1年間の男性育休を支えたアウトソーシングの活用方法とは

株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部(SOC事業部
マーケティング・セールスチーム マネージャー 雨宮広樹様
インタビュアー 株式会社ニット 小澤美佳

従業員エンゲージメントを高め、企業価値を向上させるために、男性育休を推進する企業が増えています。しかし、取得率を上げることだけに目を向けていると、働きやすい環境整備どころか、組織も従業員も疲弊してしまうかもしれません。男性育休を、質の高い意義あるものにするために、企業としてできることは何でしょうか。

多様な働き方を推進している株式会社ガイアックスで、 ソーシャルメディアマーケティング事業部に所属する雨宮広樹さんは、第一子と第二子の誕生に伴い、2020年から2022年の間で、それぞれ6ヶ月間、のべ1年間の育休を取得しました。

取得率は向上しているものの、まだまだ取得日数の短さが課題とされる男性育休ですが、雨宮さんはどのようにして長期の育休を実現できたのでしょうか。その答えは、ガイアックスの企業風土だけではありません。キーワードは「生産性をあげる工夫を怠らないこと」と、「属人的な業務を減らすこと」。そして、その背景には、業務を属人化させないオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」の活用がありました。

事業部ほぼ全員がHELP YOUを活用

──今回は男性育休をテーマにいろいろお聞きしたいのですが、まずは雨宮さんの現在のお仕事について教えてください

私が所属するソーシャルメディアマーケティング事業部(以後文中ではSOC事業部)では、企業様へのSNSコンサルティングを通じて、プロモーションや内部統制など、SNSを活用したマーケティングを総合的に支援しています。私は、その中でもマーケティング・セールスチームで、チームのマネジメントを担当しています。事業部の人数は、全体で45名、私のいるマーケティング・セールスチームは8名です。

──ガイアックス様には弊社の創業当時からHELP YOUをご活用いただき、SOC事業部様だけで、月間2,000時間を超えるご利用をいただいています。SOC事業部様ではどのような業務をご依頼されているのですか?

主な依頼業務は、お客様のSNSアカウント運用のための画像・動画制作、テキスト作成です。そのほかにも、ウェブメディアの記事編集、資料作成やリサーチなどもお願いしています。

──事業部の皆さんが利用してくださっているのですか?

ほぼ全員が業務をお願いしていると思います。業務内容ごとに、HELP YOU側に窓口担当のディレクターがいて、その方が、業務遂行に必要なスタッフを集めて「チーム」を作ってくれています。

──事業部の中で、アウトソーシングサービスを活用する文化はあるのでしょうか。

HELP YOU導入当初から、業務効率化を促進するために、事業部内で「最低〇〇時間は使いなさい」といった指標があり、利用を推奨されていました。今は利用するのが当たり前の環境です。事業部に新しいメンバーが増えた際には、ディレクターがHELP YOUの活用法についての説明会を開催してくれることもあります。

男性育休は働き方を見直すチャンス

──続いて、雨宮さんの育休取得について詳しく教えてください。初めての育休は2020年で、今ほど「男性育休」が注目されていなかったと思いますが、どのような経緯で育休取得を決断されたのですか?

もともと仕事が大好きで、プライベートでも暇さえあれば仕事について考えていました。しかし、仕事に打ち込みすぎるあまり、網膜剝離(もうまくはくり)になってしまったのです。身体を壊すような働き方はサスティナブルではないな、と反省しました。

そんなとき、妻の妊娠がわかり、この機会に育休を取っていったん仕事を離れてみたら、これまでの働き方を見直す良い機会になるのではないか、と思い取得を決めました。

──事業部内での反応はどうでしたか?

ガイアックスは多様性を尊重する企業文化があるので、ネガティブな反応は全くありませんでした。

──素敵ですね! ご自身は、6ヵ月間も仕事を休むことに不安はありませんでしたか?

正直なところ、1回目のときは不安でした。1ヶ月程度の短期間なら、簡単な引継ぎですぐに職場復帰をイメージできますが、6ヶ月となると完全に仕事を離れることになります。特に、日々トレンドが変わるSNSマーケティング業界において、「復帰後、変化に対応できるのか」という不安は強かったです。しかし、同時に「育休経験を仕事に生かせるのでは?」とも考えていました。

うちの事業部は女性比率が高く、お客様も、マーケティングや広報といった部署で、女性が多くいます。私自身が育休取得を通じて、子育てと仕事を両立する女性たちの思いを実体験から理解できれば、より良い信頼関係で仕事を進められるのではないかと思ったのです。

今は、マネージャーとして、チーム内で育休を取得する方がいても、自身の経験に基づくフォローやサポートができると感じています。

属人的な業務が減ると引継ぎもスムーズに

──すばらしいですね! 長期間の育休なので、引継ぎも大変だったかと思うのですが、HELP YOUが貢献できたことはありますか?

日頃からオペレーション部分の業務はHELP YOUにお願いしているので、相対的に引継ぎコストを削減できたのではないかと思います。

もし私がディレクションやマネジメントだけではなく、オペレーション業務も含めて全て一人でやっていたら、引継ぎはかなり大変だったはずです。HELP YOUのおかげで、オペレーション業務が属人化していなかったのは大きいですね。

また、ディレクション、企画、分析の部分が別の人に変わっても、オペレーション部分は回り続けるという安心感がありました。それは後任者も同じだと思います。「こういった場合、前任はどうしていましたか?」など、HELP YOUに確認できるので、HELP YOUが引継ぎの細かい部分を補完してくれたのではないでしょうか。

それくらい日頃からHELP YOUを頼りにしています。もう6年以上ずっと担当してもらっているので、HELP YOUの方が詳しいことも多々あるでしょう。

育休の文脈ではないですが、例をあげると、HELP YOUにディレクションしてもらいたいと思い、「SNS投稿の事例集を作りたいので私をゴールまで導いてください」とお願いしたことがあります。

──それは面白いですね! どうでしたか?

すごく仕事が進めやすかったです! いつも資料を作成してくれているからこそ、どういう指示があればやりやすいか、どういう情報が必要かなど、良く分かっているんですよね。ディレクターのヒアリング力が素晴らしく、上手く導いていただき、期限内に事例集を完成させることができました。この資料はオウンドメディアでお役立ち資料として公開しましたが、公開初月のダウンロード数はNo.1でした。

──お役に立てて嬉しいです! 今までの雨宮さんとのやり取りがあったから、アウトプットイメージが共有しやすかったのかもしれませんね

そうですね。確かにアウトプットイメージはなるべく具体的に伝え、解像度を高める工夫はしました。でもそのイメージが齟齬なく伝わるのは、これまでのコミュニケーションがあるからだと思います。

時間制限があることで生産性を追求

──育休前は、「復帰後に変化についていけるか不安があった」とのことでしたが、復帰に際して、他に不安に思うことはありましたか?

好きなだけ仕事に没頭していた自分が、限られた時間の中で今まで以上のパフォーマンスを発揮できるのか、不安に思う気持ちはありました。働き方をガラッと変えるわけですから。

でも、1回目の復帰で大丈夫だと思えたので、2回目の復帰では全く不安はありませんでした。

──復帰後どのような変化があって、大丈夫だと感じたのでしょう。

一つは、自分の達成したいミッションを達成するために、「何がなんでも全て自分がやらなきゃいけない」と考えることをやめました。

自分のリソースには限りがあるので、ミッションが達成された状態やこうありたいイメージを熱量を持ってしっかり共有し、一緒に目指してくれるメンバーと手分けして遂行していく。そのようなやり方に変化しました。

二つ目は、勤務時間に制限があることで、生産性があがったことです。ダラダラ仕事をしていたわけではないですが、今の方が時間内にアプトプットを最大化するためにはどうすれば良いかを無意識に追求しているのだと思います。

──復帰後は残業はしないようにお仕事されているのですか?

そうですね。育休を取って、子育ての大切さも大変さも実感したからこそ、「早く仕事を終えて自分も育児と家事に参戦しなければ」と思っています。就業時間を厳守する意識は、育休を経験していなかったら多少薄かったかもしれません。

組織にもメリットを生む育休の取り方

──雨宮さんの実感として育休を取るときには、どのような準備が必要だと思いますか?

目の前に育休が迫ってからでは遅いのかなと思います。取得したいと思ったときに思い通りに取れるように、普段から自分の業務の生産性をあげる工夫をしたり、勉強したりすることが大事ではないでしょうか。

また、育休取得中の「体制」について上司に提案することが大切です。自分の仕事を棚卸し、引継ぎやすいように整理したり、誰に引き継ぐかを想定したりしたうえで、上司と話を進めるのが良いと思います。私の場合は、既にオペレーション業務をHELP YOUに任せていたので、業務整理の部分には時間がかからず、その点は大変助かりました。

あとは、自分が育休取得中に懸念されるリスクについても上司に報告しておくと安心だと思います。私は、「このメンバーにはこういった負荷がかかる可能性があるので注視してください」といった具体的なリスクを洗い出して事前に共有しました。

──マネージャーの立場で、組織における育休取得のメリットを感じることはありますか?

個人としても働き方の見直しができましたが、組織としても、既存の業務フローや体制を抜本的に見直す機会になるところにメリットを感じています。

今のチーム体制は最適なのか、業務の割り振りが上手くいっているのか、適切な人員配置ができているのか、など強制的に考えざるを得ないのです。

現在、メンバーの一人が育休に入っていますが、それにともない業務や人員配置の見直しが当然発生しました。その結果改善された部分はたくさんあります。

編集後記

男性育休の取得率が向上している一方で、数日間や短期間だけ取得してほとんど育児をしない「取るだけ育休」が課題となっています。これでは本来の育児休業の目的が果たせず、パートナーからの不満を招きかねません。

しかし雨宮さんのように長期間の男性育休を取得するには、職場の理解だけでなく、日々の業務の生産性を追求する、属人的な業務を減らすなどの工夫が必要となりそうです。

上手く運用できれば、組織体制や業務の改善、ブランディング、従業員エンゲージメントの向上など、企業にとっても大きなメリットとなる男性育休。とはいえ、少人数の組織では、人が抜けて業務が回らなくなる不安もあるでしょう。

そんなときこそ、ぜひオンラインアウトソーシングを活用ください。

資料作成・画像作成・ライティング・リサーチだけでなく、総務・人事・経理・営業サポートなど幅広い業務に対応できるHELP YOUなら、御社のノンコア業務をまるっとお任せいただけます。

また、ディレクターを窓口としてチームで業務を担当するので、属人的にならない業務フローを整備し、育休復帰される社員の方へスムーズに仕事をお戻しすることが可能です。

育休に合わせたスポット利用も大歓迎ですので、ぜひご相談ください!

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日々の雑多な作業を外注し、重要な業務に集中して生産性を上げたい方は
ぜひこの機会にHELP YOUの導入をご検討ください。

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