デジタルトランスフォーメーション(DX)日本の課題と解決策

「デジタルトランスフォーメーション(DX化)の課題を知りたい…」
「デジタルトランスフォーメーション(DX化)を失敗しない方法は…」

こういった悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

DXはただデジタルをビジネスに取り入れることではなく、デジタルで事業自体を変革する取り組みです。企業が今後生き残るための取り組みとしてDXは、必須事項となりつつあります。

ここでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)日本の課題と解決策を解説していきます。

DX化を推進する海外の動向と日本の課題

DX化を推進する海外の動向

DX化を推進する海外の動向を調べてみました。
IT専門の調査会社IDCの調査結果では、企業のDX関連の支出は今後も継続され、2020年にDXに対する全世界の支出額は前年比で10.4%増加。1兆3000億円を超えると予測しています。

このように世界的にDXは推進されています。調査対象の全63ヵ国・地域の中で、DXが最も進んでいる国の1位はアメリカ、2位シンガポール、3位デンマーク、4位スウェーデン、5位香港という結果になっています。

DXのプラットフォームとなっているGAFA(「Google」「Amazon」「Facebook」「Apple」)が存在しているアメリカが、世界をリードしています。

また、「e-Estonia(イーエストニア)」では、電子政府化の取り組みで有名なエストニアは3位です。
政府自らが積極的にDXを推し進める効果が現れています。

引用:IDC Japan株式会社『新型コロナウイルスの試練にも関わらず2020年もデジタルトランスフォーメーションの成長は続く見通し』
引用The IMD World Digital Competitiveness Ranking 2020 results

DX化が進まない日本の課題

IMDの調査結果では、日本のDX化の順位は、27位でしたアジア圏で見てみると、韓国が8位、台湾が11位、中国が16位、マレーシアは26位です。育成・獲得に時間のかかるデジタル人材の充実度でも日本は22位であり、先進国の中で大きく遅れをとっていることがわかります。

日本市場は今後縮小すると考える専門家もおり、日本の企業にとって海外市場の重要性は増していくでしょう。
このまま日本のDXが世界に遅れをとり続けると、ビジネス全体の競争力でも負け、日本企業は活路を塞がれてしまう可能性があります。

引用:The IMD World Digital Competitiveness Ranking 2020 results

DX化が遅れる日本企業の3つの課題

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、日本企業のDX成功率は16%トラディショナルな業界(製造、エネルギー、インフラ、製薬)では4~11%に留まります。

大きなコストをかけて挑んだにも関わらず、DXが失敗に終わってしまった。このような事態を避けるために、まずはDXの課題を確認しましょう。

引用:マッキンゼー・デジタル・日本『デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ』

DX化日本企業の課題1.経営層の意識の低さ

DXではビジネスモデル、ビジネスプロセスを新しくするだけではなく、新しい人材を採用したり、部門間の壁を壊したりと会社の多方面にわたる変革が求められます。

このような全社的な変革を行えるのは経営層しかいません。しかし、その経営層がDXを部下に丸投げしてしまうケースが多いのです。経営層の意識の低さが1番目の課題です。

ニッセイ基礎研究所の調査によると、内部昇進した日本のCEOの就任年齢は57.5歳で、平均在任期間は5.1年です。50代後半の残り5年の任期で、新しい技術を学び、自ら先陣を切って抜本的な改革をするには、相当な覚悟が必要になります。

また、社長以外の経営陣も同年代であることが多いため、変化に二の足を踏む経営層は少なくありません。

引用:ニッセイ基礎研究所『日米 CEO の企業価値創造比較と後継者計画』

DX化日本企業の課題2.日本企業の文化

伝統的な日本の企業では分業体制が確立しているため、自然と縦割り文化ができてしまいます。

事業全体の最適化を行いたくても各部門が抵抗勢力となり、分野横断的なDXの取り組みを阻みます。また、伝統的な日本企業にありがちな年功序列的な考えにも注意が必要です。日本企業の文化が2つ目の課題です

DXに伴う仕事内容や評価基準の変更により、年功序列ではなくなる可能性があります。

当然、それに順応する自信のない層からは強い反発が予想されます。

デジタルリテラシーの高い若い優秀な社員をリーダーに抜擢しても、本人、周囲の年功序列的な意識からリーダーシップを発揮しづらいといった問題も起きます。

DX日本企業の課題3.デジタル人材の不足

DXには、データエンジニア、ビジネストランスレーターといった様々なデジタル人材が必要になります。3つ目の課題はデジタル人材の不足です。

デジタル人材 解説
データエンジニア システムを作り、企業が扱う大規模データの設計、構築、運用を行います
ビジネストランスレーター 経営課題とデジタル技術の双方に精通し、両チームの橋渡し役を行います

しかし、これまで個別的なIT施策が多かった日本企業では新規でデジタル人材を採用・育成することをせず、アウトソースに頼ってきました。

結果、現場と一体となって動ける社内人材がDXをリードしていくのが最適であるのに、デジタル人材が社内に不足してしまっているのです。

DXを成功させるために、人材の抜擢や外部人材を受け入れる仕組みを整えることが必要です。

DX化を推進する経済産業省のガイドライン

トランスフォーメーション(DX化)を推進するために経済産業省は、ガイドラインを設定しています。日本企業に対して、どのような取り組みを求めているのでしょうか。

DX化に取り組む意義

経済産業省の『デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討~ ITシステムに関する課題を中心に~』では、デジタルトランスフォーメーションを推進している企業は、利益や生産性の向上、新製品・サービスの恩恵を受けていると述べています。

実際、引用されているIDCのアンケート調査によると、DXを取り入れた会社で顧客ロイヤリティや生産性などの5つの項目で10%程度の上昇がみらます

引用:経済産業省『デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討~ ITシステムに関する課題を中心に~』

DXが事業全体の状況に直結する取り組みであることが、この結果からも伺えます。

DX化ガイドライン1.経営の在り方と仕組み

経済産業省の『DX推進ガイドライン』では、DXを推進する「経営のあり方と仕組み」について、以下の5つのポイントを示しています。

  1. 経営戦略・ビジョンの提示
  2. 経営トップのコミットメント
  3. DX推進のための体制整備
  4. 投資等の意思決定のあり方
  5. DXにより実現すべきもの:スピーディな変化への対応力

会社の経営戦略やビジョンから部門横断的に実施される全社的な対応が求められていると言えます。部下に変革を丸投げせず、経営トップ自らが先頭立ってコミットすることが成功のポイントと言えそうです。

引用:経済産業省『DX推進ガイドライン』

DX化ガイドライン2.システムの体制と仕組み

経済産業省の『DX推進ガイドライン』では、DXを推進する「システムの体制と仕組み」について、以下の6つのポイントを示しています。

  1. 全社的なITシステムの構築のための体制
  2. 全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
  3. 事業部門のオーナーシップと要件定義能力
  4. IT資産の分析・評価
  5. IT資産の仕分けとプランニング

「全社的な」という言葉が使われているように、部分部分の判断でのITシステムの導入は全体最適が叶わないだけでなく技術的負債を生み出します

技術的負債とは、短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守費や運用費が高騰している状態を指します。

「DXに取り組んだが、むしろ生産性が下がってコストも増大した」という事態にならないために、全社的な視点でITシステムを構築することが重要です。

引用:経済産業省『デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討』

DXに成功した企業事例

ファーストリテイリングス

ユニクロで知られるファーストリテイリングでは、新オフィス「ユニクロ・シティ」を開設しました。

事業部を隔てる間仕切りも壁がない作りで、全社員がリアルタイムにダイレクトに繋がり、連動して働けるデジタル時代のカルチャーを醸成することが目的です。

柳井正会長兼CEOも、多くの自分の時間を「ユニクロ・シティ」で過ごし、DX推進を自らのCEOアジェンダとして、DXの先頭に立っています

トップ自らが早期にDXに力を入れたユニクロは、コロナ禍であっても2020年9~11月期の連結業績は、営業利益が前年同期比23.3%増の1130億円と好調でした。

引用:ファーストリテイリング 決算短信

コマツ

コマツは、油圧ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械、フォークリフト、産業機械などに関する事業をグローバルに展開する総合機械メーカーです。

「植林作業を機械化できないか」
ブラジル現地の要請にコマツは建設現場で培ったDXを植林機に融合しまし

開発された2台1組の植林機は1台が苗を植える地ならしをし、もう1台が位置データを受信して植え付けます。

建設機械で鍛えたICTはズレをセンチ単位に収め、高速で高精度な植林を実現しました。

コマツのDXへの取り組みは、経済産業省と東京証券取引所の「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」の選定でも高く評価され、「DXグランプリ2020」に輝きました。

引用:コマツ『Creating value together』

海外事例

米国のフィットネスクラブの24 Hour Fitness。24時間いつでもトレーニングできるジムです。しかし、競合サービスが増える中で24時間運営の魅力は薄れていきました。

そこでアプリを通して、顧客ひとり一人に合わせたトレーニングが組める、パーソナライズ体験を充実させるDXを行いました

顧客は興味に合わせたおすすめのパーソナルトレーニングを確認できたり、自宅トレーニングの進捗管理ができたりといったサービスを受けられます。

このDXの取り組みで競合にはない新たな魅力を顧客に提供できるようになり、会員数の増加につながりました。

DX化を成功させる4つのポイント

DX化成功ポイント1.経営層のコミットメント

DXでは会社の多方面にわたる変革が求められます。

ある程度の現場の抵抗は必ず起きますし、そのまま断行しなければならないことも起きるでしょう。そのため、経営層のコミットメントがなければ中途半端なDXになってしまいます。

それでは事業の向上に結びつかないだけではなく、むしろ足を引っ張るようなDXになりかねません。

実際、ファーストリテイリングスの柳井正会長兼CEOのようにDXに成功している企業ではトップの強いコミットメントがあります

DX化成功ポイント2.ビジネストランスレーターの確保

ビジネス全体の最適化を行うための人材が、デジタルだけしか精通していないのでは問題があります。

デジタル、ビジネス両方への理解が深く、経営課題とデジタル技術を結びつけて課題の解決できるビジネストランスレーターの存在がDXには不可欠です。

全社戦略の策定から、ビジネストランスレーターに参加してもらいましょう。

外部人材の活用だけでなく、デジタルに詳しい若手を引き上げ、育てることでその役目を果たすこともあります。

DX化成功ポイント3.ダイバーシティの活用

ビジネス全体を変革するDXの取り組みは、イノベーションを起こす取り組みとも言えます。

経営学におけるイノベーション理論では、「知の探索(新しい知を求める行為)」と「知の深化(今ある知をそのまま活用する行為)」をバランスよく進め、特に「知の探索」を怠らないことが重要であるされています。

そして、「知の探索」を効果的に行うには、人材のダイバーシティ(多様性)が有効です。

そのため、これまであまり活用できていなければ、若手、女性、外国人などの意見を積極的が集めることもDXに効果的です。

参考:入山章栄『世界標準の経営理論』

DX化成功ポイント4.専門家との連携

資金的に可能であれば、社内の人材だけでなく社外の専門家と連携することでDXを加速させることを検討しましょう。

社外の専門家を依頼する場合は、その専門家の実績やスキルだけでなく、自社の社員と協力していけるかどうかも注目しましょう。

また、外部専門家が力を発揮できるように経営層が主導し、社内の環境を整えておくことも不可欠です。

おすすめのオンラインアシスタント

HELP YOUでは、業務内容に応じた最適なチーム編成で、DX化への取り組みを支援するHELP YOUエンタープライズの提供を開始しました。

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このDX化の取り組みは社内でも高く評価され、担当者はその年の優秀賞を受賞しました。

お話の続きは「店舗売場のDX化に着手。功績を評価され、社内で表彰!HELP YOUの活用でプロジェクトを成功へ」でご確認いただけます。

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まとめ

世界的に見るとDX化で大きく遅れをとっている日本ですが、

国内においては、まだ始まったばかりの状況ですから、今からスタートさせたとしても遅くはありません

他社がDXに苦戦している状況で、DXを成功させることができれば大きな競走優位を獲得することが期待できます。

DXの課題と解決策をしっかりと理解し、ぜひDX化を成功させてください。

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