスタートアップ企業や中小企業はもちろん、大企業での利用も増加しています。
最近では、ノンコア業務を外注してコア業務に集中し、競争力の強化を図ったり、アウトソーシング先の専門性を自社サービスの向上に活用するなど、戦略的な活用も見られます。
業務改善の成功事例
業務改善のアイデアを紹介しました。
自社で業務改善に取り組む場合、どのような段取りで何をすればいいのか、イメージがわいてきましたか?
実際に業務改善を実施する場合、どのような結果や変化が得られるのか、気になるところですよね。
次に、業務改善を行った企業の成功事例を見てみましょう。
今回は、
- 電子化による業務改善事例
- 自動化による業務改善事例
- 外注化による業務改善事例
この3つのアイデアに取り組んだケースを紹介します。
電子化による業務改善事例
栗田工業株式会社は、「水と環境」の分野で事業を展開しています。
水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの3つの事業領域を併せ持つ水処理専門の企業です。
■導入した施策
日本電気株式会社(NEC)のペーパーレス役員会議システムを導入し、役員会議における紙資料を電子化しました。
■導入前の課題
栗田工業では、役員会議のための紙資料の準備が大きな負担になっていました。ときには配布資料が100ページを超え、印刷に半日もかかったことも。
また、過去のデータや会議資料の閲覧場所・時間が制約されていたこともあり、関係者にタイムリーな情報提供ができないことも悩みの一つでした。
ファイル数冊分の過去資料を会議のたびに用意するため手間がかかり、会議中の参照にも時間がかかっていました。
■導入後の効果
紙資料をペーパーレス化することで、資料準備の負担を大幅に軽減。資料の差し替えにも柔軟に対応できるようになりました。
また、これまでは場所・時間に閲覧制限のあった過去の資料も、電子化することで参加者が自由に見られるようになり、会議中にデータを参照しながら活発な意見を交わすことができるようになったといいます。
さらに、遠隔からの会議参加も可能になり、コロナ禍でのリモートワーク・テレワーク対応にも寄与しました。
参考:NEC「ConforMeetingシリーズ|導入事例」
自動化による業務改善事例
東京都多摩市は、約15万人の人口を抱える日本有数のベッドタウン。
幅広い世代からのさまざまなニーズに対応していくため、行政・市民へのサービスの再構築を目指しています。
■導入した施策
UiPath株式会社のRPAツールを導入。
RPAとAI-OCR(AI技術による手書き文字の認識処理)を連携し、法人住民税の法人設立届出書入力業務や児童手当の所得異動入力業務、保育園の入所申請書入力業務などの申請書入力業務を自動化しました。
■導入前の課題
市民からの申請業務などはピークが集中し、特定の時期に膨大な量の定型業務が発生。職員の残業時間を減らし、年間を通して作業量を平準化することが課題でした。
また、多摩市では約120ものシステムが利用されており、多種類のシステム導入による業務プロセスの複雑化も、業務の効率化を妨げる原因となっていました。
■導入後の効果
検証対象の3つの業務で、約50%もの作業時間削減に成功。作業時間・残業時間の削減とともに、申請書入力の正確性も向上し、業務の効率化も実現しました。
また、RPAツールの導入によって作業を自動化するために、申請書の様式変更や手順変更も実施。業務の構造を抜本的に見直すこともできたといいます。
参考:UiPath株式会社「RPA導入事例」
Canon「AI OCRとは?成功のポイントは認識精度を理解し業務全体を見直すこと」
外注化による業務改善事例
企業向けにキャリア開発支援サービスを展開する株式会社ライフワークス。
40・50代を中心としたキャリア研修やセミナー、キャリアカウンセリングを複合的に組み合わせ、さまざまな角度から組織で働く人のキャリア開発を支援しています。
■導入した施策
株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」を導入し、マーケティング業務の一部を外注化。
Web関連のデータ入力、メルマガの配信、コンテンツ制作補助などをアウトソースしています。
■導入前の課題
ライフワークスでは20人に満たない少人数で事業を運営しており、データ入力や資料作成などのノンコア業務まで手が回らないのが課題でした。
人手が足りず、定型業務に追われて「やりたいこと」に注力できない状況が続いていました。
■導入後の効果
HELP YOU導入後は、定型業務を外注化したことで、本来やるべきことだけでなく、「やりたいこと」にまで手を広げられるように。
コンテンツやセミナーの企画、事例取材などのコア業務に集中できるようになりました。
例えばデータ入力に関して、HELP YOUのアシスタントが定期的に収集したデータを元に、より綿密な次の施策につなげられるようになったといいます。
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業務改善のまとめ
業務改善の進め方とアイデア、成功事例について解説しました。
業務改善の目的は、業務を効率化し、従業員が働きやすい環境を整えること。
目的を達成するためには、それぞれの企業が独自に育んできた仕事の進め方や体制、文化に合う方法を見極めなければなりません。
ご紹介したように、業務改善のアイデアは数多くあり、企業ごとに正解が存在します。
だからこそ、業務改善の専門家にまかせるのも有効な手段です。
ツールや外注を上手に活用して、コア業務の生産性を向上させていきましょう!
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