【介護業界:ケアマネージャー】AIツールで最適なケアプラン「Chat AI活用セミナー」を実施

鳥取県介護支援専門員連絡協議会中部支部
支部長 岩床淳弘 様(居宅介護支援センター ル・サンテリオン北条 所属)
副支部長 圓山千嘉子 様(琴浦町地域包括支援センター 所属)
役員 藤井太陽 様(倉吉中央地域包括支援センター(上灘・成徳)所属)
会員 森本裕正 様(居宅介護支援センター ル・サンテリオン東郷 所属)

インタビュアー 株式会社ニット 中野由莉子

ChatGPT(※1)の登場から1年。日々の業務でAIツールを使う機会が増え、利便性を実感しているビジネスマンも多いかもしれません。しかし、専門的な知識やスキル、経験などが必要とされる介護業界において、AIツールは、業務効率化やケアの質向上にどの程度貢献できるのでしょうか? 

鳥取県介護支援専門員連絡協議会中部支部様は、鳥取県中部地区の介護支援専門員(ケアマネジャー)の職能団体として、会員のスキル向上促進のため、さまざまな研修会や意見交換会を企画・開催しています。今回、ケアマネージャー業務に即したChatGPTの使い方が知りたいと、HELP YOUに講師のご依頼をくださいました。

2023年2月に「HELP YOU AIラボ」を立ち上げた当社は、オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」で600社以上の業務改善をサポートして得たノウハウをもとに、業務へのAIツールの取り入れ方をご提案しています。

今回は、HELP YOUの「Chat AI活用セミナー」を受講いただいた鳥取県介護支援専門員連絡協議会中部支部の皆さまに、研修を企画した背景や受講後の感想を伺いました。AIの活用が、ケアマネージャーの仕事にどのような変化をもたらすのか、皆さまの考える未来をお伝えします。

※1 ChatGPT: OpenAI社が提供するAIチャットボット

ケアマネージャーのスキルアップのため、さまざまな企画を実施

──貴団体は、鳥取県のケアマネージャーの職能団体と伺っております。会員数と主な活動内容を教えてください

岩床さん:私たち中部支部の会員数は、現在140名くらいです。東部、中部、西部と支部があり鳥取県全体だと約440名です。会員であるケアマネージャーのスキルアップのための研修会や意見交換会などを企画・開催しています。

──今までどのような研修会や意見交換会などを開催されたのですか

岩床さん:具体例をあげると、報酬改定に合わせて新たな知識を得るための研修会や、医師や訪問看護などの他団体との意見交換会などを実施しました。

藤井さん:その他にも、事例検討会や、例えば「認知症」など特定の症例をテーマにした勉強会などもやっています。また、ここ2~3年はICT(※3)をテーマにした研修会にも力を入れています。新型コロナを契機に、介護業界にも急速にオンラインツールが導入されました。これまでは支援者みんなが顔を合わせて会議をすることが当たり前でしたが、コロナ禍でそれができなくなり、オンラインミーティングツールの勉強会をしたこともあります。

※3  ICT:Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。インターネットなどの通信技術を利用したコミュニケーションやサービスの総称

介護のような専門的な業務でもAIは活用できるのか

──今回のChat AIセミナーも、ICT活用を進めていくうえで必要と感じて企画されたのでしょうか?

藤井さん:企画の根底にはICTの活用がありましたが、きっかけは、純粋に「ChatGPTが具体的にどのようなツールなのかを知りたい」という興味関心からです。便利そうだけど、ケアマネージャーの業務でも使えるものなのか、その実力を知りたいと思いました。

──HELP YOUに講師をご依頼いただいた背景を教えてください

圓山さん:私が勤務する琴浦町役場で、以前にChatGPTの研修会を実施していました。そこで役場に相談したところ、鳥取県からHELP YOUの担当者を紹介してもらったとの情報を得て、御社に連絡しました。

──当社は最新AIツールを活用した生産性向上と業務効率化を目指し「HELP YOU AIラボ」を立ち上げました。メンバーに鳥取在住の者がいて、鳥取県でもセミナーを開催したので、そのご縁かもしれません

藤井さん:はい。鳥取県の方が活躍されていると伺ったので、「ぜひ御社で」と思いました。

──今回のセミナーでは、参加者にどのようなことを伝えたいと思っていましたか

森本さん私たちの業界でChatGPTなどのAIツールを活用しているところはまだ少数だと思います。しかし、介護業界でも、仕事にAIを取り入れるのが当たり前になる時代が必ず来るでしょう。国の方針でも、ケアプラン(※4)の作成にAIを活用する話が出ていると聞いています。将来を見据えて、私たちの業務のどういった部分でAIを活用できそうか、考えるきっかけにしてほしいと思いました。

介護は、専門的であり複雑性がある仕事なので、現状はまだAIで対応できる業務は限定的だと思います。しかし、上手く活用することで、仕事の質が向上するのであれば、取り入れない手はないでしょう。日々の業務に即した実践的な内容でAIの可能性を伝え、参加者に「ちょっと使ってみよう」と思ってもらうことが目標でした。

※4 ケアプラン:介護サービス計画書。ケアマネージャーが利用者や家族と話し合い、その人の状況やニーズを踏まえ、どのようなサービスを提供するか決める計画書のこと。ケアプランは、介護保険制度において、利用者が必要なサービスを受けるために必須となる書類

すぐに試してみたくなる実践的なセミナー

──開催後、参加者の反応はいかがでしたか?

藤井さん:参加者の中には、次の日さっそく、「ChatGPTのアカウントを作ってログインしました」と言ってくれた方もいました。セミナー受講前は、AIがどんなものか良く分からなくてハードルが高いと感じていた人が、実際に使ってみようとアクションを起こすまでになったのはとても良い反応だったと思います。

圓山さん:「すごく面白くて、楽しかった」と言ってもらえました。私自身、ChatGPTはアカウントを作ったきりで活用できていなかったので、セミナー受講後にすぐにケアプラン作成で使ってみました。

また、今回のセミナーはChatGPTだけでなく、Google BardやCanva、Clipdrop(※5)などのAIツールも紹介してもらえたので、幅広いツールを学ぶことができ大変好評でした。

岩床さん:うちの事業所はまだ、実際に利用する段階までは進んでいません。しかし、受講者からは「使っていきたい」「事務作業が楽になるかも」など前向きな反応が多かったです。

森本さん受講後、私自身がかなり積極的に使うようになりました。AIは、柱となるアイデアをくれるので、特に、何か資料のたたき台を作るのには最適だと感じています。アシスタントができた感覚で、作業時間が3分の1くらいにはなりました。

専門的な用語を説明する際にも、一般の人に伝わりやすい言葉に変換してくれるので、コミュニケーションツールとしてもとても優秀ですよね。自分以外の視点を持てることが助かっています。

──皆さまに好評のようで嬉しいです! 準備段階も含めてHELP YOUにセミナーを依頼してみての感想を教えてください

藤井さん:今回、ChatGPTに関心はあるものの、セミナーとしてどのようなものになるのか全くイメージができていない状態で依頼しました。そのような状態でも、丁寧なアドバイスをいただきながら進めることができたので、準備段階で頭を抱えて悩むようなことは無かったです。

私たちが少し素材を提供しただけで、現場に合った素晴らしい内容のセミナーにしてもらったので本当に感謝しています。

▶︎ セミナーの詳しい内容はこちらのレポート記事をご参照ください。

※5
Google Bard:Googleが提供するAIチャット
Canva:オンラインで使えるデザイン作成ツール。利用シーンに合わせた豊富なテンプレートがある
Clipdrop:画像編集のAIツール。画像編集だけでなく、オリジナル画像の生成ができる

AIを参考にしてより充実したケアプランを提案

──ケアマネージャーのお仕事や介護業界では、どのような業務でAIを活用できそうですか?

圓山さん:自分の作成したケアプランと照らし合わせて、抜け漏れを確認するのには有効だと感じます。ケアプラン作成を丸ごとAIにお任せすることはできませんが、自分にはない視点を取り入れられるので、参考にすることでより充実したケアプランを作れるのではないかと思います。

藤井さん:ケアプランは、文字だけだとどうしても利用者さんやそのご家族にイメージが伝わりづらいものです。「こんな運動をしましょう」「このようなベッドの配置が良いでしょう」などビジュアルを使って説明することも多いので、そこでAIにイラストを提案してもらうこともできそうですね。

また、ケアマネージャーは研修の講師をする機会が多々あります。研修の資料作成には積極的にAIを活用していくべきだと思います。

岩床さん:研修といえば、最終レポート作成のたたき台を作るのにも使えそうです。あとはBCPなどのマニュアルを作る際にも、AIを使えば、標準的な項目を提案してくれるのではないでしょうか。

藤井さん:ケアマネージャーの仕事以外だと、例えばデイサービスなどでイベントやレクリエーションの企画を行う際、AIにアイデア出しをお願いできそうです。

コア業務に専念し、やりがいを感じながら働ける環境づくり

──皆さんのお仕事にAIを取り入れていくことについて、どのような思いがありますか?

森本さん今後私たちの仕事も、AIに頼る場面が増えてくるでしょう。まずは自分の仕事の中で、AIを活用した方が良い業務と自分がすべき業務をしっかり選別することが重要だと思います。

何でもかんでもAIを使えば良いわけではなく、私たちがAIを使う目的は、ケアの質向上であることを忘れてはいけません。何のためにAIを使うのか、今まで以上に個人の倫理観が問われるのではないでしょうか。

圓山さん:私は日々の業務で、時間がないことが理由でできないことが増えてきていると感じています。AIで業務を効率化し、ケアマネージャーとして本来やるべきコア業務に優先的に時間を使っていきたいです。

藤井さん:来年、介護保険改正がありますが、法律が変わるたびに、提出書類が増えたり、記録に残さないといけないことが増えたりします。

ケアマネージャーは、利用者さんやそのご家族の困りごとを解決することが本来の業務で、やりがいでもあると思います。実際、人と関わることが好きでこの仕事を続けている人が多いです。しかし、記録などの事務作業に追われている現状があり、若い人には「大変な仕事」というイメージを持たれています。

AIを活用することで業務改善をはかり、多くのケアマネージャーが、自身の仕事の本来の魅力を感じながら働ける環境をつくっていきたいですね。

岩床さん:ケアマネージャーに限らず、介護業界全体が人手不足です。AIを取り入れることで、本来の業務に専念できるようになれば、私たちの仕事の魅力はもっと多くの人に伝わると思います。そうすれば、この業界で働きたいと思う人が増えてくれるかもしれません。

編集後記

今回お話を聞いた鳥取県介護支援専門員連絡協議会中部支部の皆さまからは、AIを使うことで、ケアマネージャーのコア業務に専念したいという強い思いが伝わってきました。最適なケアプランの提供で、利用者さんとご家族を笑顔にする。そのやりがいが、仕事への向上心につながり、更なるスキルアップがはかられる。AIを活用することが、このような好循環を生む未来を描いていらっしゃいました。

なぜ、私たちは仕事にAIを使うのか。「目の前の業務を効率化する」よりももっと根源的な目的は、「自分のコア業務の質を高める」ことにあるのではないでしょうか。

コア業務の質を高めるためには、ノンコア業務をアウトソーシングするのも有効な手段です。

目の前にある業務に追われ、コア業務に注力できない! と悩みを抱えていませんか?HELP YOUなら、AIに任せられる業務とアウトソーシングした方が良い業務を仕分けし、御社の業務改善を最適な形でサポートいたします。

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