ペーパーレス化とは?メリットや進め方を解説!成功事例もご紹介

新型コロナウイルスの感染対策や働き方改革を進める上で、これまで以上にテレワークに注目が集まっています。
その中で課題となっているのが書類対応による出社の必要性の高さです。
紙で運用していた書類業務をペーパーレス化に切り替えるのは容易ではありません。
しかし、ペーパーレス化によって会社全体の業務効率が向上したという事例も多数あります。
今回の記事は「そもそもペーパーレス化とは何かを知りたい」「導入を検討しているが何をすればいいかわからない」という方は必見です。
ペーパーレス化の意味や背景、メリット・デメリット、成功事例を紹介します。
また、進め方のポイントについても詳しく解説します。
目次
ペーパーレス化とは
そもそもペーパーレス化とは、どのようなことを指すのでしょうか?
ペーパーレス化が推進されている背景や、現状と課題について説明します。
ペーパーレス化の意味
ペーパーレス化とは、文字通り紙をなくすという意味です。
会社におけるペーパーレス化は、業務で発生するあらゆる文書を紙に印刷するのではなく、電子化ファイルとして活用することを指します。
日報や勤怠管理をクラウドシステム上で行うことや、Web会議を活用することもペーパーレス化を実現する上で重要です。
ペーパーレス化と働き方改革
ペーパーレス化が推進されている背景には、2019年4月1日から施行された働き方改革の存在が挙げられます。
ペーパーレス化を導入すると、書類の管理や確認、共有などの作業をオンライン上で一括で行えるため、効率的に業務を進めることが可能です。
働き方改革によって解決すべき課題の一つである長時間労働の是正にもつながる施策といえるでしょう。
また、書類の保存に関する規則を定める「e-文書法」や「電子帳簿保存法」の法改正も、ペーパーレス化を推進する取り組みの一環です。
商法や税法によって保管が定められている文書を、紙だけでなく電子データで保管することが可能になりました。
このように書類に関わる作業の利便性を一気に高める方法として、ペーパーレス化は多くの企業で取り入れられています。
ペーパーレス化の現状と課題
総務省が企業に向けて調査を行った「業務改革取組状況」の分析データによると、社内の業務改革として「ペーパーレス化を行っている」と回答した企業は全体の29.1%であることがわかりました。
引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc114620.html
また日本製紙連合会の調査によると、2000年以降はICT化の影響を受けて紙の需要が減少を続けていることがわかります。
引用:https://www.jpa.gr.jp/states/paper/index.html#topic01
インターネットの普及に伴い、パソコンやスマホでの閲覧が増えています。企業の業務においてもオンライン化・ペーパーレス化はより一層進んでいくでしょう。
一方で、次のような調査結果もあります。
freee株式会社が行った「テレワークに関するアンケート調査」によると、1~300名規模のスモールビジネス従業者の61.1%の方が「テレワークを許可されていない」と回答。
また「テレワークを許可されていても出社する必要がある人」は全体の8割を占めることがわかりました。
出社理由は「取引先から送られてくる書類の整理作業」が最多でした。その他の理由は以下のグラフに示したとおりです。
契約書、請求書、経費精算の申請書など紙書類の対応により、テレワーク中でも出社する必要が生じている企業がかなり多いことがわかります。
同様の理由からテレワークに踏み切れないという企業もあります。
テレワーク推進には、取引先と社内のどちらも紙に縛られないフローの構築が必要です。そのためにもペーパーレス化の導入は重要課題といえるでしょう。
参考:https://corp.freee.co.jp/news/telework_report202010.html
参考:https://www.cfo.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/04/release_200415.pdf
ペーパーレス化のメリット・デメリット
ペーパーレス化を導入するにあたり、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
ペーパーレス化のメリット1.業務効率化
ペーパーレス化のメリットの一つとして、業務効率化が挙げられます。
業務に関わる書類を紙で管理すると、共有するときに逐一印刷しなければなりません。また保管場所にしまったり、指定の資料を探したりする作業にも時間と手間がかかります。
ペーパーレス化により書類をデータ管理するようになると、保存しているすべてのデータに対して検索をかけられるため、素早く書類にアクセスできます。
会社にいる必要もなく、取引先・出張先など場所にとらわれず情報をチェックすることが可能です。
書類管理にかける時間が短く済むため、限られた時間で効率的に作業を進められるでしょう。
ペーパーレス化のメリット2.コスト削減
ペーパーレス化の大きなメリットは、紙や印刷にかける費用の削減です。
例えばオフィス用のプリンターで白黒コピーを行うと、一枚あたり3~4円のコストがかかります。
社員200名の会社で一人あたり一日平均5枚印刷すると、全体で3,000~4,000円。年間では82万8,000~110万4,000円のコストがかかる計算になります。
ペーパーレス化を導入することで、このような印刷コストを抑えることが可能です。
また、紙代や印刷代だけでなく、それに伴うプリンターのメンテナンス費用や電気代も節約でき、会社全体のコスト削減にもつながります。
ペーパーレス化のメリット3.環境保護
ペーパーレス化には、森林伐採による環境破壊を減少させ、地球環境を保護する目的もあります。
2015年の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(略称:SDGs)」の目標の中にも、ペーパーレス化につながる二つの目標が掲げられました。
・目標9
産業と技術革新の基盤をつくろう・目標15
陸と森の豊かさを守ろう
引用:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
ペーパーレス化を進めてることで紙の使用量を減らし、森林保護に貢献することができます。環境に配慮した企業として消費者や取引先からのイメージアップにもなるでしょう。
ペーパーレス化のデメリット1.システムの影響を受ける
メリットの多いペーパーレス化ですが、一方でデメリットもあります。
データ化した書類の管理システムそのものやネットワークに不具合が生じた場合、書類の閲覧や共有が困難になる可能性があります。
システムエラーが発生している間、思うように作業を進められず業務に支障をきたすこともあるでしょう。
突然のトラブルを想定し、事前に書類データのバックアップを取ることが大切です。また復旧措置についても対策を立てておきましょう。
ペーパーレス化のデメリット2.導入の手間がかかる
ペーパーレス化の導入にあたり、まずはパソコンやタブレットなどのデバイスを揃える必要があります。続いてネットワーク環境の整備、管理システムの導入・運用など、仕組みを構築するには手間がかかります。
規約や組織体制を整えることも大切です。早めに計画を立て、余裕を持って取り組みましょう。
ペーパーレス化の成功事例
実際にペーパーレス化を導入した企業の事例をご紹介します。
導入前の課題や、導入後の効果・メリットについてもまとめました。
ペーパーレス化の成功事例1.ガリバーインターナショナル(企業)
【導入前の課題】
・主要業務(顧客の受付、営業員の支援、車両検査、車両画像の提供など)のほとんどに紙が必要だった
・パソコンよりも紙のほうが使い勝手がいいため、ペーパーレス化を推進しきれていなかった
・紙に書くことでFAXを送る・パソコンに打ち直す作業が発生し、業務全体を通してみると時間と手間がかかっていた
【取組内容】
・iPadを導入してほとんどの業務をペーパーレス化した
受付票や車両検査の入力を紙ではなく、iPadアプリに置き換えるようにしました。
【導入後の効果・メリット】
・紙のコスト削減につながった
・業務プロセス全体の効率化が実現した
用紙の使用量は年間で約100万枚、1枚あたりのコストは4~5円なので年間約400万円のコストが削減できました。また、営業所への郵送コストも年間約1,000万円の削減を達成しました。
紙に記載するほうが楽ではありますが、iPadを利用することでFAXの送信やパソコンへの打ち込みといった作業時間が一気に短縮されます。
入力ミスを防ぎ、売り上げなどの情報をリアルタイムで確認できるなど業務全体のフローを改善することができました。
参考:https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20110418/359538/
ペーパーレス化の成功事例2.長野県長野市(自治体)
【導入前の課題】
・会議において使用される資料のため大量の紙が必要だった
・多大な手間(資料の配布等)とコスト(紙代・コピー代)を要していた
【取組内容】
・ICTの活用
・会議ルールの設定
資料データは原則A4の横版の書式で、指定のソフトウェアによって作成したものに限ることにしました。
【導入後の効果・メリット】
・紙の使用量とコストが削減され、会議の準備時間も短縮された
ペーパーレス会議を78回行った結果、約14万枚もの紙を削減することができました。印刷費用も約300万円の削減に成功しています。(カラーコピー代1枚21円で換算)
さらに、会議の準備時間も大幅に短縮されました。
従来の準備時間が1回あたり約2時間程度だったところ、ペーパーレス会議の導入後は多くて約30分以内、平均で20分以内に全ての準備が完了するようになりました。
参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000152619.pdf
ペーパーレス化の進め方
ペーパーレス化を社内で進めていくときのポイントを説明します。
ペーパーレス化の進め方1.目的を社内で共有する
一つ目のポイントは、会社全体の課題として取り組む意識を持つことです。
従業員が個人単位でペーパーレス化を進めても、大きな効果は得られません。
まずは社内でペーパーレス化を行う意義や目的を明確にしましょう。コスト削減目標や業務改善目標など、部署ごとに目標を定めるのもおすすめです。
社員で意識を共有し、ペーパーレス化への理解を得ることで、会社全体でペーパーレス化に向けた行動を取っていけるはずです。
ペーパーレス化の進め方2.電子化する書類を見極める
すべての文書をひとまとめに電子化するのではなく、範囲や優先順位を定めましょう。一部署やプロジェクト単位など、部分的にペーパーレス化を実践するのも方法の一つです。
ペーパーレス化にはコストも労力もかかります。あらかじめ業務プロセスを見直すと、よりスムーズに導入を行えるでしょう。
ペーパーレス化を部分的に実践することで問題点や改善点がクリアになるため、より効果的な体制を構築して全体に導入できるはずです。
ペーパーレス化の進め方3.ツールやサービスを活用する
ペーパーレス化を進めるために、タブレットなどの電子媒体や、クラウドストレージなどのツールを用意します。
文書サイズや使用感に合わせて適切なツールを選びましょう。具体的なツールについては後ほど詳しく解説します。
「これから作成する書類は電子化できるけど、これまで作成してきた紙の書類を電子化する時間や労力に余裕がない」
「電子化する上で発生するファイリングやラベリングといった諸作業に割くリソースがない」
このような悩みを抱えている方は、ペーパーレス化の代行サービスを利用するのも一つの手段です。
社内の人員のみでペーパーレス化を進めていくよりも、時間もコストも最低限に抑えることができるでしょう。
ペーパーレス化に役立つツール
ペーパーレス化を行う上で欠かせないのがツールの導入です。
どのようなツールを使えばいいのかわからない、という方はぜひ参考にしてください。
情報共有ツール
情報共有ツールとは、業務の進捗状況や顧客管理・社内コミュニケーションなど、業務に関するさまざまな情報を伝達・共有するためのツールです。
情報共有ツールを活用することで、仕事に必要不可欠な「報告・連絡・相談」を徹底することができます。
離れた場所で作業していても、資料や書類に関するやりとりを瞬時に行うことが可能です。
導入する際は、以下のようなポイントを重視して選ぶといいでしょう。
・社員全員がいつでもどこでも簡単に情報発信できる
・それぞれの情報をチーム内で共有できる
・リアルタイム性が高い
オンラインストレージ
電子化した書類を保管するために、クラウド上に保管場所を作る必要があります。
このような役割を果たすのにぴったりなのが、オンラインストレージサービスです。
ストレージサービスを利用することで重要データをインターネット上でひとまとめに保管できるため、社内で書類データを共有することが簡単になります。
電子化した書類の量やサイズに合わせた容量やアカウントの数によって、サービスの利用料金は異なります。
事前に使用状況を想定し、社内で利用するのに適切なサービスを選びましょう。必要機能やセキュリティ面の確認も重要です。
ペーパーレス会議システム
ペーパーレス会議システムとは、ネット環境を整備して、会議資料の共有・閲覧をパソコンやタブレットで行うシステムのことです。
Web会議と呼ばれる、オンライン上で会議やミーティングを行えるツールの導入もおすすめです。
これにより、会議に参加する人数に合わせて資料を印刷する必要もなく、オフィス・自宅・外出先など、好きな場所から情報共有が可能になります。
ツールによっては画面共有モードでPCの画面を見せたり、仮想のホワイトボードに書き込みをしたりして会議を行うこともできます。
導入に際してカメラやマイクが必要になることもあるので、様々なサービスを比較検討するといいでしょう。
ペーパーレス化に役立つサービス
社内のメンバーだけでペーパーレス化を進めるのが難しいという方には、代行サービスの利用がおすすめです。
オンラインアウトソーシング
【特徴】
・様々な人材が在籍しており、ご要望ごとに最適なチーム編成が可能
・豊富なリソース確保により迅速にチームを編成
・マニュアルを作成しながら業務遂行するため、ナレッジが蓄積できる
オンラインアウトソーシングは対応できる業務の幅が広く、派遣に比べて集中的に利用しやすいのがポイントです。チーム体制で対応するため、膨大な依頼も短期間で完了できます。
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自社社員に負担をかけず、スピーディーにペーパーレス化・クラウド化を行いたい方に向けたサービスです。
【サービス内容】
■IT化/DX化に向けた大量の業務をまとめてアウトソーシング
・データの入力/移行/集計(Google検索、作業形全般)
・データのリスト化
・情報のリサーチ
・画面キャプチャを撮り、指定の場所へ貼り付け
・関連ワードの紐付け作業
・資料ダウンロード、フォルダの仕分けと保存
など
【料金】
10万円(税抜)~/月 ※エンタープライズサービスは予算30万円〜
※業務内容や業務量に応じて変動。要お問い合わせ
まとめ
新しい働き方が求められている昨今、ペーパーレス化の導入は多くの企業が取り組むべき課題です。
働き方改革を推進していく意味でも、ペーパーレス化は非常に重要な取り組みです。ペーパーレス化で作業時間を短縮でき、業務効率が改善された実例が多数あります。
一方で、ペーパーレス化の導入には時間とコストがかかり、簡単に進められないのも事実です。
ペーパーレス化の必要性を感じつつも導入に踏み切れない企業の方は、オンラインアウトソーシングなどのサービスを検討してみましょう。
自社内の負担を減らしながら、効率的な労働環境の構築が可能です。
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