CaSy加茂雄一氏に聞く「社員を会社のファンにする 新しい働き方改革」

働き方改革を成功させるためには、社員のオフィスにおける仕事だけでなく、社員の生活の質を向上させることが重要です。家事代行サービスCaSyを運営する加茂雄一氏と、バックオフィス業務支援を行うHELP YOUの秋沢崇夫によるトークセッション『社員を会社のファンにすれば、全てうまくいく-社員の「生活」と「仕事」の質を見直す新しい働き方改革とは?-』が行われました。

イベントテーマは3つ。
1.家事代行サービスの有効な利用方法は?
2.社内の生産性向上のノウハウは?
3.新規採用や社内の人材の維持・確保を上手くするためには?

これらのテーマに基づき、当日はトークセッションとQ&A(質疑応答)コーナーが設けられました。

加茂雄一
株式会社CaSy
代表取締役 CEO

秋沢崇夫
オンラインアシスタント「HELP YOU」
株式会社ニット 代表取締役

トークセッション:家事代行サービスの活用と社員満足度の向上

秋沢崇夫(以下、秋沢): CaSyのサービスはどのような方が家事代行を使われていますか?また、家事代行って浸透してきているのでしょうか?

加茂雄一氏(以下、加茂): CaSyの家事代行を利用されている方の家族構成は、6割が共働き、4割が単身・独身の世代です。男女の比率については半々ぐらいです。お子様がいらっしゃらないご家庭では、旦那様から奥様へのプレゼントが多いですが、一方、お子様がいらっしゃるご家庭では、奥様からの依頼が多いです。利用される方の年代としては30代-40代が7割を占めています。50代、20代がそれに次いでいます。サービスの特性として、インターネット・アプリからの申込みですので、60代以上の方はあまり多くありません。

秋沢:20代、30代の方が親世代に家事代行サービスをプレゼントすることはありますか?
加茂:はい、そのようなケースもあります。お客様の声からも、一般的な見守りサービスでは何か無いと訪問されませんが、たとえば一週間に一度定期的な訪問をする家事代行サービスを通じて、健康であるかどうかを知りたいという声もあります。

秋沢:高齢者の方では料理代行なども良さそうですね。
加茂:そうですね。お料理の代行は全体の2割程度ですが、お子様が小さいご家庭や、健康意識の高いご家庭のご利用があります。

家事代行サービスで社員のクオリティー・オブ・ライフを高める

秋沢:法人利用について、どういった業種、部署からのお問い合わせがありますか?
加茂:業種としては特定の所はあまりありません。規模もベンチャーから大手まで幅広く利用されています。不動産会社で、お客様向けの特典としてCaSyを利用される場合や、保険会社では、保険に入って頂いた特典として家事代行をサービスする、といったケースがあります。

秋沢:規模の小さなベンチャーと大企業では、ニーズが違うように思いますが、家事代行サービスの導入目的はなんですか?
加茂:どちらも社員のクオリティー・オブ・ライフを高めることが目的ではありますが、特にベンチャーではトップダウンで全員に使わせるなど、社員に家事代行サービスを浸透させることが多いです。大企業では、エバンジェリストの方が広げて、徐々に浸透していく形です。
秋沢:導入目的は、福利厚生の一環として、従業員満足度をあげることが一番おおきいですか?
加茂:はい、そうですね。

秋沢:実際に導入した企業はどのぐらいの人数が使ったり、どのぐらいの利用頻度なのでしょうか?
加茂:平均2割・3割の利用ではありますが、使った方の口コミなどによって徐々に広がっています。家事のサービスだと、どんな人が家にくるのか不安な方が多いですが、家事代行サービスが企業福利厚生サービスとして提供されると、広がりが大きいです。

土日は平日の1.5倍の利用頻度 不在時の利用にはまだ抵抗感あり

秋沢:土日に使われることが多いですか?
加茂:土日が多いですね。平日と土日だと1.5倍くらい利用頻度が違います。利用者にとって、平日の不在の時に家事代行サービスを利用することには抵抗感がある方がまだいらっしゃいますが、ユーザーの2割は鍵預かりのサービスを利用しています。鍵預かりサービスによって、平日の不在時にサービス提供しています。
秋沢:信頼していないとできないですよね?
加茂:利用者の方には、スタッフとコミュニケーションをしていただいて、信頼できると思っていただいた際に、そのスタッフを派遣しています。チャットを使ってスタッフとコミュニケーションをすることができます。また、スタッフの品質管理はこだわっており、面接・研修を全員に行い、通過したスタッフだけを派遣しています。

秋沢:今まで不祥事はありますか?
加茂:物損は1000件に1件程度、お皿を割ってしまったなどです。もちろん保険は入っていますが、お客様の大事な物を壊すことがないように、品質管理チームが物損を減らすよう指導・対応をしています。
秋沢:行かなかった、物が盗まれたなどはありますか?
加茂:スタッフにはサービス前日の確認、チェックイン・チェックアウトをシステム的に実施しており、また、お客様にも連絡をしています。スタッフとの面接時には身元確認を確実にしており、品質管理を徹底しています。面接で基準を満たしていない2割程度の方の採用を見送らせていただいています。

福利厚生に家事代行サービスを導入。採用にも好影響

秋沢:成果についてですが、福利厚生のサービスを導入して、導入企業にどのような成果がありましたか?
加茂:PR、広報への好影響があります。また、導入社員の方からも一万円の給料をあげるより家事代行の方が、会社が見てくれている感覚があるとの声を聞いています。
秋沢:社員のロイヤルティーがあがる、帰属意識があがると。
加茂:他の会社も福利厚生サービスをいれていますが、一番うれしいと聞いています。
秋沢:どこかレジャーに行くとかよりも、日々の負担が減るのがうれしいですよね。

秋沢:採用への好影響はありますか?
加茂:はい、応募者が増えたという声を聞いています。人手不足を解消することだけでなく、既存の社員の維持や満足度の向上に好影響があります。

秋沢:社員は仕事に集中できる時間は増えたりしましたか?
加茂:マルチタスクからシングルタスクになることで、生産性があがると利用者の方から聞いています。業務の棚卸しと仕分けにより、外部に出せないコア業務と、外部に出せる非コア業務を分ける作業をすることで、社員の意識が変わった点が大きな成果だという声を聞いています。

秋沢がオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」による社員の生産性に与える影響を説明。
オンラインアシスタントサービスを活用することで、社員の意識変革の面でも好影響があると述べる。

リモートワーク・勤務時間の自由化・自社サービス活用などで生産性向上

秋沢:社内の生産性向上の施策について、CaSyの中で行っている生産性向上の施策、工夫していることは?
加茂:社内ですと、リモートワークを推奨しています。エンジニアやマーケターは自宅でリモートワークが多いです。チャットツールなどにより、環境を整備し、リモートワークを推進しています。

秋沢:逆にリモートワークで困ることはありますか?
加茂:リモートワークで本当に働くかは懐疑的でしたが、上司が作業の日報を確認する運用をしています。
秋沢:社員に家事代行を使いたい放題で提供しているのですか?
加茂:使いたい放題ではありませんが、割安で使えるようにしており、社員はほとんど使っています。
秋沢:働く時間はフレキシブルですか?
加茂:はい、カスタマーサポートチームなどは営業時間に合わせてシフトを組んでいますが、エンジニアやマーケターはフレキシブルにしています。
秋沢:システム導入、リモートワーク、勤務時間の自由化、自社のサービスを使うなどは生産性に寄与していると。
加茂:そうですね。

オペレーションの効率化を徹底

秋沢:私たちは300人いる中、7人で運用していまして、アシスタントさんに社員の業務を手伝ってもらっていることで、300人をマネージメントしています。
加茂:弊社にはオペレーションの効率化担当員がおり、よく来る質問への対応等の効率化をしています。
秋沢:その方は業務の洗い出しをする人なのですか?
加茂:業務の洗い出しからPDCAを全部回して実行までし、効率化を行います。家事代行サービスは値段が高いから使いたくないという方もいるので、オペレーションの効率化は徹底をしています。

秋沢:社内の採用関連の取り組みについて、新規の採用とか紹介の採用などうまくいってますか?
加茂:広報担当がママさんであり、彼女のケースがネットメディアの記事になっており、その記事をみて応募される方がいらっしゃいます。
秋沢:CaSyさんは採用がうまくいっているイメージですが。
加茂:嬉しいことなのですが、増えているお客様の数に対して、まだ採用が追いついていないのが現状です。皆さんに参考になる話ですと、採用広告を出すときに福利厚生で家事代行を入れておくと、1.5倍程度応募者が変わったと思います。

Q&A:参加者からの質問に、加茂氏が答えました

―――家事代行サービスに求められる品質が高くなっていると思いますが、スタッフの採用についてはどのように取り組まれていますか?
家事代行スタッフの採用には、紹介制度を活用しています。紹介された人が、何回働くといくらポイントを付与する、紹介した人が、紹介された人の勤務状況を見られる、等の仕組みを入れています。弊社ではマズローの欲求5段階説をベースに考えています。インターネットのサービスなので、営業活動が不要のため、他社に比べてスタッフの時給を高く設定しています。お客様から高評価をいただくとランクアップする仕組みや、月間MVP表彰制度を設けて承認欲求を満たせるようにしたり、貯めると得するポイント制度等を導入しており、働く人が紹介したくなる会社を目指しています。

―――働かれている方はどんな人なのでしょうか?家で家事をして、更に仕事で家事をするというのは、家事が好きな方なのでしょうか?
家で家事をしても感謝されないが、家事代行すると「ありがとう」と感謝をされるという声があります。また、スキマ時間を使って働くことができることも利点です。30-50代の方が多く、子どもが大きくなって手が離れた方や、OLとダブルワークをやっている方でお掃除が好きな方などがいらっしゃいます。パラレルワークを推奨していますが、このようなケースも増えています。

―――採用で悩んでいるため家事代行サービスの導入を検討しているが、社員が家事代行を利用するのにまだ抵抗を感じると思う。
ある不動産の会社は、地元でのブランドイメージを上げるために家事代行のフランチャイズ加盟店となっています。利用者のリピート率については、定期利用の方の場合、98%はリピートしていただいている形です。スポットの場合でも、4割くらいの方はリピートしていただいているイメージです。

―――スタッフへの研修は自社でやっていますか。
30人のお客様に、ご自宅を研修会場として提供していただく契約をさせていただいています。つまり、実地で研修をやっています。研修講師も2,500人のスタッフの中のハイランクの方がやっています。お客様から低い評価の場合は自動的に研修に入っていただき、品質向上を図っています。

―――社員の家事負担が減ることで、睡眠時間など健康面への良い影響はありますか?
お料理代行サービスによる食生活の改善や、掃除負担の軽減があげられます。これらは社員の離職率の低減に影響があるため、健康経営の面もあると思います。集中力を測定する等で、データによって証明できるかもしれないですね。

参加者の感想

イベント当日は平日にも関わらず、多くの方が参加していました。質問コーナーではたくさんの質問が飛び交い、より深い内容について会場全体でシェアできました。

参加された方々からは以下のような感想が出ました。

・家事代行サービスの市場が思いのほか大きかった事に驚いた!また今後需要がより高くなりそうで、可能性を感じた。
・家事代行が必要とされている。ESにもつながる。注目しております。弊社でもできることを考えたいと思っております。
・2社のサービスは気になっていたので非常に良く理解できました。
・具体的な事例や多くの角度からの話が聞けて良かったです。
・家事代行を福利厚生に導入することで生産性をアップされる視点がためになりました。

イベント終了後には名刺交換も行われ、参加者同士で課題感を共有する場面も見られました。
今回は『社員を会社のファンにする 社員の「生活」と「仕事」の質を見直す新しい働き方改革とは』にポイントを置きましたが、社員の採用や維持に悩まれている方には参考になる部分も多いのではないでしょうか。

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