【セミナーレポート】AI・テクノロジー活用で実現するマーケティング業務自動化戦略

2025年4月16日に開催した、HELP YOU無料オンラインセミナーのレポートをお届けします。

今回のテーマは、「AI・テクノロジー活用で実現するマーケティング業務自動化戦略」。HELP YOUが実際に取り組んだ事例をもとに、明日からマーケティング業務に活用できる自動化の方法をお伝えします。

■登壇者

HELP YOU マーケティングチーム 岡本真理
株式会社リクルートにて新卒採用の総合提案営業に従事したのち、NEXCO中日本に新規事業の専任として入社。株式会社ニットにジョインした現在は、マーケティング&営業担当として活躍中。
HELP YOU Techチーム リーダー 中野由莉子
株式会社ニットにて広報として活動し、現在はAIやRPAを活用して業務効率化を行うTechチームに異動。エンジニアとともに業務の自動化を推進している。
 

本レポートは、40分間のセミナーのダイジェスト版です。
以下のボタンからセミナー資料と動画を無料でご覧いただけます!

現場でのAI・テクノロジー活用のリアルと課題

岡本:
マーケティングご担当者の方は、日頃このようなことを感じてはいないでしょうか。
社長やマネージャーからは「もっと業務を効率化して利益を上げたい」「現場でAIやテクノロジー活用をどんどん活用してほしい!」と言われている。

一方で、現場のメンバーからは「どのように活用して良いか分からない…」「目の前の業務で忙しいのに、新しいシステムやツールを導入するのは面倒!」という声が上がっている。

特に大きな企業では、こうしたギャップが生じているかと思います。

実際の調査でも、現場でAIを活用している企業はたったの10%といわれています。AIを活用していない理由としては、「どのように活用できるか分からない」「使い勝手が悪い」「余計な手間が増える」など、特に現場での負担がネックになっているようです。

では、「現場に負担がかからず、面倒な導入の手間もない」状態であれば、業務の自動化はスムーズに進むのでしょうか。

マーケティング業務における自動化の可能性

岡本:
マーケティングは、先の見えない未来を予測し、自社の認知拡大や売上向上に向けてさまざまな仕掛けを行う業務です。未来を予測をする上で欠かせないのがデータ分析ですが、以下のような課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

・データ収集や処理に手間がかかり、戦略立案に時間が取れない
・担当者独自のやり方や経験に頼っているため、属人化が進んでいる

実際に、弊社のマーケティング部署でも同様の課題を抱えていました。

こうした課題を解決し、なおかつ現場に負担をかけずに業務自動化を進めるため、発足したのが弊社の「Techチーム」です。Techチームでは、社員の業務が自動化できるかを検証し、導入や運用までサポートしています。

ここからは、実際にTechチームの自動化プロジェクトを担当した中野さんに話を聞いてみましょう。

中野:
Techチームでは、まず各部署にどのような業務や課題があるかをヒアリングするところから始めました。業務の自動化や効率化を進める上では、現状を把握することが重要です。

ヒアリングの中で、データを多く扱うマーケティング業務は自動化との相性が良いことが分かりました。特にデータ収集に多くの時間がかかっていたため、より戦略的な業務に注力してもらえるよう、業務の自動化を進めていきました。

岡本:
実際に業務を自動化したことで、従来の半分の時間で作業が終わった事例もありました。その結果、以下のような成果も生まれています。

・時間とコスト削減によるリソースの有効活用
・正確なデータに基づく客観的な意思決定
・PDCAサイクルの高速化
 


 

岡本:
マーケティングチーム内でも、最初は「本当に自動化できるの?」と懐疑的でしたが、今では業務で課題が生じた際にはTechチームに相談することが多くなりました。

中野:
Techチームとしても、業務の自動化や効率化は、担当者自身ではなく専門のチームが担う方が効率的だと考えています。

「どのような業務なら自動化できるのか」「どのツールを使うべきか」などの判断は、私自身も実際に自動化に取り組む中で時間をかけて理解していきました。

マーケティングチームであればマーケティングのコア業務に注力してもらうことが最優先なので、自動化の導入は私たちのような専門チームがサポートすることが重要だと思います。

AI・テクノロジーを活用した自動化事例

中野:
ここからは、実際にどのような業務を自動化できるのか、弊社の実例をもとに紹介します。

自動化に取り組む際に重要なポイントは、「人間がAIを“サポート役”として扱う」「適切なツールを選択する」という2点です。

人間は戦略設計などのコア業務に注力し、AIにはリサーチやデータ分析を任せるなど、役割分担を意識することが大切だと考えています。

また、一口に自動化といっても、業務内容や状況によって適したツールは異なります。Techチームでは、主に以下のツールを使い分けています。

・iPaaS:データ連携、SaaS間の統合
・RPA:データ入力・システム操作の自動化
・AI:データを活用し、意思決定や業務改善を支援

ツールによって得意・不得意があるため、特性を理解しながら適切なツールを選択することが重要です。

 

事例1.MAからCVデータを自動集計

 

中野:
最初に紹介するのは、MAツールからCVデータを取得し、集計シートに自動反映させた事例です。特に以下のような場合におすすめです。

・毎回手動でデータを確認・集計する手間を減らしたい
・MAツールを開かずレポートを自動生成したい
・定例会議用の資料をまとめる時間を削減したい

必要なツール
・MAツール(Hubspot、Salesforce Marketing Cloudなど)
・集計用のシート(Googleスプレッドシートなど)

今回の事例では、MAツールはHubspot、集計用シートはGoogleスプレッドシートを使用しました。また、自動化にはiPaaSとGAS(Google App Script)を使用しています。

自動化の流れ
1.MAツール上に蓄積されているCVデータベースと同じ環境をiPaaS内部に構築
2.iPaaS上に構築したデータベースをスプレッドシートに貼り付け
3.集計用のフォーマットに合わせて、GASで指定のセルに指定の情報を反映

上記の流れを、月1回、週1回などの決まった周期で自動反映させることが可能です。弊社で実施したところ、これまで週90分かかっていた作業が30分まで短縮でき、削減率は66%超という結果になりました。

 

事例2.SEO記事検索順位の自動反映

 

中野:
次に、SEO記事の検索順位をツールから取得し、集計シートに自動反映した事例を紹介します。以下のような方におすすめです。

・データ集計を手動で行う手間を削減したい
・レポート作成をスムーズにして意思決定に時間をかけたい

必要なツール
・SEOツール(Ahrefs、Semrushなど)
・集計用シート(Googleスプレッドシートなど)

今回の事例では、SEOツールはSemrush、集計用シートはGoogleスプレッドシートを使用しました。また、自動化にはiPaaSとGAS(Google App Script)を使用しています。

自動化の流れ
1.iPaaSを活用し、SEOツールから記事ごとの検索順位データをエクスポート
2.エクスポートしたデータを集計用のスプレッドシートに貼り付け
3.集計用フォーマットの指定のセルにGASでデータを反映

上記の流れを決まった周期で自動反映させることが可能です。弊社で実施したところ、これまで週50分かかっていた作業が20分まで短縮でき、削減率60%という結果になりました。

 

本レポートは、40分間のセミナーのダイジェスト版です。
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マーケティング業務の自動化はHELP YOUへご相談ください

中野:
このように、業務を自動化することで社員がコア業務に注力でき、成果を出せる体制が整います。ぜひ今回紹介した事例を参考にしていただけるとうれしいです。

岡本:
とはいえ、「何から始めるべき?」「どう進めればいいの?」という疑問もあるかと思います。そこで、自動化を実現するためのポイントを2つにまとめました。

・業務の棚卸
・自動化できる(した方がいい)業務の判断

1つ目は「業務の棚卸」です。弊社もそうだったように、習慣的に行っている業務の詳細をしっかり把握できていない方も多いのではないでしょうか。まずは「誰が」「何を」「どのように」進めているかを言語化するところから始めるのがおすすめです。

2つ目は「自動化できる(した方がいい)業務の判断」です。すべての業務をAIやテクノロジーで代替するのは難しく、人間が対応した方が効率的な場合もあります。そのため、どの業務を自動化するべきか、どのツールが最適かを検証・判断することが重要です。

しかし、どちらも自動化に関するノウハウがない場合や、目の前の業務で忙しい状態では取り組むのが難しいかと思います。お困りの際は、ぜひHELP YOUにご相談ください。

HELP YOUでは、現状の課題をヒアリングし、自動化できる業務や最適なツールをご提案。導入・運用まで丁寧にサポートさせていただきます。