労働生産性が実は低い日本!原因は仕事への姿勢?

労働生産性

日本の名目GDPはアメリカ、中国に次いで世界第3位です。
これだけ見ると、日本は非常に生産性の高い国のように見えます。しかし、実際にはそうではないのです。

それは、「労働生産性」を見るとわかります。これは、簡単に言うと仕事の効率性を表すもの。
労働生産性では、OECD加盟38カ国中28位。1970年以降で最も低くなっているのです。

1時間あたりの労働生産性は、日本は49.5ドルです。アメリカはなんと80.5ドルと相当の開きがあります。
これは、企業にとって無駄が多いというだけではありません。日本のビジネスマンが疲れていて精神的ストレスが大きいのも、この労働生産性が関係しているのではないでしょうか。

どうして日本企業の労働生産性はこんなにも低いのでしょうか?そして、どうしたら改善できるのでしょうか?
この記事では、日本企業の労働生産性が低い理由や、生産性を向上させる方法についてお伝えします。

参考:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2021」

労働生産性とは

労働生産性2

労働生産性とは、労働者一人当たり、あるいは1時間当たりで生み出す成果を指標化したものです。

労働生産性というワードを理解するためには、以下の点がポイントとなってきます。

・アウトプット(産出量)
・インプット(投入量)

これらの二つの点を具体的に考えてみましょう。

基礎となる労働生産性の計算の仕方

労働生産性は、分かりやすく言うと、時間あたり、もしくは労働者1人あたりどのくらいの生産ができるかという効率を表すものです。
そのため、労働生産性を算出するためには、次の計算が成り立ちます。

・産出量(アウトプット)/ 投入量(インプット)

アウトプット、インプットのそれぞれの要因は企業によって異なることがあります。

労働生産性におけるアウトプットとは?

労働生産性におけるアウトプットとは、労働をすることによって得られた成果のことです。これは業務によって何を成果と言うかが異なることがあり、それぞれの分野で計算することができます。

分かりやすいのは製造業で、いくつの製品を作ることができたかということを単純に数えることができます。営業であれば、成約件数を数えることができるでしょう。

音楽業界であれば、CD販売やダウンロード本数が成果となります。また、サービス業であれば、来客数や利用時間などが対象となります。

どの業界でも、最終的にはその成果によって得られた報酬、つまり販売額をアウトプットとして計算することもできます。

労働生産性におけるインプットとは?

インプットは、労働投入量となります。これは基本的に、一つのプロジェクトあたりの従業員数や、時間あたりの労働量となります。

たとえば、製造工場であれば、製品一つを作るために、どのくらいの従業員がかかっているかをカウントすることができます。

労働生産性を計算する意義とは?

こうして、アウトプット/インプットという計算をすることによって、一つの製品を作るために、どのくらいの労働者が必要となるか、もしくは1時間あたりにどのくらいの労働量が必要となっているかが分かります。

製造業であれば、この労働生産性を工場ごと、もしくはラインごとに計算することによって、効率が良いところ、逆に効率が悪いところを一目で把握できるようになります。

労働生産性の種類

労働生産性3

前述の通り、労働生産性は労働の効率を測るのに役立つものです。

しかし、実際には業界によって何をもって成果と言うかが変わることもあるため、それだけでは正確に効率を把握できないこともあります。

そこで、より具体的に労働生産性を見るために、二つの労働生産性の種類に分けて考えることができます。
それが、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」です。

物的労働生産性とは?

物的労働生産性とは、労働の成果が製品やお金そのものとなっている業務で適用されるものです。

具体的には、工場での食品や工業製品などの生産、音楽や動画の販売、農作物の栽培などです。

形に見えるものですので、労働生産性も分かりやすい形で表現することができます。

物的労働生産性の計算方法は?

物的労働生産性のアウトプットは製品、お金そのものですので、計算はとても簡単です。以下のようになります。

・完成した製品の数/労働者数もしくは労働量
・総販売価格/労働者数もしくは労働量

ということになり、1人あたり(もしくは時間あたり)いくつの製品を製造できたか、1人当たり(もしくは時間あたり)いくら売ることができたかということが数値結果となります。

付加価値労働生産性とは?

付加価値とは、企業が行った活動でどのくらいの利益を得られるかというものです。
広告効果など、はっきりと目に見えないものもあるので、物的労働生産性よりも可視化しづらいこともあります。

しかし、おおまかに言って、企業が出す粗利益に近いものだと考えると計算しやすくなります。

付加価値労働生産性の計算方法

まず、付加価値の計算をすることから始めます。これは、以下の計算で求めることができます。

付加価値=経常利益+人件費+租税公課+減価償却費+金融費

いろいろな計算式が存在していますが、日本ではこの方法で計算されることが多いので、他の企業との比較がしやすいというメリットがあります。

日本企業の労働生産性

労働生産性4

日本人は働き者のイメージがありますし、実際に経済大国として世界中に知られています。
しかし、実際には労働生産性を見ると、それほど高くないという現実があるのです。

国家ごとの労働生産性を見る

日本の1時間あたりの労働生産性は、49.5米ドルとなっています。これは主要先進国との比較では最下位という結果になっています。

主要先進国で一番労働生産性が高いのはアメリカで80.5ドルです。2位はフランスで79.2ドルとなっています。
上位2位と比べると、日本の労働生産性は3分の2程度しかありません。

参考:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較」

日本の労働生産性が低い意味

国全体のGDPで見ると、日本は世界トップクラスにあります。
しかし、労働生産性ではかなり低い順位です。これは何を意味しているのでしょうか?

分かりやすく言うと、効率の悪い仕事の仕方をしている、長く働いているだけで無駄な作業が多いということです。

日本の労働時間はかなり長い

こうした労働生産性の低さは、日本人の働き方にも表れています。日本人はとにかく労働時間が長いということです。

日本人の平均年間総実労働時間は1,669時間となっています。
労働生産性の高いドイツでは1,334時間という結果が出ています。実に335時間の差があることになります。

残業時間がとても長いこと、休暇が少ないことが諸外国との差となって出てきています。

参考:厚生労働省「労働時間等関係資料集」

労働生産性が低いことで起こる問題

労働生産性が低いということは、企業にとっても労働者にとっても大きな負荷がかかることを意味します。

日本企業は特に時間制で給料を計算していますので、当然それほど生産量がなくても、働いた時間が長いぶん余計に給料を支払うことになります。それだけ、無駄な資金を投入しないといけないのです。

労働者も、ダラダラと長く仕事をすることになります。休息や家族のために充てる時間が少なくなりますので、体力的にも精神的にも疲労、ストレスが溜まっていくことになります。

そして、さらに生産性が落ちていくという負のスパイラルにはまっていくことになるのです。

労働生産性が低い理由

労働生産性5

こうした日本企業の問題を解決するためには、まずその原因を探る必要があります。主なものとしては、
・企業の働き方に関する悪い習慣
・給料体系
・仕事そのものについての見方
があります。

残業ありきという習慣

日本の労働時間が長いのは、主に残業時間が長いことに起因しています。

そして、どうして多くの企業で残業時間が長いかと言うと、仕事がたくさんあるから、仕事が終わらないからというよりも、「みんなが残業をしているから」という環境や習慣そのものにあります。

「どうせ残業をするんだから」という意識が働き、定時までに業務を終わらせる意識が低いことが関係しているのです。

また、実際に仕事が終わっていても、周りが働いている中、自分だけ帰るのは申し訳ないというプレッシャーも影響しています。

時間あたりの報酬という給料体系

日本企業は、時間給、もしくは日給での給料を算出しています。
もちろん、昇給やボーナスは業績も関係していますが、そこにも多分に勤続年数などの時間的な要素が入り込んでいます。

より長く働いた人の方が、より効率よく短時間で働く人よりもお金を稼げるという下地があるのです。
これは、労働生産性を向上させる精神とは反するものとなってしまいます。

チームで働くことの功罪

日本企業の良いところは、社員同士が協力して常にチームで働くということです。これは、諸外国と比べても美徳と言えます。

しかし、これはデメリットともなります。自分の業務以外にも、他の人の仕事に入り込むことによって、時間がかかってしまいます。
また、本来の業務に集中できないため、効率が落ちてしまうのです。

労働生産性を向上させる方法

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こうした日本企業の問題点を改善するために、仕事への姿勢そのものを変革していくことが必要になります。

ある程度個人主義を重視する

周りが残業しているので自分もするという考え方は、労働生産性を大きく下げることになります。

そのためには、協力の精神を残しつつも、仕事場ではある程度の個人主義を重視していくことが求められます。
そこで、企業自らが残業削減や個人の労働契約見直しなどをしていくことが必要となります。

年俸制、業績給への移行

給料体系の見直しは、労働生産性をアップさせる大きなポイントとなります。
長く働くことでお金をもらうのではなく、成果によって給料が発生するという方式にするのです。

そのためには、企業が提示する給料に関する契約そのものを変えていくことが大事です。

本来業務への集中

海外では、同じ職場にいても、自分の仕事はこれ、他人の仕事は他人がするものという意識が強くあります。

同僚が忙しくて自分はそれほど切羽詰まっていないとしても、自分は自分、という考え方から、あまり人の仕事に手出しをすることはありません。

一見すると冷たいように見えますが、実は一つの仕事に集中し、自分のやるべき業務を効率よく終わらせることができるため、労働生産性は上がるのです。

アウトソーシングの活用

労働生産性が下がってしまう原因の一つとしては、さまざまな業務に労働人員が分散してしまうことが挙げられます。
この対策としては、メイン業務でないところであれば、アウトソーシングという形で業務を委託してしまうのが効果的です。

人件費や福利厚生のコストを下げることにもつながります。そして、プロの手に特定業務をゆだねることによって、より質の高い仕上がりになるというのもメリットです。

同様に、専門性の高いソフトを入れることや、効率の良い機器を導入するということも検討できます。テクノロジーを積極的に採用することで、無駄な業務を省いていくことができるのです。

今まで自社で人の手をかけてしていた業務を、アウトソーシングという形で外部委託、もしくはテクノロジーの手によって無人にするというのは大きな効果を生み出します。

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まとめ

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労働生産性を算出して、部署ごと、他企業との比較をすることは、企業の利益を上げること、そして社員のやる気と満足度をアップさせることにもつながります。

実際の数値を見てみると、日本の企業の労働生産性は先進国の中では相当低いものがあります。
それだけ日本の労働者は長時間労働を強いられているということになりますし、企業としても無駄な資金と労働力を投入していることになります。

その原因としては、日本独特の労働に関する考え方、習慣が影響していることが分かります。

日本人に染みついた考え方ですので、なかなかそれを変化させることは難しいですが、改善を図っていくことで徐々に効果が出ていくことでしょう。
結果として、企業の経営体力を上げることにもなり、労働者一人一人のストレス軽減にもつながるものです。ぜひとも、真剣に対策を考えたいですね。

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