広報の「伝える力」を強化! アウトソーシングでクリエイティブ業務を味方につける

- 課題
- ・広報業務におけるクリエイティブで、発信の統一感にばらつきが出やすい
- 決め手
- ・HELP YOUを指名で依頼。他部署の社外発表資料のアウトプットが決め手に
- 効果
-
・資料作成において、図解やイラスト作成などのクリエイティブ業務を取り入れることへの心理的ハードルが下がった
・会社のオフィシャルな発信として、ある程度の一貫性を持たせられるようになった
旭化成株式会社 広報部報道室 小林諒様(右)屋木紗也加様(左)
インタビュアー 株式会社ニット 森田茉美
広報業務では、複雑な情報をわかりやすく社会に伝える力が求められます。文章だけでなく、図解やビジュアルの工夫も重要なポイントですが、限られた人員やスキルの中でこれらすべてに対応し続けるのは容易なことではないでしょう。
そんな中、専門性の高いアウトソーシングを活用することで、発信の質を向上させ、同時に社外への会社の発信としての一貫性を生み出すことに成功しているのが、旭化成株式会社の広報部報道室です。
今回は、主に一部資料や図解・イラスト作成などのクリエイティブ領域でHELP YOUをご利用いただいている、同社の小林諒様にお話を伺いました。
世界の人びとの「いのち」と「くらし」に貢献
──旭化成株式会社様は、総合化学メーカーとして、「ヘルスケア」、「住宅」、「マテリアル」という3つの領域で事業を展開されていますが、事業内容について改めて教えてください。
1922年に創業した当社は、もともと繊維や化学合成の事業からスタートしました。その後、事業の多角化が進み、現在では、「ヘルスケア」「住宅」「マテリアル」の3つの領域で事業を展開しています。
ヘルスケア領域は、ライフサイエンス・医薬・クリティカルケアの3分野で構成され、海外事業が多く、当社の今後の成長を牽引する領域です。ライフサイエンスでは中空糸膜(※1)を使った製薬用のウイルス除去フィルターの他に、CRO(医薬品開発業務受託機関)事業やCDMO(医薬品開発・製造業務受託機関)事業を展開しています。医薬では、整形外科や救急分野に加え、買収を通じて腎疾患領域でのグローバル展開も。また、クリティカルケアでは、米国でAED(自動体外式除細動器)などを製造販売するゾールメディカルが順調に成長しています。
住宅領域では、建築材料である軽量気泡コンクリート「ヘーベル」と、そこから名付けられた当社の住宅ブランド「ヘーベルハウス」、マンションやリフォームなど一連の住宅関連事業を展開。近年では豪州・北米の住宅産業にも、現地企業との協業を通じて参入しています。
マテリアル領域では、基礎化学品から車載内装向け高機能素材、電子部品や電子材料、エネルギー・インフラ分野における高機能膜や電解技術、サランラップや衣料用の繊維などの日常生活に寄り添う製品まで、幅広い事業を展開しています。
(※1)ストロー状の中空糸多孔質体で、その多孔質壁を分離膜として用いるもの
参照:https://www.asahi-kasei.co.jp/membrane/microza/knowledge/knowledge03/
ビジュアルに特化した資料づくりの難しさ
──御社のように規模が大きく、多角的な事業を展開されている企業の中で、「広報」の仕事はどのように進められているのでしょうか?
当社の広報部は、「報道室」「ブランドコミュニケーション室」「スポーツ広報室」という3つの組織に分かれています。「ブランドコミュニケーション室」は、企業広告による宣伝や旭化成のブランド管理、WEBサイトの管理、社内報などを担当。「スポーツ広報室」では、弊社の「陸上部」と「柔道部」のPR活動を行っています。そして、私が所属している「報道室」は、メディアリレーション(※2)を担っています。
(※2)新聞やテレビ、WEBメディアなどのさまざまな報道機関と良好な関係を築き、自社の情報を社会に効果的に伝える活動のこと
当社の場合、マスメディアに記事を書いてもらうための取材の設定や、プレスリリースの実施、会社の決算や中期経営計画の発表、それらに関わる説明会や記者会見の準備・セットアップ・運営をしたりしています。また、LinkedInというビジネス特化型SNSの運営も報道室が担当しています。
──小林様が所属する「広報部」、特に「報道室」の中で抱えている「課題」はありますか?
私たち広報の仕事は「会社の情報をどのように社会に伝えるか」が主な業務です。社外へ発信する情報の多くは社内にあるわけですが、その情報は断片的だったり、そのままストレートに伝えても十分に理解されない内容であったりすることが少なくありません。そうした情報を、よりわかりやすく、伝わりやすい形に整えるために「翻訳」することが、私たちの役割の一つです。
(広報部報道室 小林諒様)
ここでいう「翻訳」というのは、単に他の言葉に訳すだけでなく、幅広いステークホルダーを想定し、専門的な内容をかみ砕いてわかりやすく伝えるという意味を込めています。情報の出どころである社内の各部署と密にコミュニケーションを取り、「本当に伝えたいことは何か」「その本質はどこにあるのか」を丁寧に読み取り、社会に伝えていくわけです。
そうした中で、情報を視覚的に伝える手段として、資料作成や図解・イラストなど、クリエイティブな業務にも関わる場面があります。ただ、私たち報道室の本来の業務はメディア対応であり、こうした資料やデザイン制作はコア業務ではありません。それぞれ得意・不得意がある中で対応していますが、やはり個人のスキルの差やテイストの違いがあるため、会社の発信として、一貫性を保つのが少し難しいと感じることがあります。
HELP YOUを指名で依頼。アウトプットの質が決め手に
──社外発表に使用する資料のブラッシュアップのために、クリエイティブ領域の外注を検討し始めたわけですね。数あるアウトソーシング会社の中で、HELP YOUを選んだ理由を教えてください。
実は複数のアウトソーシング会社と比較したわけではなく、最初からHELP YOUを指名して依頼しました。
そのきっかけは、私が以前担当した社外発表で目にしたスライド資料です。ある部署が社外講演向けに準備した40ページにわたる資料の完成度が高く、印象に残りました。話を聞くと、オンラインアウトソーシングを活用し、ブラッシュアップされたものだと知り、その依頼先がHELP YOUだったのです。
「HELP YOUに依頼すると、これだけのアウトプットが得られるのか」という具体的なイメージが持てたので、自分の部署でもHELP YOUにお願いすることにしました。
──複数の部署でご利用いただいているとのこと、ありがとうございます!主に資料作成業務のサポートをご依頼いただいていますが、具体的な業務内容やご依頼状況について、教えてください。
主に社内外の資料に使われる一部の図解やデザイン作成、全体の体裁を整えるためのブラッシュアップなどをお願いしています。他には、SNS運営においての機械化できない集計作業、直近ではLinkedInに使用する動画編集のサポートも相談しながら依頼し始めたところです。
──業務のご依頼は全てオンラインでのやり取りですが、コミュニケーション面で何か課題はありますか?
今のところ、特に不都合を感じることはありません。業務を依頼する際の窓口であるディレクターとは、チャットで気軽に相談できる関係性を築けています。何か新しい業務を依頼したい時には、お互いの認識をすり合わせるために簡単に打ち合わせをお願いすることもありますが、迅速に対応してくれるため、大変スムーズです
HELP YOUとの連携で資料クオリティが向上
──HELP YOUへ業務をご依頼されている中で、特に「依頼してよかった」と思われた業務はありますか?
やはり資料作成のクオリティが非常に高い点が大きな魅力です。それに加えて、常にきめ細やかな対応をしていただいていると感じています。通常、アウトソーシングで資料作成を依頼する際には、こちらから完成イメージを伝えますが、後になって「もっと細かく説明すればよかった」と思うことも少なくありません。しかし、HELP YOUから納品されるアウトプットは、こちらの伝えた内容をより深く理解されたうえで仕上げられている印象があります。
一般的に、社内業務の一部をアウトソーシングに切り出す場合、社内のように「阿吽の呼吸」で物事が伝わることは難しいと思っています。外部のメンバーである以上、当然のことかもしれません。その点、HELP YOUのスタッフは、おそらく自ら積極的に調べたり、過去の経緯から想像したりして、こちらの意図をくみ取ろうとしてくれているのだと感じます。だからこそ、期待を上回るアウトプットが生まれるのだと思います。
対応が非常に丁寧で信頼できるため、次第にHELP YOUを「外部リソース」ではなく「社内リソース」のように捉えられるようになってきました。「アウトソーシングには難しいかも」と感じるような業務も、「少し伝わりづらいかもしれないけど、まずは相談してみよう」と、まるで社内メンバーに頼むような感覚で気軽に依頼できる存在になっています。
──HELP YOUをご利用いただいている中で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
実は過去に、数十ページある資料作成のブラッシュアップをかなりタイトなスケジュールで依頼したことがあります。私たちとしても急きょ準備しなければならず、「この日までに出せるのであれば、より良いクオリティを目指したい。もし間に合わなければ、現時点で準備できる内容で対応するしかない」といった、急を要する状況でした。
そこでHELP YOUのチームに相談したのですが、当初は「そのスケジュールでは対応が難しい」という返答でした。そのやり取りの中で印象に残ったのは、納品前のしっかりとしたチェック体制があり、単に納期を優先するのではなく、アウトプットのクオリティ担保を徹底しているプロフェッショナルな姿勢です。
結果的には、限られた時間の中でも想像以上に高品質なアウトプットを納品していただき、本当に助かりました。
──HELP YOU導入後に、社内の動きに変化があれば教えてください。
資料作成において、図解やイラスト作成などのクリエイティブ業務を取り入れることへの心理的ハードルが下がりましたね。
一般的に、図や表、イメージ画があった方が伝わりやすいのですが、特に専門性が高い技術資料に関しては、情報元である社内資料に使用されている図が難解で、そのままでは使えないこともあります。「図やイメージ画を載せた方が良いが、元のままでは伝わりにくい。どう表現するべきか」と悩むことも多く、一つの課題でした。
現在は、クリエイティブ業務はHELP YOUへ依頼できる安心感があります。新たな発表資料の準備に取り掛かる際も、より良いもの、よりわかりやすいものを一緒に社会へ届けようと、一体感を持って話し合えるようになりました。
さらに、会社のオフィシャルな発信として、ある程度の一貫性を持たせられるようになったことは、重要なポイントだと思います。
──最後に、広報部としての今後のビジョンを教えてください。
まず大きな方向性として、企業全体の経営方針や成長戦略を、社外の方々にしっかりと伝えていくことが重要だと考えています。当社がこれからどのように成長していくのか、どんなビジョンを持っているのか、というストーリーをビジュアルにわかりやすく社会に向けて丁寧に発信していくということですね。
一方で、もう一つの軸としてあるのが、各事業における進捗や成果といった個別のビジネスのアップデートです。たとえば、新たな契約の獲得や、新規事業の進展状況など、具体的な動きをきちんと伝えていく必要もあります。
「経営の方向性や経営状況」と「個別事業のアップデート」は、いわば両輪であり、双方をバランスよく、わかりやすく社会に伝えることが、広報としての大きな役割だと考えています。
まとめ
「自社の情報をわかりやすく社会に伝えること」を追求する旭化成株式会社様の広報部では、資料や図解・イラストの作成など、本職ではないクリエイティブ業務の対応に難しさを感じていました。その課題を解決する糸口となったのはアウトソーシングの導入です。
HELP YOUは外部パートナーとして、より伝わる発信をするために必要な資料やデザイン作成の一部分をサポートさせていただいています。
同社は、お客様の窓口となる担当ディレクターを軸に複数のメンバーで対応するチーム制プランをご利用中です。HELP YOUには、世界35か国からさまざまなスキルや経験を持つ600人以上のメンバーが在籍しており、多方面から業務をサポートいたします。
貴社が抱える課題や問題点をしっかりヒアリングし、最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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