仕組み化とは?メリットや向いている業務、具体的なステップを解説
日々の業務に追われ、本来の仕事に集中できていないと感じることはありませんか?
また、特定の社員が不在だと業務が止まってしまう状況に困っていませんか?
そんな課題を解決するための一つの方法が、業務の「仕組み化」です。
仕組み化とは、業務を明確化し、誰でも同じ作業手順で同じ結果を出せるようにするプロセスです。
本記事では、仕組み化のメリットや仕組み化が適している業務、具体的な導入ステップなど、業務の仕組み化を成功させるためのコツを解説します。
組織・チームの効率を向上させ、業績を改善するための戦略や手法を模索している方は、ぜひご一読ください。
仕組み化とは
ここでは、仕組み化とは何か、企業や組織が仕組み化をする目的について説明します。
仕組み化の定義
仕組み化とは、業務の手順を明確化し標準化することで、業務フローとして「誰でも同じように実行できる」状態を作り出すことを指します。
具体的には、以下の要素を明確にすることで実現します。
- 業務の目的
- 作業を実行する手順
- 関与する人(作業担当者、関連部署など)
- 必要なリソース
これらの要素を明確にすることで、業務の透明性と一貫性が向上し、ムダを排除できます。
仕組み化の目的
業務を仕組み化する目的は、ビジネスにおけるムダを排除することです。ビジネスにおけるムダとは、不必要な作業や非効率的なプロセス、または価値を生み出さない活動を指します。
これらは、時間とリソースのムダ遣いであり、組織のパフォーマンスと生産性に悪影響を及ぼします。
仕組み化によって、これらのムダを排除し、業務の効率化を図ることができます。
仕組み化のメリット
仕組み化を導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、4つのポイントから業務を仕組み化するメリットを説明します。
業務効率化と生産性の向上
仕組み化は、業務効率化と生産性向上の強力な手段です。
仕組みを構築することで、反復的で定型的な作業が自動化され、従業員がより重要な業務に集中できるようになります。
例えば、顧客対応フローをマニュアル化すると、スムーズな対応が可能になります。結果として、対応時間が短縮されるうえに、顧客満足度が向上します。
また、定型フォーマットへのデータ入力など時間のかかる作業を自動化すれば、作業効率が大幅にアップします。
仕組み化により、従業員は創造的な業務や戦略的な判断により多くの時間を割くことができ、企業全体の生産性が向上するのです。
ミスの削減
仕組み化をすることで、業務手順が明確になり、チェックが容易になるため、業務のミスを大幅に削減できます。特に、単純なミスや誤解が生じやすい業務では、仕組み化による効果は大きいです。
例えば、チェックリストを導入することで、重要な手順の抜け漏れを防げます。また、自動化ツールを活用することで、データ入力などの単純作業におけるヒューマンエラーを減らすことができます。
さらに、データの不一致や手順の抜け漏れなどの問題が発生した場合、仕組み化されたプロセスは原因の特定と解決を容易にします。
例えば、標準化された手順書やログを参照することで、どの段階で問題が発生したのかを迅速に特定できます。これにより、問題解決がスムーズに進み、業務の品質と信頼性が向上します。
ブラックボックス化の回避
業務を仕組み化することで、属人化やブラックボックス化を避けることができます。
例えば、マニュアルの作成やフローチャートの活用も仕組み化の一環です。業務手順を見える化して再現性を高めることで、誰でもその業務を理解し、同じ基準で業務を遂行できるようになります。
また、業務の手順やノウハウが文書化されることで、組織全体での業務の知識や情報共有が実現します。これにより、業務のブラックボックス化を防ぎ、業務の効率性と透明性を向上させることができます。
組織の成長と持続性
仕組み化により標準化されたプロセスやマニュアルが整備されていれば、新入社員やアルバイトでも迅速に業務を習得でき、即戦力として活躍できます。迅速かつ効率良く人材を育成することで、組織は成長しつづけ、安定した運営につながります。
また、業務プロセスが標準化されていることで、誰でも同じ品質での業務遂行が可能になり、業務の一貫性と信頼性が保たれます。
さらに、業務の仕組み化は、長期的な視点での業務改善も可能にします。透明性の高い業務手順によって問題点が明確になり、適切な対策を講じることができるからです。結果として、業務の継続的な改善ができ、組織の持続的な成長につながります。
仕組み化をしないことによるデメリット
業務の仕組み化は、組織の効率性と生産性を向上させる重要なステップです。
しかし、この重要なステップを怠ると、深刻なリスクに直面する可能性があります。
業務の透明性の欠如
業務の仕組み化を行わないと、業務の透明性が欠け、特定の人がいないと業務が停止してしまう属人化のリスクが生じます。
このような状況下では、担当者が不在・離職の際に業務が滞り、組織全体のスムーズな運営が妨げられる可能性があります。
また、業務プロセスが明文化されておらず、共有もされていない場合、新人教育や業務の引き継ぎが複雑化し、人材育成にも悪影響を及ぼします。
例えば、顧客対応やクレーム対応といった緊急性の高い業務で透明性が欠如すると、迅速かつ的確な対応が難しくなり、結果として顧客満足度の低下を招くリスクが高まるでしょう。
成長の妨げ
仕組み化を行わないと、組織の成長を妨げる可能性があります。
例えば、業務の効率化や自動化が進まないことで、生産性が低下することがあります。また、新しい市場への進出や製品開発に向けた体制が整っていないと、事業拡大のチャンスを逃すかもしれません。
さらに、顧客ニーズに迅速に対応できないことで、競合他社に遅れを取るリスクも高まります。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- ECサイト運営において、注文処理や商品発送などの業務が仕組み化されていない場合、注文数の増加に対応できず顧客満足度が低下してしまう
- 新規事業の立ち上げにおいて、必要な情報やノウハウが共有されていない場合、プロジェクトの遅延や失敗につながる
これらは全て、仕組み化がなされていないことが原因です。組織の成長を目指すためには、業務の仕組み化が欠かせません。
仕組み化が有効な業務
仕組み化は、全ての業務に適用できるわけではありませんが、以下のような業務には特に有効です。具体例と共に紹介します。
繰り返し行われる業務
繰り返し行われる業務は、仕組み化により自動化・効率化が可能です。
同じ手順を何度も繰り返す単純作業は、業務の自動化ツールやマニュアルを活用することで、人件費や時間を大幅に削減できます。
【具体的な業務例】
- データ入力
- レポート作成
- 注文処理
- 在庫管理 など
ミスが起きやすい業務
ミスが起きやすい業務は、仕組み化により大幅に改善できます。
作業手順を標準化し、明確なガイドラインを設けることで、ケアレスミスやヒューマンエラーを防止できます。また、問題が発生した場合でも、原因の特定と解決が容易になります。
【具体的な業務例】
- 複雑な計算を伴う財務分析
- 製品の質を左右する品質管理 など
トレーニングが必要な業務
トレーニングが必要な業務は、仕組み化によって効率化と標準化が可能です。
トレーニングの内容を標準化し、マニュアルや研修プログラムを作成することで、誰でも同じ品質のトレーニングを提供できます。マニュアルを作成すれば新人や異動者への教育が容易になるため、人材育成にも効果を発揮します。
【具体的な業務例】
- ソフトウェア開発
- カスタマーサポート など
選択して進めていく業務
複数の選択肢から最適なものを選ぶ選択型の業務も、仕組み化が有効な業務の一つです。選択型の業務は、仕組み化により意思決定の透明性と公平性を向上させることができます。
選択基準を明確化して評価方法を統一することで、恣意的な判断を排除し、客観的な意思決定が可能になります。
【具体的な業務例】
- 人材採用
- サプライヤー選定
- プロジェクト管理 など
感覚型の業務は仕組み化に向いていない?
顧客対応や品質管理など、経験や直感に基づく判断が必要な業務は、仕組み化が難しいとされています。
しかし、業務全体ではなく、一部のルーチンワークを仕組み化することは可能です。
例えば、顧客対応のフローの中で、顧客情報の収集や問い合わせへの回答などのルーチンワークをマニュアル化することで、顧客対応の品質向上につなげることができます。
仕組み化のやり方
ここで、仕組み化を進めるための一般的なステップを具体例と共に見ていきましょう。
STEP1.業務の選択
まずは、仕組み化する対象業務を選定しましょう。
前章で解説した「仕組み化が有効な業務」を参考に、効率や生産性に課題がある業務をピックアップします。
- 業務の重要性
- 業務の頻度
- ミスの発生リスク
- リソースの消費量
- 自動化の可能性
- 組織の戦略目標との一致
例えば、以下のような業務が候補として挙がった場合を考えてみます。
- データ入力:頻繁に行われ、リソースを多く消費する
- 顧客対応:組織の重要な業務であり、ミスの発生リスクが高い
- 在庫管理:頻繁に行われ、自動化できる可能性が高い
この場合、顧客対応が最も優先度が高いと判断されるかもしれませんが、組織の戦略目標やリソースの状況によっては、データ入力や在庫管理が優先されることもあります。
このように、複数の基準を総合的に評価して、仕組み化の優先度を決定することが重要です。
STEP2.業務の理解と可視化
次に、業務の流れを理解し、可視化しましょう。
業務の目的、実行される手順、関与する人々、必要なリソースなどを明確にしたうえで、フローチャートやプロセスマップで業務の流れを可視化します。
これにより、業務の全体像が一目でわかり、業務の流れと関連性を理解しやすくなります。
具体例として、「データ入力」業務の可視化を見てみましょう。
■業務の目的:正確かつ迅速にデータを入力し、データベースの整合性と信頼性を維持すること。
■実行される手順:
- データの収集
- データの確認
- データの入力
- 入力データの確認
- データの保存
■関与する人々:
- データ収集担当者
- データ入力担当者
- データ確認担当者
■必要なリソース:
- データ入力ソフトウェア
- データベース
- 入力ガイドライン
これらの要素をフローチャートやプロセスマップで可視化することで、業務の全体像が明確になり、効率的な業務遂行が可能になります。
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STEP3.業務の最適化
業務の可視化の次は、業務の最適化です。ムダなステップを削除したり、効率的な手順を導入したりすることで、業務を最適化しましょう。
「データ入力」における業務の最適化には、以下のような方法が考えられます。
- 手作業でのチェックを減らし、自動チェック機能を活用することで、作業効率を向上させる
- 入力フォーマットを統一し、作業を簡素化するためにテンプレートを使う
- OCRソフトウエアやRPAツールなどの自動化ツールを導入することで、データ入力を効率化する
なお、手動で行われていた業務をこの段階で自動化することで、業務効率を大幅に向上させることができます。データ入力の他にも、定期的なレポート作成やデータ更新、メールの送信など、繰り返し行われる業務は自動化の対象となります。
業務の自動化に関してはこちらの資料が参考になります。
STEP4.業務の標準化とマニュアル化
最適化が完了したら、業務を標準化しましょう。その業務を全員が同じように実行できるよう、業務プロセスや手順の基準を設定します。
例えば、「データ入力」業務の標準化には、以下のような作業が挙げられます。
- 入力フォーマットの統一
- 入力手順の明確化
- 使用ツールの統一
続いて、標準化された業務プロセスや手順を文書化し、具体的なマニュアルを作成します。マニュアルには、その業務の目的や具体的な手順のほか、FAQやトラブルシューティングなども記載すると良いでしょう。
例えば、「データ入力」業務であれば、入力エラーが発生した場合の対処方法や、データの確認方法、具体的な事例や解決策などを示すことで、迅速な対応ができるようになります。
なお、マニュアル運用開始後には、業務プロセスを定期的にレビューし、必要に応じて改善することが重要です。定期的なレビューにより、業務の効率性と精度を維持しつづけることができます。
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仕組み化を推進する際のポイント
仕組み化を成功させ、組織の成長と持続性を促進するためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
組織全体で取り組む
仕組み化は、一部の部署や個人の取り組みではなく、経営者から現場の従業員まで、組織全体で取り組むことが重要です。
仕組み化の目的と目標を明確に設定し、経営者と従業員で共有しましょう。共通認識を持つことで、協力して推進しやすくなります。
また、各ステップにおいて関係者からのフィードバックを収集し、反映することも重要です。現場の声を取り入れることで、より実効性の高い仕組みを作ることができます。
継続的な改善を行う
仕組み化は一度きりのプロジェクトではなく、継続的な改善を目指すべきです。
業務環境やニーズは常に変化するため、定期的に見直しを行い、改善していきましょう。
新しい問題や改善点が見つかった場合、それをフィードバックとして取り入れ、仕組みを更新しつづけることで、常に最適な状態を維持することができます。
効率的に仕組み化を進める
仕組み化は時間とリソースを必要とするプロセスです。そのため、計画的に進めることが重要です。
まず、優先順位を明確にし、どの業務から仕組み化を始めるかを決定しましょう。これにより、本業が疎かになることを防ぎつつ、効率的に進めることができます。
また、業務の自動化には、ツールの選定や導入時に特定の専門知識も必要となります。自社で全てを賄うのではなく、必要に応じて外部の専門家を活用することも有効です。
特に、リソースが不足している企業にとって、アウトソーシングは有効な手段です。
専門家に委託することで、効率的に仕組み化を進め、組織全体の生産性を向上させることができます。
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まとめ
この記事では、業務を仕組み化する目的やメリット、具体的な方法を紹介しました。
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