働き方改革が提言されたのはなぜ?!企業として生産性を維持するための対応策はこれだ

「働き方改革」は「一億総活躍社会」をテーマとしており、国全体としての労働力確保を目指すだけでなく、労働者個人のやりがいを増し加えるという狙いがあります。

この改革が提言された背景には「労働人口(15歳以上65歳未満)の減少に歯止めがかからないこと」が挙げられます。

1995年の時点で8,700万人に上っていた労働人口は、2015年の時点で7,600万人余りとなっており、2050年には5,000万人を下回ると推測されています。この負のスパイラルを解消するための施策が緊急に必要とされているのです。

 

そこで、企業および国の労働力低下を食い止めるために提言されたのが「働き方改革」というわけです。

とはいえ、

「働き方改革ってそもそも何なのか分からない」

「会社にはどんな変化が起こり得るのか?」

「企業としての生産性を維持するための対応策はあるのか?」

といった疑問や不安を感じる人事担当者は少なくないでしょう。

そこで今回は、働き方改革の具体的な内容と各企業に及ぼし得る影響、および生じ得る課題とその対応策についてご紹介いたします。

 

働き方改革の具体的な内容とは

働き方改革の主要な柱としては

       ・「長時間労働の是正」

       ・「正規・非正規雇用の待遇均等化」

       ・「柔軟な労働スタイルの導入」

という3つのポイントが挙げられます。

過剰な労働時間を改善して生活にゆとりをもたらす

これまで日本の企業では「たくさんの時間働く人ほど勤勉で会社に貢献している人」として評価される風潮が少なからずありました。「24時間働く企業戦士」という考え方がもてはやされた時代もあったほどです。

とはいえ、過剰な時間外労働は心身両面の健康に破壊的な影響を及ぼす恐れがあり、過労死の原因ともなり得ます。結果として、各労働者の労働意欲や生産性を低下させるだけでなく、企業としての評判をも失墜させる危険をはらんでいるのです。

そこで働き方改革では、これまで各企業にある程度の裁量が付与されていた「時間外労働の上限」に関して以下のように明確な規定を設けています。

          ・原則として1カ月45時間、年間360時間まで。

          ・特別な事情がある場合は年間720時間までとする。

           ただし、100時間を超える月があってはならず、月平均80時間を超えてもならない。

時間外労働に関して明確な基準を持つ法整備がなされたことで、労働者の権利を守る意識および労働意欲が高まる効果が期待されています。

雇用形態に関わりなく待遇を均一化することで労働意欲を改善

2018年中期の政府発表によれば、国全体で正規雇用者は3,500万人、非正規雇用者は2,100万人とされています。つまり、全労働者のおよそ40%はパート・アルバイトあるいは派遣社員などの非正規雇用者として就業しているわけです。

働き方改革で取り組んでいるのは「雇用形態によらない均一の待遇提供」です。社会保険や各種手当の給付、キャリアアップサポートなど、これまでは原則として正規雇用者のみに提供されてきた待遇や支援をこれからは非正規雇用者も受けられるようにしようというのが主な狙いとなります。

労働スタイルの多様化により働きやすさを提供

介護や育児などを理由に優秀な人材が離職するケースを減らすため、働き方改革では企業に対して「フレックスタイム制」や「テレワークの導入」を推奨しています。テレワークとは、「これまで職場で行っていた業務を在宅で行えるようにする」というものです。

 

勤務時間や勤務場所に関する制約が少なくなることで、各労働者の働きやすさは格段に向上することでしょう。クラウドを活用することによってどこにいてもリアルタイムでデータの共有が可能となるため、在宅を認めることで作業効率が低下するというリスクもほぼありません

人材の採用に関しても多様性を持つ

柔軟な労働スタイルという点に伴って注目されているのが「ダイバーシティー(多様性)を念頭に置いた採用」です。

働き方改革では企業の規模に関わりなく多様性のある人材を採用することを推奨しています。具体的には、定年退職した高齢者の雇用や女性の管理職登用、さらには外国人の採用などが挙げられます。

 

働き方改革により対応が必要な内容

働き方改革の導入に伴い、企業には

       ・「残業時間の適切な管理」

       ・「均一待遇に関する基準の設定」

       ・「多様な働き方が可能となる就業規則の構築」

       ・「人材採用に関するルール策定」

などの対応が求められることになります。

時間外労働の上限遵守を徹底しなければならない

働き方改革に関連する法案では、時間外労働の上限を超えて業務に従事させた場合、事業主に対して明確な罰則が規定されています。ですから、会社は従業員各自の労働状況を正確に把握し、規定されている時間を超えてしまわないよう常に注意を払う必要があります。

「同一労働同一賃金」の実現が不可欠

雇用形態による不合理な待遇格差は罰則の対象となります。ですから、会社内の従業員がどのような形態で就業しているのか、それぞれの待遇はどのようなものかを把握しておくことが不可欠です。

皆勤手当や家族手当などに関して給付を受けている人とそうでない人がいる場合には、その理由を精査する必要があります。その根拠として合理性が確認できないのであれば、すぐに格差を是正する処理を講ずるべきでしょう。

多様な働き方に合わせて就業規則の改定が必要

フレックスタイム制度はこれまでの1カ月から適用期間が拡大されて最大3カ月までとなりました。新たにこの制度を導入する企業は、運用に関する手続きや管理方法に関して新たな就業規則を設ける必要があるでしょう。

テレワークを新たな就業形態として承認する場合も同様です。就業時間の管理方法や業務の評価などに関して新たな枠組みおよび規則を準備しなければなりません。

ダイバーシティーに対応できる採用規則を整える

これまで女性が管理職として就業したことがない会社や、外国人および65歳以上の高齢者を雇用したことが無い企業であれば、就業規則を大幅に見直す必要に迫られるでしょう。雇用規定や待遇などを新たに加えることで、大幅な内容の改定につながるケースもあります。

 

企業が抱える働き方改革による影響

働き方改革によって企業はどのような影響を受けるでしょうか。

主なポイントとして

       ・「総労働時間の減少」

       ・「賃金の総支払額増加」

       ・「就業規則改定に伴う業務」

という3つの課題に直面することが考えられます。

総労働時間減少により生産性もダウンするリスクあり

従業員の大半が毎月非常に多くの時間外労働をしているというケースでは、働き方改革の指針を遵守することで従業員の総労働時間が減少し、企業そのものの生産力がダウンしてしまうリスクが発生します従業員数が非常に少ない、あるいは代替要員が容易に確保できない企業ではその影響が顕著に表れるでしょう。

会社の生産性が下がると、それに伴って売上も減少していきます。結果として、従業員への給与支払いに悪影響が及び、労働意欲が下がってさらに生産性がダウンするという負のスパイラルに陥る可能性があります。

待遇の均一化で会社としての支払いが増加

正規雇用と非正規雇用の待遇差をなくすということは、多くの場合非正規雇用者に支払う賃金や手当を増やすことにつながります。つまり、人件費のコストが増大することで利益率を大きく圧迫するという可能性がある訳です。

会社の利益が減少すれば設備投資などに活用できる資金が少なくなります。また、株主への配当を縮小することなどネガティブな結果が連鎖的に起こるリスクが高まるのです。

多大の労力を要する就業規則の改定

ダイバーシティーによって労働者が多様化すれば、それに沿ってルール改正が必要となります。非正規雇用者の待遇変更に関しても同様です。

とはいえ、就業規則の改定は文言の作成だけでなく法務担当のチェックや株主からの承認など数多くのプロセスが関連しており、多大の期間と労力およびコストが伴う一大プロジェクトなのです。

 

課題の解決手段

働き方改革によって生じ得る課題の対応方法としては、

       ・「IT技術を使った効率化」

       ・「労働意欲向上を促す具体的な施策」

       ・「アウトソースの活用」

の3つが挙げられます。

IT技術を大いに活用して作業を効率化

これまでは紙媒体をベースとして、手書きで書類作成を行ってきた企業は少なくありません。こうした手間のかかる作業に関してデジタル方式に転換したり、AIを導入したりすることで、作業工数を減らして効率を上げることが可能となります。

デジタル署名が普及する中で、出退勤管理や有給の取得などに関してクラウドを介した申請を採用する企業が多くなってきています。社員向けセミナーをE-Learningで実施することにより、工数削減に成功しているケースも増えています。

企業間の契約書に関しても、デジタルフォーマットへ切り替えが進められており、働き方改革に対応した簡略化・効率化に大きく貢献しています。

働き方改革で損したと思わせない取り決めを作る

労働者の中には「残業時間が制限されて収入が減る」という視点を持つ人がいます。こうしたネガティブな見方は労働意欲を削ぎ、生産性が下がる要因となるでしょう。

これを打破するための対応策は「作業効率を上げると評価されて給与が上がる」という分かりやすい仕組みを作ることです。生産性や効率に関する評価制度を導入し、給与額あるいは特別手当という形で反映させるなら、業務への積極的な取り組みを促す結果となることでしょう。

生産性が向上すれば、必然的に会社の利益もアップします。会社としての売上が安定してプラスへ推移していけば、人件費やインフラの整備などで一時的に増大したコストに関しても容易にカバーすることができるでしょう。

アウトソースの活用

働き方改革への対応によって業務内容の増加が予想されるのは労務課や経理課、および法務課でしょう。従業員の労働時間管理に加えて、給与や手当の手続き変更などにも対処する必要があります。時間外労働の制約を守りつつこれらの新規業務を遂行するのは容易ではありません。

そこで便利なのが「アウトソースの活用」です。労務や経理、法務など各専門分野に特化したスペシャリストへ委託することで、作業効率を飛躍的に向上させることができます。外国語のエキスパートに業務対応を依頼することも可能です。

一例として、オンラインアシスタントサービスを提供する「HELP YOU」を取り上げましょう。経理積算業務から受発注管理に至るまで、迅速かつ質の高いサービスを提供しており、企業の継続利用率は驚異の97%を誇っています

採用率1%というまさにスペシャリスト揃いのアウトソーシングサービスを活用することで、作業効率に加えて業務の質そのものが向上したと感じるクライアントも少なくありません。

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働き方改革がうまく行った場合の状態

働き方改革が企業へポジティブに作用すると、

       ・「様々な分野でコストカット達成」

       ・「従業員の就業意欲増大」

       ・「企業価値の向上」

というような望ましい状態が見られるようになります。

不要なコストを削減して健全経営に貢献

作業の見直しとスリム化へ全社的に取り組むことになりますから、時間外手当の無駄な支払いを減らすことができるでしょう。また、テレワークを導入することで、交通手当を減らすことにも可能となります。

産業医によるバックアップのもと従業員のヘルスケアを徹底することで、休職者や離職者を減らすことに繋がります。これにより、人事・採用担当者の作業負担は軽減され、不要な時間外労働をカットできます。

このようにして幅広い分野でコストの削減が進むことにより、経営の健全化へと寄与することでしょう。

働きがいを感じる従業員が増えるはず

同一労働同一賃金の実現により、非正規労働者の仕事に対するやりがいはアップします。社内におけるキャリアパスが開けるというのも労働意欲のさらなる向上を促すことでしょう。

介護や育児などの責任を抱える人にとって、フレックスタイム制やテレワーク、時短勤務など就業形態の選択肢が増えることは朗報でしょう。好きな仕事を自分の生活リズムに合った働き方で続けられるというのは大きなやりがいにつながるはずです。

 

経営陣が先頭に立って業務の簡素化に取り組むことで、従業員からの信頼は強まります。結果として、会社に対する愛着ややりがいを高める効果が期待できます。

企業価値のさらなる向上につながる

ダイバーシティーの導入や高齢者の採用などを積極的に進めることで、企業の風土は熟成されて安定性を増していきます。従業員に対する待遇の良さや働きやすさは社内外で評判を呼ぶことへと繋がり、それは株主や取引先企業から寄せられる信頼や評価の向上へと貢献することでしょう。

 

まとめ

2019年4月より施行されている働き方改革は、企業と労働者の双方が「Win-Win」の関係となることを目指しています。とはいえ、それを実現するためには、企業がこの政策の詳細を十分に理解しておくことに加え、労働者の視点に立った取り組みを行なうことが不可欠です。

この改革によって生じ得る課題とその対応策を正しく把握しておくことも肝要です。これにより、変化に伴う短期的なリスクではなく長期的なメリットに目を向けることができるため、「働き方改革」という新たな枠組みをポジティブに捉えていくことができるでしょう。

 

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