業務効率化に必要なこととは?導入ツールと成功事例
世界的なパンデミックを経て働き方が大きく変化しています。多くの企業が課題として掲げているのが「業務効率化」です。日常的な業務を見直し、業務を効率化させることで、生産性が向上する可能性があるからです。
この記事では業務を効率化する方法や取り入れるべきツール、成功事例などを解説します。全体像を把握することで、より効率的な業務プロセスの改善に取り組めるようになるでしょう。
業務効率化とは
「業務効率化」と聞いたときに、何をイメージするかは人によって異なるでしょう。業務効率化と同じような場面で使われることが多い「生産性向上」とはどのような違いがあるのでしょうか。
業務効率化と生産性向上との違い
生産性向上と業務効率化の関係を一言で表すなら「結果と手段」の関係になります。
生産性向上とは「成果を最大化」することです。企業は成果を生み出すために「ヒト」「モノ」「カネ」といった経営資源を投入しています。資源の投入量に対して、得られる成果が大きいほど、生産性が高いと判断されます。
一方、業務効率化とは、仕事の取り組み方を見直すことで、以下のような業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を削減することを指します。
- ムリ:人手に見合っていない作業量や実践不可能なスケジュールが設定されていることで、社員や機械設備への負担が重くなり、パフォーマンスが落ち込んでいる状態
- ムダ:必要以上の生産や、余計な動作、作業をしている状態
- ムラ:手順や方法が固定化・最適化されていないことにより、ムリとムダの間を行き来している状態
ムリは負荷が能力を上回っている状況、ムダは逆に負荷が能力を下回っている状況、ムラはムリとムダの両方が混在して時間によって表れる状況を指す。
引用:グロービス経営大学院 MBA用語集「ムリ・ムダ・ムラ」
つまり、業務を効率化することで、生産性の向上が期待できます。業務プロセスの改善を成功に導くためにも、この基本的な考え方を理解しておきましょう。
業務効率化のメリット
業務効率化が企業に与えるメリットは以下の通りです。
- コスト削減を実現し、より多くの利益が得られる
- 社員満足度の向上により、生産性や顧客満足度の向上が期待できる
企業をまとめる経営者にとって、業務効率化の最大のメリットは「コスト削減」です。
たとえば、生産量が多すぎて在庫を抱えることになったり、必要以上に人を雇ってしまったりした場合には、固定費が増え、利益を圧迫してしまいます。売り上げに直結しない作業や会議が多かったり、無理なスケジュールにより残業時間が多くなったりすると、人件費の増加につながるでしょう。これらの無駄を省くことができれば、利益の損失を最小限に抑えることができます。
また、業務効率化によって社員満足度が向上する可能性があるのも見逃せないポイントです。
たとえば、業務のムダやムラを見直すことで、企業の利益や売り上げに直結するコア業務に集中できるようになります。以前よりも少ない時間で作業を終えることができるようになれば、残業時間が減ったり、休暇が取りやすくなったりするなど、社員にとって働きやすい環境が整うでしょう。業務に見合った給与がきちんと支払われれば、仕事に対するモチベーション向上で、社員定着率の向上や生産性の向上につながります。
さらに社員満足度の向上が、顧客満足度の向上をもたらす場合もあるでしょう。社員に余裕が生まれれば、スキルアップや職場の生産性向上への自主的な取り組みに期待できます。顧客はこれまで以上に幅広く、役立つサービスや提案を受けられるようになるのです。
単なるコスト削減にとどまらず、減らしたコストを社員の福利厚生や設備投資などに役立てれば、社員満足度や顧客満足度が向上し、より一層利益を生むといった良い循環が生まれるでしょう。
業務を効率化する方法:社内の取り組み
業務効率化の重要性を理解していても、なかなか具体的な施策へ落とし込めていないという企業は多いのではないでしょうか。
今まで当たり前のように取り組んでいた業務も、客観的に見直してみるとムダが潜んでいる可能性があります。生産性向上につなげるためには、自社の業務で改善したいことや削減すべきこと、導入すべきことは何か、などを考えてみるのが大切です。ここでは業務効率化につながる、社内での取り組みのアイデアをご紹介します。
業務フローを可視化
業務効率化の第一歩として重要なのは「現状把握」です。現状把握ができれば、自社業務の問題点が見えてくるでしょう。反対に、この工程を省いてしまうと、適切な業務改善の施策が打てなくなってしまうため注意が必要です。
関係者にヒアリングしながら以下のような項目を細かく洗い出します。
- 担当者
- 担当部署
- 作業の工数
- 必要時間
- 発生頻度
- 必要なスキル
業務フローを図にまとめ、一目でわかるようにしておくとよいでしょう。
無駄な業務を切る
業務を可視化したことによって、改善すべきポイントが見えてきます。大半の項目について改善が必要だと感じるケースもあるかもしれません。
しかし、業務効率化には各部門への説明や業務マニュアルの整備など、大きな負担がかかります。一度に全ての問題を解決しようとすると、業務効率化がうまく進まない可能性があるため、優先順位を決めて取り組んだ方がよいでしょう。業務改善が達成された場合に、より多くの実益がもたらされる項目から着手していきます。
優先順位を決めた後、まず考えるべきなのは「その業務をやめることはできないか」ということです。業務を削減することができれば、時間や人といった多くのコスト削減が可能です。思い切った取捨選択が、業務効率化につながるケースもあります。
以下のような視点で、業務の改善方法を検討していきます。
- 回数や量、頻度削減が可能か
- コスト削減が可能か
- 作業の簡略化が可能か
- 時間短縮が可能か
- マニュアル化が可能か
- 業務に見合った人材が割り当てられているか
- 他の業務とまとめられないか
- IT化や自動化が可能か
業務フローのマニュアル化
業務フローやルールなどの「マニュアル化」は業務効率化につながります。
業務マニュアルを作成するメリットは以下の通りです。
- 最適化された手順で業務が進められるため、作業時間が短縮できる
- あらかじめ必要な作業を記載することで、作業ミスや作業の抜け・漏れがなくなる
- 担当者が変わっても一定の業務クオリティを担保しやすくなる
- 人材を早期に戦力化できる
業務フローのマニュアル化は業務効率化を加速させる一方で、行き過ぎたマニュアル化は社員のモチベーション低下につながったり、自発的な行動の妨げになったりするケースもあります。マニュアルが効果的に業務に活用されているか、定期的にチェックすることも必要です。
アウトソーシングの活用
さまざまな方法で業務効率化を試してみるものの、なかなか上手くいかない場合もあるでしょう。そんな時は、無理に自社で解決させようとするのではなく、外部サービスに頼るのも一つの手段です。
その外部サービスの中でも、リーズナブルな上に質の高いアウトプットが期待できる「オンラインアウトソーシング」が今、注目を集めています。
オンラインアウトソーシングとは、インターネットを通じてオールラウンドなビジネススキルを持つ人材が業務を代行するサービスです。
サービスによっては幅広い業務への対応が可能となっています。
- 総務・人事
- 経理
- 営業サポート
- Webメディア運用 など
アウトソーシングを活用することで、コア業務に注力することが可能になります。社員は生産性が高い業務に集中して取り組むことができるようになります。
さまざまな企業がサービスを提供しているため、費用や対応業務などを十分吟味した上で導入しましょう。
業務効率化の改善方法:ツールの導入
業務効率化を推進するために、さまざまなツールの導入も効果的です。
たとえば、ツールを上手く使うことで、2人でやっていた作業を1人でできるようになったり、丸1日かかっていた作業を半日で終えられたりなど、多くのムダを省くことができるケースもあります。また、人為的なミスを回避することができる点もメリットの一つです。
作業効率化に効果的なツールをいくつか紹介します。
情報共有ツール
情報共有ツールとは、業務に必要な情報を社内で共有・管理するツールのことです。ドキュメントの共有だけではなく、スケジュールやタスク管理、チャット機能など、社内でのさまざまなコミュニケーションを円滑に進めるのに役立ちます。
情報共有ツールを導入する主なメリットは以下の通りです。
- 情報共有のスピードが上がり、社内での意思決定が迅速になる
- プロジェクトの進捗や、社員間でのスケジュール把握が容易になる
- 社内にノウハウや知識を蓄積できる
- 顧客情報を共有することでサービスが向上する
組織全体で情報を活用することが、業務の効率化につながります。
チャットツール
チャットツールとは、PCやスマホを介して、リアルタイムでテキストによるコミュニケーションがとれるツールのことです。メールやLINEなどと比べても、手軽かつスピーディーに連絡ができるのが特徴となっています。同時に多人数でのコミュニケーションも可能です。
チャットツールを導入する主なメリットは以下の通りです。
- 場所や時間を問わず社員間で気軽にコミュニケーションが取れる
- タスク管理や会議の効率化
- テレワーク下のコミュニケーション不足が解消できる
コミュニケーションが迅速になることで、業務効率は向上していくでしょう。
Web会議
インターネットを通じて、音声や動画、資料などを共有しながら、リアルタイムでコミュニケーションを取れるツールのことです。コロナ禍でリモートワークが一般的になるにつれて、注目を集めるようになりました。社内会議をはじめとして、オンライン商談や、企業説明会、セミナーなど、幅広く活用されています。
Web会議を導入するメリットは以下の通りです。
- 交通費や移動時間を削減しながらコミュニケーションが取れる
- 場所にとらわれず会議や打ち合わせが可能
対面で会議をする場合と比べて、さまざまな手間を最小化できるため、業務効率の向上につなげることができます。
勤怠管理ツール
勤怠管理ツールは、社員の出退勤時刻や残業時間、シフトなどを管理するツールです。
主に以下のような機能が備えられています。
- 打刻機能
- 有給休暇や残業の申請・承認機能
- 勤怠情報の自動集計
- 給与計算システムへのデータ連携
- 長時間労働や打刻漏れのアラート機能
- シフト管理
- 人件費の予算管理
- GPSや顔認証による不正打刻防止機能
漏れなく正確な労働時間の管理や記録ができるため、社員と労務管理者双方の手間が減り、業務効率化につながります。
営業支援ツール
営業支援ツールは、顧客情報やセールスの進捗状況などをデータとして蓄積し、共有するツールです。営業先のリストアップやアポイントの獲得、日程調整や案件管理など、営業のさまざまなプロセスにおいて活用できます。
主に以下のような機能が備えられています。
- 商談管理
- スケジュール管理
- 日報管理
- 名刺管理
- リードナーチャリング
営業担当者が各種作業を行う際の手間や時間を大幅に削減できるため、業務効率化の実現に役立ちます。
業務効率化の改善方法:成功事例
業務効率化を成功させるコツは、企業の業務内容や勤務状況に適した方法を選ぶこと。間違った方法は、より現状を悪化させる可能性があります。
では、どのようにして最適な方法を選べば良いかということですが、まずは過去の事例から学ぶことが大切です。
「デジタルトランスフォーメーション銘柄2022」に選定された企業の中から、業務効率化の成功事例を3つ紹介します。
定型業務の自動化「中外製薬」
中外製薬株式会社では、2017 年にRPAを導入し、バックオフィス業務の効率化を進めてきました。
RPAをはじめとする自動化ツールを96%の部署で活用することにより、2022年は年間10万時間分の業務がRPAに置き換え可能となる見込みです。
販売プロセスの効率化「LIXIL」
株式会社LIXILでは、スマホやパソコン、タブレットなどを通じて、顧客がショールームコーディネーターと直接相談できる「LIXILオンラインショールーム」の全国展開を2020年に始めました。
オンライン接客に加え、AIによる商品レコメンド、3Dの完成予想イメージや見積もりを即時提供することで、顧客満足度と販売プロセスの効率化を実現しています。また、リモートワークが可能となり、柔軟な働き方ができるようになったことで、従業員満足度の向上にもつながっています。
AIビール類醸造計画システム「キリンビール」
キリンビール株式会社では、AIを活用して最適な濾過計画を自動で立案するシステムを、2020年から9つの工場で展開しています。
システム導入により、今まで1回に最大6.5時間かかっていた濾過計画策定作業が、最短で55分まで短縮できるようになりました。合計で年間4,000時間以上の時間創出を見込んでいます。
生産性が上がるアウトソーシング「HELP YOU」
「生産性を向上させたい」「コア業務に集中できる環境を作りたい」と考えている経営者・企業担当者の方におすすめなのが、オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」です。
「HELP YOU」は、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。幅広い業務をサポートすることが可能です。コア業務に注力できることになるため、生産性の向上が期待できます。
【「HELP YOU」サービスの特長】
- 厳しい選考を通過した優秀なアシスタントが業務をサポート
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【対応業務例】
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- 経理関連業務(入金管理・支払業務・請求書発行など)
- 人事・採用関連業務(求人票の作成・書類審査管理・セミナー会場手配など)
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【導入企業の一例】
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業務効率化のまとめ
この記事では業務効率化を目指す経営者様・企業担当者様に向けて、業務効率化の基本的な概念や具体的な取り組み方法、成功事例などをご紹介しました。
業務効率化とは、仕事の無駄な作業や時間を省き、生産性の向上を目指す取り組みを指します。業務効率化の推進で、時間やコスト削減、生産性やモチベーション向上といったさまざまな効果が期待できます。
社内での取り組みや、ツールの導入などさまざまな手段がありますが、自社の課題を見極め、それに見合った方法を採用することが重要です。
業務改善がうまく進まない場合は、アウトソーシングサービスを活用してみましょう。オンラインで幅広い業務のサポートが受けられるため、企業にとって頼もしいビジネスパートナーとなることでしょう。
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