ペーパーレス化が働き方改革に与える効果とは?メリットや進め方を解説

「働き方改革」における課題解決策の一つとして注目されているペーパーレス化。
会社の業務効率化が課題で、導入を考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし具体的な導入方法や必要なツール選定に時間がかかっている方もいるはずです。
今回の記事では、働き方改革との関連性、ペーパーレス化の課題や現状を解説していきます。ペーパーレス化のメリットやデメリット、進め方もまとめました。
ペーパーレス化の導入をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
ペーパーレス化と働き方改革
ペーパーレス化が推進される背景について解説していきます。
ペーパーレス化が求められる背景
2019年4月に「働き方改革」が施行されました。
働き方改革が目指すのは、多様な働き方を選択できる社会の実現です。
ペーパーレス化を導入することで、紙に依存しない業務プロセスへの切り替えが可能になります。
場所や時間を問わず必要な処理を実行でき、より効率的に業務を進められるので、働き方改革の課題の一つである「長時間労働の是正」につながります。
また、働き方の幅を広げる意味でも高い効果が得られるでしょう。
このような背景から、ペーパーレス化を取り入れる動きは大きくなっています。
ペーパーレス化の現状と課題
ペーパーロジック株式会社は、2020年5月に行政・自治体に対して「新型コロナウイルス環境下での業務量・書類電子化」に関するアンケート調査を行いました。
「あなたが業務で扱う、申請書類をはじめとした書類はどの程度電子化されていますか?」(n=111)という質問では、「全て電子化」が0.9%、「ほとんど電子化されており、一部書類」が11.7%という結果になりました。
この結果によると、全体の1割程度しか書類の電子化が浸透していないことがわかります。
さらに「緊急事態宣言が行われた以降でも、書類対応のために出社しましたか?」(n=10)という質問には「10回以上出勤した」が41.6%、「3~9回出勤した」が9.9%という回答でした。
新型コロナウイルス対策によって、テレワークやペーパーレス化がより一層重視されています。
しかし、ニーズが高まっている一方で、ペーパーレス化への切り替えはほとんどできていないのが現状です。
freee株式会社の調査によると、企業においても紙書類の対応のためにテレワーク中でも出社するケースが多いことがわかっています。
テレワークは、多様な働き方を実現する上で欠かせない要素です。そのためにもペーパーレス化の導入は重要課題といえるでしょう。
参考:
自治体職員の 88.1%が書類の電子化を希望!新型コロナウイルス後の業務量の増加 36.9%
ペーパーレス化のメリット
では、ペーパーレス化導入のメリットをご紹介します。
ペーパーレス化のメリット1.コスト削減できる
ペーパーレス化の大きなメリットは、印刷費や紙代を削減できることです。
プリンターのメンテナンス費や電気代も節約できるので、会社全体のコストを抑えることにもつながるでしょう。
ペーパーレス化のメリット2.資料が検索・閲覧しやすい
紙の資料をデータ管理に切り替えることで、すべての書類データに検索をかけられるため、指定の書類や資料を見つけやすくなります。
また、外出先など場所や時間を問わず資料を閲覧できるのもメリットの一つです。
ペーパーレス化のメリット3.セキュリティを強化できる
紙で書類管理をしていると避けられないのが紛失のリスクです。
ペーパーレス化を導入することで、パスワードの設定やバックアップを取ることができるようになります。
これにより資料管理のセキュリティを高められるはずです。
ペーパーレス化のメリット4.環境保護につながる
ペーパーレス化を取り入れることで、日々の紙の消費量を抑えられます。
森林伐採による環境破壊を減少させられるので、環境保護につながる効果が期待できるでしょう。
ペーパーレス化のメリット5.テレワークを推進できる
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、多くの企業がテレワークを取り入れています。
書類の電子化を徹底することで、社員が出社対応せずに仕事を進められる環境を整えることができます。
ペーパーレス化は、テレワークを推進するためにも大きな効果があるといえるでしょう。
ペーパーレス化のデメリット
ペーパーレス化には様々なメリットがあることがわかりました。
その一方で、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ペーパーレス化のデメリット1.視認性が下がる
書類を電子化した際、多くの方が悩むのが資料の読みづらさです。
例えば、画面いっぱいに資料を表示すると文字サイズが小さくなってしまいます。
ペーパーレス化を進めていくときは全てを電子化するのではなく、資料の内容や使用用途・頻度によって、紙で管理するものと電子化するものを分けるのがおすすめです。
ペーパーレス化のデメリット2.システムの影響を受ける
ペーパーレス化を導入すると、システムやクラウド上で書類を管理することになります。
しかし、サーバーに問題が発生すると、書類の閲覧が難しくなるのがデメリットです。
突然のトラブルに備えるためにも、まめにバックアップを取っておくようにしましょう。
ペーパーレス化のデメリット3.導入の手間がかかる
ペーパーレス化の導入には、パソコンやタブレットなどのデバイスの手配や運用方法の設計など準備に手間がかかります。
自社の社員だけで導入を進めようとすると、通常の業務の負担になってしまうこともあるでしょう。
スケジュールに余裕を持って進めることが大切です。
また、自社だけでの対応が難しい場合は、代行サービスを利用するのもおすすめです。後ほど詳しく解説します。
ペーパーレス化の成功事例
実際にペーパーレス化を導入して成功した事例をご紹介します。
ペーパーレス化の成功事例1.企業
【概要】
株式会社サンライズは、数々のヒット作品を作り出しているアニメーション制作会社です。
約40年間で制作したタイトル数は300を超え、オリジナル作品も多く手掛けています。
【導入前の課題】
・紙を中心とした文化が根強く、特に役員会議での紙資料の数が膨大
・部署ごとに資料のフォーマットが異なり、会議直前まで整理作業に追われていた
基幹システムや制作現場ではIT化が進む一方で、会社全体には浸透していませんでした。
特に役員会議では約120ページの資料が配布されており、会議前には半日近くコピー機で作業をする必要がありました。
【導入後の効果】
こうした課題の解決のため、同社ではペーパーレス会議システムとiPadを導入。すると以下のような効果がありました。
・紙の消費量を減少でき、準備作業も軽減された
・会議のペーパーレス化を応用して、業務全体が効率化された
会議で使用する約3,000枚の紙資料をゼロにすることができました。また、準備作業は各部署から送られる資料データをアップロードするのみとなり、社員の負担軽減につながっています。
ペーパーレス化は、紙資料が必要不可欠だった採用・面接業務にも応用されました。時間や場所を問わず資料を確認できるようになり、業務フローの改善・業務全体の効率化を実現しています。
参考:株式会社サンライズ様導入事例 : ConforMeetingシリーズ | NEC
ペーパーレス化の成功事例2.自治体
【概要】
大東市議会事務局は、議会のスケジュール管理や、議案の審査など幅広い議会運営業務を行なっています。
【導入前の課題】
・議会を行う際に大量の会議資料を用意していた
同事務局では、段ボール箱がいっぱいになるほど大量の会議資料を議員に渡していたそうです。
また、本庁から送られる印刷物も約25部に及び、整理作業や管理が大変だったことが課題でした。
【導入後の効果】
周りの議会でペーパーレス化が進んでいたこともあり、課題解決のためにペーパーレス会議システムを導入した結果、以下のような効果がありました。
・ペーパーコストを削減できた
・準備作業の負担が軽減された
・会議運用の利便性が向上した
会議資料が減ったことで、会議前の整理作業が楽になったそうです。
また、タブレットを使用することで過去の会議資料の閲覧や資料のプレゼンテーションも簡単にできるようになり、生産性の高い会議運営を実現できています。
参考:大東市議会事務局|導入事例|iPadペーパーレス会議システム ECO Meeting
ペーパーレス化の進め方
では、ペーパーレス化を進める方法についてご紹介します。
ペーパーレス化の進め方1.社内で目的を共有する
ペーパーレス化は、会社全体の課題として取り組むことが重要です。まずはペーパーレス化を行う目的や目標を明確にしましょう。
部署ごとにコスト削減目標や業務改善目標を設けるのもおすすめです。
ペーパーレス化の進め方2.段階的に進める
ペーパーレス化はいきなり全社で導入するのではなく、部署やプロジェクト単位など部分的に導入するようにしましょう。
段階的に実践していくことで、細かな問題点や改善点が明らかにできるからです。
進め方や運用体制をしっかり整えていきましょう。
ペーパーレス化の進め方3.ツールやサービスを活用する
ペーパーレス化には、クラウドストレージをはじめとしたツールの活用が必要不可欠です。
容量やアカウント数によって使用料金が異なり、文書サイズによって適切なツールの選び方も変わります。
オンラインツールに慣れていない場合、自社内だけでペーパーレス化の導入を進めるのは難しいと感じる方もいるでしょう。
そのような場合は、ペーパーレス化の代行サービスを利用するのも一つの方法です。
ペーパーレス化に役立つツールとサービス
ペーパーレス化を導入するときにおすすめのツールやサービスについて詳しくご紹介します。
ペーパーレス会議システム
ペーパーレス会議システムとは、文字通り紙を使わず会議を進めるシステムのことをいいます。
PCやタブレットを用いて資料のデータ共有を行い、オンライン上でスムーズに会議を進めるためのツールです。
ツールによってクラウドやオンプレミスなどの提供形態があります。
【代表的なツール】
・moreNOTE
・スマートセッション
・ComforMeeting/e
・ECO Meeting
オンラインストレージ
オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保管するためのサービスです。
クラウドストレージとも呼ばれます。
写真や動画の保存、データのバックアップ、社内ファイルの共有などが可能です。複数のデバイスからのアクセスも可能なため、業務効率の向上にもつながります。
【代表的なツール】
・Dropbox
・Google Drive
・NotePM
オンラインアウトソーシング
自社だけでペーパーレス化を導入するのが難しい場合は、支援サービスの活用も視野に入れましょう。
オンラインアウトソーシング「HELP YOU」は、様々なスキルを持ったアシスタントがチームとなり、コア業務に集中できる環境作りをサポートするサービスです。
新たに「HELP YOUエンタープライズ」をリリースし、多くの企業が取り組んでいる業務のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)の導入サポートを行っています。
自社社員に負担をかけず、スピーディーにペーパーレス化・クラウド化を行いたい方におすすめのサービスです。
【サービス内容】
■IT化/DX化に向けた大量の業務をまとめてアウトソーシング
・データの入力/移行/集計(Google検索、作業形全般)
・データのリスト化
・情報のリサーチ
・画面キャプチャを撮り、指定の場所へ貼り付け
・関連ワードの紐付け作業
・資料ダウンロード、フォルダの仕分けと保存
など
【料金】
10万円(税抜)~/月 ※エンタープライズサービスは予算30万円〜
※業務内容や業務量に応じて変動。要お問い合わせ
まとめ
働き方改革の施行に伴うペーパーレス化導入の動きについて、メリット・デメリット、進め方を交えてご紹介しました。
多様な働き方を選択できる環境づくりを行うことが企業に求められています。
ペーパーレス化は働き方改革の一環としても大きな意味を持つ取り組みですが、導入には様々な課題があることも事実です。
特に自社内での導入にお困りの方は、オンラインアウトソーシングなどの支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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もしこれから業務効率化を検討するのであれば、ぜひ一つの方法としてHELP YOUを検討してみてはいかがでしょうか。
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