香港進出のメリット・デメリット|アジア市場へのゲートウェイとしての魅力に迫る!

「香港進出を考えているため、香港でのビジネス動向を知りたい」
「多くの日本企業がなぜ香港に進出をするのか、その理由を知りたい」

そんな悩みや疑問を持つ“香港進出検討中”の方はいませんか?

今や多くの日本企業が香港進出を果たしていますが、その理由・魅力とは一体何なのでしょうか?
今回は、香港進出における基本情報を解説します

この記事を読めば、日本企業の香港進出状況や香港でビジネスを展開するためのリアルな情報を知ることができ、自社の海外進出に備えることができます
また、実際に香港に進出する際の注意点と、香港進出を果たした企業の実例も紹介するので、取り組むべき準備をイメージできるようになります

香港進出を検討している経営者・担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

日本企業の香港進出状況

はじめに、香港とはどういう地域なのかを解説します。

香港の概要

香港は、中国南部、広州の南東130kmに位置し、香港島と対岸の九竜半島、周辺の大小230あまりの島々からなる地域です。
1889年から1997年までイギリスが中国から租借していたイギリスの旧直轄植民地であり、中国返還以降は「一国二制度」のもと、中国の特別行政区として行政長官が統治
「中華人民共和国香港特別行政区基本法」は、香港に高度な自治を認め、社会主義制度と政策を実行せず、従来の資本主義制度と生活方式を維持することを定めています。

東京都の約半分の面積に、700万人以上が居住しており、その人口密度の高さは世界トップクラス。90%以上が中国系の民族で、そのうち約60%が香港生まれの“香港人(Hongkongese)”と呼ばれています。
公用語は中国語と英語で、中国語は広東語と標準中国語(マンダリン)が多く使用されています。

主要産業は金融業・不動産業・観光業・貿易業など。
その景色の美しさと自由貿易のうえに成り立つ買い物の楽しみなどから、「東洋の真珠」とも呼ばれています。
世界屈指の貿易地であり、有数の金融大国でもあることから、多くの外資系企業が香港でビジネスを展開。日本企業の中でも人気の海外拠点となっています。

国・地域名 香港(Hong Kong)
面積 1,110.2平方キロメートル(東京都の約半分)
人口 747万人(2020年末)(出所:香港政府統計処)
言語 中国語(一般には広東語が多い)、英語
公用語:中国語、英語
宗教 仏教、道教、キリスト教
政治体制 中華人民共和国香港特別行政区

出典:JETRO「香港 概況・基本統計

参考:
外務省「香港 基礎データ
JETRO「香港 概況・基本統計
JETRO「2020年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)

香港に進出している日本企業

外務省「海外進出日系企業拠点数調査(2020年調査結果)」によると、2020年10月1日時点で香港に進出している日本企業の拠点総数は541。
そのうち、日本企業の海外支店は30、日本企業が100%出資した現地法人は413、合弁企業が34、日本人が現地に渡って興した企業が62と、さまざまな形態で香港進出を果たしています。

香港進出企業の内訳を業種別に見てみると、最も多いのが卸売業・小売業の257拠点。次いで金融業・保険業と学術研究、専門・技術サービス業が52、運輸業、郵便業が49と続きます。

JETRO「2020年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると、香港での今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」「現状維持」と回答した企業は80%以上。
香港でのビジネス展開にメリットを感じている企業が多いことが見受けられます。

また、近年香港政府はイノベーション・科学技術産業の振興に力を入れています。イノベーション・科学技術産業に携わる企業にとってもチャンスが広がっているといえるでしょう。

参考:
JETRO「香港 概況・基本統計

日本企業が香港に進出する理由

現在香港にビジネス拠点を置く日本企業の8割以上が、今後も香港での事業を拡大・維持していきたいと答えるなど、香港進出には大きな魅力があるようです。
なぜ多くの日本企業が香港に進出するのでしょうか?

その理由は、香港が中国やアジア市場へのビジネスゲートウェイとして位置付けられているからです。

2003年に、香港は中国本土との間に経済貿易緊密化協定(CEPA)を結んでいます。
CEPAは実物貿易における関税や非関税障壁の段階的な低減や撤廃、サービス貿易における段階的自由化などを目指す、中国版の自由貿易協定のこと。香港に進出している外資系企業も、地元の香港企業と同じメリットを享受できます
中国に対して香港企業と同等の優位性が付与されるため、中国ビジネスを重要視する企業にとって、香港は”中国のゲートウェイ”としての役割を担うのです。

また、高度な物流機能など、アジア市場へのゲートウェイとしてのポテンシャルの高さも見逃せないポイントです。
香港は、中国はもちろん、アジア各国の主要都市へ飛行機で約3~4時間で移動が可能です。上海やシンガポールに匹敵する世界トップクラスの港湾設備も擁しています。
航空貨物・海上貨物が集まるアジア随一のビジネスハブといえる香港は、中国だけでなくアジア全域でのビジネスチャンスをつかもうとする企業にとって、理想的な拠点といえるでしょう。

こうした環境を背景に、経済自由度の高い香港を、中国・アジア市場や海外進出の実験の場として、最初の進出国に選ぶ企業も多いようです

参考:
日本経済新聞「経済緊密化協定(CEPA)とは

日本企業が香港に進出するメリット

日本企業が香港に進出する理由を紹介しました。
ここからは、その理由をもう少し深堀りして、「中国・アジア市場へのゲートウェイとしての機能」にもつながるメリットを見ていきましょう。

メリット1.経済的自由度の高さ

一つ目のメリットは、経済的自由度の高さです。
経済的な自由度は、その地域がビジネスのしやすい環境であることの証です。

アメリカ・ワシントンに拠点を置くシンクタンクのヘリテージ財団が発表した「経済自由度指数(2019年版)」において、なんと25年連続で香港が“最も経済自由度の高い国・地域”に選定されています。
その自由度指数は、世界平均の60.8ポイントを大きく上回る90.2ポイントをマーク。特に「財産権」「取引の自由」「投資の自由」「経済的自由」で90ポイント以上を記録し、世界で最も柔軟性のある経済であることが評価されています

香港政府は長年に渡り自由市場原則を支持し、その原則は香港経済の基盤として機能しています。
開かれた香港の経済状況は、初めて海外進出に挑戦しようとする企業や、マンパワーの小さい中小企業でも海外で事業を展開することを可能にするのです。

参考:
JETRO「香港の経済自由度、25年連続で世界首位

メリット2.親日的な国民性

二つ目のメリットは、親日的な国民性であることです。
親日家が多いと日本企業にとってはビジネスがしやすいという利点があるからです。


出典:アウンコンサルティング株式会社「【世界10カ国の親日度調査】日本への好感度、日本旅行前の情報収集について

アウンコンサルティング株式会社が実施した「世界10カ国の親日度調査」アンケートによると、「日本が好きですか?」という問いに対して、香港では約96%が「大好き」「好き」と回答。
他の国に比べて、日本への好感度が高いことが分かります。

事実、日本とは経済的・文化的にも非常に緊密かつ有効的な関係を保っています。
日本との貿易も盛んで、日本からは主に通信・音響機器や電気機器などを輸出し、香港からは電気・電子機器や真珠・貴金属などを輸入しています。
また、華道や茶道などの日本文化の紹介や日本語能力試験、スポーツによる交流も頻繁に開催され、国費留学生も積極的に受け入れられています。J-POPやマンガ・アニメも人気があり、コンサートやイベントも盛んに開催されるなど、日本の文化にも非常に好意的です。

自社のサービスや商品を海外の人々に販売する場合、日本・日本人に対してよい感情を持っていることはプラスになります。
香港は日本文化や日本人に対して親密なため、日本企業やビジネスも受け入れられやすい環境だといえるでしょう。

参考:
外務省「香港 基礎データ
JETRO「香港 概況・基本統計

メリット3.分かりやすく簡素な税制

分かりやすく簡素な税制であることも、メリットの一つとしてあげられます。
香港の税制はシンプルで、税率も低く抑えられているため、外資企業が参入しやすい環境だといえるのです。

経営者の国籍を問わず、法人の事業所得税は、香港の中で行われた経済活動・貿易取引の集積が課税の対象です。株式の配当、キャピタル・ゲイン、認可銀行の預金の利子分は課税対象外。利益または収入のみが課税対象です。消費税や付加価値税なく、非常にシンプルで分かりやすい税制です。
CTC(Corporate Treasury Centre)制度による所得税の優遇や、研究開発費に対する税額控除など、税制の優遇措置も多数導入。政府が香港に財務統括拠点を設置する多国籍企業の誘致やイノベーション技術の推進に力を入れていることが分かります。

また、日本を含め、世界各国・地域との間で「二国間租税条約」「二重課税防止に関する合意」を締結。
これによって、日本・香港間で生じる二重課税を排除し、課税できる所得の範囲を定めることで、安全な取引を図ることができます

香港政府は、良好なビジネス環境を構築し、経済成長を促進するために、低税率で簡素な税制を維持し、政府の効率性を改善。自由な貿易制度の保護と、オープンな競争の場の構築を明言しています。
他国に比べて、税制上のハードルが低く、ビジネスを始めやすい環境だといえるでしょう。

JETRO「香港 税制」のページには、香港の主な税制がまとめられています。ぜひ参考にしてみてください。

参考:
JETRO「香港 税制

日本企業が香港に進出するデメリット

反対に、香港進出にあたってのデメリットも見てみましょう。

デメリット1.国土の狭さと人口密度の高さ

一つ目のデメリットは、国土の狭さと人口密度の高さです。
国土面積が狭いということは人口の増加が望めず、天然資源などに期待もできず、経済発展にとってマイナスになり得るためです。

先にも述べたように、香港の面積は東京都の約半分。そこに700万人以上が住んでおり、世界トップクラスの人口密度です。
200を超える大小の島からなり、国土の多くを山林が占めているので、人が住める地域やビジネス街は市街地に密集しています。

国土が狭いからこそ、貿易や金融立国として発展してきたのが香港です。
そうした状況の中で、自社が展開しようとしている商品やサービスが伸びていくのか、よく検討する必要があります

デメリット2.賃貸料の高騰

二つ目のデメリットは、賃貸料の高騰です。
国土が狭く、人口密度が高いため、不動産価格が高騰。そのためオフィスの賃貸料も世界トップの高さなのです。

2016年には、香港のビジネス街、中環(セントラル)がロンドンを抜き、世界トップのオフィス賃貸料になったことで話題になりました。2020年9月の時点でも、香港の中環がトップ。その額、1平方フィート当たり年間290ドル(約3万400円)ともいわれています。

高額な賃貸料を払い続けることができるのか、駐在員は配置できるのか、自社のリソースをよく見極めることが重要です。

参考:
日本経済新聞「オフィスビル賃貸コスト 香港首位、ロンドン抜く
日本経済新聞「JLL、『JLL 世界オフィス賃料調査』日本語版を発表

日本企業が香港に進出する際の注意点

経済的な自由度が高く、税制もシンプルで分かりやすいなどのメリットがある一方、国土が狭くオフィス賃貸料が高騰しているなどのデメリットもある香港進出。
それらを踏まえて香港進出を実行する場合、どういったことに注意すればいいのでしょうか。

実際に日本企業が香港に進出する際に検討すべきリスクについて解説します。

タックスヘイブン対策税制

一つ目の注意点は、タックスヘイブン対策税制です。
いくら香港の法人税率が低く、節税になるからと現地に拠点を設立しても、「タックスヘイブン」とみなされる可能性もあるからです。

タックスヘイブンとは、課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことで、租税回避地、低価税地域とも呼ばれます。
多国籍企業や富裕層が、法人税や源泉徴収税が皆無に等しいタックスヘイブンに資産を移し、租税回避するケースが多いのも事実です。

こうした不当な租税回避を取り締まるべく、日本にはタックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)という制度が存在します。
この税制が適用されると、税率が低い国で得た所得に対しても、日本側で合算課税されるという法律です。

たとえ租税回避を目的とせず、実態を持ってきちんとビジネスを行っている場合でも、この法律の適用を受けないように、いくつかの要件をクリアする必要があります

財務省「外国子会社合算税制の概要」には、タックスヘイブン対策税制に関する情報が掲載されています。
香港進出の際は必ず確認するようにしましょう。

香港国家安全維持法の影響

香港国家安全維持法の影響にも注意が必要です。

2020年、中国全人代は「香港の国家安全維持に関する法制度」(香港国家安全法)の制定を発表。これによって、香港の「高度な自治」が後退するとの懸念が上昇し、香港に拠点を置く企業はビジネスへの悪影響を危惧しました。

JETRO「第8回 香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」によると、香港国家安全維持法制定の影響について、約15%が「マイナスの影響が生じている」と回答。
懸念の理由として最も多かったのが「情報に制限がかかる恐れがあるから」との回答で、「香港の『法の支配』『司法の独立』が失われる恐れがあるから」「人材が流出し、優秀な人材の確保が困難となる恐れがあるから」と続きました。

今後の状況いかんでは、経済・金融への影響は限定的になる可能性もあれば、資金流出の圧力が高まる可能性も考えられます。また、海外投資家が投資を控える可能性も残存しています。
香港でのビジネス環境が大きく変化している中、今後の進出において動向を注視する必要があります

税制やビジネス環境をチェックし、動向を探るには、リアルタイムでの情報を獲得し、分析することが不可欠です。
しかし、コロナ禍も相まって現地に渡っての情報収集は難しい……
そのような場合は、現地情報に精通した海外進出のサポートを受けるのも有効な手段です。

参考:
みずほ総合研究所「香港国家安全法による経済的影響
JETRO「第8回 香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査

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香港進出を検討している方は、まずはお気軽にご相談ください。

 

まとめ

香港進出の基本情報やメリット・デメリット、注意点などを紹介しました。

経済的自由度が高く、シンプルで分かりやすく低い税制など、日本企業が進出しやすい条件が整っている香港
一方で、狭い国土による経済的発展へのマイナス面や、世界トップのオフィス賃貸料の高さなどのデメリット、タックスヘイブン対策税制や香港国家安全維持法など、ビジネスへの影響が大きい留意点も存在します。

香港進出を成功させるためには、変動するビジネス環境の情報をどれだけキャッチできるかが重要です。

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