【越境ECとは】重要ポイントは「事前調査」!市場規模、ECモール情報も解説

インターネットの普及やスマートフォン利用者の増加により、インターネット上での購買活動は一般的な買い物の手段になりました。
世界中でこうした動きが加速している中、多くの企業が注目しているのが国を越えたオンラインショッピング「越境EC」です。そのニーズは大企業だけでなく、中小企業やスタートアップ企業にも広まっています。

世間の流れに乗って、越境ECに挑戦してみようと考えている企業や担当者のために、今回は越境ECの基本情報を紹介します。

越境ECビジネスの現状はどうなっているのか?
市場規模や参入のメリットは?
どのような準備が必要なのか?

このような疑問にお答えしているので、ぜひ参考にしてみてください。

越境ECとは

はじめに、「越境EC」について簡単に説明します。

越境ECとは

ネットショッピングやインターネット通販など、インターネット上でモノやサービスを売買することをEC(Electric Commerce:電子商取引)といいます。
「越境EC」とは、国内だけでなく、国を越えてオンラインショッピングを行うこと。つまり、インターネットを通じて、海外の消費者に向けて日本の商品を販売するビジネス形態を指します。

多言語・多通貨に対応している通販サイトを自社で運営する他、海外のECモールに出店・出品し、海外消費者へ販売する形態も利用されています。

越境ECの必要性

2020年初春から猛威を振るい続けている新型コロナウイルス感染症は、日本だけでなく、世界経済にも大きな影響を及ぼしています。
渡航制限により、現地へ出向いての商談や事業展開などの海外進出へのハードルが高くなったことで、非対面型ビジネスへの需要が増加。従来のビジネスモデルの転換が求められる中で、海外向け販売の新たな手段として越境ECの活用が進んでいます

出典:日本貿易振興機構(JETRO)「2020年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)

JETROの調査によると、国内外での販売においてECを利用したことがあると回答した企業は33.3%。今後EC利用を拡大すると回答した企業は43.9%にのぼり、越境ECの必要性を強く感じている企業が多いことが分かります。
中でも、「今後EC利用を拡大する」と回答した企業のうち、大企業が28.5%、中小企業が46.7%を占め、特に中小企業でのEC利用拡大意欲が強いようです。

越境ECの市場規模

経済産業省の調査では、企業および消費者における電子商取引の市場規模や利活用動向などがまとめられ、越境ECを含めた電子商取引の発展・拡大による経済社会の変化や影響などが分析されています。

出典:経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査

それによると、2020年の世界のBtoC-EC市場規模は、4.28兆USドル、EC化率(全ての取引金額に占める電子的な取引金額の比率)は18.0%と推計されています。

世界的な新型コロナウイルス感染症拡大によりEC需要が増加し、市場規模・EC化率の増加につながったと見られています。
今後も市場規模の拡大・EC化率の上昇が予想されており、世界規模で小売り分野のEC化が引き続き拡大すると予測されています。

世界規模で拡大しているECですが、中でも大きな市場を抱えているのが中国とアメリカです。
2020年の国別のBtoC-EC市場規模のトップは中国の2兆2,970億USドル。アメリカが7,945億USドルで続きます。

次は中国・アメリカと日本の3ヵ国間の越境EC市場規模について見てみましょう。

出典:経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査

日本企業にとっても中国・アメリカは大きな市場です。日本の越境BtoC-EC(中国・アメリカ)の総市場規模は3,416億円。中国経由の市場規模は340億円、アメリカ経由は3,076億円にのぼります。

中国の越境BtoC-EC(日本・アメリカ)の総市場規模は4兆2,617億円、アメリカ(日本・中国)は1兆7,108億円を記録し、いずれの国の間でも市場規模を拡大しています。

越境ECのメリット

コロナ禍というライフスタイルの大きな変化もあり、拡大を続けている越境ECビジネス。成長を続ける市場とあって、多くの企業が越境EC市場に参入しています。
具体的に、越境ECにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

越境ECのメリット1.海外ユーザーを獲得できる

越境ECの大きなメリットは、海外ユーザーを顧客として獲得できることです。

少子高齢化により、日本の人口は減少しており、市場規模は縮小傾向にあります。
一方で、人口約14億人の中国や、6億人を超えるASEAN諸国、購買力の高い欧米市場など、世界の市場人口は拡大傾向にあります。

インターネットによるインフラが整えられ、どの国からも容易に市場にアクセスできるようになったということは、それだけの人々がEC市場に流入してくる可能性があるということ。海外ユーザーの獲得は、自社の利益拡大につながる大きなメリットといえるでしょう。

越境ECのメリット2.実店舗よりも低リスク・低コスト

越境ECはインターネットを介したビジネスのため、実店舗を海外に展開する必要はありません。そのため、海外に直接出店するリスクやコストが軽減できるのもメリットの一つです。

現地で実店舗を展開する場合、テナントの契約やスタッフの雇用、商品の流通など、さまざまな業務が発生します。
しかし、越境ECの場合、リアルな店舗を持たないので、在庫リスクや出店コストを抑えることが可能です。

越境ECの種類

海外ユーザーの獲得や、実店舗よりも低リスク・低コストで運営できるなど、大きなメリットがある越境EC。多くの企業が越境ECビジネスに挑戦しているのも頷けます。

実際に越境ECにチャレンジする前に、越境ECを活用するための情報を仕入れておくことも大切です。ここでは、越境ECの種類について紹介します。

越境ECは、ビジネスタイプによって大きく2種類に分けることができます。

  1. 越境EC自社サイトをつくる
  2. 越境ECモールに出店する

参考:
経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査

1.越境EC自社サイトをつくる

一つ目のタイプは、自社で越境ECサイトを構築し、運用するパターンです。

もともと日本で提供している自社ECサイトを多言語化したり、進出先の国で自社サイトを構築したりする方法があります。日本の自社ECサイトを流用する場合は、国際配送サービスなどを利用して商品を直送します。

自社で越境ECサイトを構築・運用する場合、Webサイトのデザインやシステムなどを自由に設計できることがメリット。サイト運営やブランディングをきちんとコントロールすることが可能です。

反対に、単独運営であるがゆえに、集客や宣伝のコストがかかる点はデメリットといえます。

2.越境ECモールに出店する

二つ目は、ECモールに出店し、商品を販売するパターンです。
日本国内の越境ECに対応したモールへ出店する方法と、現地のECモールに出店する方法があります。

国内のECモールに出店する場合、国内消費者を対象とした出品の延長線上で海外の消費者に向けて商品を展開できます。配送は国際配送サービスによる直送や、転送サービスを利用することが多いようです。

現地ECモールに出店する場合は、越境EC販売が認められているサービスを選ぶ必要があります。また、出店に際してECモール運営事業との交渉が発生するため、越境EC進出をサポートする企業を利用するケースが多いのも特徴です。

越境ECモールの利用は、自社で越境ECサイトを立ち上げる必要がない点がメリットです。
しかし、ECモールへの出店料・手数料などのコストがかかったり、競合他社との差別化が必要というデメリットもあげられます。

ここからは、代表的な越境ECモールを紹介しましょう。

BtoBの場合

  • SD export
    日本国内のメーカーと海外バイヤーが取引できるBtoBプラットフォーム。
    Webマーケットプレイスの強みである、複数の企業の商品をいつでもまとめて見られる点が多くの国の小売店に評価されており、そのマーケットは日々拡大を続けています。
  • Amazonビジネス
    多くの一般消費者も利用する個人向けAmazonサービスにビジネス向けの機能を加えたEコマース。
    複数ユーザーでの利用や、お得な法人価格、便利な請求書払いなど、ビジネス購買にぴったりの機能やサービスが活用できます。
  • Alibaba
    中国のEコマース企業Alibaba Group(阿里巴巴集団)が運営するBtoB-ECサイト。
    さまざまな業態のECサイトを運営していますが、BtoB-ECのシェアは世界でトップクラス。また、中国EC市場の中でも大きなシェアを占めています。

BtoCの場合

  • Amazon
    言わずと知れた世界有数のECサイト。世界中に2億人以上の有料会員を持ち、190万以上の企業が出店しています。
    越境ECで利用する場合は、日本の「Amazon.co.jp」ではなく、アメリカの「Amazon.com」での出品がおすすめです。海外のユーザーが購入する際に表示される言語の切り替えなどの手間などを省くことができます。
  • Tmall Global(天猫国際)
    Alibabaと同じくAlibaba Group(阿里巴巴集団)が運営するBtoC-ECサイト。中国国内で圧倒的なシェアを誇ります。
    Tmall Global(天猫国際)は、中国の小売業許可などを取得せずに出店・販売が可能です。Alibabaが直接輸入・販売するモデルと、企業が自ら出店するモデルが組み合わさっているのが特徴です。
  • JD Worldwide(京東国際)
    Tmall Global(天猫国際)に次ぐ中国越境ECシェアを誇るECサイト。
    独自の物流ネットワークによる配送スピードの速さと、正規品保証による商品の信頼性の高さが強みです。
  • Lazada
    東南アジアで最大級のECプラットフォーム。Tmall Global(天猫国際)と同様に、Alibaba Group(阿里巴巴集団)が運営しています。
    インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国で事業を展開。人口増加・市場拡大著しい東南アジアのEC市場で成長を続けています。

越境ECを始めるときの注意点

越境ECのメリットや、越境ECの種類などを見てきました。実際に越境ECに挑戦するイメージがわいてきましたか?

次に、越境ECを始めるときの注意点について解説します。

越境ECを始めるときの注意点
(1)適切な価格を設定する
(2)トラブル時の責任範囲を明確にする
(3)国ごとの法規制や関税への対応

越境ECの注意点1.適切な価格を設定する

一つ目の注意点は、適切な価格を設定することです。

一般的に、越境ECは日本から海外に向けて商品を発送します。そのため、国内への配送よりも輸送コストが高額になることを念頭に置いて価格を設定する必要があります。

現地の同業他社が取り扱っている競合商品の価格も検案すべきポイントです。競合他社と比較したときに、現地の消費者が選んでくれるような価格を設定しましょう。もちろん、価格だけでなく、機能や品質で差別化を図るなどの工夫も必要です。

また、為替や各種手数料を意識した価格設定も重要です。為替の変動によってフレキシブルに価格を変更したり、越境ECモールへの手数料などを考慮して、利益の出る価格を算出しておきましょう。

越境ECの注意点2.トラブル時の責任範囲を明確にする

トラブル時の責任範囲を明確にしておくことも非常に重要です。

海外向けの発送は、国内に比べて長い配送期間を要します。また、事業を展開する国や地域によっては、日本に比べて物流インフラが整っていない可能性があります。日本のように、配送サービスの品質がいいとも限りません。商品の紛失や破損、配送トラブルなどが起こるリスクが高まります。

配送だけではなく、海外発行のクレジットカードの不正利用など、決済時のトラブルも考えられます。

こうしたトラブルが起こった際の責任の所在を現地業者との間で明確にしておく必要があります。
同時に、荷物の流れが把握できる物流体制の構築や、決済トラブルが起こっても速やかに対処できる体制を整えておくことも大切です。

越境ECの注意点3.国ごとの法規制や関税への対応

国ごとの法律や税制、関税に対応できるよう、必ず事前に確認しておきましょう

国や出店する越境ECサイトによって、取り扱いが規制されている商品があります。食品や化粧品、医薬品などは特にその傾向が顕著です。

例えば、アメリカでは米国食品医薬品局(FDA)が定めたリストに掲載されている農林水産物や加工食品は、越境ECで取り扱いができません。
財務省関税局農林水産省のWebサイトには、輸出入が禁止されているものが掲載されています。ぜひ参考にしてみてください。

また、海外に商品を発送する際は、通関検査が必要です。商品の種類や金額によっては関税が発生する場合もあります。加えて、関税率は国によって異なります。

自社の商品・製品が分類されるカテゴリごとの関税と、現地の関税率は把握しておきましょう。
国際的な運送会社FedEx Trade Networksの関税率情報データベース「WorldTariff」で、世界各国の関税率を調べることができます。

法規制や税制度、商習慣などは、海外と日本で大きく異なるうえに、国や地域によっても違います。また、中国のように、法律や規制などが頻繁に改定される場合もあります。事前にしっかりとリサーチすることが非常に重要です。
現地に精通した情報が必要なため、リサーチを外注する企業も少なくありません。

自社だけでの対応が難しい場合は、海外調査サービスを使うのも有効な手段です。

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まとめ

越境ECの現状や市場規模、メリットや始める際の注意点など、越境ECの基本情報を紹介しました。

多くの企業がチャンスを見出し、挑戦を始めている越境EC。コロナ禍による巣ごもり消費の拡大やスマートフォンの普及などもあり、そのマーケットは拡大の一途をたどっています。
市場が世界に広がるからこそ、事前の準備は非常に重要です。特に、事業を展開する候補地でのトレンドやニーズ、商習慣やインフラ、法律・税制・関税など、現地の生の声をいかにリサーチできるかが、越境EC成功のカギといえるでしょう。

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