【決済編】小口現金立替ゼロへ|キャッシュレス経理を実現する仕組みと導入方法

登壇者

株式会社LayerX バクラク事業部 パートナーアライアンス部 浦 亮介

新卒で専門商社にてエンタープライズセールスを経験した後、会計事務所を起業。
その後は会計事務所内で新規事業開発に 従事し、サービス企画・営業・採用/教育・受注後の仕組み化まで、新規事業の立ち上げを「0→1」で推進。2024年に株式会社LayerXへ入社し、パートナーアライアンス部に配属。

HELP YOU 経理プレミアム パートナーセールス・業務改善コンサルタント 末吉 結布子

HELP YOUの新規事業企画にて経理プレミアムを立ち上げ。現在は、経理部門のお客様を中心としたDX支援、業務改善コンサルティングを行いながらBPaaS領域でのサービス強化のため、パートナーセールスを担当。

この記事でわかること(3つのポイント)

  1. 小口現金を完全撤廃!従業員の立替負担と経理のExcel業務をゼロにする方法
  2. 全社配布を可能にする、高セキュリティな利用制限と即時停止機能の仕組み
  3. 立替とカードを1つにまとめる統合フォームで、月次決算を効率化する秘訣

1. 小口現金がもたらす「見えない損失」:従業員の立替負担と経理の煩雑なExcel管理

末吉(HELP YOU): 浦さん、本日もよろしくお願いいたします。シリーズ第4回のテーマは、バックオフィス全体の生産性を大きく左右する「小口現金の撤廃」と「従業員の立替精算ゼロ化」についてです。私たちが様々な企業様の経理代行をお引き受けする際、デジタル化を推進している企業様であっても、まだまだ社内に現金を置いて金庫で管理されているケースがいまだに非常に多いと感じています。

浦氏(LayerX): そうですね、小口現金の維持がもたらす損失は、経営層や現場が想像している以上に根深いです。一番のボトルネックは、現場の従業員側に「金銭的な一時立替負担」が発生してしまっていることです。数千円の文房具ならまだしも、急な出張の交通費や、まとまった消耗品の購入で数万円をポケットマネーから立替えるのは、従業員にとっては金銭的にも精神的にも大きな負担になります。だからといって、従業員に立替えさせたくないからと社内に現金を置くと、今度は経理側に「現金出納帳のExcel管理」という膨大なアナログ工数がのしかかってきます。

末吉: 経理担当者の視点に立つと、本当に神経を削る業務なんですよね。わざわざ銀行へ現金10万円を引き出しに行き、それを社内の金庫に保管して、引き出した旨を出納帳に記載する。そして誰かが何かを買うたびに、手渡された領収書を目視で確認してExcelに手入力し、残高を合わせる。この作業の何が苦痛かというと、単に時間がかかることではなく、「1円のズレも許されない」という極度のプレッシャーが日次で繰り返される点にあります。夕方に現金を数えて100円が合わないだけで、その原因を突き止めるために全員の業務がストップしてしまう。これは情緒的にも苦痛を伴う時間ですよね。

浦氏: まさにその通りで、その「数字を合わせるためだけの時間」こそが、日本のバックオフィスの生産性を阻害している正体です。バクラクビジネスカードをご提案する際は、この面倒な業務そのものをなくしましょう!というお話を常にしています。現金の管理自体をなくすことで、経理事務の負担は根本から消え去るはずです。

末吉: そうですよね。ただ、いきなり小口現金の撤廃を「廃止します」と宣言するだけでは、現場の不安は消えません。私たちHELP YOUが支援する際、まず行うのは「現行業務の棚卸し」です。現場が今どんな業務で小口現金を使っているのかを可視化し、キャッシュレス移行後に混乱しないための『社内ルール策定』から伴走します。制度を変える時の心理的なハードルを取り除き、スムーズな移行を促すための社内の説明会なども含め、組織全体を動かしていくのが私たちの役割だと思っております。

経費業務の標準化

2. 全社配布を阻む「使いすぎ・悪用」の不安を解消:管理者がコントロールできる利用制限の仕組み

末吉: キャッシュレス化や立替ゼロを目指すために、「すでに法人カードを導入しています」という企業様もいらっしゃいます。しかし、従来の法人カードだと、それはそれで別の課題にぶつかって全社への導入が進まないケースもよく耳にします。

浦氏: 従来型の法人カードの最大の弱点は、「利用権限の柔軟な設定や制限ができないこと」にあります。従業員にカードを持たせたいけれど、「何にいくら使われるか分からない」「勝手に高額な決済をされたり、業務外の支払いに悪用されたりしたら困る」という心理的な不安がどうしてもつきまといますよね。その結果、経営層や一部の部長職しかカードを持てず、一般社員の現場決済は相変わらず立替精算のままという、中途半端な状態になってしまうんです。

末吉: 確かに、ガバナンスやリスク管理の観点から全社配布を躊躇される経営者様は非常に多いです。バクラクビジネスカードはその「悪用や使いすぎへの不安」をどう解消しているのでしょうか?

浦氏: バクラクでは、「この従業員は備品購入用に月○万円まで」「この営業担当者はガソリン代専用で、ENEOSでしか使えないカード」といった利用限度額や利用目的、さらには使える取引先(店舗)の制限まで、管理者の画面からボタン一つで細かく設定・コントロールできます。さらに、電子帳簿保存法への対応も大きなメリットです。従来型カードだと、決済はできても「使った後の紙の領収書を回収し、台紙に貼って保管する」というアナログな確認業務が結局残ってしまいますが、バクラクならスマホアプリから領収書をアップロードした瞬間に自動でタイムスタンプが付与され、電帳法要件を満たしたデータ保管がその場で完了します。

末吉: 素晴らしいですね!ただ優れた管理機能があっても、悩ましいのが「誰に、いくらの権限を与えるのが最適か?」という設計です。ここを曖昧にすると、結局ガバナンスが効きません。私たちHELP YOUは、お客さまの組織図や経費規定をヒアリングし、統制と利便性のバランスを考慮した『権限設定ルール』も一緒に検討します。もちろん、システムの設定作業そのものも代行しますので、経営層は判断に専念いただけますよ!

バクラク不正利用制御機能

末吉: また取引先の制限だけでなく、決済通貨の制限まで細かく設定できるのは驚きました。

浦氏: そうですね。この通貨制限は、特にセキュリティや統制を重視される上場企業様などにも高く評価されているポイントです。昨今、海外からのサイバーテロやフィッシングによるサイバー攻撃、不正利用のニュースがよく聞かれますよね。身に覚えのない海外サイトから「USドル建てで突然数百ドルの決済が勝手にされていた」といった被害事例を目にされた経営者の方も多いかと思います。

バクラクビジネスカードであれば、例えば一般の従業員が国内の移動や買い物で使うカードに対して「このカードは日本円でしか決済できません、USドル建てなどの外貨決済は一律不可」といったロックをかけることが可能です。逆に、海外出張に行くメンバーのカードには「ユーロ建てのみを許可する」といった、決済する通貨自体を制限する運用が管理画面からあらかじめ設定できるんです。これによって海外発のサイバーリスクを実務レベルではじめから遮断できるため、会社としての防衛策・安心材料として導入をご検討いただくケースが非常に増えています。

末吉: なるほど、単に従業員の使いすぎを防ぐだけでなく、外部からのサイバー攻撃リスクまでシステム側でコントロールできるわけですね!万が一のセキュリティを懸念して全社員へのカード配布を躊躇していた経営者様にとって、この通貨制限や即時停止機能はとても強い安心材料になりますね。

3. 審査の常識を覆す「原預金ベース」の与信と、利用者の手間をゼロにする自動紐付け

末吉: 法人カードを作成するとなると、特に新設法人やスタートアップ企業では「審査が通らない」「会社設立初期は限度額が数十万円に制限されて使い物にならない」という現実的な壁もありますよね。

浦氏: そこもバクラクビジネスカードの大きな特徴です。バクラクでは、外部システム(Moneytree)を安全に連携させ「企業の銀行口座にある原預金の残高」をベースにリアルタイムで与信を判定する仕組みを採っています。そのため、過去の決算実績が少ない新設法人様であっても、口座にしっかりとした資金があれば、実務に十分な決済枠(与信)を出すことができます。また、半年ほどの実績を作っていただいた後に枠を増額していくことも可能です。

末吉: それは素晴らしいですね!実際にカードが発行された後の、現場での具体的な利用フローはどのようになっているのでしょうか?

浦氏: 従業員がカードで決済すると、スマホアプリに即座に通知が飛びます。あとは手元の領収書をアプリで「パシャッ」と撮影するだけ。業界最高水準のAI OCRが、金額や日付、支払先、インボイス登録番号を瞬時に読み取り、カードの利用明細と自動で突合(照合)してくれます。従来型カードのように、1ヶ月半後に送られてくる紙の利用明細を待ちながら、過去の領収書を引っ張り出して目視で突き合わせる、といった面倒な確認業務は一切発生しません。

末吉: 少し気になったのですが、万が一従業員がカードを紛失してしまった場合、従来のカードのように再発行の手続きや停止の連絡で大ごとになってしまうのでしょうか?

浦氏: いいえ、そこもバクラクの強みです。管理画面からボタン一つで即時に利用停止・再開ができるので、電話連絡の手間もありません。

末吉: 実際、HELP YOUがご支援している現場で「従業員がカードを紛失したかもしれない」というトラブルが発生したのですが、その際も管理画面からワンクリックで一時的に利用停止ブロックをかけ、数分後にデスクから出てきたので、ワンクリックで再開させるという対応が即座にできました。このスピード感は現場の運用者として非常に助かりましたね。 さらにバクラクが画期的なのは、従業員が「個人で立て替えた領収書」と「バクラクカードで決済した領収書」を、同じ画面(統合フォーム)でまとめて申請できる点ですよね。従来のシステムだと別々のメニューで二重管理になって煩雑化していましたが、これが同一フォームで処理できるのは利用者としても経理としても本当に助かります!

また一方で、AIによる自動読み取りは本当に革命的ですが、新しいツールを導入した直後は、どうしても従業員の方から『アプリの使い方がわからない』『エラーが出た』といった質問が集中します。ここで経理担当者の手が止まっては本末転倒ですよね。だからこそ、私たちが初期のヘルプデスク役を担い、マニュアル作成から個別の疑問解消まで一手に引き受けます。新しいフローが『当たり前』として定着するまで、徹底的にサポートするのが私たちHELP YOUの伴走の形です。

バクラクAI申請

4. 月次を締める「前」に異常を検知!無料で始めるリアルタイムなコスト管理

末吉: そして、最近リリースされた「バクラクインテリジェンス」というレポーティング機能が、経営視点からみると非常に頼もしい機能だと感じています。

浦氏:ありがとうございます。バクラクビジネスカードをご契約いただくと、この分析サービスが1ID無料でご利用いただけます。カード決済や立替経費のデータをもとに、誰が、何に、いくら使っているかをリアルタイムで可視化・分析できるツールです。

末吉: 従来の経理だと、月次が締まってから「先月は接待交際費や出張費が多かったな」と振り返るしかありませんでしたよね。バクラクなら、カード利用報告が確定されるたびにデータがリアルタイムで集約されるため、月次を締める「前」の段階からコストの異常値や使いすぎを検知し、経営改善のアクションを起こせますね。

浦氏: そうなんです。さらに、今の時代に喜ばれているのがバクラクビジネスカードの「AIトークンアドバイザー」という機能です。最近はChatGPTやClaudeなどの生成AIツール、その他各種SaaSツールを各部署や個人が個別に契約するケースが増えていますが、経営層がその実態を把握しきれなくなっています。これらをバクラクビジネスカードによる決済に集約することで、「誰がどのツールに毎月何ドル払っているのか」を一発で可視化できます。人件費プラス「トークン利用量」のコントロールという、これからの時代の生産性管理に直結する機能です。

末吉: データがリアルタイムで見えることは経営にとって大きな武器ですが、それだけで終わらせないのが重要ですよね。私たちは、バクラクから出力された数値を分析し、『この部署は消耗品費が予算を超過しそうなので、先回りしてアラートを入れましょうか?』といった管理会計的なフィードバックも提案しています。データを見える化するだけでなく、アクションに繋げるまでが私たちHELP YOUの提供価値だと思っています!

HY x バクラク

5. HELP YOU伴走による、既存カードとのスムーズな「ハイブリッド運用」

末吉: バクラクビジネスカードの利便性は間違いないと感じておりますが、現場への導入にあたって「既存のメインカードを金融機関との兼ね合いや様々な事情で今すぐ解約できない」「併用すると現場が混乱するのでは」という相談をいただくことがあります。

浦氏: そうした業務整理の局面こそ、現場への理解が深いHELP YOUの皆様に伴走していただく価値が非常に高い部分だと感じています。会社の事情で1つのカードに寄せられないケースは多々あります。その際、業務フローを分解し「代表者の決済は既存カードのまま、従業員の現場決済や車でのガソリン代、バーチャルカードを使った広告費はバクラクカードに寄せる」といったハイブリッドな仕組みを整理・構築していただけるので、我々としても非常に心強いです。

末吉: ありがとうございます。私たちはバクラクの仕様を深度高く勉強した上で、お客様の今までの経理フローを崩さず、現場に混乱を招かない最適な「移行ステップ」をご提案しています。「カードやツールを入れたけれど使いこなせない」という宝の持ち腐れを防ぐために、マニュアル作成から社内説明会、初期のヘルプデスク対応まで丸ごとサポートしますので、カードの切り替え負担に悩む企業様はぜひ一度ご相談ください。浦さん、ありがとうございました!

                                                       
【次回予告】本連載では経理DXの具体的な手法をさらに深掘りしていきます。

▼第5回【発行編】請求書発行の効率化|属人化をゼロにする「標準化」戦略

など、実務に役立つヒントをお届けします。お楽しみに!

                                                       

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