デジタルトランスフォーメーション(DX)日本の課題と解決策

「デジタルトランスフォーメーション(DX化)の課題を知りたい…」
「デジタルトランスフォーメーション(DX化)を失敗しない方法は…」

こういった悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

DXはただデジタルをビジネスに取り入れることではなく、デジタルで事業自体を変革する取り組みです。
企業が今後生き残るための取り組みとしてDXは、必須事項となりつつあります。

この記事では、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進における日本企業の課題と解決策を解説していきます。

DX化を推進する海外の動向と日本の課題

デジタルトランスフォーメーション 課題

DX化を推進する海外の動向

スイスの国際経営開発研究所のIMD調査「世界のデジタル競争力ランキング2022」を見ると、1位はデンマーク。調査開始から初めてデンマークが首位に躍り出ました。 これまでTOPを維持していたアメリカは2位に。3位スウェーデン、4位シンガポール、5位スイスという結果です。

世界のDXをけん引してきたGAFA(「Google」「Amazon」「Facebook」「Apple」)の力に変化が出てきていることが分かります。

DX化が進まない日本の課題

アジア圏で見てみると、韓国が8位、台湾が11位、中国が17位です。日本のDX化の順位は過去最低の29位。

育成・獲得に時間のかかるデジタル人材の充実度でも日本は25位であり、先進国の中で大きく遅れをとっていることがわかります。

日本市場は今後縮小すると考える専門家もおり、日本の企業にとって海外市場の重要性は増していくでしょう。
このまま日本のDX化が世界に遅れを取り続けると、ビジネス全体の競争力でも負け、日本企業は活路を塞がれてしまう可能性があります。

参考:IMD「World Digital Competitiveness Rankings 」

DX化が遅れる日本企業の3つの課題

デジタルトランスフォーメーション 課題

2021年のIDCの調査では、国内企業におけるDX推進上の課題として「IT人材の不足」や「リーダーシップの不足」を指摘しています。
この2つのポイントは、海外企業と比べて日本企業が特に課題意識を感じているようです。詳しく見ていきましょう。

DX化日本企業の課題1.経営層の意識の低さ

DXではビジネスモデルやビジネスプロセスを新しくするだけでなく、新しい人材を採用したり、部門間の壁を壊したりと、多方面にわたる変革が求められます。

このような全社的な変革を行えるのは経営層しかいません。
しかし、その経営層がDX推進を部下に丸投げしてしまうケースが多く、こうした経営層の意識の低さが1番目の課題です。

ニッセイ基礎研究所の調査によると、内部昇進した日本のCEOの就任年齢は57.5歳で、平均在任期間は5.1年。
50代後半の残り5年の任期で新しい技術を学び、自ら先陣を切って抜本的な改革を行うには、相当な覚悟が必要になります。

また、社長以外の経営陣も同年代であることが多いため、変化に二の足を踏む経営層は少なくありません。

参考:ニッセイ基礎研究所「日米 CEO の企業価値創造比較と後継者計画

DX化日本企業の課題2.日本特有の企業文化

伝統的な日本の企業では分業体制が確立しているため、自然と縦割り文化ができてしまいます。
事業全体の最適化を行いたくても各部門が抵抗勢力となり、分野横断的なDXの取り組みを阻みます。

また、伝統的な日本企業にありがちな年功序列的な風土にも注意が必要です。こうした日本特有の企業文化が2つ目の課題です。

DXに伴う仕事内容や評価基準の変更により、年功序列ではなくなる可能性があります。当然、それに順応する自信のない層からは強い反発が予想されます。

デジタルリテラシーの高い若い優秀な社員をリーダーに抜擢しても、本人や周囲の年功序列的な意識からリーダーシップを発揮しづらいといった問題も起きるでしょう。

DX日本企業の課題3.デジタル人材の不足

DXには、データエンジニア、ビジネストランスレーターといった、さまざまなデジタル人材が必要になります。3つ目の課題は、こうしたデジタル人材の不足です。

デジタル人材 解説
データエンジニア システムを作り、企業が扱う大規模データの設計、構築、運用を行う
ビジネストランスレーター 経営課題とデジタル技術の双方に精通し、両チームの橋渡し役を担う

しかし、これまで部分的なIT施策が多かった日本企業では、新規でデジタル人材を採用・育成することをせず、アウトソースに頼ってきました。
その結果、現場と一体となって動ける社内人材がDXをリードしていくのが最適であるにもかかわらず、デジタル人材が社内に不足してしまっているのです。

DXを成功させるためには、人材の抜擢や外部人材を受け入れる仕組みを整えることが必要です。

DX化を推進する経済産業省のガイドライン

デジタルトランスフォーメーション 課題

デジタルトランスフォーメーション(DX化)を推進するために、経済産業省ではガイドラインを設定しています。
政府は日本企業に対して、どのような取り組みを求めているのでしょうか。

DX化に取り組む意義

経済産業省の資料では、DXを推進している企業は、利益や生産性の向上、新製品・サービスの恩恵を受けていると述べています。

資料に引用されているIDCのアンケート調査によると、DXを取り入れた会社で顧客ロイヤリティや生産性などの5つの項目で10%程度の上昇がみられます。

企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組む意義

引用:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討~ ITシステムに関する課題を中心に~

DX化は、事業全体の状況に直結する取り組みであることがこの結果からも窺えます。

DX化ガイドライン1.経営の在り方と仕組み

経済産業省ガイドラインでは、DXを推進する「経営のあり方と仕組み」について以下の5つのポイントを示しています。

  1. 経営戦略・ビジョンの提示
  2. 経営トップのコミットメント
  3. DX推進のための体制整備
  4. 投資等の意思決定のあり方
  5. DXにより実現すべきもの:スピーディな変化への対応力

このポイントからも、会社の経営戦略やビジョンから部門横断的に実施される全社的な対応が求められていると言えます。
部下に変革を丸投げせず、経営トップ自らが先頭立ってコミットすることが成功のポイントと言えそうです。

参考:経済産業省「DX推進ガイドライン

DX化ガイドライン2.システムの体制と仕組み

また別の資料では、DXを推進する「システムの体制と仕組み」について以下の6つのポイントを示しています。

  1. 全社的なITシステムの構築のための体制
  2. 全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
  3. 事業部門のオーナーシップと要件定義能力
  4. IT資産の分析・評価
  5. IT資産の仕分けとプランニング

「全社的な」という言葉が使われているように、部分的な判断でのITシステムの導入は全体最適が叶わないだけでなく、技術的負債を生み出します。
技術的負債とは、短期的な観点でシステムを開発し、結果として長期的に保守費や運用費が高騰している状態を指します。

「DXに取り組んだのに、むしろ生産性が下がってコストも増大してしまった…」という事態にならないためにも、全社的な視点でITシステムを構築することが重要です。

参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討

DXに成功した企業事例

デジタルトランスフォーメーション 課題

ファーストリテイリングス

ユニクロで知られるファーストリテイリングでは、2017年に新オフィス「ユニクロ・シティ」を開設しました。
事業部を隔てる間仕切りも壁がない作りで、全社員がリアルタイムにダイレクトに繋がり、連動して働けるデジタル時代のカルチャーを醸成することが目的です。

柳井正会長兼CEOも、多くの自分の時間を「ユニクロ・シティ」で過ごし、DX推進を自らのCEOアジェンダとして、DXの先頭に立っています。

トップ自らが早期にDXに力を入れたユニクロは、コロナ禍であっても2020年9~11月期の連結業績は、営業利益が前年同期比23.3%増の1130億円と好調でした。

参考:ファーストリテイリング 決算短信

コマツ

コマツは、油圧ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械、フォークリフト、産業機械などに関する事業をグローバルに展開する総合機械メーカーです。

「植林作業を機械化できないか」というブラジル現地の要請に対し、コマツは建設現場で培ったDXを植林機に融合しました。

開発された2台1組の植林機は1台が苗を植える地ならしをし、もう1台が位置データを受信して植え付けます。
建設機械で鍛えたICTはズレをセンチ単位に収め、高速で高精度な植林を実現しました。

コマツのDXへの取り組みは、経済産業省と東京証券取引所の「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」の選定でも高く評価され、「DXグランプリ2020」に輝きました。

引用:コマツ「Creating value together

海外事例

米国のフィットネスクラブの24 Hour Fitness。24時間いつでもトレーニングできるジムです。
しかし、競合サービスが増える中で24時間運営の魅力は薄れていきました。

そこで、アプリを通して顧客ひとり一人に合わせたトレーニングが組める、パーソナライズ体験を充実させるDXを行いました。

顧客は興味に合わせたおすすめのパーソナルトレーニングを確認できたり、自宅トレーニングの進捗管理ができたりといったサービスを受けられます。
このDXの取り組みで競合にはない新たな魅力を顧客に提供できるようになり、会員数の増加につながりました。

DX化を成功させる4つのポイント

デジタルトランスフォーメーション 課題

DX化成功ポイント1.経営層のコミットメント

DXでは会社の多方面にわたる変革が求められます。
ある程度の現場の抵抗は必ず起きますし、そのまま断行しなければならないことも起きるでしょう。

そのため、経営層のコミットメントがなければ中途半端なDXになってしまいます。それでは事業の向上に結びつかないだけではなく、むしろ足を引っ張るようなDXになりかねません。

実際に、ファーストリテイリングスの柳井正会長兼CEOのように、DXに成功している企業ではトップの強いコミットメントがあります。

DX化成功ポイント2.ビジネストランスレーターの確保

ビジネス全体の最適化を行うための人材が、デジタルだけしか精通していないのでは問題があります。

デジタル、ビジネス両方への理解が深く、経営課題とデジタル技術を結びつけて課題の解決できるビジネストランスレーターの存在がDXには不可欠です。
全社戦略の策定から、ビジネストランスレーターに参加してもらいましょう。

外部人材の活用だけでなく、デジタルに詳しい若手を引き上げ、育てることでその役目を果たすこともあります。

DX化成功ポイント3.ダイバーシティの活用

ビジネス全体を変革するDXの取り組みは、イノベーションを起こす取り組みとも言えます。

経営学におけるイノベーション理論では、「知の探索(新しい知を求める行為)」と「知の深化(今ある知をそのまま活用する行為)」をバランスよく進め、特に「知の探索」を怠らないことが重要であるされています。

そして、「知の探索」を効果的に行うには、人材のダイバーシティ(多様性)が有効です。
そのため、これまであまり活用できていなければ、若手、女性、外国人などの意見を積極的が集めることもDXに効果的です。

参考:入山章栄『世界標準の経営理論』

DX化成功ポイント4.専門家との連携

資金的に可能であれば、社内の人材だけでなく社外の専門家と連携することでDXを加速させることを検討しましょう。
社外の専門家を依頼する場合は、その専門家の実績やスキルだけでなく、自社の社員と協力していけるかどうかにも注目しましょう。

また、外部専門家が力を発揮できるように経営層が主導し、社内の環境を整えておくことも不可欠です。

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まとめ

まとめ

世界的に見るとDX化で大きく遅れをとっている日本ですが、国内においてはまだ始まったばかり。今からDX化に取り組んでも決して遅くはありません。
むしろ他社が苦戦している状況でDXを成功させることができれば、大きな競走優位を獲得できるでしょう。

DXの課題と解決策をしっかりと理解し、ぜひ貴社のDX化を成功させてください。

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