【DX銘柄2023】デジタルトランスフォーメーション成功事例と認定企業の取り組み
デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入する企業の動きが活発になっています。
データのデジタル化、レガシーシステムの刷新、AIやRPAといったテクノロジーの導入など、具体的にはどのような分野のどのような業務でDXが活用されているのでしょうか。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にあたり、さまざまな企業の実例が知りたいという人も多いでしょう。
2023年6月、経済産業省は、東京証券取引所・(独)情報処理推進機構と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」選定企業を発表しました。
この記事では「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023選定企業発表会」のレポートをもとに、「DX銘柄2023」について説明しながら、最新の国内DX事例を紹介します。さまざまな事例から、その特徴と課題、傾向などを紐解いていきましょう。
DX化の実現に向けて準備を進めている人は、ぜひ参考にしてください。
参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」
2023年日本企業のDX事情
データやデジタル技術を駆使し、ビジネスを変革させるデジタルトランスフォーメーション(DX)。
「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」に選定された企業の具体的な取り組みをご紹介する前に、日本企業のDXの現状と課題を見ていきましょう。
日本企業DXの現状
引用:株式会社電通デジタル「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2022年度)」
株式会社電通デジタルが行った「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2022年度)」によると、DXに着手している企業は84%。2021年からは3%、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年からは14%も増加しています。
DX推進はコロナ禍を経て一般化し、推進するうえでの障壁も日本企業全体で減少傾向にあるようです。
また、DXの成果が出ている企業は75.4%と、2021年から5.5%増加しました。成果が出ている領域にも変化があり「業務プロセス/業務システムの改善」といった従来の領域に加え「組織/企業文化/人材」といった企業の基盤領域でのDXが実現しています。
この調査結果を受けて電通デジタルは、DXに取り組む企業の指標となり得る見解を示しました。
時代の変化や最新のデジタル技術を踏まえ、
・企業全体のミッションや目的をより具体化すること。
・部分最適ではなく企業全体の変革を推進すること。
これら2つのポイントを押さえることが、さらなるDXの成果創出と企業の持続的成長を実現するための近道だとしています。
日本企業DXの課題
経済産業省は「デジタルガバナンス・コード」*1の中で、日本企業のDXの課題を考察しています。
具体的には以下を挙げています。
- 「社会や業界の課題解決」に寄与するビジョン・ビジネスモデルを社内外に示せていないこと。
- DX推進の目的が業務効率化に留まり、新規ビジネス創出までの戦略を描けていないこと。
- DX戦略を実現するためのデジタル人材の獲得や、DX推進をミッションとする役員・担当者の人選に苦戦していること。
その結果、レガシーシステムがいまだに足かせとなっている企業や、変革に取り組むものの入口で足踏みしている企業も多いといいます。この状況を改善するためには、外部企業のリソースを活用するなど、DXに関わる人材の確保と育成が大切です。
また、経営者自らがDX推進に主体的に関わり、ステークホルダーとの対話機会を増やすことも重要なポイントといえるでしょう。
*1「デジタルガバナンス・コード」:企業の主体的なDX推進を促すため、経営者に求められる取り組みを経済産業省がまとめたもの。具体的には、ITシステムとビジネスを一体的に捉えて新たな価値創造に向けた戦略を構築できているか、DXを推進するうえで企業全体で取り組みができているかといったことを確認できます。
【DX銘柄2023】事例から見た傾向と課題
次に「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」に選定された企業の特徴を見ていきましょう。
2023年度は「DXプラチナ企業」に3社、「DXグランプリ」企業に2社、「DX 銘柄」企業に30社が選定されました。また「DX銘柄」に選定されなかったものの、注目すべき取り組みを実施した「DX注目企業」には19社が選ばれています。
まず、DX銘柄やDX注目企業に選定された企業は「デジタルガバナンス・コード」に沿った取り組みを推進していることが特徴的です。
具体的には
- 社員に挑戦を促す仕組み
- DX人材の育成と確保
- DX推進の進捗度と成果のKPI設定
において、DX銘柄やDX注目企業に選定された企業と、それ以外の企業では大きな差が見られます。また、DX銘柄選定企業の80%以上が、情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)を取得済みでした。
さらに「社会や業界の課題解決」に寄与するビジョン・ビジネスモデルを構築できているかという点でも、DX銘柄やDX注目企業と、その他企業では大きな差が見られます。こうした取り組みの結果、DX銘柄選定企業の9割以上は、自己資本利益率(ROE)5%以上と望ましい経営状態を実現しています。
参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2023の分析」
DX銘柄とは
それでは、改めてDX銘柄について詳しくご説明しましょう。
DX銘柄とは「企業価値の向上につながるDXを推進する仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業」を選定するものです。
東京証券取引所に上場している企業の中から、業種区分ごとに選定・紹介されます。経済産業省は2015年より、積極的なIT利用・活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定してきました。
2020年からは、デジタル技術を土台として、ビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXに取り組む企業を「DX銘柄」として選定しています。さらに「DX銘柄2021」からは、2020年5月の改正情報処理促進法の施行とともに始まったDX認定制度やデジタルガバナンス・コードと有機的に連動するような評価基準に整理されました。
評価基準としては
- 業務効率化に留まらない「ビジネス変革」を目指した戦略を構築できているか
- 経営者がリーダーシップを発揮できているか
- ステークホルダーとの対話が十分か
などの観点も含まれることが特徴です。
DX銘柄選定の狙いは、目標となる企業モデルを普及させること。かつ、IT活用に対する経営者の意識変革を促すことです。
そして、経営者自らが積極的にDX推進に取り組んでいる企業に、資金、人材、ビジネス機会が集まる環境の実現を目指しています。
参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」
【DX銘柄2023】事例|プラチナ企業
ここからは企業の具体的なDX推進の取り組みをご紹介していきます。
まず、ご紹介する「DXプラチナ企業」とは、特に優れた取り組みを制度開始当初から継続している企業に与えられる称号です。
「3年連続でDX銘柄に選定されていること」かつ「過去にDXグランプリに選定されていること」が選定要件になります。今年度から新設され、3つの企業が選定されました。
中外製薬株式会社
中外製薬株式会社は、がん領域・抗体医薬品に強みを持つ製薬企業です。
2020年から4年連続でDX銘柄企業に選定され、22年度には見事グランプリを受賞。今年度は初代となる「DXプラチナ企業2023-2025」に選定されました。
中外製薬によれば、医療費の抑制政策が進む中で「真に価値ある医薬品」へのニーズが高まり続けているといいます。しかし、新薬を製品化(創薬)するには長い年月が必要とされ、成功確率も低く、研究開発費もここ10年で2.5倍に膨らんでいるという試算も。
そうした業界の課題に対し「創薬期間の短縮」「成功確率の向上」「コスト削減」を実現することで「世界最高水準の創薬実現」と「先進的事業モデルの構築」を成功させること。
その結果、患者から期待され、企業や人財から協業を求められるような「ヘルスケア産業のトップイノベーター」になることが、中外製薬のビジョンです。DXはそのビジョンを達成するうえでの最重要要素として同社では位置付けられています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の具体的な取り組み
- 創薬プロセスにおける深層学習アルゴリズムの開発と活用
- 機械学習や画像解析技術を取り入れた創薬支援技術の開発と活用
- 診察や治療行為で得られた「医療データ解析」による患者一人一人に最適化された個別医療の実現
- 「医療データ解析」をもとにしたエビデンスの創出による医薬品承認申請の短縮化
- DX推進専任部門の設立と、その他各部門でのDXリーダーの配置
- デジタルトレンド、ビジョン、戦略、先進事例など、社員の階層に合わせた継続的なインプット
- デジタル部門が帆走する、効率化や新規事業アイデアの社内公募
- 社内外への「デジタル人財育成プログラム」の提供とデジタル人財の派遣
参考:「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」において「DXプラチナ企業2023-2025」に選定
株式会社小松製作所
小松製作所は、建設機械の製造と建設現場のソリューションを提供する企業です。
同社は、DX銘柄の選定が開始した20年度に初代「DXグランプリ」を受賞。その後も継続的にDX銘柄企業に選定され、今年度は初代「DXプラチナ企業2023-2025」を受賞しました。
小松製作所が属する機械業界では「自動化」「無人化」「遠隔操作化」というハード面のニーズがより一層高まっているといいます。また、ソフト面においても「デジタルツイン」*2の導入が加速。脱炭素化への対応も社会的に期待されています。
このような業界において「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現する」ことが、小松製作所のビジョン。そのための成長戦略として「製品・稼働・現場全体の高度化(ダントツバリュー)」を掲げ、DX推進で成長戦略の加速を図っています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の具体的な取り組み
- 「自動運転」や「作業員への操作ガイダンス機能」を持つICT建機とアプリを連動。建設現場のあらゆるモノやデータを有機的に連携
- デジタルツインによる新たな施工プロセスの開発や生産性の向上
- デジタル技術を結集した建設プロセス全体の安全性や生産性を高めるソリューションの提供
- 独自のカリキュラムによるデジタル人材の育成
- DX指標とその成果を統合報告書でステークホルダーに共有
参考:KOMATSU「DXプラチナ企業2023-2025」に選定されました
*2「デジタルツイン」:IoTで収集した現実空間の情報をもとに、仮想空間で現実世界を再現する技術
トラスコ中山株式会社
トラスコ中山株式会社は、製造現場で必要とされるあらゆる工具(プロツール)の卸売業を展開する専門商社です。
同社では「お客様が必要とする商品を、どこよりも早く確実にお届けする」ことを最大のサービスとして重視。品ぞろえと在庫の充実にこだわり、全国28カ所の自社物流センターから約58万アイテムの「即納」を実現しています。
トラスコ中山にとってのDXとは「必要なものがそろう」「迅速で確実な納期」「納得価格」「高い利便性」といった顧客の普遍の要求に応えるための手段です。仕入先や卸先の企業を巻き込んだDXで、サプライチェーンの最適化に挑戦しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の具体的な取り組み
- 業界共通のデータ基盤を構築し、あらゆる顧客接点のDX化を推進
- ERPシステムを活用した「AIによる自動見積」「AIによる在庫管理」で、顧客企業を巻き込んだサプライチェーン全体の利便性向上
- DXの成果指標として「在庫出荷率」で効果測定を行い、91.7%の在庫出荷率を実現
- 部門を横断するジョブローテーションにより、他者受容ができ、仕事への意識が高く、変化に適応しやすいDX人材を育成
- ビジネス部門のノウハウを取り入れたITスペシャリストの育成により、新サービスを創造できるDX人材を育成
参考:TRUSCO「「DXプラチナ企業2023-2025」に選定!」
【DX銘柄2023】事例|DXグランプリ
続いて、2023年度「DXグランプリ」に選定された企業2社の事例をご紹介します。「DXグランプリ」には「DX銘柄」選定企業の中から、業種の枠を超えて「デジタル時代を先導する企業」が選定されています。
【DX銘柄2023】成功事例1.株式会社トプコン
株式会社トプコンは「医・食・住」の3分野における社会課題の解決を支援するDXソリューションを提供する企業です。
3分野の中でも医療分野の課題は、高齢化による医療費の高騰や眼疾患の増加に対し、世界的に眼科医が不足していること。また、食(農業)分野では、気候変動や人口増加による食糧不足が課題に。そして住(建設)分野では、インフラ需要に対する技術者不足や、自然災害の頻発化と被害の甚大化が問題になっています。
一方で、この3分野では他産業に比べてDX化が遅れているといわれています。
そこでトプコンでは、光学やセンシングといったコア技術に、画像処理、機械学習、自動化処理、遠隔監視などの応用技術を融合。多様なDXソリューションを「サービス」として企業に提供し、3分野の課題解決を実現しています。
- 高精度な眼底像の撮影機器とネットワークをつなぎ、AI診断や遠隔診断の仕組みを構築
- 農業のあらゆるデータを一元管理し、農機の自動走行システムや生育計測センサーと組み合わせ、農作業の効率化と最適化を実現
- 「ICT自動化施工システム」や「高精度3次元デジタル測量機」のデータをオフィスとつなぎ、工事現場のワークフローの一元管理と効率化を実現
- DX推進のための投資と予算確保を継続して実行
- 世界30カ所のR&D拠点を活用した高度なIT人材の確保
- 必要なデジタル技術をすばやく取得するためのM&Aを実行
- ERPシステムの導入やグロバーバルITネットワークの整備による国境を越えた協業と連携
参考:TOPCON「4年連続 デジタルトランスフォーメーション銘柄に選定、グランプリに初選出!」
【DX銘柄2023】成功事例2.日本郵船株式会社
日本郵船株式会社は、貨物輸送の海運業を展開する企業です。同社の収益性は為替や油価などの外部要因に多大な影響を受けます。
そのためDXによる国際競争力の確保は、同社にとって企業の存続にも関わる重大事項。また、企業の社会的責任として燃料などのゼロ・エミッション化への対応も求められています。
そこで日本郵船では「持たないIT」のスローガンのもと、外部企業の多様なITソリューションを活用。国内外の業務プロセスを標準化し、リソースをコア業務に集中できる環境を実現しています。
また、最新のデジタル技術やベンチャー企業の動向を把握し、他社に先んじた取り組みを実行。自動運転の実証実験航海や環境負荷の少ない新燃料の実用化にも挑戦しています。さらに、人とAIの協業をグローバルに展開することで、船舶の安全運航も実現しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の具体的な取り組み
- データセンターをパブリッククラウドへ移行、かつ外部企業のERP製品や燃料管理ソリューションの導入により業務プロセスを標準化
- 船舶運航に関するデジタルデータを活用し、人とITの協業による安全で効率的な運航の実現
- 船舶運航に関するデジタルデータを活用し、ゼロ・エミッション船や自動運転船などを開発
- DX専門組織やDX関連のグループ会社を設置し、DX人材を育成
【DX銘柄2023】認定企業
最後に、2023年度にDX銘柄に選定された企業の中から、2社の取り組みをご紹介しましょう。
【DX銘柄2023】成功事例1.味の素株式会社
味の素株式会社は「アミノ酸のはたらき」に徹底的にこだわった食品メーカーです。
同社は「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」というパーパスを掲げ、2030年までに10億人の健康寿命の延伸と環境負荷の50%削減を目指しています。味の素によれば、塩分の過剰摂取によるリスクが世界的に深刻化し、WHOも減塩を提唱する一方で、状況はなかなか改善されないといいます。
そこで同社では、研究開発、マーケティング、カスタマーエクスペリエンス、新サービス開発においてDXを推進。パーパス実現に向け、DXにより「スピードアップ」と「スケールアップ」を図っています。
- AIやデジタルツインを駆使した「高性能電子材配合」や「高性能細胞培養培地配合」による製品の高度化
- 「うま味によるおいしい減塩の実践支援」のためデジタル手法を活用し、生活者の関心度別に訴求を展開
- 認知症予防のため、食事ログをスコア化し、認知機能低下リスクを評価、献立・サプリメント・食事を提供するサービスを展開
- DX推進委員会を設置し、部門をまたいだ横断的なDX推進体制と教育体制を整備
参考:味の素㈱「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」に選定
【DX銘柄2023】成功事例2.ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は、通信事業を基盤に多様な情報・テクノロジー事業を展開する企業です。通信キャリアの枠を超え、DXソリューション、QRコード決済サービス、Yahoo!、LINE事業などを手がけています。
同社では今後も「Beyond Carrier」という成長戦略のもと、事業の多面化を推進。そのためにコア業務への人員シフトや、社会課題の解決を目指し、DXを活用しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の具体的な取り組み
- 社長主導の全社横断DXプロジェクトを発足。コンタクトセンターでのAI導入や、契約登録でのRPA導入により、4,500人月相当の業務時間を創出
- 5G基地局の整備を加速し、さらなる大容量かつ高速通信が可能なサービスを提供
- ネットワークを仮想的に分割し、各企業や各自治体のニーズに合わせた5Gネットワークを提供
- 「24時間365日対応の健康医療相談チャット」「オンライン診療」「病院検索」「一般用医薬品のオンライン購入」が可能なヘルスケアアプリの提供
参考:ソフトバンクニュース「3年連続! ソフトバンクが「DX銘柄2023」に選定されました」
DX推進をサポートはHELP YOU
これまでDX銘柄の取り組みをご紹介してきました。自社でDXを推進するためのイメージをつかめたという企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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HELP YOUとは
HELP YOUは、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービスです。
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【HELP YOUのプラン】
<チームプラン>
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【チームプランの主なサービス内容】
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■経理業務:入金管理、支払業務、請求書発行など
■人事・採用業務:求人票の作成、書類審査管理、セミナー会場手配など
■営業サポート業務:会議資料作成、データ収集、KPI管理、経費申請など
■マーケティング業務:SNS投稿、メルマガ作成、アンケート集計など
■ECサイト業務:売上管理、商品管理、サイト管理、ニュースリリース作成など
※各サービスは、お客様のご要望によって組み合わせが可能です。
チームプランに加え、固定の専属アシスタントが業務を柔軟にサポートする「1名専属プラン」も提供しています。
「どんな業務をどこまで依頼できるか」「自社にはどのプランが適しているか」など、ご質問はメール・電話にて無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください!
【DX銘柄2023】認定企業となるための評価項目
DX銘柄選定の評価は「経営ビジョンや戦略(組織、制度、情報システムなど)」「成果と成果指標の共有」「ガバナンス」などの観点から行われます。
選定プロセスは2段階あり、一次評価は「デジタルトランスフォーメーション調査2023」の「選択式項目」及び財務指標によるスコアリングで行われます。二次評価は一次評価で選定された企業が対象となり「記述回答(企業価値貢献、DX実現能力)」をもとに、DX銘柄評価委員が評価・選定を行います。
ここでは一次評価にあたる「選択式項目」に沿って評価ポイントを解説します。
経営ビジョン・ビジネスモデル
ビジネスとITシステムを一体的に捉え、経営ビジョンとその実現に向けたビジネスモデルの構築ができているか。また、それらを価値創造ストーリーとしてステークホルダーに開示しているかが評価ポイントです。
●「経営ビジョン・ビジネスモデル」に関する設問内容の要約
- デジタル技術による社会や競争環境の変化が自社に与える影響(リスクと機会)を踏まえたビジョン・ビジネスモデルになっているか。
- DX推進において、エコシステムの構築といった企業間連携を主導しているか。
- 自社の利益だけでなく、社会や業界の課題解決に向けてDXを牽引しているか。
- 経営方針の転換やグローバル展開に迅速に対応できるビジョン・ビジネスモデルになっているか。
戦略
ビジョンやビジネスモデルを実現するための手段として、デジタル技術を組み込んだDX戦略を具体的に構築しているか。それをステークホルダーに開示しているかが評価されます。
●「戦略」に関する設問内容の要約
- データとデジタル技術を活用した「既存ビジネスの変革」や「新規ビジネスの創出」を目指す取り組みが戦略の中で明示されているか
- その取り組みが実施され、効果が出ているか
- 取り組みの内容や効果をステークホルダーに開示しているか
- 経営状況や運営状況を把握できるシステムがあり、そこから収集できるデジタルデータを踏まえた意思決定ができているか
戦略実現のための組織・制度等
デジタル技術を活用した戦略を実現するために、必要な組織や制度を構築し、ステークホルダーに開示しているかが評価されます。また「DX人材の確保・育成」「外部企業との関係構築・協業」を重要な要素として捉えているかをチェックされます。
●「戦略実現のための組織・制度等」に関する設問内容の要約
- DX推進責任者、技術・研究開発責任者、IT関連責任者、デジタルデータの活用責任者が設置されているか。かつ、ミッションや役割が定義されたうえで任命されているか
- 経営層の専門性や知見が可視化され、ステークホルダーに開示されているか
- 経営層が最新のデジタル技術の活用事例を学び、戦略に落とし込んでいるか
- 「人材の確保・育成」「外部企業との関係構築・協業」を踏まえた組織・制度構築が行われているか
- DX推進を実施するための予算がIT予算と別で管理され、継続的に一定の比率で確保できているか
戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
デジタル技術を活用した戦略を実現するために、必要なITシステムや技術の整備に向けた方策を構築し、開示しているかを評価されます。
方策の内容としては、マネジメント方法、利用する技術、標準、アーキテクチャ、投資計画などを明確化する必要があります。
●「戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム」に関する設問内容の要約
- 既存の情報システムやデータが最新のデジタル技術とスムーズかつ短期間に連携できるか
- 既存データの活用が可能か
- 情報システムが足かせとならないよう、定期的に分析・評価が行われ、課題把握をできるか
- 事業部単位の個別最適化による複雑化やブラックボックス化を防ぎ、情報システムの全社最適を目指し、デジタルデータの整合性を確保できるか
成果と重要な成果指標の共有
デジタル技術を活用した戦略の達成度を測るために成果指標を設定し、自己評価をステークホルダーに開示しているかを評価します。
●「成果と重要な成果指標の共有」に関する設問内容の要約
- 実施している取り組みの達成状況を確認できるか
- 企業価値向上(既存ビジネスモデルの変革、新規ビジネスモデルの構築)の「進捗」を測る具体的な指標をステークホルダーに開示しているか
- デジタル時代に適応した企業変革の「実現度」を測る指標を設置し、評価しているか
ガバナンス
デジタル技術を活用した戦略実現のために、経営者がデジタル技術の動向や自社のITシステムの現状を踏まえた課題を把握・分析しているか。その際、経営者が各事業部門の担当者やIT担当者と協力できているか。
そして、サイバーセキュリティリスクにも適切に対応できているかが評価されます。
●「ガバナンス」に関する設問内容の要約
- DX推進において経営者自らがメディアなどで情報発信を行っているか
- 経営者とDX推進責任者らが定期的にコミュニケーションを行う場が設置されているか
- DX推進に関して取締役会や経営会議で報告や議論が行われているか
- サイバーセキュリティリスクを経営リスクの一つと捉え、責任者の任命、管理体制の構築、予算確保、対応策の策定、専門資格取得の奨励、取り組みの開示を実施しているかDX銘柄申請方法
出典:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」
DX銘柄申請方法
DX銘柄企業に選定されるための評価ポイントをご紹介してきました。次は、みなさんの企業が選定される番です。そこで、DX銘柄の申請方法についてご紹介します。
DX銘柄に選定されるためには、東京証券取引所に上場している企業であることが条件です。さらに、上場企業約3,800社を対象に「デジタルトランスフォーメーション調査」が行われるため、回答が必須です。かつ、DX銘柄の選定対象となるためには「DX認定制度」に申請し、認定される必要があります。
かつ、以下3点の選定基準を満たすことも必須です。
- ROEのスコアが一定基準以上であること
- 評価委員会において、取り組みについて高い評価を得たこと
- 重大な法令違反などがないこと
続いて「DX制度認定」の申請方法について確認しておきましょう。
DX制度の認定が必須
DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。
法人・個人、公益法人なども含む全ての事業者が申請することができます。
「DXプラチナ」「DX銘柄」および「DXグランプリ」「DX注目企業」に選定されるためには、DX調査の回答期間内に、DX認定制度の申請を行う必要があります。
DX制度申請の流れ
DX制度申請の流れを簡単に紹介します。
1.申請ガイダンスの確認
申請要項をまとめたガイダンスを確認します。
2.提出書類の準備
「認定申請書」「申請チェックシート」をダウンロードし、設問に回答を記入。必要に応じて補足資料も準備しましょう。
3.書類の提出
申請Webサイト【DX推進ポータル】にアクセスして申請します。
※参照:DX推進ポータル利用マニュアル
4.審査期間
DX認定制度事務局での審査の後、経済産業省が認定します。
認定結果通知までの期間の目安は約60日です。
参考:経済産業省「DX認定制度 申請要項(申請のガイダンス)」
まとめ
「DX銘柄2023」を通して、最新の国内デジタルトランスフォーメーション事例を紹介しました。
ビジネスのあり方が大きく変化し、ICTやAIなどのデジタルテクノロジーがより存在感を増しています。そして、多くの企業がDX化へと舵を切り、さまざまな成果をあげています。しかし、組織の問題やビジネスモデルの不在、コストや人材不足など、多くの課題が残されているのも事実です。
DXを通して、顧客の満足度はもちろんのこと、自社の生産性や効率を向上させるためにも、外部リソースへのアウトソーシングが有効な手段です。
DXの推進に課題を感じているなら、きっとあなたの助けになることでしょう。
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