D2Cブランド事例15選!海外・日本の事例から学ぶ成功のポイントとは?
ユーザーに直接商品を販売する、D2Cブランドが近年増加しています。
D2Cブランドの立ち上げを検討している人の中には、
- そもそもD2Cとは何なのか
- どんなD2Cブランドなら成功するのか
と疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。
本記事ではそんな疑問を解決するべく、D2CのメリットやD2Cブランドの成功事例を15事例紹介しています。各事例で解説している成功ポイントを読めば、立ち上げのヒントを得られるでしょう。
D2Cとは
まず、D2Cの意味とB2Cとの違いを説明します。
D2C(DtoC)の意味
D2Cは「Direct to Consumer」の略で、販売者が消費者と直接取引するビジネスモデルのことです。主にアパレルや美容分野で採用されているビジネスモデルですが、近年はその他の分野でも取り入れられるようになってきました。
D2Cには次の特徴があります。
- 商品やサービスの製造・販売・郵送・広告まで、全て自社で行っている
- 実店舗を持たないブランドも多く、Webサイトを中心に商品やサービスを販売している
このような特徴を持ったビジネスモデルをD2Cといいます。
D2CとB2Cの違い
次にD2CとB2Cの違いを説明します。
D2CとB2Cの違いは、販売者と購入者の間に仲介業者を挟まない点です。B2Cは「Business to Consumer」の略で、企業と消費者の間で発生するやり取り全般を指します。
例えばAmazonなどのオンラインプラットフォームは自社商品を作らず、販売チャネルのみを提供しています。このためB2Cではあるものの、D2Cではないのです。
D2C登場以前のビジネスモデルは、ブランドがサービス・商品の開発、マーケティング、製造を行い、実店舗やECサイト以外に小売店や販売代理店などを通じて消費者に商品を届けていました。一方、D2Cはこれら全ての工程を自社で担当します。
消費者に商品を届けるまでの全工程を自社で行い、仲介業者を挟まない点がD2CとB2Cの大きな違いです。
D2Cが注目を集めている背景
D2C市場は年々成長しています。2015年には1兆3,300億円だった市場規模も2025年には3兆円に達すると予測されているのです。
出典:株式会社売れるネット広告社「デジタルD2C市場規模、2025年には3兆円に達すると予測」
なぜD2Cの市場規模が拡大傾向にあるのか、以下で説明していきます。
SNSやECサイトの普及
一つ目の理由は、SNSやECサイトの普及率が上昇しているからです。
総務省の調査によると、SNSを利用している人の割合は全体の5割に達しています。さらに普段利用しているインターネットサービスは、インターネットショッピングがもっとも多く70%を超えています。
また、メーカーやブランドのEC化率も増加傾向にあります。それに伴いEC市場も拡大しており、直近のBtoC-EC市場規模は約19兆円に及びます。
このようにSNSやECサイトの普及により、オンラインを軸としたブランド展開や情報発信が容易になったため、D2Cが拡大しているのです。
参考:
総務省「令和 3年版 情報通信白書のポイント」
経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました 」
消費者の価値観の変化
二つ目の理由は、消費者の価値観の変化です。
現代はモノがあふれていた時代と異なり、商品の機能よりもブランドの世界観やストーリーに価値を感じる消費者が増えています。
商品・サービスの機能や質だけでなく、それらが作られた経緯やブランドコンセプトへの「共感」が購入時の重要なポイントになります。消費者はブランドの背景や作る人の奥にある理念を読み取っているため、独自の世界観を打ち出しやすいD2Cへの共感が高まっているといえるでしょう。
D2Cのメリット
ここからは、D2Cのメリットを詳しく見ていきます。
価格と品質を適正化できる
最初のメリットは、価格と品質を適正化できることです。
実店舗やECモールへの出店には、中間マージンや手数料など余計なコストがかかります。
例を挙げるとECモールへ登録した場合、初期登録料、月間出店料、販売手数料はもちろん、システム利用料といったものも支払わなければなりません。
しかし、D2Cなら余計なコストがかからない分、収益性が上がります。その結果、従来と同じ商品でも価格を抑えることができたり、あるいは同じ価格でより品質の良い商品を提供できるなど、品質と価格を適正化できるのです。
ブランドのコアなファンを獲得できる
二つ目のメリットは、ブランドのコアなファンを獲得できることです。
D2Cは顧客との距離感が近くなるため、売り手のビジョンに共感したコアなファンを獲得しやすいでしょう。
例えばECモールの利用者は、そのシステムを気に入っているプラットフォームのファンであり、顧客とブランドがそこまで強くつながっているわけではありません。
一方、D2Cは顧客と直接コミュニケーションを取るビジネスモデルであり、SNSなどを通じた双方向的なやり取りで顧客の反応も確認できます。
プラットフォームや第三者機関によるルールもないため、ブランドの世界観やアピールポイントを自由に伝えられる点もメリットです。
ユーザーの声を直接聞き、ブランドのイメージや商品を改善していくことで、顧客とともにブランドを作り上げていく感覚が醸成されます。コアなファンはリピーターとして売上にも貢献し、その口コミが新たなファンの獲得にもつながるでしょう。
パーソナルデータを活用できる
三つ目のメリットはパーソナルデータを活用できる点です。
D2Cは自社ECサイト内で顧客情報を収集できるため、集めたデータを商品の開発・改善やマーケティングに生かすことができます。
例えば、ECサイトでは次のようなデータを入手できます。
- 属性データ:年齢・性別・居住地・職業など
- 行動データ:Webサイトの閲覧履歴・訪問回数・滞在期間・購入した商品金額など
パーソナルデータを活用すれば、よりターゲットに響くマーケティングや商品作りを行えるため、顧客の満足度も高まるでしょう。
海外のD2Cブランド成功事例5選
この章では、海外のD2Cブランドの成功事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
Warby Parker
Warby Parker(ワービーパーカー)はニューヨーク発祥のアイウェアブランドです。
95ドルという手頃な価格で、おしゃれな商品を提供しています。
同ブランドの成功要因は、ストーリー醸成が巧みなこと。創業のきっかけは、当時学生だった創業者がメガネを紛失したときに、新しいメガネが高価で買えなかったことでした。
この出来事によりメガネ業界の寡占に気づき、「誰もが金額を心配せずに選べるメガネ」というブランドコンセプトが生まれたのです。
このストーリーは、ターゲット層であるミレニアル世代(1980年〜1995年生まれ)の共感を呼びました。
また、「Home Try-On」というトライアルシステムも成功要因の一つです。5つのメガネフレームを無料で一定期間試着できるシステムで、オンライン購入に対するユーザーの心理的なハードルを下げることができます。
さらにこのシステムは、ユーザーのSNS投稿を促進しました。現在Instagramで「#warbyhometryon」と検索すると、2.4万件の投稿がヒットするほど口コミが醸成されています。
【成功ポイント】
- 安価で洗練されたアイウェア
- ターゲットに響く、ブランドのストーリー
- トライアルシステムで購入へのハードルを下げる&口コミ醸成
Allbirds
Allbirds(オールバーズ)はアメリカで生まれた、靴とアパレルのブランドです。
主力商品であるスニーカーは、「原料が自然素材であること」「シンプルなデザイン」「履き心地が良い」という三つの特長があり、その品質の良さがヒットの理由です。
また、エコブランドであることもポイント。自然環境保護に力を入れており、実店舗・Webサイトともに各スニーカーが作られる際に排出されるCO2の量が表示されています。
くわえて、Allbirdsの靴は製品の型が決まっておらず、マイナーチェンジを繰り返している点にも注目です。本来、製品のマイナーチェンジは難しく、膨大な時間とコストがかかります。
しかし、Allbirdsは顧客の反応を見つつ製品改善を続けており、その姿勢も顧客から支持されているのでしょう。
【成功ポイント】
- シンプルな履き心地のよい製品
- 自然環境保護にも力を入れるエコブランド
- 顧客の声を聞き、製品の改善を繰り返している
参考:
IDEAS FOR GOOD「世界一履きやすいスニーカーブランド『Allbirds』に学ぶ、愛されるサステナビリティ」
WIRED.jp「プロダクトではなく『ライフスタイル』を売る:D2CブランドAllbirdsは、日本のリテールに変革をもたらすか」
FASHIONSNAP「【インタビュー】サステナブルに必要なのは『愛』と『会話』Allbirds合同会社 マーケティングディレクター蓑輪光浩」
Everlane
Everlane(エバーレーン)は2010年に設立された、アメリカのアパレルブランドです。
トレンドを追うデザインではなく、長期にわたって使用できる質の良い製品を提供しています。
そのコンセプトは「徹底された透明性」で、Webサイトには材料費、人件費、郵送費に至るまで、全てのコストが項目別に表示されています。さらに、商品をクリックするとどんな人がどこで製品を作っているのか、作業工程なども確認可能です。
くわえて、少ないロットで仕入れをしている点もポイント。在庫を抱えないため保管費が低くなり、コレクションを頻繁に変えられます。よって、いつも低価格で洗練された商品を顧客に提供できるのです。
【成功ポイント】
- サステナビリティを意識した、質の良い製品
- 透明性のあるブランド運営
- 小ロットにより保管費用を抑え、安価な価格帯を実現
参考:WWDJAPAN「『エバーレーン』に学ぶ“徹底した透明性”とは『時代遅れのビジネスに変革を』」
Casper
Casper(キャスパー)は2014年創業のマットレス・寝具ブランドです。
ターゲットはミレニアル世代で、スプリングを使わない、折りたたみできるマットレスが人気を博しています。
ブランドが生まれた米国では、引越する際にマットレスがかさばるため捨てていくことが多く、経済的な負担になっていました。
その分、Casperの折りたたみマットレスの登場は画期的で、安価なこともあいまって爆発的な売れ行きになったのです。
商品にはトライアル期間が設けられており、配送無料で100日間のお試しが可能。気に入らない場合は全額返金してくれます。また10年間の保証も付いており、ネットでの購入に不安を感じるユーザーに寄り添うサービスになっています。
Casperは自社を「スリープカンパニー」と称し、寝具よりも「快適な睡眠時間の提供」というコンセプトを大切にしています。
【成功ポイント】
- スプリングなしのマットレスを開発し、持ち運びを簡単にしたこと
- 100日間の無料トライアル内なら返品可能
- ユーザーに届けるのは寝具ではなく、良質な睡眠体験
Glossier
Glossier(グロシエ)は、ニューヨークで設立された化粧品ブランドです。
商品は手に取りやすい価格で、立ち上げ当初はSNSを中心に若年層の間でヒットしました。
Glossierの特長は、美容コミュニティを提供している点です。
もともと創業のきっかけは、現CEOの美容ブログへの共感が大きくなっていったこと。このため、従来の化粧品ブランドのように上から目線の広告をユーザーに押し付けるのではなく、共感を基にしたマーケティングを意識しています。
例えば、SNSでは投稿に付いたコメントや質問一つ一つに返信し、ユーザーの商品を使った投稿を積極的に紹介。
Glossierは、Customers(顧客)、Contents(コンテンツ)、Conversations(対話)、Co-creating(共創)、Community(コミュニティ)の5Cを大事にしており、これらが成功を支えていると言っています。
決して上から目線ではない、顧客と一緒に商品を作っていく「共にある」感覚が成功の秘訣です。
【成功ポイント】
- 「美容コミュニティ」というコンセプト
- SNSで積極的にユーザーと交流し、商品を一緒に作っていく姿勢
- 5Cによる「共感」を基にしたマーケティング
参考:Forbes JAPAN「ミレニアル世代に人気の米コスメブランド『Glossier』が成功する理由」
日本のD2Cブランド成功事例10選
ここからは、日本のD2Cブランドの成功事例を紹介します。
FABRIC TOKYO
FABRIC TOKYOは2012年に設立された、オーダーメイドスーツのブランドです。
その特長は、店舗で一度採寸した後はWebサイトで注文が可能なこと。そして、一着39,800円というリーズナブルな価格もポイントです。
ユーザー目線のサービスを提供しており、採寸の細やかさや好みの形が見つかること、またネットで簡単に購入できることからファンが増加しました。
また、企業側の利便性のみを優先するのではなく、ユーザーのために必要な手間をかけたことも成功要因の一つです。
立ち上げ当初はECサイトのみの販売だったため、ユーザー自身が採寸する仕組みでしたが、「採寸してほしい」というユーザーからの要望がたくさん届きました。そこで、実店舗を設けて採寸するようにしたところ、採寸数が急激に伸びて単価が2倍になったのです。
ユーザーの声によって、サービスが改善された好例といえます。
【成功ポイント】
- リーズナブルな価格設定
- 常に顧客目線のサービスでファンを増やす
- あえて採寸用のリアル店舗を設置し、必要な手間をかける
参考:
アプリマーケティング研究所「年商10億円のオーダースーツD2Cブランド『FABRIC TOKYO』の成長の裏側。リアルにお店をだしたら「客単価2倍」になった理由、接客時間の短い人がリピーターになる理由」
株式会社日経BP「【D2C】コロナ禍でもスーツが売れる? 『FABRIC TOKYO』の着眼点」
土屋鞄製造所
土屋鞄製造所は、革製品を中心とした老舗アクセサリーブランドです。
ブランドコンセプトは全て統一されており、シンプルで長く使えるデザインとストーリー性を大切にしています。
例えば、カタログやオウンドメディアのコンテンツは、相当な時間をかけて作成されています。広告という側面ではなく、ストーリー性のある読みものというコンセプトで発信。丁寧なブランディングがファンに支持され、リピーターが生まれています。
革製品は高級なものが多いですが、土屋鞄製造所は比較的手に取りやすい小物も販売。実店舗でその質感を確かめた後、オンラインで購入できるオムニチャネル戦略(複数のチャネルで顧客が商品やサービスとつながる戦略)も取り入れています。
このような工夫により、土屋鞄製造所はリピーター率の高いD2Cブランドになりました。
【成功ポイント】
- ブランドのコンセプトを統一
- ストーリー性を前面に出すコンテンツ作り
- 実店舗をショールームにし、ECサイト購入につなげる
参考:株式会社東洋経済新報社「土屋鞄のバッグが『高くても売れる』納得の理由 」
COHINA
COHINA(コヒナ)は、女性向けのD2Cファッションブランドです。
その特長は、「身長150cm前後の小柄な女性」とターゲットを明確にしていること。そしてInstagramのライブ配信による、ユーザーとの距離の近いコミュニケーションです。
COHINAを立ち上げた二人は、もともとアパレル経験がありませんでした。そのためInstagramライブを活用し、色や素材などをユーザーとダイレクトに相談するように。
ライブ配信スタート当初は認知拡大を目指し、毎日配信を400日継続。決まった時間に配信することで、ユーザーに「〇時にCOHINAの配信がある」と想起してもらえるよう意識しました。
この取り組みが功を奏し、現在Instagram経由でECサイトに流入する顧客の割合は、全体流入の半数以上を占めています。
またユーザーが飽きないよう、着回しコーディネートやイラストなどの新しいコンテンツを投稿し、常にインサイトを見ながら検証しつづけている点も成功のポイントです。
【成功ポイント】
- 「身長150cm前後の女性」という、ターゲットの明確さ
- Instagramライブで定期的に顧客の声を拾い上げる
- 着こなし紹介などユーザーファーストのコンテンツを作成し、数字を見ながら検証
参考:
WWDJAPAN「身長155cm以下の女性のための服 顧客と一緒に作るD2Cが設立1年で月商数千万円に」
株式会社CINC「『COHINA(コヒナ)』の急成長を支えたInstagram活用のポイントとは?代表 ディレクター・田中絢子インタビュー」
BULK HOMME
BULK HOMME(バルクオム)は、メンズのスキンケアブランドです。ブランドメッセージは「スキンケアを通じて人生を豊かにする」こと。商品にはモノトーンでシンプルな、手に取りやすいデザインが施されており、スキンケアの手間を省いた3ステップを取り入れています。
女性と違い、男性はスキンケアについて知ってもらうところから始めなければなりません。スキンケアの啓蒙をかねて、広告には男性がかっこいいと思う芸能人を採用。ブランドイメージを確立しています。
SNS広告とInstagramの口コミを大切にしており、顧客がInstagramに投稿した口コミをSNS広告のコンテンツに活用。UGC(一般ユーザーによって作られた口コミコンテンツ)を積極的に取り入れることで、新規獲得数が約10倍になりました。
UGCはすでに商品を使用した顧客の生の声であるため、新規ユーザーも安心して商品を購入でき、ブランドに対する信頼感を高めることができます。
【成功ポイント】
- 「スキンケアを通じて人生を豊かにする」というブランドメッセージ
- 男性のスキンケアへの自分ゴト化を啓蒙
- 広告には積極的にUGCを活用
参考:SELECK「1年で新規獲得数が10倍に!UGCの活用で『自分ごと化』させるBULK HOMMEのマーケ戦略」
ドモホルンリンクル
ドモホルンリンクルは、株式会社再春館製薬所が運営する基礎化粧品ブランドです。
商品は保湿効果の高さと目元の乾燥対策などの口コミ評価が高く、エイジングケアができます。
ドモホルンリンクルは丁寧なブランディングを行っており、広告ではブランド名よりも商品の品質をアピール。「30代からの基礎化粧品」とターゲット層を明確にし、長時間かけて認知拡大を図りました。
このブランディングにより、今では30代になった女性なら一度は、「そういえばドモホルンリンクルがあったな」と想起するまでの認知を得られています。
また、テレビCMが有名なドモホルンリンクルですが、SNSでもUGCを利用してアピールしています。
購入前に「本当に自分の肌と合っているのか」を確認できるお試しセットを配布するなど、ユーザー目線のブランド運営も行っています。
【成功ポイント】
- 「30代からの基礎化粧品」とターゲットを絞る
- 丁寧な長期目線のマーケティングで、ブランドイメージが浸透
- ユーザー目線のブランド運営
BASE FOOD
BASE FOODは完全栄養食を開発・販売しているブランドです。栄養補助食品ではなく、主食として食べられる点が特長。さまざまなフレーバーのパンとパスタを提供しています。
「一食で必要な栄養素がとれる」という商品のメリットを伝えるには、ユーザーとのコミュニケーションを検証し、改善しつづけることが大切だとBASE FOODは考えました。
そこでSNSでユーザーと頻繁にコミュニケーションを取り、顧客のレビューに一つずつ返信。定期購入者にインタビューを実施してニュースレターで紹介したり、感謝イベントを開催したりするなど、コアなユーザー交流を行いました。
ユーザーの意見をサービスに反映していったところ、創業3年目にして累計50万食の売上を達成しています。
ユーザーにはブランドの裏側を見てもらい、「一緒に主食の革命を起こす、仲間になってほしい」という態度で接しており、一方的な広告ではない健康や栄養の課題解決を促すオウンドメディアも運営。ユーザーに役立つコンテンツ提供で好感度を高めています。
【成功ポイント】
- ユーザーとのコミュニケーションから検証と改善を繰り返す
- 「一緒に主食の革命を起こす仲間」という目線で顧客に対応
- 健康や栄養の課題解決メディア運用でユーザーに役立つコンテンツを提供
参考:
アライドアーキテクツ株式会社「【CVR1.24倍に向上】BASE FOODが語る、D2C型マーケティングにおけるUGCの価値とは?」
Shopify 日本「完全食×麺 世界を変えるベースフード(BASE FOOD)の戦略」
GEN株式会社「BASE FOOD社に聞く、主食イノベーションが変える僕らの未来 前編」
GREEN SPOON
GREEN SPOONは、定額制のパーソナルスムージー・スープを販売するブランドです。商品は管理栄養士監修のもと、栄養の組み合わせを考えて製造されており、冷凍された状態で届きます。
同ブランドは立ち上げ当初から、ブランドの構成要素として以下を考えていました。
- 高価で希少価値が高いこと
- 心が動くストーリー作り
そして、「楽しい食のセルフケア文化を創る」というテーマで商品を提供。Webサイト上で簡単な診断テストを受けると、ユーザーの生活に合わせた相性のよい商品をおすすめしてくれます。
また、GREEN SPOONは商品のある生活をイメージできるようにUGCも活用しています。
顧客から提供してもらった画像をEC サイトに掲載して効果検証したところ、CVR(Conversion Rateの略。商品購入などに至った割合)が1.5倍に跳ね上がりました。
UGCの醸成を促すために、商品には調理過程においても写真や動画を撮りたくなる設計が施されています。
【成功ポイント】
- ブランドを緻密に設計し、体現する
- 心が動くストーリー作り
- SNSで醸成されるUGCをフル活用
参考:
株式会社コマースピック「ローンチ1年で累計会員数2万人突破!『GREEN SPOON』の立役者に聞く、D2Cブランドの創り方【セミナー体験レポート】」
MIKATA株式会社「UGC活用でCVR1.5倍!データによる評価でPDCAで加速」
snaq.me
snaq.me(スナックミー)は2〜4週間おきに自然食品で作られたおやつが届く、サブスクリプションサービスです。
届くおやつは100種類以上におよび、人工添加物や白砂糖を使用していないため、アトピーなどの体質を持った人にも重宝されています。
AIのアルゴリズムを使用しているため、サービスを利用すればするほどユーザーにとって好みのおやつが届く仕組みになっています。
商品が月に1〜2回しか届かない点が購入者に特別感を持たせており、SNS上に写真をアップする顧客が増加。その口コミにより、さらに購入者が増えています。
snaq.meは子どもを持つ母親の支持が高く、通常の見えるSNSではなく、LINEなどの見えにくいSNSの中でも口コミが広がっている点もポイントです。
商品を入れるボックスは毎回デザインを変更。商品の包装も透明にし、SNSに投稿してもらいやすい工夫をしています。
同じSNSでもTwitterとInstagramでは運用方法が異なり、Twitterはカジュアルな投稿、Instagramはブランドのイメージを想起させる投稿をしています。
【成功ポイント】
- アルゴリズムを利用して商品をパーソナライズ化
- UGCが生まれるようにパッケージや、郵送期間を工夫
- SNS運用はそれぞれの特性を生かして使い分けている
参考:
株式会社CINC「若い女性、ママたちに大人気!おやつのサブスク『スナックミー』がTwitterで口コミを伸ばしている仕掛けとは?」
MIKATA株式会社「D2C・サブスクを実践するスナックミーに極意を聞く」
煎茶堂東京
煎茶堂東京は、日本茶専門のD2Cブランドです。
一般的な日本茶は異なる茶園や茶葉を組み合わせたブレンド茶ですが、同ブランドの日本茶は「シングルオリジン」という一つの茶園、一つの品種で製造されています。
ペットボトルと茶道の中間のコンセプト設定で、売っているのは製品そのものではなく「日本茶を楽しむ生活」です。
そのコンセプトが体現されたのが、ブランドオープンと同時に販売された透明な急須です。
無駄を一切省いたシンプルなデザインと、紅茶の透明ポットのように茶葉が開いていく様子を確認できる仕様が反響を呼び、プロモーションなしで1万個以上を販売。コンセプトを明確にしたことでターゲットが絞れた好例といえます。
また、コーヒーや日本酒のように「生産者と消費者が出会う」というテーマに則った、「見て飲むお茶の定期便 TOKYO Tea Journal」をリリース。
月額500円で日本全国の月替わりの茶葉2種類と、そのお茶のストーリーを掲載した情報誌が届くサブスクリプションサービスも提供しています。
【成功ポイント】
- ペットボトルと茶道の中間を狙ったコンセプト設定
- 伝えたいメッセージを明確にし、無駄なものは省く
- 産地や生産者を明確にする透明性
参考:
株式会社greenbrewing「煎茶堂東京が2周年を迎えました。オープンから2年間の軌跡を振り返ります。」
株式会社宣伝会議「厳選された日本茶をワンコインで 生産者のストーリーとともに味わう」
Minimal
Minimal(ミニマル)は、2014年にローンチされたチョコレートブランドです。
同ブランドの商品は、食べ方の設計まで考えられてデザインされています。例えば板チョコのデザインは、食べるときの気分に合わせてパーツの大きさが選べるような細かいデザインが目を引きます。
またMinimalは、通常のチョコレートのようにバターやミルクを足して作るのではなく、カカオ豆にこだわりつつも、その他は引き算にするというコンセプトも特長です。この引き算がユーザーに新しいチョコレート体験を提供しています。
コロナ禍においてはSNSやオウンドメディアに力を入れ、顧客のUGCを積極的に自社アカウントにアップしました。すると、それまでUGCを投稿していなかった顧客も「口コミ投稿をすると取り上げてくれる」という認識を持ち、SNSでの口コミが増えるように。
SNSを見て実店舗に来る顧客が増加し、店舗内ではスタッフが「この角度ならきれいに撮れて写真が映えます」「良かったら口コミを上げてください」と積極的に顧客と会話。実店舗とSNSの口コミのインタラクティブな作用が生まれています。
【成功ポイント】
- 食べ方の設計まで考えられたチョコレートのデザイン
- 足し算ではなく、あえて引き算するコンセプト
- UGCを利用し、実店舗とSNS両方のコミュニケーションを活性化
参考:
株式会社βace「【Minimalがわかる4つのストーリー】その3:おいしく食べるためのデザイン」
株式会社CINC「能動的な変化が進化を生む!クラフトチョコ『Minimal』が店舗・ECともにコロナ禍でも売り上げを拡大し続ける理由――代表・山下貴嗣インタビュー」
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ここまで見てきたように、D2Cブランドの成功の陰にはさまざまな工夫や手間があります。自社だけで全てを行うことが難しい場合は、アウトソーシングサービスの活用がおすすめです。
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まとめ
今回は、海外・日本のD2C成功事例を紹介しました。現在成功しているD2Cブランドには、次のような特長があります。
- 明確なコンセプトや共感できるストーリー
- ユーザーとブランドを作り上げていくコミュニティの醸成
- UGCの活用
これらのポイントを押さえながら、ファン作りをすることでブランドが成長していきます。
とはいえ、SNSやECサイトを運営するには、ある程度のリソースが必要です。外注を検討される場合は、ぜひHELP YOUにご相談ください。時間にも気持ちにも余裕が生まれ、コア業務に集中できるでしょう。
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