応募したくなる文章|自分ごと化させる求人票とは(例文付き)
さまざまな求人媒体を通して、求職者が目にする求人広告。たくさんの企業の中から自社へ応募してもらうには、求職者(人材)に刺さる魅力的な求人広告を作成する必要があります。
今回は、「求人広告を出しても、なかなか応募が集まらない…」とお悩みの経営者や採用担当者に向けに、求職者が思わず応募したくなる文章(求人票)を紹介します。
記事で紹介する4つのポイントや書き方のコツを押さえれば、求職者に「この企業(会社)で働いてみたい!」と思ってもらえる求人票を作成できるはずです。ぜひ参考にしてください。
応募したくなる文章(求人票)とは
求職者が応募したくなる文章(求人票)には、4つのポイントがあります。一体どんなものなのでしょうか。順番に確認していきましょう。
自分ごと化させる文章
一つ目のポイントは、求職者に自分ごと化してもらえる文章(求人票)を作成することです。自分ごと化とは、物事を自分のこととして捉える当事者意識を持つこと。つまり、求職者に「自分に必要な情報が書いてある」と思わせる求人票(求人広告)の作成が重要なのです。
例えば以下の内容を求人広告に盛り込むと、求職者に自分ごと化してもらいやすくなります。
- 求職者が自分の未来像をイメージできる
- 共感できる部分がある
- 事例の提供
具体的には、業務内容や自社の強み(魅力)のアピール、社員のインタビューを掲載する方法などがあります。※後の章で、文章例を紹介します。
ターゲットを明確にする
応募したくなる文章(求人票)を作成するには、適度にターゲットを絞ることもポイントです。そのためにも、まずは自社でどんな人に応募してもらいたいのか、どんな人材を雇用したいのかを明確にしてください。
ターゲットを絞るには、以下の項目を考慮すると良いでしょう。
- 年代
- 性別
- 経験者か、もしくは未経験者でもOKなのか
- 雇用形態
- どんなスキルを持つ人材か
- どんな性格の人材か など
ここまでターゲットを絞ったうえで、その人に向けてメッセージを送るように書きましょう。すると、求職者が自分ごと化しやすい文章(求人票)になります。
ただし、ターゲットがあまりに狭すぎる場合は要注意です。ターゲットが広すぎるケースと同様に、応募数が減少する恐れがあります。
どうしても狭くなる場合は、求人票(求人広告)を分けて作成してください。各ターゲットに向けて丁寧に作成することで、それぞれの求人票(求人広告)に響いた人材が応募してくるでしょう。
また、選択する求人媒体も考慮したいところです。各媒体によって、雇用形態や年齢層、職種の強みが異なります。自社のターゲットと求人媒体の層が合っていないと、良い成果が得られません。ミスマッチが起こらないよう、各求人媒体の強みも確認しておきましょう。
求職者が働く姿をイメージできる内容
次のポイントは、求職者が働く姿をイメージできる内容にすることです。
そのためには求職者が主体となる文章や、入社後の姿をイメージできるような具体的な内容が必要です。
イメージを想起させる方法として、すでに働いている人の1日のスケジュールを掲載するのも良い方法です。何時に起床し、何時に出社するのか。お昼休憩を挟んだ後は、何時から何の業務を行うのかなどを具体的に記載します。
それを見た求職者は自分の働く姿を想像しやすくなり、当事者意識を持ってもらえるはずです。
わかりやすく、簡潔に
最後のポイントは、わかりやすく簡潔に書くことです。
自分ごと化され、求人票(求人広告)に目を通してくれた人に応募を決断させるには、求職者の理解を助ける文章が必要です。
そのためには、以下の点に気を付けなければなりません。
- 専門用語や難しい言葉は避ける
- 仕事のやりがいやおもしろさなど魅力をアピール
- 働いている未来がイメージしやすい、メンバーや職場の写真・動画を使用する など
求職者は自信を持って職を探しているわけではありません。自分にできる仕事内容なのか、自分に合った職場の雰囲気なのか、不安を持ち合わせています。
上記の内容を上手に求人票(求人広告)へ盛り込み、「自分でもここで働けそうだ」と求職者に安心してもらいましょう。
求人票への記載が義務付けられている項目とポイント
求人票には、最低限明示しなければならない労働条件があります。この章では、求人票を作成する際に掲載が義務付けられている項目を確認していきます。
業務内容
業務内容とは、事業部で担当している仕事内容のことです。
企業(会社)の主な部署の一つである、営業部を例に挙げましょう。業務内容とは、営業部全体で行われている仕事内容を指します。
一方、営業部内で行われる電話営業や面談といった個々のタスクは職務内容といいます。業務内容と混同しないよう、注意してください。
契約期間
契約期間は、契約の開始から終わりまでの期間を指します。
正社員は期間の定めがなく、契約期間が設けられていません。
一方、契約社員には契約期間の定めがあります。有期労働契約の期間は、原則として最長3年と労働基準法で決められており、契約期間中は何時から何時まで働くのか、そして原則更新などの記載が求められます。
試用期間
試用期間は採用する人の能力や適性を評価し、採用を決定するために設ける期間です。試用期間は3ヵ月から6ヵ月以内が一般的であり、多くの企業(会社)は3ヵ月以内に設定しています。
就業場所
就業場所は、業務を開始し終了する場所を指します。働く場所が一箇所であれば、その場所を求人票に記載すれば問題ありません。しかし、複数ある場合は書き方に注意が必要です。
例えば、支店や営業所・店舗など複数の拠点を持つ企業は、配置転換をしなければならないケースもあるでしょう。現在人員が必要な店舗・支社名にくわえ、「業務上の都合により変更する場合がある」など一言添えておくと良いでしょう。
賃金
賃金は、労働の対価として使用者が労働者に支払うものです。
転職を希望する人は給与を重要視しています。このため、賃金の金額が具体的に掲載されている求人票(求人広告)は、求職者にポジティブな印象を持たれやすいのです。
賃金を書くときに、気を付けたい点は以下の通りです。
- 最低賃金より上の金額を記載する
- 必ず支払える範囲の金額を記載する
- 固定残業代を記載する ※何時間分の固定残業代なのかも明記
- 基本給(固定残業代を含む手当を除いた金額)がわかるようにする
細かい内容ですが、これだけ記載されていれば、この企業(会社)は求職者のことをちゃんと考えてくれていると思ってもらえるでしょう。
加入保険
加入保険とは、事業所に入ることで加入できる保険のことです。一般的には雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金が該当しますが、その他にもさまざまな保険があります。
【その他の保険例】
- 勤労者財産形成促進制度
- 退職金制度
- 退職金共済
- 厚生年金基金
- 確定拠出年金
- 確定給付年金
- 税制適格年金 など
雇用形態
雇用形態は企業(会社)と従業員の間で決められた働き方の種類を指し、主に正規雇用と非正規雇用の二つに分かれています。
正規雇用:期間を定めない雇用。定められた労働時間はフルタイムであり、企業(会社)から直接雇用される。正社員。
非正規雇用:正規雇用以外の雇用
非正規雇用は、以下のように分類されています。
契約社員:企業(会社)と有期雇用契約を結んでおり、働く期間があらかじめ定められている。
パートタイム:正規雇用の従業員よりも勤務時間が短い。※アルバイトも含む
ちなみに、「業務委託契約」は雇用形態には含まれません。業務委託契約は企業(会社)同士の取引と同じように、業務を受発注しているとみなされます。
応募したくなる文章|例文付き求人票書き方のコツ
ここからは求職者が思わず応募したくなる、求人票(求人広告)の書き方のコツを解説します。例文付きですので、ぜひお役立て下さい。
タイトルが最も重要
まず、最も重要なのはタイトルです。
人は0.02秒で、自分にとって有益な情報かどうかを判断しているといわれています。このため、人が最初に目を留めやすいタイトルに、判断材料となる情報を詰め込むことがポイントです。
また、人は文章を読むときに横列の左から読み始めます。つまり、左にあるキーワードが目に留まるわけです。
例文1:一部リモート【週3~時短・時給●●●●円】Web進行管理/コンテンツマーケ企業
例文2:【短期募集!】▲▲カフェの調理・接客スタッフ 明るく活気のある職場で働いてみませんか? 例文3:月給〇万円~【未経験可】○○保険の営業職 人と会話することが好きな方 |
上記の例を見るとわかるように、【】(墨付きかっこ)を使うと強調したい文言を目立たせることができます。キャッチコピーなどに使ってみてください。
また、30字以上のタイトルも効果的です。タイトルが長いと見切れる可能性が高く、続きが気になる心理が働くため、閲覧数が伸びやすい傾向があります。
働いてもらいたい人を指名する
次のコツは「働いてもらいたい人を指名する」ことです。漠然とした単語の並びでは、人の注意を引くことはできません。自分ごと化してもらえるよう、どんな人におすすめなのか、自社の求める人物像を記載しましょう。
例文1:フルリモートのため、副業との両立をお考えの方にもおすすめ
例文2:業務を数人でシェアしているため子育て中ママにもおすすめ 例文3:年齢制限なし。業務経験者におすすめ |
業務内容
業務内容の欄には、どのような仕事(仕事内容)をどのくらい任せる予定なのかを明確に記載します。
- 誰に何をする仕事なのか
- どんなスキルが必要なのか
も掲載すると、より求職者の理解が深まります。
例文1:
お客様にファミリー向けの物件購入を提案します。 (仕事内容) チームで営業するため、コミュニケーション力が必要。わからないことがあれば、チーム全体でフォローいたします。 |
例文2:
経理職として、経理実務をサポートする仕事です。決算や資金繰りなどの入力内容をチェックし、役員への報告資料を仕上げます。経理メンバーで連携し、チームで仕事を行います。 |
自社の強みをアピール
また、求人票(求人広告)では、自社の強み(魅力)をアピールすることも有効です。
自社のカルチャーを伝えることで他社と差別化でき、「こんな会社で働いてみたい」という求職者の意欲を高められます。自社のカルチャーを一言で表す、キャッチコピーを入れてみるのも良いでしょう。
例文1:
20〜30代の社員が活躍中。アットホームな雰囲気で社員同士の距離が近く、お互いに協力し合いながら和気あいあいと働いています。 (社員の声) |
例文2:
今までの経験を活かせ、自由な働き方ができるのが当社の強みです。 (社員の声) |
例文のように自社のカルチャーや強み(魅力)の裏付けとして社員の声も紹介すると、より情報にリアリティが出るのでおすすめです。
勤務時間・給与・福利厚生
勤務時間・給与・福利厚生は求職者が特に注目する項目です。できるだけわかりやすく書き、求職者にアピールしましょう。
以下、項目別にコツや例文を紹介しています。
【勤務時間】
勤務時間には、社員の例として1日の流れを記載するとわかりやすいです。具体的な仕事内容や業務を行う時間帯を示すことで、自社で実際に働くイメージが湧きやすくなります。
例文: ※経理職の求人の場合9:00 出社 9:30 MTG 10:00 メールチェックや入出金状況の確認、取引伝票の整理など 12:00 ランチ休憩 13:00 銀行で通帳記入および引き出しを行う 14:00 経費精算、データ入力など 16:00 新しい取引先の財務状況などを調査 17:00 処理済の書類整理・ファイリング 18:00 退勤 |
【給与】
給与の書き方は以下のポイントを大切にしてください。
- 月収、および年収例を記載する
月収例は転職後の給与の変化、年収例は自社でキャリアを積むことで、どの程度年収が上がるのかを想像してもらうことができます。
例文:
年収〇百万円(入社1年目の経理職/一般社員) |
- 昇給、賞与、手当などもできる限り記載する
昇給、賞与、手当が充実していれば、基本給のみでは難しい他社との差別化を図れます。
また、具体的な金額なども掲載できると、求職者の安心感がさらに増加します。
例文:
昇給/年1回(4月/職能給) |
具体的な金額を掲載できない場合は、「社内の規定に準ずる」などを記載するだけでも効果があります。また、試用期間中の給与や手当の金額が異なるときは、その違いもはっきりと記載しておきましょう。
【福利厚生】
福利厚生が充実していると、社員を大切に扱っている印象を持たれます。求職者の目を引くためにも、できる限り詳しく書いてください。
例文:
諸手当)
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応募したくなる文章例まとめ
この記事では、求職者が応募したくなる文章(求人票)について紹介しました。
- 自分ごととして捉えてもらえる文章(求人票)を作成する
- ターゲットを明確にする
- 求職者が働く姿をイメージできる内容にする
- わかりやすく、簡潔に書く
この4つのポイントを押さえることで、自社の求める人材が応募してくれる可能性がぐっと高まります。とはいえ、「求人広告の文章作成はプロに任せたい」という方もいるかもしれません。
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