【マレーシア進出成功のポイント】商習慣や文化などの現地情報を押さえよう!

「マレーシア進出を考えているので、現地のビジネス動向を知りたい」
「マレーシアからゆくゆくはイスラム圏にも進出を検討しており、文化や商習慣についての情報がほしい」

そんな悩みや疑問を持つ“マレーシア進出”検討中の方はぜひ参考にしてください!

JETRO「2020年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)」によると、約23%の企業が「事業拡大を図りたい国・地域」としてマレーシアと回答。
その割合は2018年の約14%から10ポイント近く拡大しており、注目度の高さが窺えます。
こうした流れの中、マレーシア進出を検討している企業も多いのではないでしょうか。

今回は、マレーシア進出における基本情報を解説します

この記事を読むと、日本企業のマレーシア進出状況や、マレーシアでビジネスを展開するメリット・デメリットなどのリアルな情報を知ることができ、自社の海外進出に備えることができます

また、実際にマレーシアに進出する際に押さえておくべきリスクや、マレーシア進出を果たした実例も紹介するので、事前準備のイメージができるようになります
ぜひこの記事を活用してみてください。

 

日本企業のマレーシア進出状況

はじめに、マレーシアとはどういう国なのかを解説します。

マレーシアの概要

マレーシアは、首都をクアラルンプールに置く東南アジアの国の一つ。
自然あふれるマレー半島と、世界最古の熱帯雨林が広がるボルネオ島北部から成り立っています。

国土面積は日本より一回り小さい約33万㎢。赤道近くに位置し、熱帯雨林気候に属するため、国土の半分以上をジャングルが占めています。

マレー系、中国系、インド系、さらに多数の民族で構成される多民族国家で、公用語はマレー語ですが、中国語やタミル(タミール)語、英語もよく通用します。
人口のおよそ60%がイスラム教徒ですが、言語同様、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教、道教、シーク教なども信仰されています。

日本とマレーシアは2017年に外交関係樹立60周年を迎え、経済的・政治的なつながりも密接。
文化・留学生交流も活発に行われ、二国間関係は全般的に良好といえます。

マレーシアは古くから海上交通の要所、シルクロードの中継地点として栄え、マラッカ海峡での貿易を基盤とする国家として繁栄してきました。
現在は電気機器などの製造業や、天然ゴム、パーム油などの農林業、錫や原油などの鉱業分野を主要産業としています。

ASEAN加盟国として成長著しく、実質経済成長率は2019年で4.4%、一人当たりの名目GDPも1万ドル以上をマーク。
安定的な成長市場として、多くの日本企業にとって人気の海外進出拠点になっています。

マレーシア(Malaysia)
面積 33万290平方キロメートル(日本の0.87倍)
人口 3,275万人(2021年、出所:マレーシア統計局)
首都 クアラルンプール
人口:177万人(2021年、出所:マレーシア統計局)
言語 マレー語、英語、中国語、タミール語
宗教 イスラム教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教など
(出所:マレーシア統計局)
政治体制 立憲君主制

出典:JETRO「マレーシア 概況・基本統計

参考:外務省「マレーシア 基礎データ
マレーシア政府観光局「マレーシア基本情報

マレーシアに進出している日本企業

外務省「海外進出日系企業拠点数調査(2020年調査結果)」によると、2020年10月1日時点でマレーシアに進出している日本企業の拠点総数は1,230。
そのうち、日本企業の海外支店は62、日本企業が100%出資した現地法人は751、合弁企業が296、日本人が現地に渡って興した企業が109と、さまざまな形態でマレーシア進出を果たしています。
マレーシア進出企業の内訳を業種別に見てみると、最も多いのが製造業の624拠点。次いで卸売業・小売業が200、サービス業が103と続きます。

JETRO「2020年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、マレーシアでの今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業は約36%。「現状維持」が55%と、「縮小」「第三国へ移転・撤退」を大きく引き離しています。

マレーシアでのビジネス展開にメリットを感じている日本企業が多いといえるでしょう。

日本企業がマレーシアに進出するメリット

多くの日本企業が「事業拡大を図りたい国・地域」として注目し、現地でのビジネスも拡大・維持したいと答えるなど、マレーシア進出には大きな魅力があるようです。

なぜこれほど多くの日本企業がマレーシアに進出するのでしょうか。そのメリットを解説します。

メリット1.ビジネス環境が整っている

一つ目のメリットは、ビジネス環境が整っていることです。
法人を設立する際の手続きや契約・税制などの制度がスムーズに行える国の場合、異国でのビジネス展開のハードルが下がります。

世界銀行グループが発表した「Doing Business 2020」には、世界190ヵ国を対象に、事業活動規制などにかかわる10分野について各国を順位付けしたものがまとめられています。
これによると、マレーシアは12位を記録(日本は29位)。

従業員の雇用状況や登記行政の質、信用情報へのアクセスのしやすさ、納税の負担や制度の分かりやすさ、輸出入のコスト、司法手続の質などにおいて、日本以上にビジネスがしやすい国だと評価されているのです。

さらに、マレーシアでは人口が増加しており、生産年齢人口の割合が大きいことも見逃せません。
一人当たり名目GDP、経済成長率も安定して伸びており、今後ますます中間所得層が増えることが見込まれています。

整備されたビジネス環境は、大企業だけでなく、中小企業にとってもマレーシア進出や事業展開を容易にします
そこに購買力の増大・市場の成長見込みも加わり、マーケットとして非常に魅力的だといえるでしょう。

参考:外務省「マレーシア 基礎データ

メリット2.外資規制が少ない

外資への規制が少ないことも、マレーシア進出のメリットとしてあげられます。
規制が少ないため、外資系企業は比較的自由に事業を展開することが可能です。

たとえば、原則、民間企業に対する外国資本の出資比率は、所轄官庁のライセンスや許認可に付与された出資条件によって決まりますが、マレーシアにおいて、製造業、流通・サービス業では、一部を除き100%外資が認められています

また、外資系企業を積極的に誘致しており、特に奨励業種に対しては優遇措置も実施。
製造業や農業、R&D、職業訓練事業、環境保護に資する事業、ICT事業などに対して、法人税免除や投資控除などの優遇措置が設けられています

外資規制の緩和や各種優遇処置などは、海外進出を考える日本企業にとって強い後押しとなり得ます。進出先を決めるうえでも重要だといえるでしょう。

参考:JETRO「マレーシア 外資に関する規制
JETRO「マレーシア 外資に関する奨励

メリット3.日本への親しみがある

日本への親しみがあるのも、大きなメリットです。親日家が多いと日本企業にとってはビジネスがしやすいという利点があるからです。

マレーシアにとって、日本は特別な国だと考えられています。1957年のマレーシア独立後、初めて国交を樹立したのが日本です。
さらに、1982年にマハティール首相が「ルック・イースト政策(東方政策)」を提唱。日本人の価値観、倫理、道徳などの精神面を学ぶことで自国の産業発展、人材育成に積極的に取り組んできたのです。

こうした背景のもと、日本への理解が深く、日本語を話せる人が少なくないのもマレーシアの特徴です。
さらに、マハティール政権時にプラザ合意も重なり、多くの日本企業がマレーシアに進出したことも相まって、日本とのビジネスの実績も豊富

自社のサービスや商品を海外の人々に販売する場合、日本・日本人に対してよい感情を持っていることはプラスに働きます。
マレーシアでは日本人のメンタリティやモラルとともに、日本企業やビジネスも受け入れられやすい環境にあるといえます。

参考:JETRO「ルックイーストポリシー再興で、さらなる2国間関係の強化を期待(マレーシア)
Newsweek「マレーシアの若者たちに『日本人を見習おう』マハティール首相、ルックイースト再び

日本企業がマレーシアに進出するデメリット

反対に、マレーシア進出のデメリットも見てみましょう。

デメリット1.人件費の上昇

一つ目のデメリットは、人件費の上昇です。
現地でのビジネスコストの上昇は、海外進出の障害になり得るからです。

近年、マレーシアでは比較的賃金が低い外国人労働者を減らす方針が打ち出され、外国人労働者を雇用する際の年次雇用税負担を増やすといった動きがあります。
さらに、外国人労働者は数年で帰国するため、技術やノウハウが残らないという課題も重なり、外国人労働者からマレーシア人労働者に切り替える日本企業も増えてきています。

マレーシア人は人口が少なく、労働力があまり豊富ではないため、ある程度賃金を高めに設定しないと従業員が集まらないのが現状。
そのため、人件費の上昇が懸念されているのです。

現地で従業員の雇用を想定している場合、賃金や教育費など含めて、自社のリソースをよく見極めることが重要です。

参考:JETRO「アジアの労務コスト比較、意外に大きい賃金水準の地域差

デメリット2.マレー系優遇政策の影響

二つ目のデメリットには、マレー系優遇政策の影響があげられます。
マレーシアの民族や文化、政治と密接に関係した政策で、いまだビジネスにも少なからず影響を与えています。

多民族国家のマレーシアでは、先住民であり国民の約6割を占めるマレー人の多くは農業に従事し、経済活動は中華系の華人が取り仕切る傾向がありました。
加えて、マレーシアが国家として独立した後、華人系野党が台頭。経済だけでなく政治も華人に支配されるのではないかという危機感がマレー人の間で高まります。

そうした中で生まれたのが、マレー人の経済的地位の向上をめざすマレー系優遇政策「新経済政策」(NEP)です。

1971年に導入されたNEPは、経済格差是正だけでなく、外資規制としても機能していました。
しかし、2009年にナジブ・ラザク政権のもと、サービス産業と金融部門で外資規制を緩和し、投資促進策を導入。これを契機にマレー系優遇政策は緩和の方向に進んでいます

それでも、卸・小売業分野や流通業では規制やマレー系優遇政策の影響は根強く残っており、政治的な駆け引きも続いています。
現地の人たちや企業の中には、マレー人を優遇するような思考や政策も存在します。
歴史的・文化的背景も鑑みて、マネジメントには十分に注意する必要があります

日本企業がマレーシアに進出する際のリスク

ビジネス環境が整っており、親日的であるというメリットがある反面、人件費の上昇やマレー系優遇政策の影響があるなどのデメリットも存在するマレーシア進出。

実際にマレーシアに進出する際、そして現地でビジネスを展開する際には、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。

ハラル認証

先にも述べたように、マレーシアは多民族国家です。
その中で特に気を付けたいのが、マレーシア人口のうち約6割を占めるイスラム教徒におけるハラル認証です。

「ハラル」とは、イスラム教信者「ムスリム」が食べられる食品を指します。
イスラム法では「ハラル=合法」「ハラム=非合法」を意味し、その内容は聖典コーランで詳細に規定されています。
代表的なハラム(ムスリムが食べられないもの)としては、お酒や豚肉などがあげられます。

ハラル認証とは、対象となる商品・サービスがイスラム法に則って生産・提供されたものであることをハラル認証機関が監査し、一定の基準を満たしていると認めること。
認証機関がハラル認証し、食品などに認証マークを付けて流通することで、ムスリムがハラルな食品を判断できるようにする仕組みです。
ハラル認証は、対象商品の製造ライン(原料調達含む)単位で認められるのが基本です。そのため、加工食品や加工製品などは、“製造ライン”から認証を取得する必要があります。

ハラル認証には世界の統一基準がありません。
そのため、マレーシアでハラル認証を得るためには、マレーシア唯一の公式ハラル認証機関、マレーシア・イスラム開発局(Jabatan Kemajuan Islam Malaysia:JAKIM)の監査を受ける必要があります。
ハラルは日本では馴染みが薄いため、ハラル認証に苦労する企業が多いのが現状です。

前述したとおり、マレーシアはビジネス環境が整っており、外資に対する規制も少ないため、イスラム市場へのゲートウェイとしても注目されています
イスラム市場では避けて通れないハラル認証についてきちんと対応すれば、マレーシアを足場に、イスラム市場でのビジネスの発展も見込めます

そのためには、ハラルをはじめとしたイスラム圏の文化や商習慣など、現地の事情を確実に把握しておくことが重要です。
文化や商習慣、ビジネス環境をチェックし、動向を探るには、リアルタイムでの情報をキャッチし、分析することが不可欠。

しかし、コロナ禍の今、現地に渡っての情報収集は難しい……
そのような場合は、現地情報に精通した海外進出のサポートを受けるのも有効な手段です。

参考:一般社団法人ハラル・ジャパン協会「マレーシアのハラール認証『JAKIM(ジャキム)』とは
日本商工会議所「【最新海外事情レポート】マレーシアにおけるハラル事情(マレーシア)
農林水産省「国内ハラール認証取得企業のハラール食品輸出取組事例
JICA「今話題の『ハラール』を知ろう!

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マレーシア進出を検討している方は、まずはお気軽にご相談ください。

 

まとめ

マレーシア進出の基本情報やメリット・デメリット、リスクなどを紹介しました。

整備されたビジネス環境や親日であることなど、日本企業が進出しやすい条件がそろっているマレーシア。
イスラム市場への足掛かりとして進出するにはうってつけである一方、人件費の上昇やハラル認証へのハードルなど、ビジネスを展開するうえで難しい課題も併せ持っています。

日本とまったく異なる文化・環境・商習慣だからこそ、マレーシア進出を成功させるためには、徹底した現地調査と準備が必要です。

海外進出サポートサービスなどを上手に活用して、正しい情報を抽出・分析しながら、マレーシア進出成功への準備を進めていきましょう!

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