AIの業務利用実態調査|AI利用者の90.6%が出力を手直し、人×AIの役割分担が重要に
AI導入で残業が減った人は26.0%にとどまり、増えた人も13.0%。効率化だけでは解決しない現場の課題が明らかに。
調査概要
株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」が、全国の25歳〜59歳のビジネスパーソン600名を対象に実施した調査(2026年3月・N=600)により、AIは作業時間の短縮や生産性向上に寄与する一方、利用者の90.6%が出力をそのまま使えず、効率化の裏側で新たな業務負荷が生まれている実態が明らかになりました。
本レポートでは、AI活用の現状・課題と、AI時代に求められる人とAIの役割分担について解説します。
調査サマリー
・業務でAIを利用している人は46.2%
・AI利用者の90.6%が出力を手直ししている
・AI導入で残業が減った人は26.0%、一方で増えた人も13.0%
・91.3%がAIと比較して「人間ならではの良さ」があると回答
調査概要
調査名:「ビジネスシーンでのAI利用」に関する調査
調査期間:2026年3月17日
調査方法:インターネット調査
調査人数:600人
調査対象:全国の25歳~59歳のビジネスパーソン(会社員、経営者・役員)
調査元:株式会社ニット(オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」運営)
業務でAIを使っている人はどれくらいいる?
「業務においてどの程度AIを利用していますか?」という質問に対し、AIを業務で利用していない人が53.8%と半数以上を占めました。AIが普及しているイメージとは裏腹に、まだ多くのビジネスパーソンが業務にAIを取り入れていない実態が明らかになりました。
一方で、AIを業務で利用している人は46.2%、1日1時間以上利用するヘビーユーザーは13.5%存在しており、「使わない層」と「日々活用する層」の二極化が浮き彫りとなっています。

業務でAIを使わない理由は何か?
AIを業務で利用していない人への質問では、最も多い理由が「業務上、特に必要性を感じていない」で50.8%を超えました。一方、「周囲に使っている人がおらず、始めづらい」との回答が26.3%見られるなど、組織環境がAI活用の障壁になっている実態も明らかになりました。

業務で使われているAIツールは何か?
業務でAIを活用している人に利用ツールを複数回答で聞いたところ、ChatGPTが57.4%と最も多く利用されていることがわかりました。次いでGemini(43.3%)、Copilot(28.2%)が続いており、日本のビジネスシーンではこの3ツールが主流となっています。

さらに「最も利用しているAIツール」を聞いたところ、ChatGPTが40.4%と圧倒的に高く、Gemini(24.6%)、Copilot(19.9%)が続きました。ChatGPTはAI活用を一般に広げたサービスとして依然として仕事の現場で中心的に使われていることがわかります。

AIはどんな業務で使われているのか?
AIをどのような用途で利用しているかを聞いたところ、「メール・社内外文章の作成」(48.0%)や「文章のトーン調整・言い換え案の作成」(41.2%)、「議事録作成・要点整理・要約」(30.7%)といった文章を扱う業務での利用が多い結果となりました。
アイデア出し・企画や資料作成(32.5%)などのクリエイティブ領域から、コーディング・開発補助(11.2%)などの専門分野まで、幅広くAIが活用されていることも確認できました。

AI導入で本当に業務は効率化するのか?
AI導入による具体的な効果としては、49.5%が「作業時間の短縮」を挙げ最多となりました。続いて「業務全体の生産性向上」(30.3%)、「業務品質・アウトプットのクオリティ向上」「作業ミスが減った」の順で、情報整理や意思決定のスピード向上など、業務全体のスピードアップに貢献していることがわかります。

AI導入で残業は減るのか?
AI活用による残業時間の変化については、残業が「減った」と回答した人が26.0%に上りました。一方、逆に「残業が増えた」と回答した人も13.0%存在しており、AI導入が必ずしも残業時間の削減に直結しているわけではない実態が浮き彫りになりました。

残業時間が増えた理由は?
残業が増えた理由として、「AIの出力を業務で使える水準まで整える工程が必要になった」が66.7%と最も多く、次いで「AIの出力内容が正しいかを確認する工程が新たに発生したため」(41.7%)という結果になりました。また、「AIにより、これまで他人に任せていた業務を自分で行うようになった」(27.8%)という回答もみられます。

AI業務活用における課題や不満は何か?
AIを業務で活用する中での課題・不満について聞いたところ、「AI出力の正確性や信頼性に不安を感じている」(33.2%)、「生成結果をそのまま使えず、結局人の手で仕上げる必要がある」(22.0%)が上位を占めました。また「AIにうまく指示を出すのが難しい」という回答も21.3%に上りました。
これは、AIは業務効率化に寄与する一方で、実務では“そのまま使える完成品”ではなく、“人が仕上げる前提の下書き”として使われている実態がうかがえます。

AIのアウトプットはそのまま使えるのか?
AIが生成するアウトプットについて、90.6%のユーザーが何らかの手直しを行っていることが判明しました。さらに手直しに1時間以上かけているユーザーも11.2%存在しており、AI出力を実務レベルに仕上げるための人的コストが依然として発生している実態が明らかになりました。

AI時代でも人間の役割は必要なのか?
91.3%がAIと比較したときに「人間ならではの良さ」があることを感じていることが判明しました。AI活用が進む中でも、人間が持つ独自の価値・能力が依然として高く重要視されている実態が示されています。
「人間ならではの良さ」として特に多く挙げられたのは、「関係者との調整やコミュニケーションができる」(28.2%)、「相談しながら一緒に進められる」(27.4%)、「曖昧な指示でも柔軟に対応できる」(25.6%)などです。AIが情報処理や下書き作成を担う一方で、調整・判断・責任を伴う領域では、依然として人の関与が不可欠であることがわかります。

まとめ|AI活用は本当に業務効率化につながるのか?
AI利用は二極化しているのか?また効率化の効果はあるのか?
AI活用は進んでいる一方で、利用していない層も多く、活用状況は二極化している。
業務でAIを利用している人は46.2%にとどまる一方で、活用している層の約半数が「作業時間の短縮」などの効率化効果を実感している。
AI導入で業務は楽になるのか?残業が増える理由は何か?
AI導入は効率化に寄与する一方で、手直しや確認工程により負荷が増えるケースもある。
残業が減った人は26.0%だった一方で、増えた人も13.0%存在し、その主な理由は「AI出力を実務レベルに整える手直し」や「内容確認の工程」が新たに発生することにある。
AIのアウトプットはそのまま使えるのか?
AIの出力はそのまま使えるケースは少なく、人による修正が前提となっている。
AI利用者の90.6%が何らかの手直しを行っており、1時間以上修正に時間をかけるケースも見られるなど、実務レベルに仕上げるための人的コストが発生している。
AI時代でも人間の役割は必要なのか?
AI活用が進んでも、調整・判断・責任を担う領域では人の役割が不可欠である。
実際に91.3%が「人間ならではの良さ」を実感しており、関係者との調整やコミュニケーション、曖昧な指示への柔軟な対応などはAIでは代替しにくい価値として挙げられている。
今回の調査から、AIは業務効率化に有効である一方、そのまま実務で使えるケースは多くなく、人による確認・調整・判断が不可欠であることが明らかになりました。
AI時代に求められるのは、AIに置き換えることではなく、人とAIの役割を最適に分担することです。
本調査について
本調査は、株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」が実施しました。今回の調査では、AIは業務効率化に寄与する一方で、「出力の手直し」や「内容確認」といった工程が新たに発生し、現場では必ずしも負荷が減っていない実態が明らかになりました。このような課題は、単にAIツールを導入するだけでは解決できず、「どこまでをAIに任せ、どこからを人が担うのか」という業務設計が重要になります。
こうした課題に対し、HELP YOUは、AI×人の次世代型BPOサービスの「HELP YOU+Tech」のサービスを開始しました。優秀な人材とテクノロジーを組み合わせ、業務をより正確かつスピーディに進める支援を行っています。AIの活用において発生する「手直し」や「確認」「調整」といった業務も含めてサポートすることで、単なる効率化にとどまらず、業務全体の最適化を実現します。
「AIに任せきるのは不安」「ツールは導入したが現場が楽になっていない」「何から改善すべきかわからない」といった課題をお持ちの企業様に対し、実務に即した形での業務改善をご提案しています。
▶ HELP YOU+Tech 公式サイト:https://help-you.me/tech/

調査データの引用・転載について
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