働き方改革4月施行、その背景と中小企業のとるべき方法は?

働き方改革4月施行

「24時間戦えますか」こんなCMがビジネスマンを奮い立たせたのは、バブル崩壊前夜の1991年。戦後の高度成長期からバブル期まで、がんばれ、働け、作れ、と企業戦士となった労働者は、一心に経済成長を追い求めてきました。

あれから30年近くを経て、ブラック企業やパワハラ、過労死など、労働問題が次々と表面化してきました。

そんな労働環境を改善するため2018年6月、国会で働き方改革関連法案が成立しました。2019年4月から順次、施行されます。働き方改革は大企業のみの問題ではなく、中小企業を含むすべての企業が取り組むべき課題です。

今後、働き方改革に着手しない企業は、労働問題に頭を悩ませることになり、企業としての成長や存続に影響が出るといわれています。企業は働きやすい環境づくりに向けて、何をやらなければならないのでしょうか。この記事では、働き方改革の背景から順に解説します。

働き方改革の3つの背景

働き方改革の3つの背景

働き方改革が急務である背景には、3つの要因があります。

1つには、日本の人口が減少していることです。
どのくらいのペースで減少しているかといえば、想像よりはるかに急加速で減少しているのです。

2つめに、労働生産性が低いことです。
日本は先進国の中でも労働生産性が低い、つまり人件費のわりに効率よく仕事を進められていないのです。

3つめに慣行ともなっている長時間労働です。
労働人口の減少に加え、生産性の低下、長時間労働と、労働の現場には問題が山積していることが明らかになってきました。

働き方改革の背景①労働人口の減少

政府がもっとも危機感を募らせているのが、労働人口の減少です。
当然のことながら、労働人口が減ると生産や消費も縮小傾向になり、経済成長が停滞してしまいます。

晩婚化やシングルの増加、医療の進歩による高齢者人口の増加などで、少子高齢化が急加速度的に進んでいます。

労働力の中心となる15〜64歳人口は、1995年をピークに年々減少し、2030年には今の30%減になると予想されています。
労働者人口が減ると、企業の生産活動が滞ることも考えられ、働き方改革が急務となっています。

■参考 総務省データ/我が国の人口の推移

働き方改革の背景②労働生産性の低下

にわかには信じがたいことかもしれませんが、日本の労働生産性は決して高くないのです。高くないどころか、先進国の中でも低いほうなのです。

ヨーロッパ諸国を中心に日本、アメリカを含む36か国の先進国が加盟する国際機関データによると、2017年の日本の時間当たり労働生産性は36か国中20位(OECD加盟国中)となっています。データが示すように、日本の労働生産性は先進国の中で見ても低いことがわかります。

■参考 公益財団法人日本生産性本部:労働生産性の国際比較2018

労働生産性とは、労働者一人当たりが生み出す成果、または労働者が一時間当たりに生み出す成果です。
労働の成果をその労働に注いだ従業員の数で割って求めることができます。
労働生産性=労働の成果÷労働投入量(従業員数または時間あたりの労働量)
労働者の成果を数値化した労働生産性は、国の経済成長の指標になるといわれています。

経済成長の指標となる労働生産性。その数値が低い原因には何がひそんでいるのでしょうか。日本社会独特の付き合いや根回し、無駄な会議に時間を費やしていないでしょうか。限られた時間を本当に必要な業務に使っているか、チェックしてみましょう。

・内部資料づくりに必要以上の時間をかけていないか
・つきあいで安値の仕事を受けていないか
・会議に時間をかけすぎていないか
・対価が見込めない業務に時間を割いていないか
・根回しや調査など、上司への説明のための情報収集に時間を取られていないか

これらのうち当てはまるものがあれば、改善の余地があると思われます。今一度、仕事の無駄を見直してみませんか。

働き方改革の背景③長時間労働

大手広告代理店に勤務していた社員が過労の末に自殺を図った事件は、大きな社会問題になりました。企業の利益を優先した結果、従業員が犠牲になるような働き方は、今すぐに改善していかなければなりません。

かつての日本には身を粉のようして働き、会社に身を捧げることが美徳とされてきた時代がありました。戦後の日本を復興し、経済大国に育て上げたのもかつての企業戦士たちです。
しかし、時代は変わりました。
成熟社会に突入し、今の日本に必要なのは、経済を持続発展させつつ、個人としての幸福も追求する社会であり働き方です。

働き方改革の目的

働き方改革の目的

働き方改革を行う目的は、「労働者にとっての働きやすさ」を実現していくことにあります。労働者一人ひとりの意思や能力に応じた柔軟な働き方ができる社会を目指しています。

企業にとっては労働力の確保

人手不足の記事が紙面に載らない日はないほど、日常的となっています。働く条件や環境が悪いと、せっかく雇用した社員が転職や離職で流出してしまい、企業活動に影響が出ます。働きやすい環境を整えることは、労働力の定着につながります。

国にとっては労働者増加による税収の確保

人口減で国の税収は減り続けています。一億総活躍社会を目指すことで、財源を確保する目的があります。

働き方改革の対応策

働き方改革の対策、柔軟な雇用

労働者人口の減少や、生産性の低さなど、今の日本は労働の問題を多く抱えていることがわかりました。それではこれらの問題にどう対処すれば、働き方改革が進んでいくのでしょうか。減る人口をどのように労働力に取り込んでいくのか、施策を考えてみます。

子育てや介護で職場を離れた人材の柔軟な雇用

一つには、現在働く意思はあっても環境が足かせになって働くことが難しい労働力を、柔軟に雇用するという方法があります。産休、育休の積極的な取得を厚生労働省が勧めていますが、大企業を除く中小企業ではまだまだ整備が進んでいないのが現状です。

せっかく能力があっても、育児のために退職せざるを得ないケースも多いのです。そんな労働力をテレワークやネットワークの活用で雇用する方法を取り入れる企業が、少しずつではありますが増えてきています。
テレワークやサテライトオフィスなど、ネット環境が整備されていれば、会社という場所に縛られないで働くことが可能です。

限られた時間内で成果を上げる

先進国の中でも労働生産性が低い日本。意識して生産性を上げていくことが必要です。そのために、業務の棚卸を行い、無理、無駄を洗い出し、リーダーを中心としたチーム編成を行うことが大切です。短時間で成果を出せるようなしくみに変えていくことが望まれています。年功序列が崩れた企業では、成果主義を取り入れるところも増えてきています。

働き方改革の課題

働き方改革の課題

働き方改革では、長時間労働の禁止や同一労働同一賃金など、働きやすい環境に変えていこうという方向性が、ともすれば微妙な問題となり得ることも考えられます。

人件費の高騰が企業を圧迫

働き方改革では、同じ労働に従事する人は、正規雇用、非正規雇用の別なく同一賃金にすることが盛り込まれています。しかし、企業にとって、人件費アップは死活問題にもなりかねません。また、労働者側にとっても正規雇用者のモチベーション低下にもつながりかねない難しい問題です。
一方で、若年層の非正規雇用者には、将来の人生設計の見通しが立てやすくなるメリットがあります。

残業時間の短縮で収入が減少

労働時間が制約されると給料が減るというデメリットが挙げられます。人手不足の中小企業では、残業時間も見込んでの給与体系になっているところが少なくなく、残業代を含んだ収入で生計を立てている人にとってシビアな問題です。

また、やらなければならない業務があるのに時間になったからといって退社すると、翌日に持ち越した業務がたまり、片付けるのに余計に時間がかかってしまう。キリのよいところまで残業したいと思っても、規則が許さないとしたら、ストレスになるでしょう。ダラダラとした残業やつきあい残業は非生産的ですが、理由のある残業まで規制されてしまうと、労働者の士気が下がってしまうことも考えられます。

働き方改革を推進するポイント

働き方改革を推進するポイント

大企業は2019年4月、中小企業でも2020年4月から、時間外労働に上限が設けられます。月45時間、年360時間を超える時間外労働には、企業が責任を負わされ、6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が課せられるのです。それまでに企業は、時間外労働がなぜ発生しているのか、その原因を探り、改善策を準備しておく必要があります。

経営者の意識改革

働き方改革の施行を頭ではわかっているものの、どこから手をつけたらよいのかわからない経営者も多いことでしょう。労働に対する意識は一人ひとり異なります。働く意識ややりがい、問題点などを社員にヒアリングして課題を洗い出しましょう。その上で、業務体制の見直しやチーム編成、問題解決に向けた策を考えていかなければなりません。

業務の棚卸・マニュアル化で生産性アップ

業務の棚卸をしてどこに問題点が隠れているのか探り出します。まずは作業の一つひとつを細かく分けた作業バラシをしましょう。このとき行っている作業を具体的に書き出していきます。ダブリや偏りが発見できるかもしれません。

・部署間で、同じような業務が二重発生していないか
・作業の偏りはないか
・無駄はないか

棚卸は、これまでのやり方を見直すチャンスでもあります。過去にミスやトラブルがあれば、その原因を探り改善策を加えるとよいでしょう。

部署間で情報共有できる共通のフォルダの用意など、システムの見直しや新設が必要になってくる場合もあるでしょう。

マニュアルは、作業の順序を画面キャプチャーしたものに説明を加えます。初めてその作業を行う人にもわかりやすい仕様にしましょう。

属人化からの脱却

この業務はAさんにしかできない。芸術家や音楽家は、それこそが商売のタネなので、そこは大事です。しかし、企業に属して仕事をしている限り、アウトプットは個人の成果物ではありません。

日本の中小企業では、仕事が人についているケースが多いのが現状です。仕事の属人化を防ぎ、誰もがクオリティを保って業務をこなせるよう、マニュアル化を進める必要があります。

働き方改革では、有給休暇の取得も義務付けられています。冠婚葬祭以外は有給を取れないという中小企業も多いでしょう。自分が休暇を取ったら代わりに業務のできる人がいないので、特別な事情がない限り休めないということも多いのではないでしょうか。こういった慣行も、マニュアル化を進めることで対処が可能になるでしょう。

ある程度の技術が必要な作業であっても、わかりやすいマニュアルがあれば、人の手を止めることなく、作業を覚えることができます。誰でもその作業に入れ生産性が上がります。

働き方改革の取り組み事例

働き方改革の取り組み事例

働き方改革とは、大企業のみの問題ではなく中小企業を含むすべての企業が今すぐ取り組むべき働き方の大変革です。働き方改革に着手しない企業は今後、労働問題に頭を悩ませることになり、企業成長も見込めなくなってしまう可能性があります。

ここで、働き方改革を導入して成果を出している事例をご紹介します。

有給休暇取得アップで売り上げもアップ

三重県にある医療品販売会社の株式会社エムワンでは、社内の有志で取り組みを始めた有給休暇取得作戦が功を奏し、職場環境もプライペートも充実し、売り上げも前年比230%もアップしたという成果を出しました。

同社の人事担当者は、働き方改革は、中小企業だからこそスピード感を持ってすぐに着手でき、結果が出るのも早いと話しています。

■参考 株式会社エムワン/働き方改革の事例
株式会社エムワン/働き方改革の事例

若者が働きたくなる環境を整備

三元ラセン管工業株式会社のユニークな取り組みをご紹介しましょう。企業にとって「人」は「人材」であり「礎」です。どんなにすばらしい製品でも「人」無くして作れません。残業なし、完全週休二日制にして社員の働く環境を整えたことで、若者が集まるようになりました。

また、残業ありきの納期をやめ、取引先にも納得してもらい無理のない納期の設定を行ったこともポイントです。これも顧客との普段からのコミュニケーションが円滑にとれているから可能になるのでしょう。とかく働き方改革と言えば、ツールの活用やしくみに目がいきがちですが、対顧客のコミュニケーション力も一つの方法であると認識させられる事例です。

■参考 三元ラセン管工業株式会社/働き方改革の事例
町工場が働き方改革に取り組んだ理由とその方法

働き方改革を推進するツール、サービス

働き方改革を推進するツール、サービス

人手不足に悩む企業では、便利なツールを取り入れるのも働き方改革の一つです。働き方改革が進む便利なツールやサービスが多く登場しています。その一部をご紹介しましょう。

「チャットワーク」でクラウドで打ち合わせが可能に

チャットワークは、ビジネスに特化したチャットツールです。LINEのようにチャット形式で気軽にコミュニケーションをとることができます。

クラウド上で行うので、時間と場所の縛りからフリーになります。働き方改革でも見直したいことの一つ、無駄な会議がなくなり、自分のペースで効率よく業務が進められると使い勝手は好評です。

1対1のやりとりも、グループでのやりとりのどちらにも対応しています。プロジェクトで複数の人員が関わっている場合は、メールでのやりとりよりも格段に利便性が高く、グループ内のやりとりを共有できるので連絡漏れにもつながります。

また既読機能がないので、自分のタイミングで確認することができます。仕事をタスク化したり、共有フォルダを表示させる機能も備わっていますので、利便性に富んでいます。

ビジネスが加速するクラウド会議室「チャットワーク」

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まとめ

働き方改革は、大企業はもちろん日本の企業の90%以上を占める中小企業にとっても、企業風土を変えるくらいの大きな変革です。まずは目の前の問題にしっかりと目を向けて、一つひとつ解決の方法を探りながら取り組んでいくことが大切です。働き方改革に近道はありません。働く人が100人いれば100通りの課題があり答えがあります。

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