テレワークに関する助成金とは?テレワーク導入のステップや事例も紹介

昨今の新型コロナウイルス感染拡大という状況を受け、テレワーク導入に役立つ助成金が新たに設けられたのをご存知でしょうか。テレワークを導入するなら今がチャンスと言っていいでしょう。
今回の記事では、テレワークのメリットや課題を解説するとともに、テレワークの参考になるHELP YOUのアウトソーシング事例もご紹介します。
目次
テレワーク導入に役立つ助成金とは?
テレワークの導入にあたりコスト面に不安を抱いている方も多いと思いますが、テレワーク導入に役立つ助成金制度があることをご存知でしょうか?
一定の条件を満たす中小企業事業主に対する支援についてご紹介します。
概要
新型コロナウイルス感染症対策として新たにテレワークを導入、または特別休暇の規定を整備した中小企業事業主を支援する取り組みが時限的に設けられることになりました。
これは厚生労働省が取り組む「働き方改革推進支援助成金」の一部であり、すでに今年度は申請受付を終了していましたが、昨今の状況から特例コースとして新設されることが3月3日に公表されました。
テレワーク助成金の対象となる中小企業事業主
対象となる中小企業事業主は次の通りです。
- 新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主(※試行的に導入している事業主も対象)
- 労働者災害補償保険の適用中小企業事業主
テレワーク助成金の対象となる取組
- テレワーク用通信機器(※)の導入・運用
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング 等
※パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象となりません
テレワーク助成金の主な条件
事業実施期間中に
- 助成対象の取組を行うこと
- テレワークを実施した労働者が1人以上いること
テレワーク助成金の対象となる実施期間
令和2年2月17日~5月31日
テレワーク助成金の支給額
補助率:1/2(1企業当たりの上限額:100万円)
テレワーク助成金の申請期限
交付申請:令和2年5月29日(金)
支給申請:令和2年7月15日(水)
テレワーク導入のメリットとは?
では、テレワークを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しくご説明していきます。
テレワーク導入のメリット1:働き手が増える
テレワークを導入することで時間や場所、状況にとらわれない働き方が可能になります。
オフィスワークのような業務形態では採用が難しかった地方や海外在住の人材も確保できるようになります。他にも、育児や介護などのため通勤やフルタイムでの勤務が難しかった人も、無理なく継続して雇用することができます。
つまり、テレワークは働き手の増加や離職率の低下につながる側面を持っているということです。
テレワーク導入のメリット2:業務フローの可視化と効率化
テレワークを導入する過程で必要となるのが業務プロセスの整理です。
自社業務を洗い出し可視化できる状態にすることで、業務フローの見直しと効率的な運用を考える機会になります。また、コア業務・ノンコア業務の区別もできるようになり、より業務効率化を進めることができるでしょう。
テレワーク導入のメリット3:社員の生産性向上
テレワークによって通勤時間が短縮されることで社員は自由に使える時間が増えます。プライベートの時間を確保しやすくなるため、理想のワーク・ライフ・バランスを実現しやすくなるはずです。
他にも、オフィスワークで発生していた電話対応や来客対応などがなくなるため、業務が中断されにくい環境となり、より集中して業務に取り組むことが可能になります。
このように、テレワークの導入は社員の労働生産性の向上が期待できると言えるでしょう。
テレワーク導入のメリット4:情報共有に対する意識向上
テレワークでは、ネットワーク上での社員同士の情報共有が非常に重要です。遠隔で作業するので、業務を進めるためには自分や相手の状況を誤解なく伝え合うことが何よりも大事です。
今まで以上にコミュニケーションの回数が増え、簡潔にわかりやすく情報を伝達しようとすることで、情報共有への意識が高まるでしょう。
テレワーク導入のメリット5:経営判断に必要な情報の可視化
テレワークの推進により、日々の業務や売り上げ等の数字が可視化されます。これによって課題や目標が明確になり、企業戦略の策定や経営判断もスムーズになることが期待できます。
また、可視化されることで社員が意識を共有しやすくなるというメリットもあります。
テレワーク導入における企業の課題
テレワークには良い点だけでなく課題もあります。特にテレワークを初めて導入する方が直面するであろう課題と対策を4つ挙げていきます。
テレワーク導入の課題1:ネット環境・セキュリティ
テレワークを行う上で必要となるのが、ネット環境の整備やセキュリティチェックです。オフィス外で作業するときは、情報漏洩や端末のウイルス感染に十分注意しなければなりません。
社外のネットワークを利用したりカフェやコワーキングスペースで作業したりする場合には、ウイルスチェックツールを随時更新しながら使うなど、しっかりとセキュリティ対策を行いましょう。その他、以下のような対策もあります。
- ファイルにパスワードをかける
- 席を立つ際は画面ロックを行う
- PC画面に覗き見防止シールをつける
上記に挙げた以外にも、ルール策定や教育による「人的対策」、ウイルス検知システムなどを使った「技術的対策」、入退管理などの「物理的対策」、この3つのバランスがとれた対策を行うことが大事です。
テレワーク導入の課題2:業務フロー
テレワークの導入を検討するときに、つまづきやすいステップが業務フローの整理です。
- 紙対応の業務が残っている
- Excel管理をしている
- オンプレミス型のツールを使っている
※オンプレミス…自社内で情報システムを構築・運用すること
などの理由から、テレワーク化できないと悩む方は多いのではないでしょうか。
紙書類での対応やExcel管理には限界があるため、テレワークを推進する上ではペーパーレス化し、クラウド型のツールを導入することがおすすめです。
しかし、セキュリティ上の問題などから社外にデータを持ち出すことができず、オンプレミス型のツールを使っているという企業もあるでしょう。
そのような企業がテレワークを行う場合は、外部PCから社内PCにアクセスして操作できるリモートデスクトップ(リモートアクセス機能)を取り入れることで一時的にはカバーできます。
テレワーク導入の課題3:マネジメント
社員が離れたところで作業をするため、正確な勤務時間の把握や業務への評価が難しいという問題があります。
それぞれのペースで仕事ができるのはテレワークのいいところでもありますが、オンオフの切り替えがうまくできず、ついつい仕事をやりすぎてしまう(=残業する)という方もいます。つまり生産性が低い状態に陥る可能性があるということです。
このような事態を回避し、テレワークで仕事を行う社員の労働時間を正確に把握するためにも勤怠管理システムを導入することが必要です。
またマネジメントを行う方は、社員が取り組む業務の難易度や業務にかかる時間をきちんと把握しておきましょう。予定の共有や進捗確認を適宜行い、業務への成果を適切に評価できる体制を整えることも大切です。
テレワーク導入の課題4:コミュニケーション
テレワークでもっとも懸念されることは、コミュニケーションの減少ではないでしょうか。
テレワークの導入によって社員が直接会う頻度は少なくなります。相談や情報共有の機会が減ることで、チーム全体の生産性やモチベーションが低くなることも考えられます。
そのような場合は、仕事の共有管理ツールやWeb会議システムの導入を行いましょう。直接顔を合わせることが難しくても、積極的にコミュニケーションが取れる環境を整えることが重要です。離れていてもだんだんと円滑に仕事が進められるようになるでしょう。
テレワーク導入のステップ
では、実際にテレワークを導入するときにはどのような手順で進めていけばよいのかを説明していきます。
テレワーク導入のステップ1.環境整備
まずはテレワークを行う環境を整えるために、以下のようなことを決めます。
- 基盤のICT環境
- 勤怠管理システム
- コミュニケーションツール
作業環境を検討する際には、自社の業務内容や導入予定のテレワーク体制に合わせて最適なシステム方式を選ぶようにしましょう。主に以下の4つが挙げられます。
- リモートデスクトップ方式
- 仮想デスクトップ方式
- クラウド型アプリ方式
- 会社のPC持ち帰り方式
現在利用しているIT資産を生かすこともできるので、どのような形式であれば自社内での利用が可能かを確認しましょう。
次に、テレワーク時の労務管理については以下のようなツールがあります。こちらも自社のやり方に合うものを選定しましょう。
- 勤怠管理システム
- 在席確認ツール
- 業務管理ツール
最後に、コミュニケーションツールの選定です。ビジネスチャットや社内SNSなどがよく使われている印象がありますが、ツールとして挙げられるのは以下の4つです。
- Eメール
- チャット
- 会議システム
- 情報共有ツール(オンラインストレージサービス)
社内でのコミュニケーションの頻度や程度に合わせて最適なツールを選びましょう。
テレワーク導入のステップ2.制度設計
テレワークを導入するための推進体制をつくりましょう。
その際にまず重要なのが目的を明確にすることです。「テレワーク導入により得たい効果は何なのか」をはっきりさせましょう。
また、人事・労務面でのルール決めやセキュリティ・権限に関する取りまとめなどの設計も必要です。
まずはテレワークの対象となる人や部署・頻度などの実施範囲を決め、労務管理(勤務時間・就業規則・評価制度など)の見直しを行いましょう。さらに効果を高めるためには導入研修や教育を行い、対象者とその周囲にテレワークへの理解を促すことも重要です。
テレワーク導入のステップ3.業務整理
テレワークを行う目的や社内制度などが整ったら、次は業務整理です。
業務全体を見直し、テレワーク可能な業務と不可能な業務の区分けを行います。このとき、必要に応じて業務プロセスや業務フローの見直しにも取り組みましょう。
以下は業務整理で確認すべき主な項目です。
- ICT環境の活用度合い
電子化の有無、社内システム利用の有無など - 該当業務の担当者の範囲
担当者の人数、上司による管理や指示の程度、他の社員との協働の程度など - コミュニケーションの頻度
自部署・チーム内、他部署・他部門、社外関係者、顧客など - 業務プロセスや業務フロー
手続き、システムなど
テレワークの参考になるアウトソーシング導入事例
それでは、実際にどのような業務がテレワーク化可能なのかを、HELP YOUにおけるアウトソーシング事例を参考に解説していきます。
HELP YOUではオンライン上で業務のサポートや代行を行なっています。社員がテレワークで作業するイメージがつかない、という方はぜひ以下の事例をヒントにしていただければと思います。
事例1.経理・財務代行
インターネット企画運営企業さまの事例をご紹介します。
HELP YOUにご依頼いただいたのは、外部委託しているライターさんの給与計算業務の代行です。ただでさえ忙しい月末月初、手間と時間のかかる経理業務にお悩み方も多いと思います。
HELP YOUでは、まず外部ライターさんのタイムカード情報をクライアント様から受領し、給与計算から請求書作成、振込作業までを一括で代行しました。
クライアント様は給与計算にかかっていた時間を省くことができたほか、他業務に回せる時間が増えたことで業務効率化を実現できたそうです。
テレワーク化のヒント
紙書類での対応が多くテレワーク化しにくいと考えられている経理・財務業務ですが、給与計算や請求処理といった作業自体は本来どこにいても対応が可能です。
このようにデータをクラウド上でやり取りしたり、オンライン会計システムなどを利用したりすることで、テレワーク化することができます。
参考:月末月初は締め作業で毎月大忙し!給与計算代行はオンラインアウトソーシングへお任せ
事例2.営業事務代行
SNSのコンサルティング提案を行う企業さまの事例をご紹介します。
HELP YOUにご依頼いただいたのは、他社のSNS活用事例に関するリサーチ業務の代行です。事例の調査や資料作成には時間がかかるため、負担の大きいリサーチ業務にお困りの方もいるのではないでしょうか。
HELP YOUでは、リサーチしたいSNSアカウントのジャンル・競合他社の条件、リサーチする投稿事例の期間などを伺い、リサーチ結果をスプレッドシートにまとめてクライアント様に提出しました。
クライアント様は外注したことで質の高いリサーチデータを得ることができ、新たな施策を考える参考としても活用できたそうです。
テレワーク化のヒント
営業で必要な資料作成やリサーチ業務といった時間を取られる作業にお困りの方は、このように外注することで負担を軽減することができます。
また、対面でなくオンライン上でもこのような手順を踏むことで必要な資料を作ったりデータを集めたりすることは可能であり、むしろテレワーク化しやすい業務の一つと言っていいでしょう。
オフィスワークからテレワークに切り替えることでより集中して作業に取り組めるため、効率的に仕事を進めたいという方はぜひ参考にしてください。
参考:3時間の工数が15分に激減!リサーチ代行で営業の効率が大幅アップ
事例3.採用・人事代行
リフォーム会社様の事例をご紹介します。
HELP YOUにご依頼いただいたのは採用に関する事務作業の代行です。採用活動では、求人募集の作成やスカウトメールの送信など多くの作業が発生するため、手に負えないと感じている方も多いのではないでしょうか。
HELP YOUでは、求人情報を掲載する求人サイトのリサーチ、募集要項などのコンテンツ作成、メール対応、面接日時の調整などを行いました。
クライアント様側での作業は実際の選考と確認のみとなり、煩雑な事務作業が減ったことでコア業務に専念できる時間が増えたそうです。
テレワーク化のヒント
テレワーク化に伴ってオンライン上での採用活動も増えている中、どのように進めていいのかわからないという方も多いと思います。まずは求人サイトやオンライン上の採用管理システムを活用することで、テレワークの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
他にも採用活動に関するノウハウがわからないという方は、ぜひHELP YOUにご相談ください。
参考:一次選考から面談調整までお任せ!求人対応の代行で、採用活動の効率アップ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
テレワークに関する制度やメリット・課題、導入手順やオンラインでのアウトソーシング事例などをご紹介しました。
「テレワークを導入すべきと感じてはいるが、何から手を付ければいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。フルリモートで事業運営しているHELP YOUがノウハウをお伝えします。
HELP YOUのテレワーク研修
テレワークの課題を解決します!
急速にテレワークが広がり、ニューノーマルな働き方として定着しています。
それゆえ新しい課題も浮き彫りになりつつあります。
「ツールの使い分けができない…」
「コミュニケーションがうまくとれない…」
「オンラインでのマネジメントが苦手…」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
HELP YOUでは、テレワークの悩みを解決するオンラインでの「テレワーク研修」を実施しています。
研修では、すぐに実践可能なテレワーク術を学ぶことができます。
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相談は無料です。まずは導入事例から聞いてみませんか。