スマートニュース松浦茂樹氏に聞く「生産性を上げる仕事術」

メディア運営において、「一人ひとりの生産性を上げるにはどうすれば良いか」は大変重要なテーマです。その疑問に答えるため、パラレルワークとメディア運営を両立している松浦茂樹氏と、メディア運営のバックオフィス業務支援を行うHELP YOUの秋沢崇夫によるトークセッション『本業に集中するための仕事術~メディア運営の生産性向上とパラレルワークの実現方法~』が行われました。

イベントテーマは3つ。
1.どうすれば生産性の高い働き方ができるのか?
2.メディア運営会社の生産性向上のノウハウは?
3.少ない時間でパラレルワークを実現するには?

これらのテーマに基づき、当日はトークセッションとQ&A(質疑応答)コーナーが設けられました。

松浦茂樹
スマートニュース株式会社
メディアコミュニケーション ディレクター

秋沢崇夫
オンラインアシスタント「HELP YOU」
株式会社ニット 代表取締役

トークセッション:本業に集中するための仕事術

秋沢崇夫(以下、秋沢): まずはメディア運営について、お話を伺います。

松浦茂樹氏(以下、松浦): いきなりですが、儲かるためならメディアに手を出すのはやめたほうがいいですよ。

「そもそもあなたはそのメディア運営を通じて何がしたいのか?」まずはそこです。その思いをメディアというツールを使って届ける。何の思いも乗らないメディアは、すぐに消えてしまいます。

そして、「この情報を誰に届けているのか?」頭の片隅にでも絶対に忘れてはいけません。ユーザーにとって価値のないメディアはいつの間にか消えてしまいますから。

秋沢: 価値あるメディアを育てるためにも、大量の仕事をコア業務・ノンコア業務に分ける必要があります。松浦さんはどのように判断していますか?

松浦: 数字をすべて可視化することが一番です。低いなら理由を考える、高いならアウトソーシングしてもいいとか、数字がすべての判断基準になります。数字が見えれば、何がコアバリューなのか外部への説明もつきやすくなります。

誰もが何でもやれる時代になったからこそ、大切なのはスピード感。だから、アウトソーシングはそんなに難しく考えなくてもやってしまえばいい。ためらうのは、自社でやっている業務が壊れるんじゃないかという不安ですよね。でも、例えば経理処理を外注したとしてその会社がダメになることは考えられません。

アルバイトに任せたら危険だとかセキュリティ面が不安という会社も多いですが、スピードを重視するならそんなこと言っていられないはずです。失敗したらリカバーすればいい。いかに権限委譲できるか。それができないトップダウンの会社はこれから厳しいでしょうね。

秋沢: ちなみに松浦さんがHELP YOUに依頼しているアウトソーシングにはどんなものがありますか?

松浦: 僕は自分がやらなくていい業務とやるべき業務をある程度一覧にしています。やらなくてもいい仕事としては、たとえば下調べ。Google検索でわかることは人に預けます。最終的なアウトプットは自分の言葉で行うので、それはやるべき業務です。

HELP YOUさんには、ある程度の方針だけを決めて会食の準備とかすべてお任せしています。あとはブログの下書きとかですね。自分のやるべき業務であるコミュニケーションではない部分です。

秋沢がオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」に依頼することができる業務内容を説明。
秘書業務だけでなく、営業事務、経理、SNS運用、ECサイト運用など多岐にわたる。

秋沢: 今日はパラレルワークにも興味がある方にもお集まりいただいています。松浦さんのように、様々な仕事に対して高いアウトプットを出し続けるにはどうすればいいのでしょう?

松浦: 自分なりのスイッチを決めておくことです。僕はアカウントのアイコンをソーシャルとプライベートで変えています。小さなことでも自己演出できれば勝ち。スマホ2台持ちで使い分け、とかでもいいと思います。これくらいのルールは、検索すると出て来ると思います。

それから、ノイズを入れるために、Twitterでは自分とあえて意見が違う人もフォローします。好きな人だけフォローするのは簡単です。でも、それだと第三者的な視点は得られない。物事は良い面、悪い面どちらも知っていないとアウトプットは出せません。

マンガや雑誌もいろんなジャンルのものをどんどん買いますし、いかに本業以外の情報を入れるか意識しています。

あとは徹夜しないとか、12時を過ぎて仕事しないとか、自分なりに「やらないこと」を決めています。寝ずに情報収集なんて精神がもたない。

パラレルワークにはノリも大切。リズム感を持って楽しむためのルールを作りましょう。本当になんでもいいんですよ。周りに言いふらすとか、ダイエットでもそうでしょ。ただし、ルールを決めすぎてストレスになってはダメですよ。健全な精神を保つことが大切です。

秋沢: 最後に、AIの時代についてはどうお考えですか?

松浦: 最終的に残るのはコミュニケーションでしょう。結局、生きるってコミュニケーションし続けることですよね。編集も映像も一体感を得るためにコミュニケーションが必要と思うんです。

だから、最初にもお話しましたが、「あなたはメディアで何がしたいのか」「何を誰に伝えたいのか」その正直な気持ちをはっきりさせましょう。その熱量がAIには出せない強みになります。淡々と伝えるのではなく、つたなくても届けたい思いがあるかどうか。それは上手い下手では計れません。

Q&A:参加者からの質問に、松浦氏が答えました


―――出版社向けのメディア営業のコツを教えてください。
数字を可視化する重要性はお話しした通りですが、出版社の例なら、その本や雑誌を何人の人に届けたいか。たとえば10万円のコートが掲載されている高級ブランド雑誌を買う人100万人を目標にする。そして100万人に届けられるようになれば、次の目標として110万人。新しい10万人はどこにいるのか? どうやって訴求するのか? そういう考え方をしていけばいいと思います。

―――メディアの売上げ目標はどうやって決めればいいのでしょう?
そのメディアにどれくらいの価値があるのかを見極めましょう。例えば、医療系のメディアを立ち上げるのには労力が入りますが、立ち上げさえすればかなり価値のあるメディアになります。何故かというと病気に縁のない人は、ほとんどいないからです。生命に近いほどメディアの価値は高くなります(もちろん倫理観を強く持たなければなりませんが)。

―――社会人向けの講座情報をメディアとして立ち上げたいのですが、プラットフォームには何を選べば良いですか?
アウトソーシングの話でも触れましたが、より時間を短縮できるものを選んでください。例えば、ブログを始めるのにわざわざWordPressを導入することで時間をかける必要はないし、課金システムを導入したいならnoteでいいわけじゃないですか。

―――メディアの告知方法で良いと思うものを教えてください。
有名人にお願いして告知してもらうのもひとつのやり方ですが、そこで注意すべきはメディアの信頼性が保たれるか、ブランドは担保できるか、それは誰が保証するのか、そこまで深掘りした告知方法を考えてみましょう。お金がなくて有名人を雇えない場合は、編集長自らが前に出るしかないですね。

―――メディアイベントの作り方、集客方法について教えてください。
そもそもイベントで集客できなければ、それはメディアとして成り立っていないと考えましょう。イベント集客数は1回目より2回目と、回を追うごとに増えていくものです。減るようならブランドとしての価値を見直しましょう。

参加者の感想

イベント当日は平日にも関わらず、多くの方が参加していました。質問コーナーではたくさんの質問が飛び交い、より深い内容について会場全体でシェアできました。

参加された方々からは以下のような感想が出ました。

・「やることを決める」が大事だと再認識しました!
・キャッチーなテーマで面白かったです。HELP YOU良いですね!
・エクセル苦手な事務員が事務をしているので全部取っかえた方が良さそうだと思いました。笑
・質問形式でとても興味深く話が聞けました。
・メディア運用に関するお話を期待していたが、松浦様のお話は興味深いものでした。
・メディアに関してあまり深い関りがありませんでしたが、メディアの世界をよく感じられました。

イベント終了後には名刺交換も行われ、参加者同士生産性向上に関する課題感を共有したり、意気投合する場面も。
今回は『メディア運営の生産性向上とパラレルワークの実現方法』にポイントを置きましたが、今の仕事をいかに生産性高く行うかを目標として掲げている人にとっては参考になる部分も多いのではないでしょうか。

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