【節税】効果的な法人税金対策のポイントから、ダメな対策も一挙にご紹介

決算の時期が近づいてくると、会社を経営されている方は今年の節税どうしようと考え出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?
会社が成長して、売上が上がってくると「利益」がでてきますが、そこで気になるのが法人税をどう抑えるかということではないでしょうか。
うまく節税できればその分を内部留保として残したり、将来のための投資に回すことができます。
比較的簡単にできる節税方法でも、数百万円程度は節税可能ですが、間違った税金対策をしてしまうと、結果的に損をしてしまうこともあるので注意が必要です。
今回は、法人税対策のポイントから、やってはいけない法人税対策について解説いたします。
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法人が考慮すべき税金の種類
まずはじめに、法人が意識するべき税金の種類についてご紹介していきます。
法人の税金の種類としては、以下の7種類があります。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 地方法人特別税
- 消費税
- 固定資産税
- 所得税
主要な法人税関連の節税
上記で紹介した、1.〜4.までの税金は、法人税に関わるもので、多くの企業が支払う義務があるため、本記事ではこの主要な4つについてご紹介していきます。
その他の節税
5.の消費税は売上に対して発生するものであり、6.7.については発生しない企業も多いため、今回は主要な1.~4.の法人税関連の節税について解説いたします。
法人の税金対策で意識すべきこと
では次に、法人の税金対策で意識すべきことを見ていきましょう。
利益を圧縮して支払い可能な法人税になるように、
「経費の見直しで利益を圧縮する」
「人事材確保で長期的な節税対策をする」
「リスクの少ない節税を行う」
などの方法が挙げられます。
経費の見直し
まず最も一般的な法人の税金対策としては経費の見直しが挙げられます。
利益は、売上ー経費の計算式によって算出されるため、経費を増やせばそれだけ、利益は減り税金の額は小さくなります。
まずは、実際に支出しているのに経費に計上されていない支出を探すことからはじめましょう。
個人契約の携帯代や、通勤にかかる交通費、社長の自宅家賃など、会社の業務として使っている按分経費、光熱費などです。
また、個人のクレジットカードで支払っている経費においても、個人名義のクレジット明細から経費になるものを探していきます。
車の減価償却や個人名義の車両の経費などであっても、個人と会社との間で賃貸借契約を作成し取り決めた按分率で経費を計算することが可能です。
将来的にも税金負担を軽減する
社員の給与を引き上げたり、社員の人数を増加させることで、法人は節税のメリットを受けることが可能になります。
これは、所得拡大促進税制と雇用促進税制といわれるもので、いずれかを選択して利用します。
所得拡大税制は、給与を一定金額引き上げた場合において、引き上げた金額の10%を法人税額から減額することができる制度です。
一方、雇用促進税制は従業員数を一定数以上増加させた場合に、増加した人数×40万円を法人税額から減額できる制度です。
適用を受けるには、予めハローワークに相談して申請をする必要があります。
人材を確保することができれば、将来の会社の競争力を高めることにつながるので、人材に投資するのも良いのではないでしょうか。
会社経営のリスクを最小限に抑える保険の活用
会社経営には倒産等のリスクがありますが、こうしたリスクを分散する方法として、保険の活用があります。
今回は「小規模企業共済」と「中小企業倒産防止共済制度」についてご説明します。
小規模企業共済
「小規模企業共済」は、「社長自身の退職金の積み立て」が可能な保険です。
まず毎月一定の掛け金を国が運営する「中小企業基盤整備機構」に対して支払いします。
支払った掛け金は個人の税金を計算するときに所得から控除が可能です。
掛け金は月額1000円〜7万円まで選択できるため、年間最大84万円までが控除可能で、一般の生命保険が最大4万円しか控除できないのと比べると、非常に有利な節税が可能です。
そして将来自分が社長を退職する際には「払った金額+α」が返って来るもので、この返って来た金額は「退職金」として課税されるので税金は所得税と比較しても安くなるという利点があります。
中小企業倒産防止共済制度
「中小企業倒産防止共済制度」は、得意先の倒産による連鎖倒産のリスク回避と節税を同時に行うことができる制度です。
この制度は毎月一定の掛け金を払っていれば、得意先が万一倒産となったときに支払った金額の10倍までのお金を借りることができます。
この掛け金は全額が経費に計上できるため節税になるのですが、12ヶ月以上払っていれば解約しても支払った掛け金の80%が、40か月以上払っていれば支払った掛け金の全額が返ってきます。
掛け金は総額で800万円まで積み立てられ、節税をしながらも倒産のリスクを抑えることができる節税対策になっています。
効果的な法人の税金対策
このように税金対策としては、様々な方法が存在していますが、その中でも特に効果の高い節税対策について解説します。
役員報酬の見直し
役員報酬は会社の規模がそれほど大きくない場合、最も大きな効果がある税金対策の一つです。
例えば、次の2 つの例を比べてみましょう。
①役員報酬が月額30 万円=年間360 万円で、
会社に1,000 万円の利益が残っている場合
②役員報酬が月額100 万円=年間1,200 万円で、
会社には160 万円の利益が残っている場合
①の場合、法人税等が約292万円、個人の所得税と住民税の負担合計が約12万円で、合計304 万円が、概算納税額になります。
②の場合、法人税等が約45 万円、個人の所得税と住民税の負担合計が約206万円で、合計251万円が概算納税額になります。
①と②では、合計で約53万円も納税額が違ってきます。したがって、役員報酬の額を適切に設定することは、大きな節税になるのです。
旅費規程の設定
出張の多い会社、例えば営業で地方に行くことの多い会社などは「出張日当」を支給することでかなりの節税が可能になります。
出張日当を経費にするためには、まず「旅費規程」を作成する必要があります。旅費規程の中で、役員や従業員が出張に行った場合に、日当を支給する旨の規定を設けることで、その出張日当を経費にすることができるようになります。
旅費規程による節税効果としては、個人の所得扱いにはならず、税金がかからないという利点が挙げられます。この日当は使用用途が制限されないため、個人的な飲食などに使っても良いのです。
また、この日当は消費税の課税対象にもなり、消費税を抑えることが可能になります。給料や役員報酬は、所得税の課税対象とならないため、消費税の抑制効果はありませんが、日当ですとその分は消費税の納付額から減らすことができます。
飲食費を交際費・会議費として計上
交際費と会議費は、共に社外や社内の人員と飲食店などで打ち合わせをした場合などに計上できる経費です。
交際費は、年額800万円を上限としていますが、会議費には上限がありません。
交際費と会議費の形状方法の違いは、1人当たりの飲食費の金額を5,000 円以内に抑えるかどうかという点です。
例えばお客さんと食事に行って3 人で13,000 円だったら会議費計上可能ですが、15001円以上なら交際費として処理する必要があります。
ちなみに、交際費や会議費は領収書にどこの誰といったのかを記載する必要があるので注意しましょう。
やってはいけない法人の税金対策
やってはいけない法人税の節税対策としては、必要のない物品を大量に購入したり、個人的な交際費を計上したり、必要のない高額な設備の購入、継続が困難な保険契約などです。
こうしたことを行うと、仮に税金の額は減っても、会社に残る現金は税金を払う場合よりも減る可能性もあり、会社の財務諸表の健全性を損なってしまいます。
税金を払うのが嫌だから経費を使う
税金を払うのが嫌なために、架空の経費計上はもちろんのこと、経費として認められる可能性が低いものを計上すると、後で追徴課税のリスクが高くなってしまいます。
また、親族への給与支払いも、実際に何か仕事をしてもらわないと名目上だけでは問題になってしまいますので、注意しましょう。
不透明な利益移転
また、代表者が複数の会社を持っている場合に、不自然な受発注をして利益を移転することれは問題となるケースがあります。
同じ会社間の場合ですと、価格に合理性がないと見なされることがあるため、もし利益移転を行う場合は、他社からも見積もりをとったり、成果物の証拠を残すなどの対応が必要です。
法人税金対策にアウトソーシングが有効な理由
このように法人の税金対策は、様々な方法がある上に、事前に申請などが必要な制度も多いため、こうした情報を社内だけで随時入手して行くことは困難です。
したがって、税務申告だけではなく、日常の経理業務も含めたアウトソーシングを検討するとうのも選択肢の一つであると言えます。他にもアウトソーシングのメリットとしては、次のようなものがあります。
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日常的にアドバイスを得られる
アウトソーシング会社と提携しておくと、日常的にアドバイスが得られることが大きなメリットです。
税金対策を正しく行うためには、経営者とアウトソース先の税理士とが密接な関係を作ることが重要になります。
なぜなら、経営者の今後の経営戦略や日々の業務形態などを念頭に置かなければ、最適な節税対策を提案することが難しいからです。
たとえば、今後大きな投資のために銀行からの融資を検討している場合には、節税対策をやりすぎて赤字決算にしてはいけません。また、車を買い替える場合も、減価償却が来年まであるので今年ではなく、来年にするということも必要な情報となるでしょう。
こうしたアドバイスを日常から受けられるのは外部の専門家を活用する利点です。
税制や法改正などの最新情報を入手することができる
アウトソーシング会社は、常に最新情報を仕入れて業務に反映させてくれますので、節税に使える制度は、定期的に新しくアップロードされていきます。
こうした最新情報を常にキャッチアップするためにも、アウトソーシング先の専門家と連携する必要があります。
また、事前に申請が必要な制度も多いため、こうしたことを抜けがなくやるためにも、手続きの実務経験の豊富なアウトソーシング先に依頼するのが良いでしょう。
まとめ
法人の税金対策では、様々な方法で利益を圧縮して節税をすることができる分、何を優先的にするべきかの見極めが重要です。
方法を間違えると、税金を圧縮するために無駄な経費をつかってしまった結果、会社に残るお金が結果的に減ってしまったり、追徴課税がされたりといったリスクも出てしまいます。
こうした点を踏まえて、正しい税金対策を心がけてくださいね。
どうしても自分には難しい、時間がないと悩んでいる方は、代行業者に依頼するのも1つの手段です。他の業務に集中しより良い成果を出すためにも、法人の税金対策を代行業者を活用してみてください!
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