テレワーク導入のメリットとは!課題と対策、導入のヒント

テレワークの導入が急速な広がりを見せてから早くも数年が経ちました。
しかし、全国的なテレワーク普及率はまだまだ低く、実施に至っていない企業も多く存在します。また、派遣社員などの非正規雇用がリモートワークできないといった問題も浮き彫りになっています。
この記事では、テレワーク導入のメリットや現状課題と対応策についてお伝えします。
また、令和3年度「テレワーク先駆者百選総務大臣賞」を受賞した株式会社ニットが運営するオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」の導入事例もご紹介。
記事を読めば、リモートワーク化して事業をさらに発展させるためのヒントが見つかるでしょう。
テレワーク導入の現状
まずは現在のテレワーク実施率や企業での働き方の実態がどうなっているのかを見ていきましょう。
日本のテレワーク導入率
参考:内閣府「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」(令和3年11月1日)より作成
2021年11月に行われた内閣府の調査によると、全国のテレワーク実施率は32.2%(2021年9~10月時点)。新型コロナウイルス流行直前の2019年12月の10.3%に比べると、約3倍になっていることが分かります。
しかし、地域別に見てみると、東京都では55.2%がテレワークを実施しているのに対し、地方圏では約半数の23.5%という結果になっています。
派遣社員はテレワーク対象外?
また、派遣社員などの非正規雇用がテレワークできないという問題も浮き彫りになっています。
これには企業(派遣先)と派遣会社における契約が関係しています。従来の契約では、定めのない場所(例:派遣労働者が自宅等)で仕事をする場合、労働者派遣法に基づいて契約内容の変更が必要となります。
ただし、社会情勢の変化など緊急の場合に限っては書面による事前の契約変更を必要としないと厚生労働省も発表しており、派遣社員への積極的なテレワーク活用を推奨しています。
まずは企業と派遣会社の間でしっかりと話し合い、合意を得た上で派遣社員へのテレワーク導入を進めていくことが大切です。
参考:新型コロナウイルス感染症に伴う労働者派遣に関するQ&A |厚生労働省
テレワーク導入のメリット
テレワークという働き方にはどんなメリットがあるのかをご紹介します。
テレワーク導入メリット1:働き方の柔軟性が高まる
テレワークの特徴は、場所や時間を問わずに働けるということです。オフィス勤務がメインだったときには働くことが難しかった人材も、働き方の柔軟性が高まったことで働くことが可能になりました。
オフィスから離れた場所で生活していたり、育児や介護など日常的に誰かをサポートする状況にあったりと、働く人の数だけさまざまなライフスタイルがあります。
多様化したライフスタイルに合わせて柔軟な働き方を選択できることが、テレワーク導入のメリットと言えるでしょう。
テレワーク導入メリット2:業務フローの可視化が進む
テレワークを導入するために業務をオンライ化するにあたっては、業務フローの整理や見直し、標準化が必要になります。これまで属人化していた作業や複雑化していたフローが可視化・精査されることで、効率的な運用を考える機会につながるでしょう。
また、業務を整理する中でコア業務とノンコア業務の区別もでき、ノンコア業務はアウトソーシングや派遣社員に回す、正社員はコア業務に集中するといった振り分けが可能となります。これによって、より一層の業務効率化と生産性向上が期待できます。
テレワーク導入メリット3:経費削減につながる
業務フローが精査されることで無駄が見つかりやすくなり、コスト削減につながる可能性があります。
例えば、今までは紙で管理していた業務もテレワーク化に伴いオンライン上で対応することで、印刷に関わる経費などが削減可能になります。ほかに交通費やオフィスの維持費、教育費なども削減できます。
テレワーク導入の課題と対策
テレワークの導入が難しいと多くの方が悩む問題点であるデメリットと、その対策について紹介します。
テレワーク導入の課題1:制度が整備されていない
テレワークはオフィス勤務と違って業務プロセスが見えにくいため、従来の就業規則や評価制度などをあらためて見直さなければいけません。
作業の過程が見えづらいことから成果主義になりやすく、個々の頑張りや意欲などが評価しにくい・されにくいのでは?という不安もあります。
また、何から制度を整えていけばいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
■対策
評価制度については、期間ごとに目標を定めてその達成度から評価を行うなど、日々の業務の成果だけでなく意欲や向上心も評価できるような仕組みを作るといいでしょう。
また、業務ごとにかかる時間や難易度をきちんと把握し、予定の共有や進捗確認をこまめに行うことで、成果を適切に評価できる体制づくりをすることも大切です。
テレワーク導入の課題2:紙文化、ハンコ文化が残っている
テレワーク化が難しいと感じる理由の一つとして挙げられるのが、業務フローの整理ができていないことです。
特に紙の書類や押印が必要な業務や、Excel管理をしている業務があるといった事情により、リモートワークへの切り替えが困難だと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
■対策
紙文化やハンコ文化が残っている業務は、この機会にクラウドサービスやツールを使ってオンラインへの載せ替えを行ってみてはいかがでしょうか。
リモートワークで作業するのは難しいと思っている業務の中にも、クラウドサービスやツールを導入することで意外と簡単にオンライン化できるものがあるはずです。
用途ごとのサービスは、以下のようなものがあります。
- タスク管理:勤怠管理システム、在籍確認ツール、業務管理ツール(ジョブカン、SmartHRなど)
- 経理:オンライン会計システム(マネーフォワード、クラウド会計ソフト freeeなど)
- 人事:採用管理システム(ジョブスイート キャリア、i-web)、Web会議システム(zoom、Google Meetなど)
- ファイル管理:オンラインストレージ(Dropbox、Googleドライブなど)
- 電子契約:オンライン契約システム(クラウドサイン、GMO電子印鑑Agreeなど)
このほかにも現在はさまざまなオンラインサービスがあります。ぜひ自社に合うものを見つけて導入してみてください。
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テレワーク導入の課題3:コミュニケーション減少への懸念
リモートワークにより顔を合わせる機会が減ることで、日々のコミュニケーション量や共有の機会も減る可能性があります。
それによってチームのモチベーションが下がる、業務においてもすれ違いが起こるのではないかと懸念している方も多いはず。これはリモートワークの大きなデメリットでもあります。
■対策
仕事の共有管理ツールやWeb会議ツールの導入を行いましょう。お互い離れたところで作業をするからこそ、自分の状況をきちんと伝える・相手の状況を適切に汲み取る工夫をすることが重要です。
報・連・相をこまめに行うのはもちろん、質問がある時は自分が今どういう状況にあるのかを明らかにした上で話すとスムーズに進みます。そして、相手の状況も慮りながら思いやりを持ってやりとりすることを心がけましょう。
これらを意識しながらチャット上でコミュニケーションを取ることも大事ですが、ビデオミーティングでお互いの表情や声が確認できる状況を作ることも非常に大切です。
なるべく声や表情を通じたコミュニケーションを心がけることで、オフラインと同じような状況を作るといいでしょう。
また業務上の連絡だけでなく、ちょっとした雑談ができる時間や場所を設けるのも、従業員同士のコミュニケーション増加やモチベーション維持につながります。
スタッフ全員がテレワークで働くHELP YOUでも、チャット上で気軽に雑談や相談ができるグループを作ったり、ビデオチャットで「オンライン飲み会」のようなイベントを開催したりして、離れた場所で働くスタッフ同士のコミュニケーションを図っています。
テレワーク導入の課題4:セキュリティ対策
リモートワークによりそれぞれ好きな場所で働くことが可能になる一方で、ネット環境などセキュリティ面への意識も高めなければなりません。情報漏洩や端末へのウイルス感染に細心の注意を払う必要があります。
■対策
セキュリティソフトの導入、社外におけるデータ取り扱いへの注意点を取りまとめて共有するなど、技術的・物理的な対策を行いましょう。
さらにセキュリティ研修や教育を行い、従業員のリテラシーを高めるなど人的対策も並行して行うことが大切です。
テレワーク導入のヒントになる事例
HELP YOUではスタッフ全員がリモートワークで働き、日々さまざまなお客様のサポートを行っています。今回はHELP YOUの導入事例を基に、リモートワークを行う際のヒントについてご紹介したいと思います。
事例1:鳥生工務店さま(不動産業)
業種:不動産業
業務内容:住宅の新築やリフォーム、それに伴う不動産・土地分譲の売買の仲介
HELP YOUにご依頼いただいたのは、オンライン上での発注業務代行、リサーチ業務とパワーポイントでの資料作成、補助金関係の書類作成などです。
■ポイント
「地方かつアナログ感覚の強い建設業界では、まだまだIT感覚にズレがある」と話す鳥生工務店様。同じように「うちの仕事はオンラインじゃできない」とテレワーク導入に二の足を踏んでいる企業も多いかと思います。
しかし、鳥生工務店様ではITに対する柔軟な考えを持つことで、オンラインアウトソーシング導入による業務効率化やコア業務の強化を実現しました。
一見テレワーク化が難しいと感じる業種や職種でも、ツールやサービスを駆使することで業務をオンラインに載せ替えられる可能性は大いにあります。
また、オンラインで仕事を行う上では業務を整理・データ化する必要があるため、これを面倒に感じて「直接話したほうが早い」と思っている方もいるかもしれません。
実際に、鳥生工務店様の中でもオンラインで仕事を依頼することに抵抗感がある方もいたようですが、ビデオミーティングでこまめにやり取りを行うことで齟齬のない意思疎通が可能となったとお話いただきました。
事例2:株式会社シンカさま(人事コンサルティング事業)
業種:人事コンサルティング事業
業務内容:採用コンサルティング事業、人材紹介事業(人事制度の見直し、若手の教育体系の構築、働き方改革など)
HELP YOUにご依頼いただいたのは人材紹介業務のサポートです。社内のマンパワー不足をきっかけとして、大量のスカウトを行いたい場合などにご利用いただいています。
■ポイント
HELP YOUへの依頼を通じ、シンカ様はテレワークについて「リモートで正しく伝えるために、業務をきちんと体系化・整理できる」というメリットがあると感じられたようです。同時に業務体系や範囲も明確となり、業務フローを最適化することができました。
確かに口頭だと「あれやっといて」と指示が曖昧になりがちですが、オンライン上ではそうはいきません。きちんと言語化して文字に残すことで明確な定義づけができるため、認識の食い違いや「言った・言わない」といった行き違いが減る可能性があります。
テレワーク導入で今まで曖昧だった作業やフローが可視化・標準化され、業務の整理や効率化が進むという意外なメリットもあるのです。
事例3:株式会社ビー・ファクトリーさま(音楽教室の運営)
業種:音楽教室の運営
業務内容:ボーカルコース、ボイスコース、ギターコース、ピアノコースなどのサービスをプロを目指す方から初心者まで幅広く展開
HELP YOUにご依頼いただいたのは、Excelなどを使ったデータ作成のサポート、月末のデータ更新作業などです。
■ポイント
ビー・ファクトリー様ではこれまでデータ処理作業に計算機を使っていましたが、HELP YOUではこれにExcel関数を組んでスピーディーかつ簡便に処理できるようサポートを行いました。
これによっていろいろな業務が効率的に進められるようになり、「割くべきところに時間を割くことができるようになった」というお言葉をいただきました。
これまでアナログで処理していた作業も、ツールやサービスを活用することで簡単にオンラインへの載せ替えが可能です。
また、リモートワークで懸念されがちなコミュニケーションについても「いつもビデオチャットでミーティングをしているため、遠隔での仕事に不便さを感じたことはありません」とのこと。
テキストでのやり取りに不安がある場合は、やはりオンライン会議システムの導入がおすすめです。顔を見ながら会話することで、対面と遜色ないコミュニケーションが可能となります。
テレワーク導入のご相談は「HELP YOU」へ
「HELP YOU」は、企業のあらゆる業務をサポートする、オンラインアウトソーシングサービスです。
サポートできる業務は総務、経理、人事採用など多岐に渡ります。厳しい採用プロセスを通過した優秀なメンバーがチーム制で対応します。
サービス立ち上げ時からメンバー全員がフルリモートで働いているHELP YOUは、リモートワーク下で生産性を高めるノウハウを蓄積。
また、HELP YOUを運営する株式会社ニットは「総務省テレワーク先駆者百選」も受賞しており、在宅勤務に関する豊富な知見を持っています。
「テレワーク研修」セミナーを行うなど、テレワーク導入を検討する企業を積極的に支援しています。
テレワークの生産性を高める業務アウトソーシング、ならびにテレワーク導入サポートは、ぜひHELP YOUにご相談ください。
まとめ
もはやテレワーク導入は企業にとって当たり前の存在になりつつある昨今。
必要性を感じながら、会社に関わるさまざまな事情から実行に移すのが難しいと感じている方も、この記事を通してテレワーク導入のメリットを知り、テレワーク導入のヒントを見つけていただけたら幸いです。
まずは、業務の整理とデータ化から。効率的かつ安全に働ける環境づくりのために、今一度リモートワークに向けた体制づくりをしてみてください。
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それゆえ新しい課題も浮き彫りになりつつあります。
「ツールの使い分けができない…」
「コミュニケーションがうまくとれない…」
「オンラインでのマネジメントが苦手…」
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HELP YOUでは、テレワークの悩みを解決するオンラインでの「テレワーク研修」を実施しています。
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