SNSは地域活性化の救世主となるか?活用すべき理由と運用事例
FacebookやTwitter(X)、InstagramなどのSNSを活用する地方自治体が増えています。SNSの活用に成功している自治体は、人を呼び込み、地域活性化に繋げています。
地域経済を活性化さらには地域自体を活性化させるには、地域SNSが欠かせません。
本記事では、地域活性化の手段としてのSNSの可能性と、地域SNSの活用方法を成功事例と共に紹介します。
SNSを有効活用して地域活性化を成し遂げましょう!
※フォロワー数や利用者数などはすべて2023年4月現在の情報です。
SNSで地域活性化をすべき理由
多くの地方自治体は、過疎化や高齢化、コロナ禍の経済打撃などさまざまな課題に直面しています。地域活性化はこれら課題解決の打開策。
そして、地域活性化にはSNSの活用が欠かせません。
SNSで地域活性化をすべき理由をみてみましょう。
コロナで激変した地方経済・観光
観光業は、「人との接触」を前提としたビジネスモデルであるため、コロナ禍で受けたダメージは深刻です。インバウンド(訪日外国人観光客)はもちろん、国内観光客も激減したため、地方の宿泊施設や飲食店は廃業が続いています。
アフターコロナの地域活性化を成し遂げるには、これまで以上に、外国人旅行客や域外に住む若者に地域の魅力を伝え、旅先に選んでもらう必要があります。
そのためには、これまで以上に多くの人に地域の魅力を伝えていかなくてはいけません。
多くの人に届く情報を発信して地域活性化を成し遂げるには、SNSが最適なツールです。
リモートワークで注目される地方移住やワーケーション
コロナ禍を経て、会社ではなく自宅などで仕事をする「リモートワーク」を活用する企業も増えてきました。
どこでも仕事ができるのであれば、通勤の必要はなくなり、会社に近い都心に住む必要がなくなります。
そのため、リモートワークをする人の中には、都心を離れ自然豊かでな地方へ移住する人も出てきています。
こういった動きに対し、自治体の側でも、都市からの移住者を増やそうとさまざまな支援を行っているところが多くあります。
また、リモートワークを活用しながら温泉地などといった観光地で余暇を楽しみつつ仕事を行う「ワーケーション」という新しい旅のスタイルも話題になりました。
自治体ではワ―ケーションを観光分野の重点政策と位置づけ、観光地などでのインターネット環境の整備やサテライトオフィスの開設を行っています。
多くの地方自治体はコロナ禍でこれまでの一般的な観光客は大幅に失いました。しかし、リモートワークによる地方移住やワーケーションという新たな活路を見いだしています。
このチャンスをどう活かすかは、地方自治体の情報発信力にあるといっても過言ではありません。
地域に目を向けてもらうメリット
地方自治体に目を向けてもらうための情報発信には、やはりSNSが最適です。
地方自治体にとって、足を運んでほしいターゲット層である働き世代の多くはスマホを持っています。そして、スマホユーザーの多くは、SNSやニュースコンテンツから情報を得ています。
つまり、地域SNSは、地方自治体が足を運んでほしいターゲット層に届く情報ということになります。
では、地域SNSで、地方の観光地や郷土料理、移住も視野に入れたさまざまな魅力を発信するとどうなるでしょう?
- 地方に愛着を持ってくれる
- 旅行者が増える
- ふるさと納税先に選ばれる
- 移住者が増える
といったメリットが、SNSを活用した自治体から生まれているのです。
このように、地域SNSを活用すれば地域に目を向けてもらえ、そのメリットは地域活性化に繋がります。
SNSは一番手軽な情報発信ツール
SNSの大きな特徴として、「情報の拡散性が高い」ことが挙げられます。
発信した情報がターゲットに上手く刺さってヒットすれば、爆発的な情報拡散が起こります。情報拡散によって地方自治体の認知度向上や、観光客・移住者の増加が期待できる点は見逃せません。
ターゲットに刺さる話題としては、その地方ならではイベントやお祭り、ドラマの舞台や特産品だけでなく、その地域の人にとっては普段の何気ない光景がふと注目されて口コミで話題となることもあります。
発信する側にとっても受信する側にとっても手軽なSNSは、地域活性化の最適なツールといえるでしょう。
SNSで成功した地域活性化の事例
ここでは、実際にSNSで成功した地域活性化の事例を3つ紹介します。
神奈川県葉山町
神奈川県葉山町は、SNSで地域活性化に成功した自治体の一つです。
葉山町がInstagram(インスタグラム)の公式アカウントを開設したのは2015年6月。転出超過の状況を改善しようと、葉山町政策課秘書広報係が発起して開始されました。
「#葉山歩き」のハッシュタグを設け、町の魅力が伝わる投稿を促したところ「住みたい」との声が増加。転入者はプラスに転じ、以後も転入超過を維持するといった状況です。
現在、フォロワー数は37,000人超で全国の自治体でもトップクラス。葉山町の人口約32,000人をゆうに超す人気ぶりです。
山梨県丹波山村
山梨県丹波山村は、SNSで地域活性化に成功した自治体の一つです。
丹波山村は、2010年2月からTwitter(ツイッター)での情報発信を開始。今では人口の約6倍の3,100ほどのフォロワーを持ちます。
2019年度に550万円だったふるさと納税寄付額は、2020年度に6,000万円と10倍に拡大しました。勝因はTwitterの活用で、返礼品の桃をPRしたこと。
【ふるさと納税は丹波山村へ】毎年大人気のお礼の品、桃の先行予約の受け付けがが今日から始まりました!ご予約お待ちしています→https://t.co/cF4x89swzU#丹波山村 #ふるさと納税 #桃 pic.twitter.com/75URnzybnN
— 丹波山村 (@tabayamamura) April 1, 2023
また、2019年に「村を乗っ取る」計画を村役場Twitterで対応したことも、村のTwitterアカウントに注目が集まりました。
長野県白馬村
長野県白馬村は、SNSで地域活性化に成功した自治体の一つです。
人口約8,500人の白馬村の公式Facebookのフォロワー数はなんと146,000以上。
特徴は「タイムリーな投稿」で、スキーシーズンには滑走する動画、登山シーズンには白馬岳山頂から見渡す写真などと工夫が凝らされています。
また、翻訳機能が備わっているため、海外からのフォロワーも多く、オーストラリアや香港などからも「素晴らしい風景」「行ってみたい」などのコメントが寄せられています。
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SNSを地域活性化のためにどう利用すべきか?
日本をはじめ世界で活用されているSNSは、多くの人と接点をもつことを可能としてくれます。地域との接点を作り地域への興味を高め、実際に訪問してもらうためには、SNSをどう利用すべきなのでしょうか?
SNSの特徴
Facebook、Twitter(X)、Instagram、YouTubeの4つのSNSの特徴を一覧で確認しましょう。
Twitter(X) | YouTube | |||
ユーザー層 | ・40代中心 ・年齢層高め |
・20代・30代中心 ・年齢層は低い ・年代が上がるほど男性の比率が上昇 |
・20~40代が中心 ・30代以下は女性比率が高い ・40~50代の利用者も増加率が高い |
・10~20代が最も多い視聴者層 ・幅広い年齢層が視聴 ・男女比にほぼ差がない |
主な投稿種類 | ・テキスト(リンク) ・テキスト+画像 ・テキスト+動画 |
・テキスト(リンク) ・テキスト+画像 ・テキスト+動画 ※140文字制限あり |
・写真や動画 ・テキストは1~3行 ・ストーリー投稿 |
・動画 |
<その他特徴> | ・唯一の実名制 ・拡散性あり(気に入った投稿に”いいね”をすると、その投稿が友達にも通知される) ・ライフイベントや仕事にまつわる投稿が多い |
・拡散性あり(”リツイート”機能で全く知らない人にまで通知される) ・「#(ハッシュタグ)」検索機能 ・リアルタイムの情報発信や情報を拡散したいときに有効 ・ささいな投稿が”炎上”を招くことも多い |
・「#(ハッシュタグ)」検索機能 ・友人とも繋がるほか、インフルエンサーのフォローも盛ん ・購買行動の情報収集にも使われる ・近年の利用者の増加率が高い ・料理やイベントの様子など雰囲気を伝えやすい ・ユーザーをファン化しやすい(世界観の共有) |
・自己ブランディングしたり収入を得たりするユーチューバーが話題 ・ジャンルが豊富 ・動画のため情報を深く伝えることができる ・チャンネルが成長すれば拡散力あり |
年代や性別によって、好まれるSNSや嗜好性は異なります。また、SNSの持つ機能の違いからもそれぞれ特徴が出ています。
SNS運用にあたり、まずはこれらSNSの違いと特徴を理解することが大切です。
ターゲットと目的によって使い分けるSNS
SNSを活用した地域活性化を成功させるためには、ターゲットや目的に合わせてSNSを上手く使い分ける必要があります。
公的機関である地方自治体は、情報は「広く市民に」「すべての住民に」とつい考えがちです。しかし、同じ表現方法で全ての人に刺さるメッセージを届けることはできません。
世代や居住地、職業や趣味などによって興味・関心は異なることを念頭に、まずは特定ターゲットに向けて刺さる表現方法を利用することが必要です。
「SNSの特徴」で見た通り、各SNSを利用しているユーザーの属性や特徴は異なります。そのため、自地域がターゲットとしている層が多く使っているSNSプラットフォームを選択することが重要です。
また、一括りに地域活性化といっても、「観光地を有名にしたい」「特産品を売り出したい」「移住者を増やしたい」など、目的はさまざまにあるはずです。それぞれの目的にあわせたSNSの使い分けも忘れてはいけません。
自治体SNSのフォロワー数と盛り上がり
すでに多くの企業がSNSによる集客戦略に力を入れていますが、その流れは地方自治体にも。
2021年7月の時点で、自治体の公式SNSは、Facebookが1,332、Instagramが541、Twitterが907、YouTubeは943もの市区町村が利用しています。
全国の市区町村数が1,724なので、Facebookでいえば77%もの市区町村が利用していることになります。
また、SNSを見る側のフォロワー数も盛り上がりを見せています。一部の地域SNSでは、自治体の人口を上回るフォロワー数を抱えており、それらは観光客誘致やふるさと納税の寄付額増加に貢献しています。
フォロワー数の合計が5万未満の徳島県や福井県など5県のふるさと納税の平均寄付単価は2.2万円。一方で、フォロワー数50万以上の北海道など4都道県は3.4万円と、6割も高い寄付額です。
参考:
日本経済新聞(2021年6月11日)「SNSが地域経済動かす 山梨の村、ふるさと納税10倍データで読む地域再生」
都道府県市区町村の公式メディア「メディア掲載状況」
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SNSでの地域活性化にはInstagramが最適な3つの理由
日本国内でユーザー数が3300万人を超え、今も成長を続けているInstagram(インスタグラム)は、現在最も注目すべきSNSといえます。
実はこのInstagramが地域SNSには最適!3つの理由を解説します。
1. Instagramの注目度
SNSでの地域活性化にはInstagramが最適な理由一つ目は、Instagramの注目度です。
今、日本国内で最も勢いよく成長しているSNSはInstagram。
世界を代表するSNSといえばユーザー数最大のFacebookですが、国内では2019年に初めて減少することに。
対照的にInstagramは急成長を続けており、2019年には親サービスであるFacebookのMAU数(月間アクティブユーザー数)を超え、3,300万人を記録しました。
なお、世界におけるInstagramの月間アクティブユーザー数は10億人以上。1日に投稿されるストーリー(動画)数は5億以上。Instagramでは写真や動画を中心としたコミュニケーションとなるため、言語の壁を越えてのアピールが可能です。
この巨大市場をインバウンド集客に利用しない手はないでしょう。
参考:Gaiaxソーシャルメディアラボ「2023年3月更新!性別・年齢別 SNSユーザー数(Twitter、Instagram、TikTokなど13媒体) 」
2. Instagramのハッシュタグ機能
SNSでの地域活性化にはInstagramが最適な理由二つ目は、ハッシュタグ機能。
ハッシュタグとは、#マークを使って投稿のキャプションやコメントに追加できるタグのことです。Instagramで写真を投稿する際、簡単なメッセージと合わせてハッシュタグを付けることができます。
Instagramでは、ハッシュタグ機能を使って写真を検索することで、ユーザーが興味のあるトピックにアクセスします。
「#函館」など観光地の名前や「#グルメ」「#夜景」などジャンルやシーンをハッシュタグとして使えば、旅行先を探しているユーザーの目に留まる可能性が高まります。
また、外国人に向けて英語を用いたハッシュタグを利用することもできます。たった一つ「#welcome」などのハッシュタグを使うだけでも多くのインバウンドを呼び込むことも不可能ではありません。
このようにInstagramのハッシュタグ機能は、ターゲットに合わせた情報発信ができるのです。観光客を増やしたい、移住者を増やしたいなど地域活性化の目的に合わせることができるハッシュタグ機能は有効活用したいところです。
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3. Instagramのインサイト機能
SNSでの地域活性化にはInstagramが最適な理由三つ目は、インサイト機能です。
Instagramには無料で使えるインサイト機能があり、フォロワーの属性(年齢・男女比・性別・地域など)や、投稿に対するリアクションを細かく見ることができます。
このインサイト機能を活用することで、どのような人に、どのようなタイミングで、どのような投稿を行ったらよいかを探ることができます。
例えば、同じ絶景シーンの写真でハッシュタグを変えた投稿で比較してみたり、ハッシュタグは同じで、観光地の景色だけの写真と景色と犬が写っている写真を比べてみたり。
投稿を比べることで、リーチが伸びやすいハッシュタグや写真の傾向がわかります。
Instagramのインバウンド機能を活かして、投稿の研究・改善をしていくことでより多くの人に情報を発信することができます。
自治体Instagramの活用事例
実際にInstagramの活用で成果をだしている自治体の活用事例をみてみましょう。
和歌山県
和歌山県は、3つのInstagramアカウントを使い分けて情報発信をしています。
観光振興課・広報課・食品流通課がそれぞれ運営し、アカウントの目的とコンセプトを明確に分けています。
アカウントを分けることで、目的に沿った統一されたコンセプトの情報が発信できるのです。
「地域活性化」という大きなくくりの目的のもとでは、イベントや観光地情報だったり移住者情報だったりとさまざまなジャンルの違う情報を発信する必要がでてきます。
それを一つのアカウントで行うと、情報過多となるだけでなく、コンセプトの一貫性が損なわれてしまいます。ユーザーにとって、詰め込みすぎで一貫性のないアカウントは興味がわかないどころか目にも入りません。
また、課ごとにアカウントを分けることで、投稿のタイミングや数、コンセプトなど他の課に気を遣う必要もなく投稿できます。
多くの情報をタイムリーに、定まったコンセプトのもと発信できることで、より多くのユーザーに見てもらう可能性を増やせます。
岐阜県
岐阜県下呂市は、ハッシュタグを使ったキャンペーンを開催し、多くのユーザーを巻き込んだことで注目されました。
下呂市内で撮影した写真をInstagramでハッシュタグ「#gerostagram」をつけることで参加が可能というもので、開催期間約3ヶ月で2,000件以上もの投稿がありました。
自治体アカウントが単に地元の写真を投稿するだけでは、なかなか外部の人に対して認知度をあげることは難しいものです。
しかし、この下呂市のフォトコンテストは、簡単で誰でも参加しやすい仕組みで、参加したユーザーをフォローしているユーザーにもコンテストが広まるため、高い効果が得られました。
こういったハッシュタグを使って多くの人を巻き込んだPR方法は、アカウントの知名度を上げることに繋がることが証明されました。
SNSでの地域活性化に必要な地域インフルエンサー
地方の地域について詳しく地域愛が強いインフルエンサーは、地域インフルエンサーまたはローカルインフルエンサーと呼ばれています。
地域活性化のキーとなる地域インフルエンサーマーケティングの例を紹介します。
なぜ地域インフルエンサーの起用をするか
SNSでの地域活性化には、地域インフルエンサーの存在が欠かせません。
人気地域インフルエンサーの場合、観光大使のような形で地域と協力して魅力を発信している人が目立ちます。
地元愛と発信力で多くのフォロワーを抱える地域インフルエンサーは、地方の集客力を高めるパートナーとして心強い味方となるでしょう。
地域インフルエンサーのメリットデメリット
地域インフルエンサーはSNS戦略に欠かせない存在ですが、メリット・デメリット両面があります。
【地域インフルエンサーのメリット】
- 地域に対して詳しいフォロワーすらも知らないようなコアな情報を発信できる
- 一つ一つの投稿のリーチ数が高くユーザーへの影響力も大きい
- 共感やエンゲージメントが得られやすい
- 地域の人に愛されているため、SNSでリーチしにくい高齢者世代に対しても影響力を発揮する
【地域インフルエンサーのデメリット】
- 地域が限定されているため、全国的なインフルエンサーと違いフォロワーは限られている
- 地域インフルエンサーを見つけるのが難しい
- ターゲット層に合わない地域インフルエンサーを起用すると効果を得られない
どの自治体でも地域インフルエンサーを起用すれば注目度が上がる、というわけではありません。例えば、地元や近隣地域の人を集客したいということであれば地域インフルエンサーの起用は最適だといえます。
しかし、全国もしくは海外からも多くの人を集客したい場合は、地域インフルエンサーを起用するメリットはそれほどありません。
地域インフルエンサーの起用に関しては、メリットだけでなく、デメリットや目的にあっているか否かも考えたうえで起用しましょう。
地域インフルエンサーのSNS活用戦略
地域インフルエンサーのSNS活用戦略を、実例と共にみてみましょう。
北海道在住のアンジェラ佐藤(@angela_satou)さんは、InstagramやYouTube(アンジェラ佐藤Angela Satoの食活)で北海道のグルメ情報や観光客が集まるイベント情報などを発信している地域インフルエンサー。
アンジェラさんは地元北海道のイベントなどにたびたび登場し、メディア露出が多く認知度抜群。たくさんの写真を通してイベントの雰囲気や魅力、日程や開催場所など詳しい情報までを紹介しています。
Instagramのフォロワーは3.5万人、Youtubeの番組登録者数は12万人と多くのフォロワーを抱え、北海道への観光客誘致に貢献しています。
和歌山県出身の本谷紗己(@sappyon38)さんは、2015年に和歌山県公式インスタイメージガールに委嘱され、和歌山の魅力を発信しながらモデルとしても活動しています。
和歌山の名産品や観光地、インスタ映えスポットをモデルならではのポージングで紹介し、現在Instagramのフォロワーは5.3万人。多くのファンを魅了し、和歌山県全体の知名度向上に貢献しています。
SNS戦略で地域活性化を目指す
ここでは、SNS戦略で地域活性化を目指すために、考えなければならないSNS戦略とPDCAに関して解説します。
考えなければならないSNS戦略とは
ここまでで、SNSで地域活性化を目指すことの有効性や重要性は理解いただけたでしょうか。そこで実際に地域SNSをやってみよう!となった場合の実行に移す際のポイントを説明します。
地域SNSは、勢いで開始して闇雲に運営しても期待する効果が得られません。最悪、アカウントが炎上してしまった!といった事態にもなりかねません。
ここで、しっかりと地域SNS戦略のポイントをおさえ、計画を立ててから開始しましょう。
配信計画を立てる
配信計画を立てることは、地域SNS戦略を考える際の一つのポイントです。
まずは、投稿頻度を決めましょう。
SNSに投稿するためには写真なり動画なりコンテンツが必要です。継続的に投稿するためにはコンテンツを作り続けることが必要です。
投稿頻度は毎日と決めても、ある日突然、ネタ切れで投稿がストップする可能性もあるでしょう。
かといって毎日投稿を達成するために、質の低いコンテンツを投稿することも問題です。
つまり、「継続的に質の高いコンテンツを作り続けられる回数」を意識して投稿頻度を決めることが大切です。
次に、スケジュールを立てましょう。
ユーザーのSNS利用傾向などを参考に、投稿する曜日や時間帯を決めましょう。
決まった時間に投稿することで、投稿を見てくれるフォロワーの習慣として定着しやすくなります。
なお、立てた配信計画は、Instagramであれば実際に運用してからインサイト機能を活用して調整しましょう。そうすることで、求める効果へより近づけることができます。
目的と着地点をブレさせない
目的と着地点をブレさせないことも、地域SNS戦略を考える際の大事なポイントの一つです。まずは、地域SNSの目的を決めましょう。
- 何のために発信するのか
- 誰に対して発信するのか
- どんな成果を期待するのか
ここが定まらないと発信内容がブレたり、一貫性のないSNSアカウントになってしまいます。運用する前には必ずこの目的を明確にし、ブレないSNS運営を行いましょう。
複数アカウントを立てる
複数アカウントを立てることも、大事な地域SNS戦略の一つです。
先の和歌山県の事例は3つのInstagramのアカウントでしたが、全て同じSNSプラットフォームである必要はありません。
観光地情報は写真がメインだからInstagram、町のイベント事は写真と紹介文を載せたいからFacebook、特産品情報はひねりを効かせられるTwitterといったように、各SNSの特徴を活かしてアカウントを使い分けてもいいでしょう。
大切なのは、目的別にアカウントを作成することです。
目的に沿って統一されたコンセプトの情報発信ができるよう、複数のアカウントで対応することをおすすめします。
炎上対応を考える
あらかじめ炎上対応を考えることも、地域SNS戦略考える際のポイントの一つです。
炎上とは、SNS上などで特定の個人や企業に対しての批判的なコメントが大量発生している状態のこと。
今は思わぬところで炎上が起きてしまうことがあります。炎上対応の失敗もまた炎上の原因になります。炎上してしまった際に慌てることのないよう、対応策は事前に立てておきましょう。
「早期発見」「早期対応」は炎上対応策の鉄則です。
また、SNS上での失言など未然に防げるものに対してはしっかりと対策を講じましょう。
- 時勢に敏感になる
- 触れない方がよい話題を心得る
など、予防対策をマニュアル化しておくことをおすすめします。
残念ながら炎上を完璧に防ぐことはできませんが、SNSを始める前にしっかりと対応策を確立しておくことで、炎上被害を最小限に抑えられます。
PDCAを回して最新の情報を発信
PDCAを回して最新の情報を発信することは、地域SNS戦略の大事なポイントです。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の頭文字で、継続的な品質の改善を促す手法のことをいいます。
SNS運用において、ただ一方的に情報発信をするだけでは、期待するな効果は得られません。ユーザーのリアクションを分析・把握し、企画やコミュニケーションの内容を改善していくことで効果が出ます。
地域SNS運用は、ユーザー目線に立ったうえで、継続的なPDCAサイクルを回すことが大事です。
SNS運用を外注し地域の魅力作りに注力
公的機関で縛りが多い自治体よりも自由度のある民間企業にでさえ、効果的かつ継続的なSNS運用は容易なことではありません。
今ではSNS運用を外注し、プロに運用を任せる企業が増えています。
SNS運用を外注するメリットや事例をみていきましょう。
SNS運用を外注することで生まれるメリット
SNS運用を外注することで生まれるメリットは大きく2つあります。
一つ目は、コア業務に注力できることに。
SNSの運用作業は、投稿作業だけでなく画像編集やデータ分析など多岐にわたります。それらの業務を全てプロに外注すれば、その分の時間が浮いてコア業務に専念できます。
二つ目は、SNS運用に関する専門知識がなくてもいいという点。
SNSマーケティングの知識がない中で無理にSNS運用をすると、期待する効果は得られません。また、やり方を間違えれば炎上などにより自治体のイメージダウンに繋がってしまうこともあります。
SNS外注業者は、SNSマーケティングのプロです。データ解析を含めたSNS運用を行ってもらい、フォロワーの獲得や訪問者数アップといった成果に繋げましょう。
最後に、SNS運用を依頼できるおすすめの外注サービスをご紹介します。
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■ECサイト業務:売り上げ管理、商品管理、サイト管理、ニュースリリース作成 など
■総務業務:出張手配、スケジュール調整、名刺作成、データ整理など
■経理業務:入金管理、支払業務、請求書発行など
■人事・採用業務:求人票の作成、書類審査管理、セミナー会場手配など
■営業サポート業務:会議資料作成、データ収集、KPI管理、経費申請など
※各サービスは、お客様のご要望によって組み合わせが可能です。
チームプランに加え、固定の専属アシスタントが業務を柔軟にサポートする「1名専属プラン」、RPAツールを用いて自動化が可能な定型業務をロボットがサポートする「ロボットプラン」など、お客様のニーズに合わせたプランをご提供しています。
HELP YOUにSNS運用を依頼するメリットと事例
HELP YOUでSNS運用を行うメリットを事例でみていきましょう。
<ファイオン株式会社さまの事例>
ファイオン株式会社さまは、秋田県秋田市でタレントエージェンシー業を行っている会社です。
HELP YOUのクリエイターを中心としたチームと共に、秋田発エンターテイメントを配信しています。
代表取締役の北嶋さんのHELP YOUに対するコメント:
「すべての業務において、自分でやるのと得意な方にお願いするのとでは違います。時間のロスがかなり減りました。自分でサイトを作っていた時は、1日3時間ぐらいかけて更新していたこともあったんですよ。」
HELP YOUはあらゆる分野のエキスパートが揃っているので、サイトのデザインから写真や動画の作成まで、SNS運用に欠かせない「コンテンツ」に満足。また、外注したことによって自分の時間も確保できているようです。
また、ファイオン株式会社さまは、あきた企業活性化センターが企画したビジネスプランのコンテストに参加し優勝。
インバウンド向けに秋田の体験観光をマッチングさせるという「エンターテイメント+観光業」のアイデアで、HELP YOUチームはプレゼン作成をサポート。
代表取締役の北嶋さんのHELP YOUに対するコメント:
「タイトなスケジュールになってしまいましたが、HELP YOUの方々にプレゼン資料や動画のナレーション原稿、素晴らしいものを作成していただきました。コンテストでも、すごく好評だったんですよ。」
▼詳細はこちら
ファイオン株式会社さまはもともとメディア運用でWebサイトのデザイン等をHELP YOUに依頼されていましたが、別の業務(プレゼン資料や動画のナレーション原稿作成)での追加依頼もいただきました。
しかし、別業務の依頼だからといって新たに別契約を結ぶ必要はありません。
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まとめ
地域活性化に最適なSNS戦略を解説しました。
かつて安倍元首相が、内外情勢調査会全国懇談会にて以下のように語り、インスタ映えやSNSを利用した地域活性化を強く推奨していました。
「地方活性化の鍵はSNSにあります。(中略)CNNで紹介され、たくさんの人がInstagramで撮って紹介し、今、人口2万人の町に40~50万人が1年間に訪れるという場所に一変したわけでありますから、どんな地方にもそういう宝は眠っていますから、それを世界に発信することでその地域が、がんと変わっていくんだろう」
引用:首相官邸HP「内外情勢調査会全国懇談会 安倍総理講演」
この発言から約6年、新型コロナウイルスによるパンデミックもあり、地方創生・地域活性化は今こそ必要とされています。
これを機にSNSを活用した地域活性化に目を向けてみてはいかがでしょうか?
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