従業員満足度(ES)とは?向上させる5つの方法と成功事例
生産性向上や売上アップのためには、企業に合った施策が必要です。中でも従業員満足度(ES)の向上は、どの企業にとっても重要な施策でしょう。
では、具体的に何をしたらよいのでしょうか?
労働環境の改善、昇給といった施策はすぐに思い浮かぶかもしれません。しかし、従業員満足度(ES)を満たすために必要な要因は複数あり、やみくもに改善施策を講じても効果がないのです。
この記事では、従業員満足度(ES)の重要性、ES向上のための施策例、そしてES向上に成功した事例をご紹介します。
記事を読めば、従業員満足度(ES)向上のために必要な取り組みがわかり、企業力アップのヒントが掴めるはずです。
従業員満足度(ES)とは
従業員満足度(ES)とは、業務内容や職場の環境、働きがいや給与など、さまざまな要素から構成される従業員の満足度のことです。英語では「Employee Satisfaction」と言い、頭文字をとって「ES」とも呼ばれます。
従業員満足度(ES)に影響する2つの要因
従業員満足度(ES)に影響のある要因は、大きく2つに分けられます。1つは「動機付け要因」と呼ばれ、仕事への満足を引き起こす、プラスに働く要因です。もう1つは「衛生要因」と呼ばれ、こちらは不満足を引き起こす、マイナスに働く要因です。
「動機付け要因」と「衛生要因」の具体例をご紹介します。
動機付け要因 | 衛生要因 |
・仕事の達成感
・仕事による成長 ・責任ある立場への昇進 ・新規業務へのチャレンジ など |
・会社の方針
・労働環境 ・労働時間 ・給与 など |
「動機付け要因」とは、言い換えれば「達成すること」「認められること」と言えるでしょう。これらが満たされると社員の満足度が高まり、仕事への活力が生まれます。
一方、「衛生要因」は不満を予防するための要因だと考えましょう。労働環境を改善する、昇給させるなどの施策を講じても、それまでの不満が解消されるだけで満足度にはつながりません。
このように、「動機付け要因」と「衛生要因」は別のアプローチが必要な要因です。2つの要因の特性を理解し、それぞれに対策を打つことが大切なのです。
従業員満足度(ES)向上のメリット
ここでは、従業員満足度(ES)を向上させることで、企業や顧客にとってどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
定着率の向上
現在の日本は生産年齢人口(15~64歳の生産活動に従事しうる人口)が、総人口の59.3%と、過去最低を記録しています。人手不足を感じている企業も多いのではないでしょうか。
この人手不足の状況で優秀な人材を確保し、会社に定着してもらうためには、従業員満足度(ES)の向上は必須です。
厚生労働省の資料によれば、「従業員と顧客満足度の両方を重視する」企業は、「顧客満足度のみを重視する」企業と比べると、量・質ともに人材を確保できている割合が高くなっています。
参考:総務省統計局「人口推計 2022年(令和4年)6月報」
厚生労働省「取り組みませんか?「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保」
顧客満足度の向上
従業員満足度(ES)・顧客満足度(CS)・業績の3つは密接に関わりあっています。ESが上がるとCSが上がり、CSが上がると業績が上がり、そして業績が上がるとESが上がる……という相関関係にあるのです。これは「満足のピラミッド」と呼ばれます。
企業がこの好循環を生み出し、満足のピラミッドの相乗効果を得るために、まずは身近な従業員満足度(ES)の向上に取り組んでみてください。そして、顧客満足度(CS)向上や業績アップにつなげていきましょう。
生産性や売上の向上
従業員満足度(ES)を向上させることで、仕事や会社に対する親愛度や貢献度が高まります。職場に活気や余裕が生まれ、顧客サービスのレベルや満足度も上がります。
顧客満足度が上がれば、顧客が競合他社のサービスに乗り換えることも少なくなるでしょう。リピート率が上がり、既存顧客が新規顧客を紹介してくれる可能性も出てきます。このように、従業員満足度(ES)の向上は生産性や売上の向上にもつながるのです。
従業員満足度(ES)向上の方法
ここでは、従業員満足度(ES)を向上させるために、企業として何をすればいいかを具体的にご紹介します。
企業理念の共有
日々の業務に追われて、企業と社員の目指す方向がバラバラになっていませんか?従業員満足度(ES)向上のためには、まずすべての社員に企業理念を共有しましょう。
共有する目的は、社員に企業の価値観やビジョンを示し、企業全体としての方向性を合わせることにあります。社員一人一人が企業の原動力です。企業理念を通じて企業目的を明確にし、社員に進むべき方向を示しましょう。
人事評価制度の見直し
働き方や従業員構成は、昔と比べて多様化しています。では、人事制度はどうでしょうか?現在の従業員や会社の方針に合っているでしょうか。環境や価値観が時代とともに変化していく以上、人事評価制度も定期的な見直しが必要です。
人事評価制度は透明性が高く、公平なものでなくてはなりません。評価者によって大きく差が出てしまう制度では、従業員の不満は高まるばかりでしょう。従業員の業務態度やスキルを正しく評価できる仕組みができれば、従業員のモチベーションアップが期待できます。
福利厚生の充実
福利厚生というと、まず保険が思い浮かびます。健康保険や雇用保険、労災保険などです。これらは「法定福利厚生」と呼ばれ、企業が必ず実施する必要のある福利厚生です。
福利厚生にはもう一つ、「法定外福利厚生」と呼ばれるものがあります。こちらは企業が自由に制定・実施できる福利厚生です。この「法定外福利厚生」をどのように実施するかに、企業の福利厚生の充実がかかっています。
よく知られる福利厚生では、住宅手当やスポーツ施設補助などがあります。その他、二日酔い休暇やお昼寝取得制度、勉学支援制度など、ユニークな制度を取り入れている企業もあります。従業員のニーズに合わせた福利厚生制度を考えてみましょう。
しかし、どれだけ役に立ちそうな、興味深い福利厚生を用意しても、従業員が使いにくい制度では意味がありません。いつでも誰でも使えるような福利厚生が充実してこそ、従業員の満足度につながります。
社内コミュニケーションの活性化
会社には年齢・性別・役職の異なる人たちが所属しています。業務の円滑化のためには、積極的な社内コミュニケーションが欠かせません。しかし、考え方や立場が違うと、日々の業務の中だけではコミュニケーション不足に陥りやすいのです。
そこで、会社側からコミュニケーションを活性化できる場を提供することが大切です。例えば部活動を発足させたり、社内の交流イベント開催などです。大きな活動が難しい場合はランチタイムを活用し、いつもと違うメンバーでランチ会をするのもいいでしょう。
従業員同士のコミュニケーションが活性化すれば、企業への帰属意識が高まり、組織がまとまりやすくなります。円滑なコミュニケーションが円滑な業務を生み、従業員が満足感を得やすい環境が整うのです。
労働環境の改善
社会人は会社で過ごす時間が人生の大部分を占めます。そんな会社の労働環境についても考えてみましょう。就労時間が適切か、有休消化率はどれくらいかなどは、すぐにでも確認できる項目です。
仕事に追われて有休が取得できなかったり、残業時間が長すぎる場合、労働環境の見直しの一つとして、アウトソーシングの活用も有効です。社員の負担軽減につながり、会社としても残業を減らすことができます。
コア業務以外を外部に依頼することで、従業員が本来注力したい重要な業務に集中できる環境が整います。従業員のモチベーションアップにつながり、「動機付け要因」が満たされます。そして、残業が減ることで「衛生要因」の不満も解消できます。
従業員満足度(ES)を構成する2つの要因をどちらも満たすことができるのが、アウトソーシングの活用なのです。
従業員満足度(ES)向上の成功事例
ここでは、従業員満足度(ES)を向上させることに成功した事例をご紹介します。
企業文化の醸成でES向上
株式会社オウケイウェイヴでは、あらゆる悩みや疑問を解決するWebQ&Aサービス「OKWAVE」や、感謝の気持ちをカードを通して伝えるクラウドサンクスカードサービス「GRATICA」など、さまざまなWebサービスを展開しています。
同社が株式上場する前後の2000年代はIT業界の最盛期。人材不足が業界全体の問題となっており、人材獲得競争が激しくなった時期でもあります。株式会社オウケイウェイヴでも、エンジニアを中心とした人材流出は大きな課題でした。
また、上場に伴う事業拡大で社員数は増加し、今までのような社内コミュニケーションをとることが難しくなっていました。
そこで社内コミュニケーションを活性化すべく、「コミュニケーション費」制度や新しい人事評価制度を制定。自社の「サンクスカードサービス」を社員同士でも贈り合い、感謝を伝え合う文化を醸成していきました。
こうした取り組みにより、それまで15~16%だった離職率は10%未満にまで減少し、採用や育成にかかるコストを削減できました。
さらに従業員の会社への満足度が高まり、リファラル採用の紹介数もアップ。量・質ともに充実した人材を揃えることに成功しています。
参考:ボーグル「事業だけでなく、社内文化にも企業理念が息づく。従業員満足度を高める「ありがとう文化圏」」
社内報でコミュニケーション活性化
株式会社ジャルパックでは、国内・海外の旅行事業をはじめとしたパッケージツアーの企画、販売をしています。
同社では社内報を2ヵ月に1回、PDF版で発行していました。しかし、PDF版ではこまめな発行が難しく、情報が古くなってしまったり、伝えられる情報量に限りがあります。タイムリーかつ、より多くの情報を共有できる社内報を発行することが課題でした。
そこで、社内報をPDF版からWeb版へ移行。Web版では細かい更新が可能となり、よりタイムリーな情報を提供できるようになりました。
社内報では社員の仕事の取り組みやプライベートの様子なども紹介。Web版ではPV数や「いいね!」の数がわかるため、自分が載っている記事に反応があることが社員のモチベーションやエンゲージメントの向上につながりました。
参考:社内報アプリ「ネタ提供の嵐! エンゲージメントを高める、全社員巻き込み型社内報へ」
アウトソーシングによる働き方の改善
株式会社Ai.Connectでは、無料インターネット設備の賃貸集合住宅向けサービス「アイネット」を中心とした、賃貸不動産オーナーに向けたサービスを行っています。
さらなる企業成長について検討したところ、まず組織の管理体制を整える必要がありました。特に今後、業務量が増えると予想される経理部門をどうするかが一番の課題だったといいます。
都市圏の企業ではないため採用候補者の数に限りがあり、かといって未経験者を一から育てるのもコストがかかります。そこで、すでにスキルを持った外部サービスに経理部門を委託するのがよいと考え、「HELP YOU」へのアウトソーシングを決めました。
経理部門をアウトソーシングしたことにより、それまでの経理担当者に余裕が生まれました。以前は日々の業務で手一杯の状態でしたが、やってみたい仕事の提案ができるようになったといいます。
アウトソーシングによって本来やりたい業務に集中できる環境が整い、従業員のモチベーションアップにつながりました。
▼詳細はこちら
オンラインアウトソーシングの「HELP YOU」
従業員満足度(ES)の向上施策として、アウトソーシングが有効であるとご説明してきました。ここでは、オンラインのアウトソーシングサービス「HELP YOU」についてご紹介します。
オンラインアウトソーシングの「HELP YOU」では、さまざまなスキルを持った優秀なアシスタントを揃えています。業務の窓口となるディレクターを中心としたチームを作り、業務をアウトソーシングしたいと考えている企業のサポートや業務代行を担っています。
採用しているアシスタントは厳しい業務採用プロセスをクリアした人材のみです。専属のディレクターと、これらの優秀なアシスタントがチームを組むことで、誰かが退職した場合でも業務が滞る心配はありません。
【HELP YOUの対応業務例】
総務 | ・内部、外部のスケジュール調整
・出張や会場の手配 ・会議資料作成 ・お礼状・お詫び状などの書状データ作成 ・社内報の更新 など |
経理 | ・見積書や納品書などの書類作成
・入金確認および領収書の発行といった入金管理 ・注文書や発注書の作成などの支払業務 ・伝票の作成やデータ入力 ・経費精算 など |
人事・採用 | ・セミナー会場の手配
・研修資料の作成 ・人事評価フォームの作成および集計 ・勤怠、残業、悠久の管理 ・求人票作成やホームページ更新 など |
営業サポート | ・会議資料や提案書の作成
・データや書類の収集・分析・整理 ・業界の最新情報の調査 ・予算実績管理 ・顧客や在庫データの更新 など |
ECサイト運用 | ・入金や販売などの売上管理
・在庫や仕入れにおける商品管理 ・ホームページでの商品登録、更新作業 ・特集ページやランディングページ作成 ・ニュースリリースの追加・作成・変更 など |
マーケティング業務 | ・アンケート作成およびデータ集計
・社内外資料作成 ・プレスリリースやメルマガの作成、配信 ・SNSへの投稿 ・予算、制作進行管理 など |
このほか、ご依頼内容に合わせてプランのカスタマイズも可能です。詳細、金額につきましてはお気軽にお問い合わせください。
従業員満足度(ES)向上のまとめ
この記事では、従業員満足度(ES)を向上するための具体的な方法についてご紹介しました。従業員満足度(ES)向上のためには、「動機付け要因」と「衛生要因」の2つを満たす必要があります。
そして、「動機付け要因」と「衛生要因」のどちらも満たすことができるのが「HELP YOU」のオンラインアウトソーシングサービスです。従業員満足度(ES)を向上させて生産性アップにつなげたい方は、いつでも「HELP YOU」にご相談ください。
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